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【問い】仕事ができる人ほど、相手の目線に立つ必要があるのか

はじめに

今回は、目の前の仕事だけではなく、未来の仕事まで先回りしながら、ものすごいスピード感で仕事を進めていく人を見て感じたことを、問いとして残しておきます。

本当に仕事ができる人は、見えている景色が違う

職場には、とてつもなく仕事が早い人がいます。

目の前にある仕事を順序立てて進めながら、少し隙間時間ができれば、その時間さえ未来への投資に変えていく。

大きな備品を購入するための手続きを進めたり、誰もが少し面倒だなと思って後回しにしそうな仕事まで、どんどん終わらせていく。

そういう姿を見ていると、

「本当にすごいな」

と思います。

私自身、頭の回転がそこまで早い方ではありません。

だからこそ、自分より先の仕事をしている人のサポートをしたり、その人が抱えている目の前の仕事を少し減らしたりすることで、なんとか貢献できないかなと考えることがあります。

ただ、そんな仕事ができる人を見ながら、ひとつ気になったことがありました。

もし自分が今より仕事ができるようになり、先を見ながらどんどん動けるようになったとしても、

これだけは忘れたくないな

と思ったことがあります。

それが、

相手の目線に立つことです。

「自分ならできる」が基準になっていく

仕事ができるようになるほど、見える範囲は広がっていくと思います。

「ここまでやっておいた方がいい」

「今これをやれば、あとが楽になる」

「なぜ今これをやらないんだろう」

そんなことが自然に見えるようになっていく。

すると、少しずつ自分の基準が周囲にも向いていくのではないでしょうか。

「もっと積極的に仕事をしてほしい」

「もっとスピード感を持ってほしい」

「これくらい自分で考えてほしい」

もちろん、それ自体が悪いことだとは思いません。

仕事を前に進めようとしているからこそ生まれる感情でもあります。

まして、自分だけ仕事が残っていたり、周囲が定時で帰っていく中で自分だけ残業していたりすれば、

「なんで自分だけ」

という気持ちが出てくることもあると思います。

疲労が溜まれば、なおさらです。

だからこそ難しい。

自分ができるようになったからこそ、

できなかった頃の感覚が、少しずつ見えなくなっていくことがあるのかもしれません。

できる人に囲まれて、萎縮する人もいる

一方で、まだ仕事に自信を持てない人からすると、全く違う景色があります。

仕事ができる人を見て、

「自分もあそこまでやらなきゃ」

と思う人もいれば、

「なんで自分はこんなこともできないんだろう」

と感じる人もいる。

私自身も、どちらかと言えば後者になることがあります。

仕事ができる人が悪いわけではありません。

ただ、能力の差が大きくなればなるほど、それが憧れになることもあれば、劣等感になることもある。

同じ姿を見ていても、

「すごい。自分もやってみたい」

と思える人と、

「自分には無理だ」

と思ってしまう人がいる。

この違いは、どこから生まれるのでしょうか。

能力を「自分の成果」に使うのか、「周囲の成長」に使うのか

このことを考えていたとき、リズ・ワイズマンの『Multipliers』という本の考え方が重なりました。

この本では、周囲の知性やエネルギー、能力を小さくしてしまうリーダーを「Diminisher」、反対に、周囲の能力を引き出し、より大きくしていくリーダーを「Multiplier」と整理しています。

公式の紹介には、

“Multipliers amplify the intelligence and capabilities of their team.”

とあります。

自分の頭の良さや仕事の速さだけで成果を出すのではなく、その力を使って周囲の能力まで引き出していく。

今回感じたことは、これに近いのかもしれません。

仕事ができるようになるほど、

「なぜできないのか」

を見るのではなく、

「この人は今、どの景色を見ているのか」

を見る。

そんな視点が必要になってくるのではないでしょうか。

雑談も、仕事を任せるための土台になる

私は、若いスタッフと一緒に働いていると、ちょっとした雑談の大切さを感じることがあります。

仕事とは関係のない話をしたり、買い物へ行く時間に話したりする。

一見、生産性とは関係のない時間です。

でも、そこで相手のことを知ると、

「実はこれに興味があるんだ」

「こういう仕事ならやってみたいのかもしれない」

ということが少しずつ見えてきます。

そして、

「これ、やってみる?」

と、いつもとは少し違う仕事を渡せる瞬間が出てくる。

最初から大きな仕事を任せるのではなく、

少し頑張れば手が届きそうなところから任せてみる。

それが積み重なった先に、

自分の仕事を任せられる人が増え、自分自身の負担も減っていくのかもしれません。

つまり、遠回りに見える「信頼をつくる時間」が、結果的には仕事を分散させるための土台になることもあるのではないかと思います。

仕事ができるとは、何を意味するのだろう

仕事が早い。

先が見える。

判断が早い。

たくさんの仕事を抱えられる。

もちろん、どれも大切な能力だと思います。

ただ、その能力が高くなったとき、

周囲に同じ速さを求めるのか。

それとも、

周囲が一歩進める環境をつくるために使うのか。

そこには、大きな違いがある気がします。

子育てでも似ています。

大人には簡単に見えることでも、子どもにとっては初めてのことがあります。

「なんでできないの?」

ではなく、

「今、この子にはどこまで見えているんだろう」

と考える。

仕事でも同じなのかもしれません。

まとめ|できる人がつくるべきものは、成果だけなのか

仕事ができる人ほど、たくさんのものが見えます。

だからこそ、

周囲のできていない部分も見えやすくなる。

そのとき、

できない人を変えようとするのか。

相手の目線まで一度降りてみるのか。

あるいは、その間にある環境や関係性を見るのか。

仕事ができる人の本当の価値は、自分がどれだけ仕事をこなせるかだけで決まるのでしょうか。

周囲が「聞ける」「やってみたい」と思える環境をつくることも、仕事ができるということなのでしょうか。

そして、相手の成長速度に合わせることは、遠回りなのでしょうか。それとも組織を強くするための投資なのでしょうか。

あなたの現場ではどうだろうか。

▼この問いについて、
構造から整理した記事も書きました


摩擦を、構造に。
問いを、資産に。

Yuta



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