復職から3か月後、私はまた休職した|2回目の休職で出会った心療内科医
復職から3か月。
前日の夜には、着ていく服も鞄の中身も用意していました。
あとは朝起きて、家を出るだけです。
けれど翌朝、目は覚めても体が起きません。
何とか身支度をして家を出ました。
ところが、会社へ向かう気力が続かず、途中で引き返しました。
「また一緒か」
情けなかった。
3か月休んで職場へ戻り、働けたのも3か月です。
たとえ会社までたどり着いても、仕事ができる状態ではない。
自分でも、はっきり分かっていました。
それでも、「一度復職したのだから、もう休んではいけない」という思いを手放せません。
復職後、再び調子が悪くなっているのに、「また休んだら終わりだ」と自分を追い込んでいないでしょうか。
私も、同じでした。
この記事を読んでほしい人
復職後、再び会社へ行くことが苦しくなっている人
「また休んだら終わりだ」と自分を責めている人
今の心療内科に違和感があっても、変えることをためらっている人
私は会社員時代、心身の不調で2回休職しました。
今回は、復職から3か月後に再び会社へ行けなくなり、自分に合う心療内科と出会うまでの話です。
課長へ電話をかけた
1回目に会社へ行けなくなったときは、直属の上司ではない係長へ電話しましたが、今回は、課長へ直接連絡することにしました。
「今日は会社へ行けそうにありません。心療内科へ行きたいと思っています。ただ、前とは違うところを探したいです」
課長からは、「無理しないで。落ち着いたら、また状況を教えて」と返ってきました。
責められたわけではありません。
だからといって、気持ちが軽くなったわけでもありませんでした。
前回の休職から、自分は何も変われなかったのではないか。
電話を切ったあとも、その思いが残りました。
前とは違う心療内科を探した
1回目に通っていた心療内科へ、もう一度行こうとは思いませんでした。
私には、話を十分に聞いてもらえたという感覚がなかったからです。
体調を聞かれ、薬を出してもらう。
診察は、それで終わることが多かったように思います。
病気についての説明も、復職後の働き方についての話も、ほとんど記憶に残っていません。
私自身も、早く会社へ戻ることばかり考えていました。
前の医師が悪かったと言いたいわけではありません。
医師との相性もありますし、私から十分に話せていなかった部分もあったと思います。
ただ、私には合わなかった。
以前から、「次に受診するなら、別のところを探したい」と考えていました。
新しい心療内科は、インターネットと口コミで探しました。
条件にしたのは、次の3つです。
自宅から車で30分以内
体調が悪くても通い続けられる距離
予約制であること
有名な病院かどうかより、無理なく通い続けられるかを優先しました。
条件に合う心療内科を見つけ、まず電話で予約を取ります。
初診の日は、一人で車を運転して向かいました。
本当に話を聞いてもらえるのか。
前の病院と同じだったらどうしよう。
診察室へ呼ばれるまで、不安は消えませんでした。
「初めから話してください」
診察室へ入ると、医師は私に言いました。
「初めから話してください」
私は、会社で何があったのか、1回目の休職、復職後に再び仕事を抱え込んだことを順番に話しました。
うまく整理できていたわけではありません。
話が前後したところもあったと思います。
医師は、私の話をパソコンへ入力しながら聞いていました。
ずっとこちらを見ていたわけではありません。
ときどき顔を上げ、こちらを見る。
声の調子も、最初から最後までほとんど変わりませんでした。
話の途中で質問を挟むこともありません。
私がひと通り話し終えてから、いくつか質問がありました。
おそらく1時間ほどだったと思います。
大げさな励ましの言葉があったわけではありません。
ただ、自分の話を最後まで聞いてもらえた。
当時の私には、それが大きかったのです。
医師から聞かれたのは、病気の症状だけではありません。
「使える休暇はありますか」
「今は、休みたい気持ちが強いですか」
「会社には、自分で説明できそうですか」
休暇のことや、会社へ自分で説明できるかということまで聞かれました。
前の診察とは、そこが違いました。
診断結果は、
自律神経失調症、うつ病症状有
というものでした。
医師からは、まず休養が必要だと伝えられます。
以前の心療内科でもらっていた薬を見せると、「少し減らしましょう」と言われました。
薬は自己判断ではなく、医師の判断で見直すことになりました。
次の予約は1週間後です。
病気が治ったわけでも、仕事の問題が片づいたわけでもありません。
でも診察室を出たとき、私は少しだけ安心していました。
働けた期間も、これから休む期間も3か月
私は1回目の休職を終えたばかりで、使える休暇が残っていませんでした。
