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⑹日本の組織風土に潜む「バグ」は、子ども時代に作られる!  ~組織風土変革のための道徳授業とは~

道徳授業を思考方法を学ぶ場に!:第6回


日本社会の多くの組織(企業、行政、教育現場等)で長年指摘されている「空気を読む同調圧力」「事無主義」「前例踏襲」、そして不祥事が起きた際の「精神論的な謝罪と犯人探し」——。

なぜ私たちは、大人になるとこうした組織のバグ(構造的課題)に直面してしまうのでしょうか。

その根本原因は、実は子ども時代にあります。

小・中学校の9年間、年間35時間(計315時間)を通して「登場人物の心情推察と空気の読み合い(自我先行・感情優先)」ばかりを訓練されてきたことが、大人になってからの組織風土に直接的な影響を与えているのです。

今回は、道徳授業のアプローチの違いが、将来どのような「集団・組織風土」を生み出すのか、その対照的な姿を考えていきます。

集団・組織風土における「2つの世代/文化」の対比


はじめから、本論に入ります。

授業で、
「感情の察知」ばかりを繰り返してきた集団と、
「構造の客観的分析(考察探究)」を鍛え上げてきた集団では、
大人になった際の組織の振る舞いに、次のような決定的な差が生まれます。

心情型集団と考察型集団の違い

この表を基にして現実社会を考えると、

・イノベーションを活かせない会社組織
・技術があるのに外国に勝てない日本
・組織に蔓延する大企業病
・頻発する不祥事
・若者が感じる閉塞感
 ・・・・・。

そうしたもの全てが、
学校教育に根差していることが明らかになります。

このままで良いのでしょうか?


「気持ちの察知」から「構造の解剖」へシフトする理由

従来型の「心情重視」の授業は、
一見すると「思いやりのある優しい子」を育てている
ように見えます。
しかし、そこには「認知の罠」が隠されています。

そして
ハート(心の情的側面)だけでは
バランスの良い発達は見込めないのです。

もし、
事実や構造を客観的に考えるトレーニングがないまま社会に出ると、
それは
「場の空気に同調し、異論を排除する不寛容さ」
へと姿を変えてしまいます。


これに対して、
「考察探究型」の授業で鍛えられるのは、
感情に流されず、
事実を抽出し、
問題の背景にある「構造や因果関係」を客観的に読み解く力です。

  • エラーが起きた時に人物を責めるのではなく、「仕組み(類型3:失敗理由)」を分析する。

  • 意見が対立した時に感情的にぶつかるのではなく、「それぞれの立ち位置と価値(類型9:複数の立場、類型14:選択肢)」を比較し、より高次の解決策を探る。

こうした思考の習慣(思考の筋肉)こそが、
不祥事を防止し、
真の心理的安全性を持った
「学習する組織」
を創り出す土台となるのではないでしょうか?

実は、これまでの道徳教育には、
そうしたエラーを取り除く
心情型とは全く異なる授業方法は
十分には確立されていませんでした。

心は、気持ちを養うことで育つ!
こうしたパラダイムにどっぷりとつかり、
新たな考え方で道徳授業を考えることは、
ほとんど行われてこなかったのです。

しかし、今は違います。

ハート(情的側面)だけでなく、
マインド(知的側面)もしっかりと利用した授業展開

発達段階に合わせた授業方法の使い分け

「認知の罠」を避ける授業方法の確立

このようなことができるようになってきたのです。


すぐにでも始めるべきではないでしょうか?


では、9年間で314時間(35×8+34=314*小1は34時間)という「考察探究のトレーニング」を受けた子どもたちが社会へ羽ばたいていったとき、日本の未来にはどのような変化が訪れるのでしょうか?

次回、最終回(第7回)は、考察探究型道徳がもたらす「日本の将来へのインパクト」、穏やかな社会変革への展望を考えます。

(第7回へ続く)

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