「家族のためなんだからしょうがないじゃん」だと?中1娘にママはカチンと来た
「あー、ギターでも習いに行きたいな~」
と私が独り言を言った。
すると娘が、
「家で弾くのはやめてね。うるさいから」
と言った。
……は?
一体誰のために、私は節約してると思ってるんだい?
ママだって、好きなことを何でも我慢しているわけじゃない。
でも、自分のことより、子どもたちに使うお金を優先してきた。
ここは君の家でもあるかもしれないが、パパとママの家に君がいる、ということなんだよ。
なにか勘違いをしていないかい?
ママだって、好きなこともある。
やりたいこともある。
君のために、好きなことを我慢することだってある。
君がやりたいと言ったことを、できるだけ叶えてあげたい。
そう思って、パパもママも自分たちなりに頑張っている。
でも、
それが全部「当たり前」になってしまうと、なんだか違うんじゃないかと思ってしまう。
もちろん、この頃の娘は中学生。
立派な反抗期の真っ最中だった。
この頃の娘は、こんな感じだった。
▶ 中2の娘は、褒められてもキレる。
少し前まであんなにベッタリだった娘が、いつの間にか、何を言っても素直には受け取らなくなっていた。
頭ではわかっている。
これも成長の一つなのだと。
でも、わかっているからといって、腹が立たないわけでも、淋しくないわけでもない。
先日も、似たようなことがあった。
「パパだって、一生懸命働いてるんだぞ」
とパパが言った。
すると娘は、
「えー、家族のためなんだからしょうがないじゃん」
と言った。
家族のためだから、しょうがない?
パパはカチンと来たのか、
「家族のためっていうか、パパはママのために働いてるんだよ」
と言った。
その言葉を聞いて、私はちょっと笑ってしまった。
でも、多分パパは本気だったのだと思う。
普段から私と娘のやり取りを見ていて、あまりにも娘が私を軽んじているように見えたのかもしれない。
だから、そう言ってくれたのだと思う。
パパだって、君のために頑張ってるんだよ。
ママだって、君のために頑張ってるんだよ。
なんでもう少し、優しくなれないんだい?
「家族のためなんだからしょうがないじゃん」
って、なんだろう。
なにをそんなに、「あたりまえ」みたいに言ってるんだい?
どれもこれも、ママもパパも強要した覚えはない。
君が、
「やりたい」
と言ったことを、できるだけ叶えようと努力している。
もちろん、親だから。
子どものためにするのは当たり前なのかもしれない。
でも、だからといって、それを子どもが「あって当然」のように思ってしまったら、親はちょっと淋しい。
いや、かなり淋しい。
なんでもう少し、ママに優しくなれないんだい?
やっぱり、ママが悪いのかい?
近くにいすぎるから?
なんでもしてあげすぎるから?
いつもそこにいるから?
子供に頭に来て、
「ママはもう出ていきます」
と子どもを脅かしたら、
「あ、そう。お金置いて行ってね」
と言われたとか。
本当に出て行っても、
母親の携帯に電話ひとつよこさず、
探す気配もなく、
心配もしてくれなかった。
……なんて話も聞く。
笑い話のようだけど、ほんとに淋しいことだよね。
母親なんて、そんなものなのかな。
毎日そこにいて。
ご飯を作って。
洗濯をして。
帰りを待って。
具合が悪ければ心配して。
困れば助けて。
それがあまりにも当たり前になってしまう。
いなくなって初めて、
「あれ?」
と思うものなのかな。
もちろん、私だって子どもの頃はそうだったのかもしれない。
親が働くことも。
ご飯が出てくることも。
学校へ行くことも。
やりたいことをやらせてもらえることも。
それが誰かの努力の上にあるなんて、考えたこともなかった。
子どもなんて、そんなものなのかもしれない。
そして親になって初めてわかることがある。
自分も、あんなふうに親を困らせていたのかもしれないと。
でも、今の私にはまだ、
目の前の娘に腹が立つ。
「家で弾くのはやめてね。うるさいから」
なんて言われれば、
「お前のために生きてるんじゃないぞ」
と、心の中で思ってしまう。
それでも明日になれば、
またご飯を作って、
洗濯をして、
娘の帰りを待っている。
そうやって、
腹を立てながら、
心配しながら、
子どもは少しずつ親から離れていく。
子育てって、一体なんなんなんだろう。
ボヤきながら、今日も娘の帰りを待っている。
これまでの子育てについて
夫婦ともに高卒の私たちが、二人の子どもを育ててきた記録を書いています。
教育に詳しかったわけでも、特別な教育方針があったわけでもありません。
子どもが勉強しなければ焦り、「勉強しなさい」と何度も言い、悩みながら子育てをしてきました。
そんな私たち夫婦ですが、結果的に二人の子どもは慶應に進学しました。
これは「こうすれば慶應に入れます」という教育法の話ではありません。
高卒の私たち夫婦が、何もわからないまま子育てをして、その中で悩み、失敗し、考え、気づいてきたことの記録です
