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障害年金がもらえなくなる人の診察の受け方と回避法【診断書対策】

障害年金の審査でとにかく重要なのは診断書だ。
障害年金の受給可否は、診断書でほぼすべてが決まると言っても過言ではない。年金機構が書類を処分していたという不祥事のニュースもあったが、それでも診断書が障害年金受給可能性を左右するという大原則は変わらないだろう。

私は初回申請に関しては社労士のサポートを得ることをオススメしているが、診断書の内容は社労士でさえ決めることができない。あなたの診断書を書くのはあなたの主治医であり、診断書の内容は定期的な診察に左右される。

つまり、日頃の診察が診断書の内容に直結するのだ。
診察の積み重ねが障害年金に繋がるということである。

しかし、毎回の診察で私たちはミスをしてしまいがちだ。
思うように症状が主治医に伝わらなかったり、元気があるように思われてしまったり、そういうすれ違いが障害年金申請においては致命的になる。

ということで今回は、障害年金で不利にならないための診察時の心得をいくつか紹介していく。障害年金を抜きにしても診察時に役立つ内容だ。読んでおくことで、主治医との意思疎通がスムーズになるだろう。


精神障害者に多い失敗

私たち精神障害者の多くは、社会の荒波にもまれた結果壊れたという経緯を持っている。理不尽に耐え、異常な労働を頑張り、雑に扱われても笑顔を絶やさずに何年も生きてきた結果が精神障害という重い現実なのだ。

理不尽に耐えてしまう厄介な気質は、社会に出てから醸造されることもあるが、生まれ育った家庭で培われてしまう場合もある。どちらにせよ言えることは、耐えてしまう癖が体に染みついていることだ。

精神障害者は社会生活が困難になるような気質を持っている。体が覚えてしまっていると言ってもいい。それゆえに起こってしまう診察時の失敗を、下記にパターン分けしておく。


空元気

典型的なのは空元気だ。私たちは元気がないのに元気に見せかけることに慣れ過ぎている。その技術も消耗の日々でかなり磨かれているだろう。

この空元気を診察時に出してはいけない。

私たちは、家では糸の切れた人形のようになっているのに、病院に行く前に風呂に入り、髪を整え、綺麗な服に着替えていく。そして主治医の前では貼り付けた笑顔を見せてしまう。

そして「いちおうは生きているから」と判断して、生活していけてるといった言葉を主治医に伝えてしまうのだ。

格好に関してはいいのだが、主治医に元気そうな姿を見せてしまうのはアウトだ。実際に元気ならそれでもいいが、空元気だとまったく得がない。

実際にまともな生活ができていなくても、主治医に生活できていると伝えてしまうと診断書にはその虚偽の内容が記載されてしまう。それを年金機構に送られてしまったら、不支給になるのは自明の理だ。

仮病を使って年金をかすめ取るのは望ましくないが、本来なら年金が必要なのに空元気で機会を逃してしまうのはもっと良くない。

自己嫌悪にまみれた生活ぶりを主治医に話すのは気が引けると思うが、ちゃんと事実に即して話していくことが重要になる。

その積み重ねがいざという時の診断書に反映される。
また、主治医ともちゃんとした話ができるようになるだろう。


遠慮

精神障害者の中には、過剰なほど遠慮してしまう人がいる。
今はそうでもないが、かつての私もそうだった。
誉め言葉には異常な謙遜で応え、もらえる物も遠慮して今まで多くのチャンスを逃してきた。

この遠慮癖は、障害年金をも遠ざけてしまうことは覚えておいてほしい。

なぜなら、遠慮する癖は主治医に症状の話をする場合も発動するからだ。
忙しいのに時間を取らせちゃいけないとか、こんな話をしても否定されるだけだとか、とにかくいろんな理由をつけて私たちは遠慮に逃げてしまう。

また、主治医からの生活指導で時間を取られてしまい、次の患者の時間を気にしてしまうパターンもあるだろう。ちなみに今の私はこのパターンが多い。

遠慮は場面によっては美徳になるが、主治医との診察時にはまったく役に立たない。逆に足を引っ張ることの方が多いだろう。なぜなら、精神疾患は体の疾患と違って見えやすい患部が存在しないからだ。だから、どこにどんな症状があってどう困っているのか、私たちが伝えないと医師にも伝わらないのだ。診断名という基準はあるが、細かい症状は私たちが自分で伝えないといけない。

