Nokton25mmF0.95 | しみったれた私の代名詞


Panasonicがフルサイズに参入する
という話は、人伝てに聞かされた。
3〜4年前。
関心がなかった。
本当だ。
別に強がってるわけじゃない。
聞いたところで私には
どうしようもないからだ。
本当だ。

「買わないんですか?」
当然の如く聞かれる。
今後もマイクロフォーサーズを使うつもりだ
と私は答える。

「Nokton使えなくなるから」

NOKTONについて話すなら、
開放F値に触れないわけにはいかない。
決してメイントピックではないものの。
「F0.95?」
相手は盛大に笑った。

「フルサイズとか
そういう問題じゃないんですね」

「ああ、うん」

後で思った。

さっきの話、自分で言ってて格好いい。

だってそうだろう。

世の中がこぞってフルサイズに流れ、

あれほどマイクロフォーサーズを
推しまくっていたメーカーまでもが
呆気なく私を裏切ったこの状況で、
自分の代名詞とも言える
このレンズを理由に挙げる。

「金がないからだ」
とは言わなかった。

映画を観ていた。
つい最近。
小津安二郎『麦秋』。

「あ、こんなところにNoktonが」
屋内シーンだった。

背景の明るい光が滲む。
いや、染みる。
しみったれている。

NOKTONにかかれば、
画面は「麦秋」の屋内と化す。

私の代名詞だった最重要レンズ。
出番は減った。
25mmF1.4で麗しの濡れ場を取り戻してからはなおさら。

マニュアルフォーカスだからだ。
ピピッパシャンの便利さに敵うわけがない。

だが。
今の私のビデオ撮影で訪れる
マニュアルフォーカスでなければ困る場面。
PanasonicDC-G99で
ハイスピード撮影(スローモーション)をする時。

近年私はスナップでビデオを撮影する際、

ハイスピード撮影が極めて多い。
今日のところは理由を割愛する。

キャメラがオートになる。 

露出が自動で決まる。
ほとんどの場合、開放付近でボケまくる。
メーカーが皆さまのニーズにお応えするためだと思う。

余計なお世話だ。
絞れない。
阻止する。

出番だNokton。
準備しろ。

口調が渋くなるのは、
相手が渋いからだ。

Nokton25mm。
私の代名詞。
しみったれたレンズだ。

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