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見出し画像

動画の自動再生がされない|止めているのは見る側、検索の見出しも選べない

    会社案内の動画を作りました。
    トップページを開いたらすぐに流れるようにしたい、と制作会社に伝えて、自動再生の設定をしてもらいます。

    自分の画面では流れます。
    ところが、社内の何人かからは動かないと言われます。
    止まった画像が出たままだ、という話です。

    設定は入っています。
    止めているのは、見ている側です。

    この記事では、自社サイトの出方のうち、こちらでは決められないことを2つ扱います。
    1つは動画の自動再生、もう1つは検索結果に出る見出しです。

    先に、調べていていちばん意外だったことを2つ書いておきます。

    1つ目は、音があるかないかで扱いが変わることです。
    音声トラックを持つものは止められますが、音の無いものは自動再生のブロックの影響を受けない、と書かれています。
    動画を作る前に知っておくと、企画そのものが変わります。

    2つ目は、検索結果の見出しをこちらで決められないことです。
    Googleは、こちらが書いたタイトルを含む9つの材料から、見出しを自動で作ると書いています。
    手で変えることはできない、とも明記されています。

    この記事は、MDN Web Docs 日本語版の「メディアおよびウェブオーディオ API の自動再生ガイド」(最終更新2025年9月12日。コミュニティーの尽力で英語から翻訳されたページ)と、Google 検索セントラル日本語版の「Google 検索結果のタイトルリンクの変更」(最終更新2025年12月18日)をもとに、2026年9月時点の内容にしています。


    自動再生を止めているのは、見る側のブラウザー

    ページ側が指定しても、見る側が止める

    MDNの解説に、こう書かれています。

    ページが読み込まれると、すぐに音声(または音声トラックを含む動画)の再生を自動的に開始されることは、ユーザーにとって歓迎されない驚きです。 メディアの自動再生は便利な目的に役立ちますが、注意して必要なときにだけ使用してください。

    理由も書かれています。

    ユーザーの観点からは、警告なしに自発的にノイズを発し始めるウェブページまたはアプリは、耳障り、不便、または気まずいものになる可能性があります。

    会議中に開いたら音が鳴る、という事故を防ぐためです。

    ここで押さえておきたいのは、これが不具合ではなく設計だということです。
    ページ側が自動で再生すると書いていても、見る側のソフトが止めます。
    制作会社に何度言っても直らない類いのもので、直すとすれば、止められない形に作り替えるしかありません。

    音があるかないかで、扱いが変わる

    いちばん実務に効くのがここです。

    アクティブな音声トラックを持つメディアは可聴であると見なされ、自動再生のブロックがそれらに適用されます。可聴でないメディアは自動再生のブロックの影響を受けません。

    そして、その前段にはこう書かれています。

    ソースメディアに音声トラックがない場合、または音声トラックがミュートされている場合、自動再生のブロックは <video> 要素には適用されません。

    音があるものは止められ、音が無いものは止められません。

    これを知っているかどうかで、作るものが変わります。
    ナレーション入りの3分の会社案内を自動再生させる計画は、そもそも成立しにくい。
    一方、音を消した短い映像を背景でゆっくり動かすのは通ります。
    トップページの上部で風景が流れている、ああいうものです。

    作ったあとに気づくと、費用をかけた動画の置き場所が無くなります。

    許可される条件は4つある

    では、どういうときに流れるのか。

    一般的なルールとして、次の条件の少なくとも 1 つが当てはまる場合にのみ、メディアの自動再生が許可されると想定できます。

    並んでいるのは4つです。
    音声がミュートになっているか音量がゼロに設定されている場合。
    利用者がサイトを操作した場合、たとえばクリック、タップ、キーを押すなど。
    サイトが許可リストに登録されている場合。
    そして、自動再生の権限ポリシーで許可した枠の中にある場合です。

    そして、こうも書かれています。

    ブロックされる正確な状況、およびサイトが許可リストに登録される方法の詳細はブラウザーによって異なりますが、上記のガイドラインを参考にしてください。

    ブラウザーごとに違う、と書かれています。
    全部で同じ動きになるとは書かれていないので、1つのブラウザーで確かめて終わりにはできません。


    自分の画面では流れる理由

    一度でも触っていれば、そのあとは流れる

    条件の2つ目が効いています。
    利用者がサイトを操作していれば、そのあとは流れます。

    作業しながら確かめている人は、必ず何かを触っています。
    スクロールし、リンクを押し、入力欄をクリックしている。
    だから自分の画面では動きます。
    開いただけの人には動きません。

    よく見ているサイトは、許可される側に入る

    条件の3つ目も見落とせません。
    サイトが許可リストに登録されている場合、と書かれていて、これは利用者がそのサイトのメディアと頻繁に関わっているとブラウザーが判断したときに自動で行われることがある、とされています。

