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小説を自動レビューさせる。Antigravity用ワークフロー

NotebookLMを使って、設定の破綻しない最高の原稿が書けるようになった。……でも、その後の『推敲(チェック)』が面倒くさい!

これまで、NotebookLMを使った長編小説の執筆ノウハウを公開してきました。AIは設定を忘れなくなり、執筆スピードは劇的に上がりました。 しかし、長編になればなるほど、チェックが大変になっていきます。

✅たくさんありますよね。チェック項目。

  • 改行位置

  • 世界観設定(物理法則、地理、エネルギー体系)との論理的整合性

  • 執筆中の最新シーンと、過去のプロット・キャラ設定との矛盾

  • Show, Don't Tellの徹底

  • 伏線と情報開示のタイミングは適切か

  • 文章のリズムと語彙をチェック、読みやすさと表現の豊かさ

  • キャラクターの口調のブレと感情導線の自然さ

いやー面倒だなぁ、、AIにレビューさせるにしても、全部いっぺんにやろうとすると精度下がるし、かといって一個ずつプロンプト打つのもなァ……。

自動レビューツール、作りました。

本記事では、このツールの仕組みと、「AIによる自動レビュー」が執筆をどう楽にするのかを解説します。

※『「重天の調律師」シリーズの執筆・校閲・フォーマットを支援するエージェント環境です。』と記載がありますが、ある程度汎用的に利用できるものです。

🚀 「Antigravity」で専属の編集者を雇う

そもそも「Antigravity」とは何か。一言で言えば、Googleが提供している「自律型AIエージェントを動かすための開発環境」です。

私はこのAntigravityの中に、「プロの編集者として、原稿を厳しくチェックするAI」を住まわせ、全自動でレビューを回す仕組み(Workflow)を構築しました。

🛠️ 『novel_tools』でできること(Workflowの仕組み)

レビュー自動化

名前が見も蓋もないですが、わかりやすさが大事ですからね。
センスがないとか言ってはいけない。
このツール(Workflow)の使い方は非常にシンプルです。

  1. (事前準備)レビューに使用する小説設定資料を用意。
    ※上記githubには小説設定資料は含まれておりません。

  2. (事前準備)「antigravity.yaml.example」をコピーして、「antigravity.yaml」に名前変更。

  3. NotebookLMで書き上げた原稿ファイルを用意する。

  4. Antigravityのチャット欄で /(スラッシュコマンド) を使ってレビューのワークフローを呼び出す。

  5. レビュー完了まで待つ。

チャット欄で「レビューして」と打っても動きます

AIエージェントが原稿を読み込み、最初に書いたようなチェックを行ってくれます。ちょっと待つとこの通り。修正対象の本文と修正案を提案したファイルが格納されています。すごいなぁ。

修正案例

けど、結果を見て誰もが思うことがあるでしょう。

💭指摘してくれるのはいいんだけど、本文の修正が面倒だなぁ

と。本文修正、できます。

レビュー結果のyamlファイルには「accepted」という項目が用意されており、これはレビューの結果を受け入れるか?という項目です。
提案内容を受け入れて本文を修正したい場合はこの項目を「n」から「y」に変更します。納得できない場合はそのままでOK。

その後、チャット欄で「変更反映をお願いします」と入れると・・・?

あら一丁!(表現が古い)

最終的に本文変更の差分が表示されます。赤い行は削除された行、緑の行は新たに作成された行です。チャット欄の「Accept all」を押すと全ての変更が承認されますし、変更ごとに「Accept」を行い、「この部分、やっぱりそのままでいいや」となったら元の状態を維持することもできます。

ここがこのツールの強いところです。レビュー項目を人間が判断し、採用したいものだけを選択して適用できる。更に、変更結果を差分として確認し、最終適用するかどうかを判断できる。

私はもともとエンジニアなのでyamlや差分結果も見慣れていますが、ある程度慣れが必要な部分はあるかもしれません。
もともとコード差分を確認するための機能を小説に流用した形です。

💡 補足:同梱されている「執筆Skill」について

リポジトリの中には「執筆用」のSkillも入っていますが、これはあくまで試験的(おまけ)な機能です。

先日の記事でもお伝えしたとおり、膨大な設定資料を読み込ませ、文脈を維持したまま長編を執筆するメインエンジンはNotebookLMをおいて他にはないと考えています。

