「飛ばないように」と「崩れないかな」が、同じ日に|50代おひとりさまの、台風前の備えと小さな不安
朝から、ずっと雨だった。
週末にかけて、台風が近づいてくるらしい。
そう聞いてしまうと、じっとはしていられない。
雨の中、実家まで車を走らせた。
前の台風のとき、
ご近所にご迷惑をかけてしまったから。
あのときは、実家の外まわりにあった軽いものが、
いくつか飛んでいってしまった。
お詫びに伺ったら、
「お互い様」と笑ってくださったけれど。
同じことは繰り返したくないから、
早めに、もう一度ちゃんと確認しておきたかった。
実家の外を、ぐるっと見て歩く。
放っておくと飛びそうなものを、
ひとつずつ家の中に入れていく。
少しの雨に濡れながら、ペットボトルや、
軽い植木鉢のようなもの。
「飛ばないように」
口の中で、ぽつりとつぶやいた。
その足で、桃農家さんのところへ向かった。
前にお願いしていた贈り物の桃。
今度送る用の伝票も持っていく予定だった。
桃農家さんは、実家から少し離れた山の中にある。
雨の中、細い山道を走った。
途中、両側の斜面を見ながら、ふと思った。
ここ崩れないかな。
そんな心配をしながら、桃農家さんに着いた。
伝票を渡して、来週からはまた新しい品種が
出はじめると教えてもらった。
桃の季節は、これからが本番。
そんな話を聞いていると、
不思議と少しだけ気持ちが落ち着いた。
私の不安と、桃の話は無関係なのに。
家に戻ったあと、何度かスマホの緊急速報が鳴った。
うちはマンションのあたりは大丈夫。
もう少し山に近いところでは、
土砂崩れの心配があるらしい。
さっき山道で、ぽつりと思った言葉が
また戻ってきた。
「飛ばないように」と「崩れないかな」。
別の場所での、ぜんぜん違う不安が、
同じ日に。
自分にできる小さな備えと、
どうにもならない大きな自然と。
そのあいだに立って、
ぼんやり雨の音を聞いている。
明日は桃を届けに行く予定。
今年も喜んでくれるかな〜
最後まで読んでいただき、
ありがとうございます。
こういう日々のことを、
これからも少しずつ書いていきます。
よかったら、
また読みに来ていただけたら嬉しいです🌿
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