    制作した本人と、社内で毎日そのサイトを見ている人は、許可される側に入りやすいということです。

    つまり、社内で確認が取れていることは、外の人に届いていることの根拠になりません。
    むしろ、社内で見ている回数が多い人ほど、外の人と違う画面を見ています。

    失敗しても、知らせは来ない

    もう1つ、困る記述があります。

    自動再生の成功または失敗によって、特定のイベント(またはその他の通知)が発行されることはありません。

    再生できなかったことを、ページ側は簡単には知れません。
    エラーも出ません。

    結果として、止まった画像が出たまま何も起きない画面になります。
    見ている人には、壊れているのか、そういう作りなのかが分かりません。
    そして分からないまま、問い合わせもせずに閉じます。
    気づく機会が、こちら側にも相手側にも無いということです。

    だから実務としては、自動で流れなかったときにどう見えるかを先に決めることになります。
    止まった画像は指定できます。
    1枚目がたまたま暗転していると壊れて見えるので、指定した画像を置きます。
    そして、流れなかった人が押せるように、再生ボタンを目立たせておきます。

    動画そのものを作る側の費用と時間の話は、別の記事で扱っています。
    https://note.com/yunta_fukurou/n/nba062653664e


    検索結果の見出しも、こちらでは選べない

    ここから、もう1つの話に移ります。

    製品ページのタイトルを直しました。
    社名を前に出して、製品名を続ける形に整えます。

    数日後に検索してみると、出てきた見出しは直す前でもなく、直したあとでもない、別の文字列でした。
    ページの途中にある小見出しが使われています。

    9つの材料から、自動で作られる

    Googleの日本語の解説に、こう書かれています。

    Google 検索結果ページに表示されるタイトルリンクは、ページのコンテンツとウェブ上の参照元ページの両方を考慮して、自動的に作成されます。タイトルリンクは、各検索結果を最大限にわかりやすく伝えることを目標としています。

    材料も列挙されています。
    タイトル要素の中のテキスト。
    ページに表示されるメインの視覚的タイトル。
    見出し要素。
    紹介用のタグの中のテキスト。
    スタイル処理によって大きく目立つように作られたその他のテキスト。
    ページ内のその他のテキスト。
    ページ上のリンクの文字。
    そのページへ向けられたリンクの文字。
    そして構造化データです。

    9つ挙げられていて、こちらが書いたタイトルは、そのうちの1つです。
    冒頭でページの途中の小見出しが使われたのは、材料のリストにそれが入っているからです。

    手で変えることはできない

    そして、ここが結論です。

    タイトルリンクを手動で変更することはできませんが、Google はできるだけ関連性の高いものとなるよう常に努めています。

    指定する仕組みはありません。
    できるのは、選ばれやすくすることだけです。

    これを知らないと、タイトルを何度も書き換えて様子を見る、という作業に時間を使うことになります。
    書き換えても、9つある材料の1つが変わるだけです。

    別のものが選ばれる原因は5つ

    解説には、よく見られる問題として具体例が挙げられています。

    1つ目は、タイトルが部分的に空になっている場合です。
    区切り記号とサイト名だけが残っていて、肝心の部分が入っていない状態です。

    2つ目は、タイトルが古くなっている場合です。
    毎年使い回しているページで、本文は今年の表示なのにタイトルが去年のまま、という例が挙げられています。

    Google 検索では、このような不一致を検出し、ページに表示されるタイトルの適切な日付をタイトルリンクで使用することがあります。

    3つ目は、タイトルがページの内容を正確に反映していない場合です。

    4つ目は、同じ定型文が繰り返されている場合です。
    全ページに同じタイトルが付いているような状態です。

    5つ目は、どれがメインの見出しか分からない場合です。

    ページの大見出しが複数あり、ページのどのテキストがメインのタイトルであるかが明確でない場合、この問題が発生します。

    そして、こう続きます。

    Google 検索では、大きくて目立つ見出しが複数あることを検出すると、最初の見出しをタイトルリンクのテキストとして使用することがあります。

    冒頭の事例は、5つ目に当てはまることが多いです。
    デザイン上、同じ大きさの見出しが並んでいると、どれが本題かが機械には分かりません。
    そして、この5つ目だけは文章の問題ではなく、ページの作りの問題です。
    制作会社に伝えるなら、タイトルの文言ではなく見出しの大きさの話になります。


    選ばれやすくするためにできること

    解説に挙げられているおすすめの書き方から、実務に直せるものを拾います。

    すべてのページにタイトルを入れます。
    入っていないページが残っていることがあります。

    具体的な文言にします。
    トップページに「ホーム」、人物紹介に名前を入れず「プロフィール」だけ、といった曖昧なタイトルは避けるよう書かれています。

    長くしすぎないようにします。

    タイトルリンクには <title> に設定されたテキストがすべて表示されるわけではないため、検索結果にその一部しか表示されなくなります。

    同じ語句を繰り返さないようにします。
    繰り返しは利便性を下げ、不正行為と見なされる可能性があるとされています。

    社名の入れ方も整えます。
    全ページの先頭に長い社名を入れると、検索結果が重複して見えます。
    各ページのタイトルの先頭か末尾にサイト名だけを置き、区切り記号で分けるやり方が示されています。