ですので、基本運用としては:

  1. 書く(執筆): NotebookLM

  2. 直す(レビュー): Antigravity(novel_tools)

という、ツールの「いいとこ取り」をするのが、現在考えうる最強の執筆フローになります。 (もちろん、短いSS、中編などであれば、Antigravity上の執筆Skillだけで完結させることもできるでしょう)

⚠️ 注意:このレビューは「Unit Test(単体テスト)」です

一つだけ注意していただきたいことがあります。

システム開発の用語を借りるなら、ここでAIエージェントが行っているのはあくまで「Unit Test(単体テスト)」に過ぎません。 つまり、「今回出力された数千文字の1話分(1シーン)の中に、明らかな設定の矛盾や、ルールの違反がないか」というミクロな視点での品質チェックです。

  • 「このシーン単体で見れば矛盾はないけれど、章全体を通してみると、主人公がずっと怒っていて不自然だ」

  • 「この伏線、第1話で張ったきりだけど、第5話の今、読者はまだ覚えているかな?」(一応伏線チェックは項目には入っていますが、参考程度にとらえてください)

こういった、章全体・物語全体を通したマクロな文脈(森を見る作業)は、この単体レビューWorkflowでは判定できません。

🏗️ 私が実践している「2段階レビュー」フロー

長編を破綻させないために、私は以下の2段階で品質を管理しています。

  • 【ミクロの品質保証(Unit Test)】

    • 担当: Antigravity(novel_tools)

    • 内容: 1話書き上がるごとにWorkflowを回し、設定のズレや表現の甘さを自動で洗い出し、修正する。

  • 【マクロの品質保証(結合テスト)】

    • 担当: 人間(私) & GeminiなどのチャットAI

    • 内容: 1つの章(数話分)がまとまった段階で、改めて全体を読み返す。必要であればGeminiに章全体を読み込ませ、大きな構成の修正を行う。

つまり、現場の細かい品質管理(誤字脱字・設定ブレ)は、AIエージェントという現場監督に任せる。
そして人間は、より高い視点から「作品全体の面白さ」を判断する総監督に専念する。これが、長編を書き切るための最も合理的で、疲弊しない執筆システムと考えます。

エンジニアの皆様にはVモデルを考えていただくとイメージが付きやすいのではないでしょうか。

🎯 おわりに

このツールを作成しようと思ったきっかけは今作っている「重天の調律師」のチェックのためです。トータルで40〜50万字規模を目指して製作中です。

ここまで小説規模や設定が膨らむと、プロンプトによるAIチェックと人力チェックだけでは中々厳しいものがあります。Gemini 3.1になって文体も大分固くなってしまって、補正も必須になりました。(現在はチューニングで大分改善しましたが)

このツールのおかげで小説の品質も大分向上させやすくなりました。

『novel_tools』はオープンソースです。あなたの好みの文体や、独自の厳しいレビュー基準に合わせて、自由にSkill(チェック項目)を書き換えてみてください。

あなたの脳内にしかなかった「尊い妄想」が、一つでも多くこの世に出力されることを願っています。

Google Driveからの設定資料の同期について

詳しくはREADME.mdを読んでいただきたいのですが、Google Driveの特定のフォルダ直下のファイルを自動同期する機能も備えています。設定資料の同期も面倒ですからね。
skillを起動すると同期処理を行うようになっているため、この時点でエラーになるかもしれません。同期にはGoogle Drive APIを用いており、Google Cloud ConsoleからAPIキー発行が必要です。

なんかよくわからんから同期は要らん。という方はAntigravityのチャット欄で「各skillにある手順0(Google Driveの同期手順)を削除して」と入力するといい感じに消してくれるでしょう。

【2026/3/1 追記】このワークフロー使う場合、AIモデルは「Claude Opus」を使うことを強く推奨します。無料範囲だと使用上限が厳しいので短編から中編の利用が現実的です。
運用してみて、AntigravityのGeminiは3.1 Proであっても推論が弱くまだ使い物にならないと判断せざるを得ません。
結局、Geminiを使う場合はレビュー用のGemとNotebookLMを用意してレビューさせる方がトータルの品質は担保できそうでした。将来の進化に期待。

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