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『PUIPUIモルカー』において、なぜシロモとテディは“不動の人気キャラ”となったのか【中編①】

さて、前編ではタイトルの根拠を具体例とともに説明してきた。

▼前回のお話【前編】はこちら

今回からはキャラクター単位で掘り下げていく。

なお、メイン5キャラのうち、主人公「ポテト」に関する内容については都合上割愛する。
あらかじめご了承いただきたい。

◼️無垢で不遇な人気No.1キャラ「シロモ」

ではさっそく、本作における
絶対的エース・シロモについて語っていこう。

まずは基本設定から確認しておきたい。

【シロモの公式紹介文】
基本的に臆病なモルカーのなかでも特に臆病な性格を持つ。心優しい運転手(ドライバー)に甘えたりもするが、いろいろなトラブルに巻き込まれがち。テディを姉御のように慕う。レタスが好き。

ちなみに、シーズン2(DS)では「なぜドライビングスクールに来たのかわかっていない。」という説明が追加され、それだけでも、彼の愛嬌と好感度の高さが伝わってくる。

また、シロモというキャラクターの人気を語る上で外せないキーワードが、「感情移入」である。

シーズン1第2話「銀行強盗を捕まえろ!」で
トラブルに巻き込まれ、必死に逃げるシロモ

シロモは作中において、決して万能ではない。
むしろその逆だ。臆病で、巻き込まれ体質で、
本人にまったく非がないにも関わらず、
数々のトラブルの中心に置かれてしまう。

言い換えるなら、
「世界から理不尽に選ばれてしまう存在」
で、それを見たファンも思わず愛おしくなってしまう…それがシロモというキャラなのだ。

◼️作中でのシロモの活躍

ここで、シーズン1、2(DS)、劇場版(MOLMAX)での象徴的シーンを振り返ろう。

まずなんといっても、
シーズン1第2話「銀行強盗を捕まえろ!」だ。

この回では、ドライバー(飼い主)を待っていたシロモが、銀行強盗に逃走手段として利用されてしまう。

臆病ながらも懸命に状況を受け止める姿は、
視聴者の強烈な感情移入を誘発する構造になっている。

なお、私はこの話を観るとほぼ確実に涙腺が崩壊するため、視聴は週1回までに制限している。

その他にもーー
・シーズン1第6話のゾンビ化エピソード
・シーズン2(DS)第1話では、現場にたまたま居合わせただけで、何もしていないのに他のモルカー共々ドライビングスクール送りにされてしまう。
・劇場版(MOLMAX)でも続く不遇ポジション

…と、このように、彼は他のキャラクターと比べても不憫なエピソードが多くなっている。

ちなみに、シロモがゾンビ化した理由について、シロモの人気が爆発的に伸び過ぎてしまったが故の、制作側が投じた苦肉の策としての一時的な抑制措置だったのではないかと、一部ファンの間でまことしやかに囁かれている…あと、余談だが、ゾンビシロモ(通称ゾンモ)は“私の推しキャラ”だ。

私の推しキャラ「ゾンビシロモ」(通称ゾンモ)
ーーーを、羊毛フェルトで自作してみました♪

◼️シロモに関する“とある陰謀論”

ここからは完全に私見だが、長年シリーズを追ってきた立場から仮説を語りたい。

それはーー
ドライバー(飼い主)・お兄さんの人格変化だ。

シーズン1時点でも、自身が買い物で店に入る前にシロモに大好物を与えたり、ファミレスで食事する際には屋根のある日陰にシロモを駐車(?)するなど、モルカー想いの良識的ドライバーとして描かれていた。

そんなお兄さんを見て、シーズン1終了後、ファンがSNSで投稿する漫画やイラストのお兄さんは、アニメと同じく心優しい人物イメージとして描かれる一方で、しばしばシロモへの異常なまでの過保護っぷりと、狂信的とも取れる献身に満ち溢れたキャラクターとして描かれることとなったのだ。