このまま休めば、欠勤になります。
医師からは、「早めに会社へ連絡した方がいいですね」と言われました。
私は課長へ電話をかけ、今の体調と医師から言われたことを説明しました。
課長からは「まずは休んでください」と返ってきました。
庶務係長と手続きを確認してから、もう一度連絡をもらうことになり、その後、診断書は郵送でよいと連絡がありました。
「今はゆっくり休んで、治してください」
復職したばかりなのにと、責められることはありませんでした。
新しい医師が書いた診断書には、まず3か月の休養が必要だと記されていました。
1回目の休職は、最初が1か月。
そのあと、さらに2か月延びました。
今回は、初めから3か月です。
復職して働けた期間も3か月。
これから休む期間も3か月。
診断書を見ながら、何とも言えない気持ちになりました。
また休むことになった落胆
これで少し休めるという安心
会社や家族への申し訳なさ
今度こそ職場へ戻れるのかという不安
どれか1つではありませんでした。
家族へ休職のことを伝えると、妻からは「そんな感じがしていた」と言われました。
自分では隠しているつもりでも、家族には伝わっていたのでしょう。
家族の言葉を聞き、私はただ申し訳なく思いました。
「まずは休養しましょう」
2回目の休職が始まっても、仕事のことは頭から離れませんでした。
課長からは、「仕事のことは気にしなくていい」と言われています。
それでも気になります。
自分が休んだあとの仕事は、どうなっているのか。
誰かに負担をかけていないか。
止まっている仕事はないか。
家にいても、考えているのは会社のことばかりでした。
1週間ごとの診察では、仕事だけでなく、家庭環境や家族のこと、普段の生活についても聞かれました。
趣味はあるのか。
休日をどのように過ごしているのか。
仕事以外に気になっていることはないか。
医師から繰り返し言われたのは、「まずは休養しましょう」という言葉です。
けれど私は、休み始めたばかりなのに、転職や退職のことまで考えていました。
このまま会社へ戻れないなら、別の仕事を探した方がよいのではないか。
いっそ辞めた方がよいのではないか。
そんな私に、医師は言いました。
「転職や退職は、今は考えないでください」
今の状態で、大きな決断をしない。
まず休み、そのあとで考える。
それだけでも、少し救われました。
さらに医師は、「生活の見直しをしていきましょう」と話しました。
気持ちを何とか保つだけではない。
仕事のやり方や休養の取り方も、具体的に考えていく。
薬を出して終わるのではなく、生活や働き方まで一緒に考えてくれる。
「そこまで一緒に考えてくれる医師なのか」
そう思うと、安心しました。
ただ、初診の日からすぐに信頼できたわけではありません。
1週間ごとに通い、1か月ほど経った頃です。
気持ちが少し落ち着き、診察でも具体的な話へ進むようになりました。
その頃になって、ようやく思えたのです。
前の心療内科を離れて、この医師と出会えてよかった。
今でも、そう思っています。
私が感じた、信頼できる心療内科の決め手
ここからは、あくまで私自身の経験です。
医師との相性や治療方針は、人によっても医療機関によっても違います。
そのうえで、私が「この医師なら話せる」と感じた理由は、3つありました。
話を遮らず、生活や家庭のことまで聞いてくれた
復職や転職、退職などの結論を急がせなかった
休養の仕方や仕事のやり方まで、一緒に考えようとしてくれた
中でも、一番大きかったのは、
この医師になら、自分のことを話してもよい
と思えたことです。
医師を変えることには、迷いがありました。
また初めから話さなければならない。
次の医師が自分に合う保証もありません。
でも合わないと感じたまま、同じ病院へ通い続けなくてもよかった。
今は、そう思っています。
もちろん、通院先や薬を変えるときは、自己判断ではなく、医師や医療機関へ相談することが必要です。
2回目の休職が決まった頃、私は惨めな気持ちだった
一度復職したのに、また会社へ行けなくなった。
結局、自分は何も変わっていなかったのではないか。
そんなことばかり考えていました。
けれど今振り返ると、2回目の休職をきっかけに前の心療内科を離れ、新しい医師と出会えたことは、大きな転換点です。
1回目の復職では、体調を戻して会社へ行けるようになることばかり考えていました。
仕事の抱え方も、人への頼り方も、休み方も変わらないまま、元の働き方へ戻ろうとしたのです。
そして、復職から3か月後に再び休職しました。
2回目の休職で、ようやく気づき始めます。
変える必要があったのは、体調だけではなかった。
仕事の抱え方や、休養の取り方も見直す必要があったのです。
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