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言葉遣いはチョイス?いいえ、それはお金と同じでリソースかもしれません。【東京新聞コメント欄騒動】

こんにちは、飲むチョムスキー、久々投稿です。

今日、いつものごとくベビーカーでバスに乗り込んだんですが、
椅子を折り畳むとベビーカースペースになる場所に人が座ってたんで、一つ横にどいてもらうようにお願いしたんです。

そしたら
“Okay. Can you ask me more politely, though?” 
(いいけど、もっと丁寧にお願いしてくれる?)

って言われて、「あれ、私の頼み方悪かったっけ?」って思ったんですが、
ベビーカーの固定に必死で具体的にどんな言い方したかも覚えてないし、
とりあえずもう一度頼み直しました。

「一つ横にズレてもらえるとベビーカーを停められるので助かります。
頼み方が悪かったならごめんなさい。私はネイティブスピーカーじゃなくて。」

そしたら、相手も納得して席をズレてくれたんですね。

こういうケース、外国語圏にいると意外によくあります。
私は英語ネイティブじゃないから、悪気はなくても、
とっさにぞんざいな言い方になってしまう時があるんです。
これは「悪意(意図)」の問題ではなく、純粋に「言語能力」の問題です。
でも、ネイティブの側からするとそれが分からず、
「失礼なヤツだ」とカチンとさせてしまう。

この「意図ではなく能力の問題なのに、悪意だと勘違いされる現象」は
同じ日本語を話す私たちの社会でも実はあって、それはもっと気づかれにくいです。

例えば私の愛読新聞、東京新聞での、このケース。

東京新聞のコメント欄で、「ばか」「あほ」「半グレ」「ポンコツ」「恐喝組織」などの言葉が投稿されるようになって、新聞社側も非公開で対応しているけれども、キリがないので非公開の基準を例示し、投稿者に配慮を促す、という内容です。

この記事のコメント欄をみても分かると思いますが、
この「表現の自由」の制限に対して、
読者と新聞社の方が激論を交わしていらっしゃるんですね。
こうやって読者と新聞社が激論を交わせるということ自体が、
誠実で、リベラルで、信頼できる、新しい形のメディアだな、と、
東京新聞に惚れ直したのですが、
一つここで見逃されてる視点があるような気がしています。

「お行儀のいい、正しい言葉で怒りを語れる」ということ自体が、
教育や環境に恵まれたラッキーな人間の特権である
、ということです。

最近の政治ニュースを見ると、正直、私の脳内に真っ先に浮かぶのは
「ふざけんな」とか「ファッ休さん」とか、
東京新聞の規約に一発で引っかかるような言葉ばかりです。

このナマの第一感情を、「正しい言葉」を用いた批判へと加工するには、そういった教育を受けている必要があると思いますが、
世の中そういうラッキーな人ばかりではありません。

アンラッキーにも教育の機会を十分に得られず、
育児や仕事で日々心身削られながら必死でやりくりしている人たちが、
それでもなんとか時間を捻り出して追う社会や政治のニュース。
そこから出てきた「バカ野郎」「クソ」は、
紛うことなき、ナマの声、魂の叫びです。

それを「正しい言葉で話さないものは言論ではない」と切り捨てるのは
金を持たないものは政治の話をするな」と言ってるのと根本的に同じです。
だって、金がないと「正しい言葉で話す」教育の機会が得られないのですから。

英語ノンネイティブの私が、
ベビーカーで必死な時に英語で丁寧に席移動をお願いできなかったように、
必死な人からは必死な生の言葉が出てくるんです。

最も聞かれるべきナマの叫びが、トーンポリシングでまともなプラットフォームから排除される。
ナマの叫びの受け皿はデマ垂れ流しのXに流れ、
それがまた教育格差の再生産に加担するというのはまさに地獄絵図です。

大手新聞は自ずから牙を抜き、そこから提供される、味もかみごたえもない水粥記事。
そんな中、記者のジャーナリストとしての使命感と情熱で書かれた、かみごたえのある記事を提供する東京新聞は、
タマなき記者団(Journalists without balls) とAIによって水粥記事が大量生産される中で、ジャーナリズムの希望を見せてくれるメディアだと思います。
新しい形のメディアとして、読者の言語化できない「もやもや」やポリッシングできない「クソだね」など、いろんな声に寛容に寄り添っていってほしいな、と思うのでした。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今回は、飲むチョムスキーが「正しい言葉で話せることは特権です(社会言語学・言語資本)」を扱いましたが、

この東京新聞コメント欄騒動に関連して、需要があれば、

▷レフティ・ドナルドさん:

▷黄乱弾さん:
【実況社会学】東京新聞のコメント欄騒動に見るマージナル的存在の受容の行方

っていう記事を書こうと思ってるよ!興味があったら、コメント欄かいいね、フォローで、シグナルよろしくお願いします。

ちなみに、左翼がいつまでもお行儀よくトーンポリシングしてると、これからも負け続けるよ!、っていうことを書いた記事はこちらです。

【執筆者紹介:飲むチョムスキー】
Badass Blue Bird LLCの専属ライターで、飲みながら言語についてうんちくを垂れます。飲んだくれですが、自身の自制心のなさと胃の弱さをよく理解しているので、実際に飲んでいるのはほうじ茶です。ご安心ください♡