次に、シーズン1の放送終了から1年半後に描かれたシーズン2(DS)やさらにその約2年後に公開された映画「MOLMAX」で描かれたお兄さんを振り返ってみよう。

シーズン2では、前作第2話でシロモが銀行強盗に悪用されていたことを初めて知り、そのことに大きなショックを受け贖罪の気持ちから大好きなレタスを分け与えたり(第3話)、夢うつつなウトウトするシロモに絵本を読み聞かせする(第9話)シーンが描写された。

また、映画『PUI PUI モルカー ザ・ムービー MOLMAX』では、人々が既存のモルカーよりもAIモルカーに興味関心が集まり、AIモルカーへの乗り換え目的で自身のモルカーを預けるまたは手放していく中、お兄さんだけは、シロモが友達と離れて寂しくないように、という理由でメニメニアイランドに預けていた。

…みなさん、おわかりいただけただろうか。

たしかに、お兄さんは他のキャラと比べてモルカーを大事にする良識あるドライバー(飼い主)に位置付けられていたのは事実だが、シーズン2(DS)以降の彼のシロモへの愛情に満ちた行いは、シーズン1までのそれを明らかに上回っている。

そしてその最たる理由は、視聴者やファンからのSNSをはじめとする数々の投稿や反応が、制作側のお兄さんというキャラクターの人格形成に少なからず影響を与えた可能性も、完全には否定できないのではないだろうか。

お兄さんに愛されすぎています。
(※シロモは別に困ってはいない)

つまり簡単に言うとこれは、
SNS二次創作

ファン理想像の形成

制作側へのフィードバック
…といった流れが、少なからず影響した可能性もあると、私はにらんでいる。

もしそうなら、お兄さんというキャラクターは、
「モルカーファンが最も共感しやすい人間代表」へと昇華したとも言えるのではないだろうか。

◼️感情移入型人気キャラの完成形

ここまで読めば、
『PUIPUIモルカー』についてこれまであまり詳しくなかった方にも、シロモの人気の本質が見えてくるはずだ。

守りたい。
報われてほしい。
どうか幸せでいてほしい。

と願わずにいられない。

シロモは、その容姿や愛嬌のかわいらしさだけではなく「感情を預けられる余白を持っている」ということも人気の理由のひとつだということ。

人は、完璧な存在には憧れはしても、
感情を預けることはあまりしない。
感情を預けるのは、
“自分と同じように不完全な存在” だ。

だが、不器用で、不運で、
それでも一生懸命生きている存在には、
つい自分自身を重ねてしまう。

映画『PUI PUI モルカー ザ・ムービー MOLMAX』
の宣伝動画内でインタビューに応じるシロモ。

そしてもう一つ。

シロモには、「抵抗しない強さ」があるーー正確には、怯えてしまって何もできずにいるだけとも言えるのだが。

派手に逆転しない。
怒り狂って世界を変えない。
それでも、逃げずにそこにいる
ーー正確には逃げきれずに捕まってしまって困難な状況に陥ってしまうことも多いのだが。

この姿勢は、現実を生きる我々にとっても、
あまりにも現実に近い要素だ。

つまりシロモは、
キャラクターであると同時に、
視聴者の現実の延長線上の存在なのだ。

そしてこれは、意図して作れるものではない。
ある意味では、奇跡的なバランスの上に成立した

“感情移入型人気キャラの完成形”

とも言えるのではないだろうか。

みなさん、いかがだっただろうか。

正直、まだまだ語り尽くせていないのだが、冗長してしまう私の悪い癖がすでに出てしまっているので、今回はこの辺にしておこう。

この続きの【前編②】では、
『PUIPUIモルカー』が誇るおてんば爆弾娘

最終兵器彼女”・テディ

について大いに語っていく。

もし興味を持ってくれた方は、
是非、次回のお話も読んでいただけると嬉しい。

それではまた。


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