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中2の娘は、褒められてもキレる。

「先生が、あなたのこと褒めてたよ」

塾の面談で聞いてきたばかりのホットな話をしてあげた。

なのに娘は、

「だから、どの学校なの!」

とキレた。

……なんで?

褒められた話だよ?

あ~。

きっと今、血圧が上昇中だろう。

やっぱり、

「さわらぬ神に祟りなし」

だった。

今日の塾の面談は、かなり良かった

今日は、娘の塾の個人面談だった。

雨が降ったり止んだり。
突然、強い風が吹いたり。

そんな天気の中、塾へ向かった。

途中、和菓子屋で先生への菓子折りも買った。

前期の成績表と模試の結果を見ながら、先生と話す。

成績については、特に問題なし。

「このまま維持していけば大丈夫です」

とのこと。

まずは、ひと安心。

娘は塾長先生が大好きだ。

娘にとって、一番尊敬している大人なんじゃないかと思う。

だから私は、

「よろしくお願いします」

と頭を下げる。

そして、もう一つ聞きたかったことがある。

娘には、どうしても勝てない男の子がいる。

県内模試で、いつも娘のすぐ上にいる子だ。

先生によると、その子は、一を言えば十を理解するような天才型。

一方の娘は、コツコツ積み上げていく秀才型なんだそうだ。

そして先生が言った。

「その子がいなければ、この年度は間違いなく娘さんがクイーンですよ」

なるほど。

娘がどうして、あの子をあんなに意識しているのか。

よくわかった。

娘にとって、その子はライバルというより、もはやキング。

いつも自分の前に立ちはだかる存在だ。

だから、どうしても抜きたい。

それが娘の原動力にもなっているらしい。

先生の話を聞いていると、いろいろ見えてくる。

そして、もう一つ。

公立高校を第一希望にしている娘には、滑り止めの私立高校も必要になる。

今の成績ならどのあたりが併願の範囲になるのか伺った。

すると、私が思っていたより上の学校の名前が出てきた。

「え? そこもいけるの?」

ちょっと驚いた。

今日の面談。

悪い話は一つもなかった。

むしろ、いい話ばかりだった。

私はご機嫌で満足して帰った。

そして家で、娘に面談の報告をした。

甘かった

先生が褒めてくれたこと。

成績は、このまま維持していけば大丈夫だと言ってくれたこと。

あのキングのこと。

そして、私立高校の候補。

私は、聞いてきたことを順番に話した。

どれも、娘にとって悪い話ではない。

むしろ、先生が娘を高く評価してくれている話だ。

だから私は思った。

きっと、喜ぶだろう。

しかし。

……甘かった。

私立高校の候補を伝えたところで、

「だから、どの学校なの!」

と娘は突然キレた。

え?

そこ?

正面に座っている私の顔も見ない。

プイッと横を向いて、ふて腐れている。

話が終わると、机の周りのものをドスドス音を立てながら片づけ始めた。

私が出しておいた学校のリストも、黙って眺めただけ。

そして、

「ありがとう」

の一言もない。

なんなんだ。

私は今日、何か悪いことをしたのか?

先生にも「中2女子は一番わからない」と言われた

塾長先生も言っていた。

中学生の男子は、ガツッと押せば、なんとかなる。

でも女子は難しい。

特に、

「中2女子が一番、解りません」

らしい。

先生は、通ってくる女の子たちに一言二言、必ず声をかけるそうだ。

その時の返事や表情を見て、

「今日は機嫌がいい」

「今日は何かある」

と判断するらしい。

先生も大変だ。

でも。

私だって大変だ。

私だって、感情のある人間だ

思春期。

反抗期。

大人への不信感。

感受性の強さ。

頭では、わかっている。

私だって、そういう時期があることくらい知っている。

子育ての本も、いろいろ読んだ。

怒らない。

否定しない。

本人の気持ちを尊重する。

わかってる。

わかってるけど。

私だって、感情のある人間なんだよ。

その辺にあるものを、片っ端から壊して歩きたいくらい腹が立つことだってある。

「面談の話なんか、知らせてやる必要なかった」

と後悔した。

喋らなければよかった。

機嫌がいい時は、娘はものすごくしゃべる。

聞いてもいないことまで、次から次へと喋ってくる。

なのに、こっちから何か話しかけるとキレる。

褒めても、素直に喜ばない。

冗談で、

「勉強しろよ~」

と言ってもキレる。

もう、わからん。

本人は「中二病」と言われると、ものすごく怒る。

でも母には、他に言葉が見つからない。

結局、母親はやるしかない

正直、もう、

「どこを受験しようが、好きにしてもらいたい」

と思う。

学校も塾も、できれば全部自分でやってほしい。

私はもう、知らん。

……と思う。

でも、まだ14歳だ。

全部を一人で決めて、一人で動けるわけじゃない。

だから結局、親が出ていく。

塾の面談にも行く。

学校も調べる。

私立高校も調べる。

そして、いい話を持って帰ってくる。

すると、

「だから、どの学校なの!」

とキレられる。

……もう、知らん。

もうしばらく触らない。

何も言わない。

「さわらぬ神に祟りなし」だ。

中2女子。

本当に、難解です。

でも。

明日になったら、また何事もなかったように、

ペラペラしゃべってくるんだろうな。

たぶん。


この頃の娘、こんなこともありました 褒めてもキレる娘ですが、
もちろん、いつもこんな調子だったわけではありません。
この頃の娘の話、もう少しあります。

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