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【海外競馬】2025年🇬🇧🇮🇪種牡馬リーディングを眺める

英国競馬ファンにとって熱い障害シーズンはそろそろ終わり、我々海外競馬ファンにとってのメインである平地シーズンがぼちぼち始まってきています。障害チャンピオンだったコンスティテューションヒル号が飛越不安により平地挑戦に舵を切ったことで、前女王崩御以来翳っている当地での平地人気にも火がつけば良いのですが。。。
日本調教馬の欧州遠征といえば、もっぱら凱旋門賞ですが、今年は既にマスカレードボール号がKGVI&QESへの遠征を表明。これ自体実現するかはなんとも言えませんし、そもそも賞金を踏まえるとあまりうまみが感じられないのが昨今の🇬🇧🇮🇪競馬ですが、やはり近代競馬発祥の地ですので、いつか大きなレースを日本調教馬が勝ってほしいと思っています。
そんな🇬🇧🇮🇪競馬の最近の傾向を探ろうと、昨季の種牡馬リーディングについて、以下のリンクを基に徒然まとめてみましたので、備忘まで残しておきます。

25年🇬🇧🇮🇪平地賞金リーディング上位

25年🇬🇧🇮🇪平地賞金リーディング1~5位

1位: Night of Thunder

欧州といえば重厚なノーザンダンサー系が支配しているイメージがありますが、2025年の上位3頭はミスプロ系が独占特に勢いがあるのが、ゴドルフィン/ダーレーが所有するDubawiとその子孫です。Night of Thunderは、Dubawiの子で、ドゥラメンテにドバイで先着したPostponedなどと同期の🇬🇧2000ギニー覇者です。
自身がミスプロ系のマイラーということもあり、産駒もマイルや良馬場の2000mを得意としており、2025年中は、熱波でカンカン照りだったプリンスオブウェールズS等を制したオンブズマン号、🇬🇧1000ギニーを制したデザートフラワー号、2歳戦最高峰デューハーストS(1400m)を勝ったゲワン号等を輩出しています。

エイコムS1着: Gewan

2位: Wootton Basset

残念ながら昨年(2025年)9月に亡くなってしまいましたが、特に2歳・3歳戦で無類の強さを誇っているのがWootton Bassetです。欧州全体リーディングでは、オンブズマン号ら英国特化型のイメージのあるNight of Thunderに代わって、1位の座を確保しています。オブライエン師の管理するアンリマティス号、カミーユピサロ号、プエルトリコ号らがフランスのクラシック/2歳戦で結果を残しているのが印象的である一方、ワール号は🇮🇪GIを2勝するなど、活躍の幅が広いイメージがあります。

ジャンリュックラガルデール賞1着: Puerto Rico

3位: Dubawi

早逝してしまったDubai Millenniumの最高傑作にして、現代欧州競馬の中でも屈指のスピード型のイメージのあるDubawiが3位。過去5年のBCマイル覇者のうち実に4頭がDubawi産駒(2024: モアザンルックス号はMore Than Ready産駒)と、そのスピードは大西洋をまたいでも通用しています。
ランキング上位10頭の中で2番目に出走頭数が少ない(最少はAustralia)ながら、重賞勝利頭数は11頭(2桁頭数はWootton Basset: 14頭、Night of Thunder: 11頭のみ)と、高い種付料に見合った少数精鋭ぶりを見せているのも印象的で、ノータブルスピーチ号、リードアーティスト号といった名マイラーはもちろん、ドラクロワ号やレベルスロマンス号など中距離帯でも大物を輩出しています。

4位: Frankel

Dubawiに僅差の4位で、ノーザンダンサー系としては筆頭となるのが史上最強馬とも名高いFrankel。いわゆる欧州オークス三冠を制したミニーホーク号は比較的長い距離を得意とする印象がありますが、🇮🇪1000ギニー覇者レイクヴィクトリア号や、ジャックルマロワ賞で日本馬やノータブルスピーチ号らを抑えたディエゴヴェラスケス号など自身同様にマイルで活躍する馬も輩出しています。
昨年の2歳重賞馬がわずか1頭のみ(ベンヴェヌートチェッリーニ号)というのは不安要素ですが、せっかく会いに行った馬なので、それなりの思い入れもありますし、またクラシック戦線等沸かしてくれることを期待しています。

5位: Sea the Stars

昨年GIを制したのは凱旋門賞馬ダリズ号、ヴェルメイユ賞覇者アヴァンチュール号、ガネー賞覇者ソジー号の3頭と、ロンシャン特効のイメージが強い血統ですが、🇬🇧🇮🇪でもリーディング上位を確保。もっとも、目立った活躍馬がいるわけではなく、強いて挙げれば長距離戦線で活躍するスイートウィリアム号や、🇬🇧国際Sでダノンデサイル号に先着したことで聞き馴染みのあるシーザファイア号など。後者はのちにオペラ賞2着とやはりロンシャンに強いイメージで、前者も距離の長いレースと、ロンシャンに近い適性を示しているのが印象的です。

