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ケーソン輸送

瀬戸大橋のケーソン設置と漁業との対立

海に浮かべて運ぶ巨大ケーソン

 瀬戸大橋最大の技術的課題は、自動車と鉄道の併用を可能にするため、橋の「たわみ」を抑えるための巨大な基礎(ケーソン)の設置でした。

 この巨大なケーソンは、玉野市の三井造船玉野事業所(現・三井E&S)で造られました。

 完成したケーソンを現場まで運ぶには、その巨大さゆえに困難が伴いました。
 そのため、建設途中の状態で海に浮かべ、12隻のタグボートで牽引して所定の位置まで移動させました。目標地点に到着後、ケーソン内に水を注入して海底に沈め、岩やモルタルを投入することで固定・完成させました。

最大の難関:漁業との対立を生んだ海底爆破

 ケーソン設置には、技術的な問題とは別に、もう一つの大きな課題がありました。それは、海底の堆積層の水平化です。

 ケーソンは最大限水平に設置する必要がありましたが、砂や石で凹凸になっている海底を削って平らにするには、当時の技術ではダイナマイトによる爆破が唯一の方法でした。

 しかし、これは日本初となる大規模な爆破工事であり、豊かな漁場である瀬戸内海の生態系への影響が懸念されました。

 地元漁業関係者からは強い反対の声が上がり、工事は一時難航しました。

漁業との合意と「段発」技術の採用

 最終的に、建設側は生態系への影響を最小限に抑える方法を模索しました。

 その結果、少量のダイナマイトを時間差(段発)を持たせて爆発させる手法であれば、海底堆積層を水平にしながらも、環境への影響を最小限に留められるという結論で合意に至りました。

 瀬戸大橋の建設は、単に橋を架ける技術的な挑戦だけでなく、環境問題や地元との調和といった、現代的な課題を一つ一つ解決しながら進められた壮大なプロジェクトだったのです。


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写真:ケーソン輸送の様子
※イメージ図

最終更新日:2025.9.18



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