    そしてメインの見出しをはっきりさせます。
    ページで最も目立つ見出しにする、最初の見出し要素に置く、といった方法が挙げられています。


    反映には、数日から数週間かかる

    最後に、待つ時間の話です。

    なお、これらのソースの更新を Google が認識するためには、ページの再クロールと再処理が必要であり、その更新には数日から数週間かかることがあります。

    数日から数週間です。
    直した翌日に検索して、変わっていないから失敗した、とはなりません。

    再取得を依頼する手段もあると書かれていますが、依頼しても即時ではありません。

    順番としては、待ってから原因を探します。
    待たずに直しにいくと、前の変更が効いたのか後の変更が効いたのかが分からなくなり、何をしても同じことの繰り返しになります。

    反映に時間がかかるという話は、ドメイン名の設定でも同じ形で起きます。
    https://note.com/yunta_fukurou/n/n3f98920bc795


    決めているのは、向こう側

    2つとも、同じ形をしています。

    動画が自動で流れるかどうかは、見る側のブラウザーが決めます。
    検索結果の見出しは、Googleが決めます。
    どちらも、こちらが書いたものは材料の1つでしかありません。

    そして、どちらも自分の画面では正しく見えます。
    自分は一度サイトを触っているので動画は流れ、検索結果は毎日見ているわけではないので気づきません。

    できるのは、選ばれやすくすることと、選ばれなかったときに何が見えるかを決めておくことです。
    制作会社に「なぜか、そうなるんです」と言われたら、その仕組みの名前を聞いてください。
    名前が分かれば、公式の説明が読めます。

    同じ「思ったとおりに出ない」でも、置く側で決められるのに決めていないことがあります。
    PDFを開くか落とすかと、印刷したときの見え方を、別の記事で扱っています。
    https://note.com/yunta_fukurou/n/n5f6d9b1c398f


    まとめ

    • 動画が自動で流れないのは、多くの場合ページ側の不具合ではなく、見る側のブラウザーが止めているため

    • 「アクティブな音声トラックを持つメディアは可聴であると見なされ、自動再生のブロックがそれらに適用されます。可聴でないメディアは自動再生のブロックの影響を受けません」

    • 許可される条件は4つ。音が消えている、利用者がサイトを操作した、サイトが許可リストに登録されている、権限ポリシーで許可されている

    • 制作者と社内の常連は、操作と許可リストの両方で許可される側に入りやすい。だから自分では動いて見える

    • 「自動再生の成功または失敗によって、特定のイベント(またはその他の通知)が発行されることはありません」。エラーが出ないので気づかれない

    • 音を出すか、流れなかったときに何を見せるか、再生ボタンをどうするか。この3つを先に決める

    • 検索結果の見出しは、こちらのタイトルを含む9つの材料から自動的に作成される

    • 「タイトルリンクを手動で変更することはできませんが、Google はできるだけ関連性の高いものとなるよう常に努めています」

    • 別のものが選ばれる原因は、タイトルが部分的に空、古い、内容と合っていない、定型文の繰り返し、メインの見出しが不明確の5つ

    • 大見出しが複数あると「最初の見出しをタイトルリンクのテキストとして使用することがあります」。これは文言ではなくページの作りの問題

    • 更新が認識されるまで「数日から数週間かかることがあります」。翌日に確かめて判断しない

    皆さんの会社のページは、検索結果でどんな見出しが出ているでしょうか。


    参考・引用元

    MDN Web Docs(日本語版)

    Google


    実務で使う書式について

    この連載の内容を、社内でそのまま使える書式にまとめたものを、別のマガジンで公開しています。規程のひな形、対応フロー、チェックシート、報告書式などです。

    実務で使う書式・キット
    https://note.com/yunta_fukurou/m/mfc25857fab40


    関連する記事

    AIで動画を作るときの費用と保存期間は、別の記事で扱っています。
    8秒という単位と、2日で消える保存をまとめています。
    https://note.com/yunta_fukurou/n/nba062653664e

    直したのに古いほうが表示される、という話はドメイン名でも起きます。
    TTLを先に下げることと、解約と削除が別の作業であることをまとめています。
    https://note.com/yunta_fukurou/n/n3f98920bc795

    同じドメイン名でも行き先の設定が何本もある話は、こちらで扱っています。
    サイトは見えるのにメールだけ届かない理由をまとめています。
    https://note.com/yunta_fukurou/n/n88dd0248f0bc

    自分の画面では正常に見える、という状態は、別の記事で扱っています。
    OneDriveの青い雲マークと、自分の画面だけでは分からない4つをまとめています。
    https://note.com/yunta_fukurou/n/n42a8fbd13b62

    置く側で決められるのに決めていないことのほうは、別の記事で扱っています。
    PDFを開くか落とすかはヘッダーで指示でき、印刷の見え方は別に書けます。
    https://note.com/yunta_fukurou/n/n5f6d9b1c398f

     
     
    Digital Workplace Architect|社内外のIT・AIの導入と運用 IT・AI・セキュリティと周辺機器の「今さら聞けない」を一次情報で解説。書式・キットも。 Amazonのアソシエイトとして、梟 〜GLEANINGS〜は適格販売により収入を得ています。

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