だから、変な遠慮は捨てて症状をなるべく医師に伝えるべきだ。気落ちして何もできないとか、自己嫌悪がひどいとか、消えてしまいたいとか、そういう気持ちも伝えていくことで、事態の深刻さは初めて伝わることになる。

しかし、自分の痴態を話すことに抵抗がある人もいると思う。

あまり褒められた考えではないが
「主治医は自分よりもっとひどい患者の話も聞いてきている」
と思って赤裸々に症状に苦しんでいる状況を伝えておこう。


説明不足

次に説明不足だ。
これに限っては心構えだけでもどうしようもできない時がある。

家を出る時に「これを伝えようあれを伝えよう」と思っていても、主治医を前にすると言葉にできなくなってしまうことがよくある。忘れてしまうというのもありがちだろう。

また、誰もが体調を言葉にして伝えるのが得意なわけではない。
その場で的確に症状を伝えることができず、診察の度に消化不良に陥ってしまう人も多いはずだ。

この説明不足も診察ではかなりの損になる。
どんなに苦しくて希死念慮に悩んでいたとしても、ちゃんと伝えることができないと症状として認識されないからだ。主治医に認識されないと、その苦しみは誰からも理解されない地獄になってしまう。

障害年金申請で不利になるのはもちろんだが、せっかく病院に通っているのに治療が進まない要因にもなってしまう。

主治医と対面するまでに頭を整理し、貴重な時間が説明不足で終わらないよう注意しなければならない。


対策

さて、悩ましい問題点を3つも紹介してきてしまったが、安心してほしい。

空元気、遠慮、説明不足
この3つを同時に解消できる手段がある。
少し時間はかかるが、特に難しいことでもない。

その対策とは、症状をメモしておくことだ。

紙のメモでもスマホのメモでも、使いやすいもので構わない。

診察前に生活を振り返り

  • どんな症状があるか

  • 生活に支障をきたしているか

といった内容を書き記しておく。
この作業は通院前日でも、当日の移動中でも行える。

私の場合、症状がつらい時にもメモを残すようにしている。
喉元過ぎれば熱さを忘れる、という言葉の通り、自分の症状のはずなのに、回復してしまうと深刻さを自覚しにくくなるからだ。
メモを残す余裕がない時は、回復してすぐに書き記すのがいいだろう。

診察時には、そのメモを頼りに話せばだいたいの状況は伝わるだろう。話すのが苦痛で、メモを主治医に渡して読ませている人もいるそうだ。

そうすることで、主治医に伝えたいことのだいたいは伝わるはずだ。


まとめ

私たちは主治医に対しても、なかなか症状を詳らかに話せない。
それは空元気のせいでもあり、遠慮のせいでもあり、説明不足の場合もある。

そもそも、精神疾患は他の病気と違って医師が患部を見ることはできない。触ることもできない。病状の重さや症状を知らせるには、言葉を尽くすしかないのだ。言葉を尽くしたところで100%の相互理解は不可能だろう。それも精神障害の辛いところだ。

だから、私たちは症状をなるべく伝えるために苦心する必要がある。遠慮せずに話すことも重要だが、さらに大切なのは先述したように症状をメモにしておくことだ。

これは日々の診察をより良い内容にしていくために必要なことだ。

これは、いざという時に障害年金の相談をする時にも役立つ。症状や悩み、生活の困難さをしっかり伝えてこそ、主治医はちゃんと実態に即した診断書を書くことができるのだ。また、症状をしっかり伝えることで主治医の側から障害年金の打診が来ることもあるだろう。

障害年金は社労士やら年金機構やら、いろいろとややこしい要素が多いが、受給できるかを左右するのは普段から世話になっている主治医の診断書だ。そして、診断書の内容は日々の診察内容が基になる。

障害年金を検討していて、医師に相談しようと考えている人は、診察の重要性を再認識しても損はないはずだ。


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