#106🎬️『バレッツ L'immortel』とマルセイユの記憶|愛情や信頼の不均衡が生む歪みをみた
2010年代半ば。フランス全体でテロへの警戒が高まっていた時期、
パリを避けて、マルセイユ・プロヴァンス空港 からフランスに入ったことがある。
しかし、マルセイユも欧州の港湾都市として、犯罪のイメージも語られることがあり、
密入国や武器流入のルートになりやすいという話も耳にしていたため、
マルセイユには留まらず、目的地のモンペリエまですぐさま向かった。
あの状況で観光するほど、楽観的ではなかった。
ゆっくり歩けなかったマルセイユの街が、作中ではとても美しく映っていた。
愛する者を守るため、男は再び戦うことを決意する。
22発の銃弾を受けながらも奇跡的に生き残ったマフィアの実話を元に映画化。
友情も約束も、取引も、
自分がいて、相手がいて成り立つ。
その根底には愛情と信頼が存在する。
それらが同じ熱量でなければ、
我慢するか、調整するか、距離を置くか。
でも、どの関係においても、
完全に対等でいることは難しい。
そこに怒りを抱くか、悲しみを感じるか、
それを裏切りと取るか、抗えない変化と取るか。
対等であることを願ってしまうかもしれないけれど、
不均衡は必ず生まれるし、放置すると歪みになる。
それを、極端な形で見せつけられた。
理想は理想。
現実は、どう歩み寄るか。
その意識を双方が持てるかにかかっている。
人と人の関係は、なかなか難しい。
観る側に未来を委ねられるあの余韻が、怖い。
⬇️殺し屋がダンス
