Combinator と Distributor
今回はReasonのマニアックな使用例について書こうと思います。Reasonを知らない人にも出来るだけ伝わる様にと思い、Reason、Reason其の2、Reason其の3を用意しました。興味がある方は併せて読んで頂く事で少しは分かり易くなるのではと思います。

Combinatorを閉じた状態(右ラック)
Reasonデバイスには音源やエフェクターの他にUtilityと言うカテゴリーがあります。その中の一つCombinatorは煩雑になったラックの整理にも有効ですが、Reasonを使う上で必須とも言える強力なツールでもあります。音源のレイヤーやエフェクトチェインをパッケージ化する等アイデア次第で多様な使い方が出来、ノブやボタン等のコントローラーを配置してデバイスのパラメータを制御、複数のパラメータを一つのコントローラーにアサインする事も出来ます。デバイスからのオーディオ入力が16あるので、上の画像の様なセッティングでも単純なレイヤーであればサブミキサーを必要としません。
この動画の趣旨はフィルターが付いていないFM音源にフィルターを掛けてみましたと言う一見単純なものなのですが、実際には結構複雑な工程を踏んだものになっていて、Combinatorも沢山使っています。
RYM2612の出力をLegendに入力してフィルターやアンプに通しています。動画では特に問題無くポリフォニック演奏していますが、RYM2612はポリフォニックでも入力音に対するLegendの動作はモノフォニックなので、そのままではフィルターやアンプが全ての音に同調して不自然になる筈です。
ポリフォニック演奏出来ているのはDistributorを使っている為です。動画では右側のラックの14chミキサーの下にあります。(ラベルはDistributerになっていますがタイプミス笑)ミキサーは各デバイスのオーディオ出力を纏める為のものです。(ミキサーを使わずCombinator内のオーディオ入力でも良いです)
Distributorにはデバイスを発音させるためのCV出力が8つ付いていて、最大8つのデバイスにCVを入力、発音毎に異なる出力からCVを出す事でデバイス分のポリフォニック演奏が可能になります。もう少し簡単に言えばモノシンセを複数用意してポリシンセにすると言う事です。
左側のラックにはLegendとRYM2612をCombinatorに入れ(Legendにポリフォニックの演奏を入力すると不自然になるのでRYM2612はモノフォニックにします)、RYM Sawとパッチ名を付けたものが8つあります。DistributorのCV出力1〜8とRYM Saw1〜8のCV入力を接続しています。例えばドミソの和音はCV1/RYM Saw1を「ド」CV2/RYM Saw2を「ミ」CV3/RYM Saw3を「ソ」と演奏させてドミソの和音にする訳です。

言ってしまえば物凄い力業で、見た目にも長大なラックになりそうですが、Mix Channelの中に入れれば見た目は限りなく小さく出来ます。動画では見せる用にCombinatorの一つを展開しDistributorも別にしていますが、全部纏めて閉じればMix Channel一つ分の見た目になります。本来インサーションエフェクト用なので正しい使い方ではないかもしれませんが、Combinatorを多く使用する際に格納する手段があるのは地味に便利なのです。
Reasonは遊びを兼ねた実験と曲作りの両面で使っていて、実験の成果と言うと大袈裟ですが簡単な動画にしてYouTubeに上げています。
Distributorを使って楽曲として完成させた曲もあったと思ったのですが、後で差し替えたのか見つかりませんでした。モノ→ポリに出来る機能はかなり魅力的で、数あるRack Extensionの中でも最初期に入手しました。その時は同様の機能を持つDistributorとは別のものだったのですが、思う様な動作にはならず残念な思いをしました。そんな思い入れがあるにも関わらず曲作りに活用していない自分も残念ですね。(笑)
