いい選手は、どう育つのか〜自分で考える選手が大きく伸び続ける理由〜
はじめに
前回は、「上手い選手」と「いい選手」の違いについて書きました。
いい選手とは、技術が高い選手ではなく、チームの中で自分の価値を発揮できる選手です。
では、その「いい選手」はどのように育つのでしょうか。
私は35年以上サッカーに関わってきましたが、一つだけ確信していることがあります。
育成年代で一番怖いのは、ミスではありません。
考えることをやめてしまうことです。
今回は、「考える選手」がなぜ伸び続けるのか、その本質についてお話しします。
目次
技術より怖い「思考停止」
いい選手が持っている3つの思考習慣
指導者の役割は「教えること」ではない
親はプレーを変える人ではない
まとめ
1. 技術より怖い「思考停止」
伸びない選手に共通しているのは、技術ではありません。
一番の問題は、考えることをやめてしまうことです。
例えば、
・言われたことだけをやる。
・正解を待つ。
・失敗しないことだけを考える。
一見すると真面目な選手に見えるかもしれません。
でも、この状態では試合中に判断が生まれません。
サッカーは、監督がピッチの中で答えを教えてくれるスポーツではありません。
相手も、味方も、状況も、毎回違います。
その中で、自分で状況を見て、自分で判断し、自分で決断する。
それがサッカーです。
だから育成年代で一番育てなければならないのは、技術だけではありません。
「自分で考える習慣」です。
失敗は、次の成長につながります。
でも、思考を止めた瞬間、成長も止まってしまいます。
2. いい選手が持っている3つの思考習慣
伸びる選手には共通する習慣があります。
① 意図を持ってプレーする
「何をしたか」ではなく、
「なぜ、そのプレーを選んだのか。」
を考えています。
たとえミスになっても、意図があれば次に修正できます。
でも、何となくプレーしていると、改善することもできません。
② 失敗を修正材料にする
いい選手は、ミスを恐れません。
もちろん悔しがります。
でも、
「次はどうすればいいか。」
を考えます。
反対に伸びない選手は、
「怒られた。」
で終わってしまいます。
失敗は終わりではありません。
次のプレーを良くするための材料です。
③ 練習を試合として取り組む
練習は、メニューをこなす時間ではありません。
試合でできるようになるための準備です。
だから、
一本のパス。
一本のシュート。
一本の守備。
そこに試合と同じ意識を持っています。
練習で妥協したことは、試合でも妥協します。
逆に、練習でこだわったことは、試合でも自然と出てきます。
この3つに共通していることがあります。
それは、
「自分のプレーに責任を持つこと」
誰かのせいにしない。
環境のせいにしない。
自分で考え、自分で改善する。
だから、環境が変わっても伸び続けられるのです。
3. 指導者の役割は「教えること」ではない
指導者は、つい答えを教えたくなります。
その方が早いからです。
でも、本当に育てたいなら、答えよりも問いを増やした方がいいと私は思っています。
例えば、
「何が見えていた?」
「他に選択肢はあった?」
「次ならどうする?」
この問いが、選手の思考を動かします。
反対に、
「こうしろ。」
だけでは、自分で考える力は育ちません。
もちろん、技術を教えることも大切です。
でも、それ以上に大切なのは、
考えるきっかけを作ること。
それが指導者の一番大きな役割だと思っています。
4. 親はプレーを変える人ではない
保護者の皆さんも、子どもの成長を願っているからこそ、ついアドバイスをしたくなることがあると思います。
でも、私は親の一番大切な役割は、プレーを変えることではないと思っています。
試合の帰り道、
「あそこはシュートだった。」
「あそこでパスしないと。」
そう伝えるよりも、
「今日は何が一番楽しかった?」
「何にチャレンジしたの?」
そんな会話の方が、子どもは自分で振り返るようになります。
技術を教える人は、コーチがいます。
でも、
安心して失敗できる場所を作れるのは、家族です。
子どもは、
「失敗しても大丈夫。」
と思えるからこそ、新しいことに挑戦できます。
親はプレーを変えることはできません。
でも、
挑戦できる環境は作ることができます。
それが、子どもの成長を長く支える力になると思っています。
5. まとめ
私は、「いい選手」は才能で決まるものではないと思っています。
考えることをやめないこと。
失敗から学ぶこと。
自分で改善すること。
その積み重ねが、長く伸び続ける選手を育てます。
だから育成年代で本当に育てたいのは、
ドリブルでも、
シュートでも、
リフティングでもありません。
「自分で考えられる選手」です。
その力は、サッカーだけではなく、大人になってからも必ず財産になります。
次回は、「練習は何をやるかではなく、何のためにやるか」をテーマに、リフティング、ロングキック、アジリティなどを例に挙げながら、練習の本当の意味について考えていきます。
試合に出られない時期、親は何を言えばいいのか。
励ましたつもりの言葉が、逆に子どもを苦しくさせることもあります。
以下の記事では、35年以上サッカーと向き合ってきた経験から、
声かけと距離感について具体的にまとめています。
悩んでいる保護者の方に、届いたらうれしいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
私は大学職員として人の成長に関わりながら、35年以上サッカーと向き合ってきました。
このnoteでは、サッカーを通して、人や組織がより良く成長するための考え方を発信しています。
「上手い選手より、いい選手を育てたい。」
そう感じていただけたら、ぜひフォローして次回も読んでいただけると嬉しいです。
いつでも心に太陽を🌻
最後の最後に
noteでは書いていない話
サッカーの育成について考える時、どうしても自分と息子のことを思い出します。
良かれと思ってかけていた言葉。
成長してほしくて期待していたこと。
でも振り返ると、それは本当に息子のためだったのか。
親の期待を、知らず知らずのうちに背負わせていたのかもしれない。
そんなことを考えるようになりました。
この話は少し重くて、noteではほとんど書いていません。
だから今回、サッカー少年の親として感じた後悔や反省、そして今だから伝えたい息子への感謝を、一冊の本にまとめました。
育成の正解を書いた本ではありません。
子どもを思うからこそ迷う、ひとりの親の物語。
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