来年は日本調教馬がここに。

6-10位: ノーザンダンサー系

25年🇬🇧🇮🇪平地賞金リーディング6~10位

Night of Thunderら5頭に続く上位種牡馬も有名どころがずらりといった印象ですが、なじみが薄いのはMehmasでしょうか。出走頭数・出走数・勝利頭数・勝利数いずれも上位10頭の中で最大。短い距離を得意としているため期間をあけずに出走可能というところもありますが、そもそも若いころから活躍できる馬が多い点も含めて、馬主からすると計算しやすくてありがたいのかもしれません。注目はゴドルフィン所有のワイズアプローチ号。ミドルパークSでは1200m戦として致命的とも見えた出遅れがありながら圧勝。コモンウェルスC等での活躍が期待されています。

上位10頭を並べて見ると、短めの距離や軽めの馬場を得意とするドバウィ/ストキャ系と、秋のフランスをイメージしたときの「The 欧州」像に合ったタフな馬場を主戦場とするガリレオ/グリーンデザート系とが混在している点が面白いところです。
日本は、中央のすべての競馬場がダートコースを備えており、基本的に芝特化の🇬🇧🇮🇪よりも血統需要が多様化しうる素地はあるように思いますが、25年上位10頭のうち実に6頭(ディープ同血のブラックタイド産駒であるキタサンブラックを含めれば7頭)が、軽い芝に強みを持つディープ/キンカメ系でした。
とりわけ🇬🇧は秋冬のどんよりした曇り空で悪名高いですが、こうした天気の不安定さもあって、年間を通して芝のコンディションを整えるのが日本ほど容易ではなく、夏はドバウィ系、秋はガリレオ系といったすみわけが形成されたのかもしれません。あるいは、元来日本も同じように芝管理に苦労していた(例えば昔の有馬記念の映像を見ると芝がボロボロです)が、馬場造園技術の高まりにより、季節に左右されない均質な競技が保証され、それがディープ/キンカメの寡占を生み出しているということなのかもしれません。

ディープインパクト系

🇬🇧🇮🇪繋養中のディープインパクト直仔種牡馬の過去3年順位

そんなディープ系を筆頭に日本ゆかりの血統も欧州に浸透しつつあります。🇬🇧🇮🇪に繋養されているディープ直仔種牡馬は現在5頭で、最も期待されているのはやはり🇬🇧ダービーを含むGI6勝のAuguste Rodinでしょうか。初年度産駒が今年生まれることとなり、2028年夏以降のデビューが楽しみです。
彼の成否を占う意味で最も参考となるのは、やはりStudy of ManとSaxon Warriorの2頭のクラシックホースでしょう。特に前者の代表産駒であるカルパナ号は、日本馬が目指したい高額レースの集中するアスコット競馬場を得意としています。GI勝ちは牝限のみですが、上述のスピード種牡馬は夏有利という仮説を裏付けするかのように、2025年のKGVI&QESでは、その年の欧州年度代表馬カランダガン号相手に斤量差1kgと牝馬不利な設定ながら僅差の2着というのが目を引きます。
これと似た傾向が、Auguste Rodinにあてがわれるようなクールモアのより良質な繁殖との子にも受け継がれるのであれば、ディープ系によるKGVI&QES制覇もそう遠くないのかもしれません。
面白いところでは2014年のサマー2000シリーズチャンピオンであるマーティンボロ。障害用種牡馬として活躍しており、代表産駒のマージボロ号は一時チェイスのレーティング最上位に躍り出ていました。

成功できるかな

おまけ(障害用種牡馬)

24/25年🇬🇧🇮🇪障害賞金リーディング1~5位

完全に参考までに障害用種牡馬の上位を見ると、こちらは平地における群雄割拠具合とは対照的に、クールモア系が独占しています。特筆すべきはサドラーズウェルズのうち、平地では翳りが見える非ガリレオ系が活躍しているところでしょうか。
ダブルスコアをつけてのトップはMontjeu直仔のWalk In The Park。エルコンドルパサーの夢を阻んだ馬としてなじみ深いMontjeuも、現在平地の一線級ではCamelotが残る程度ですが、障害競走では依然として存在感を放っているようです。23/24シーズンでも障害リーディングに輝いており、現行の25/26においてもリーディング獲得はほぼ確実だと思われます。代表産駒は25年のチェルトナムゴールドカップを制したイナザウェイユアシンキン号。障害馬は大抵の場合去勢されてしまっているので、ここからさらにサイアーラインがつながる、ということはなさそうですが、Montjeu系がまだまだ活躍し続けてくれると嬉しいです。