ペロペロ星人
地球はペロペロ星人に支配された。
人類最大の悲劇。
混乱に次ぐ混乱。
それでも、数年も経つと、世界には秩序ができつつあった。
ペロペロ星人に近づいて、取り入った者。
反抗して、命を落とした者。
絶望して、自死した者。
そして、多くのヒトは現実を受け入れていた。
私は犯罪者として、狩猟区に配置された。
自然の動物と同じ扱いとなった。
よりによって、ヒグマが生息する知床だ。
ヒグマに襲われた者。
鹿にどつかれた者。
海に身を投じた者。
そして、バイタリティある者が生き残っていた。
持ち込んだ食料も底をついた。
いよいよ、食べるものを調達しなければならない。
拾った網でなんとか捕まえた魚を、みんなで食べたときは盛り上がった。
だが、そんなラッキーは続かない。
山菜ばかりでは、腹がもたない。
生産されない社会が当たり前になった。
ヒトが食べられるものは底をついているだろう。
それでも、街に行けば、昔の食料がいくらか残されているはず。
お腹を壊すかもしれないが、懐かしい味にありつきたい。
ペロペロ星人は動物の肉を好む。
ただし、豚は食べない。
神様のように崇めている。
人の肉も食べるが、美味しくはないようだ。
羅臼の街に入り、食料探しをすることに決めた。
ヒトがまだどのくらい住んでいるのか。
ヒトに会えば、食料を分けてくれるかもしれない。
できれば、そのまま街に住みたい。
どのくらい現実的なのか。
想像もつかない。
過去、街に向かった者もいた。
狩猟区を超えた生物は殺処分される。
殺されたのか、どこかで生き延びているのか。
どのみち、ここにいても、明るい未来はない。
ヒグマに食われる運命だ。
襲われて食われるか、餓死して食われるか。
一縷の望みをかけて、街へ向かっていた。
そのときだった。
ペロペーロ、ペロペーロ。
嘘だろ。
ペロペロがここまで来るなんて。
私は仲間に聞こえるように、大声で何度も叫んだ。
みんな、逃げろ!
逃げるんだ!
豚鼻だ!
豚鼻を鳴らすんだ!!!
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