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shungiku_coffee
【掌編】 積読美術館 #毎週ショートショートnote
最近話題になっている美術館へやってきた。
山奥で佇む、吸血鬼でも出てきそうな古い洋館。
重たい両開きのドアを開くと、室内はところ狭しと本が積まれていた。
本棚だけではなく、床からも積み上がっている。
「ようこそ」
扉の横に受付で笑むスーツを纏った女性がトンカチを渡してきた。
広がる光景に口を開いていた私は反射的に受け取る。
「トンカチ?」
「こちらは御自身が欲しい世界を砕く図書館でございます。
積まれた本の中に、あなたの世界が。
ぜひ本を叩いてみてください」
トンカチを手に見渡す。
ふと床から積まれた本が目に止まる。
太く青い背表紙を目指して叩いてみた。
ダルマ落とのように本が落ちるのかと思ったら、本はそのままコロリと石がひとつ落ちてくる。
落ちた石を拾うと、脳内にあらすじが流れた。
これは、私が、欲しかった物語だ。
「如何でしたか? どうぞお持ち帰りください」
ぼんやりと帰路を進む。
手のひらにある石が呼びかけてくるから。
「私を呼んで。読んで」
(410字)
こちら参加させて頂きました。
いつも難しいお題で、たくさん悩んでしまいますが、とても楽しいです。
素敵な企画を、ありがとうございます。
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小説を書いているとき、ぶつかる悩み事なども考えております。
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