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2025年下半期のアルバム6選 -転換と再出発-

 2025年下半期は自身の好きなロック以外も聴き漁った半年間であった。今回も良かった音楽を紹介しよう。


The Clearing / Wolf Alice

 2026年初頭の rockin'on sonic で来日しており、近年ますます注目されているミュージシャンの1つだ(残念ながら諸般の事情で公演は観れていない)。フリートウッド・マックを筆頭とする70年代ポップ・ロックを参照したと本人たちは述べているが、確かにスティーヴィー・ニックスの香りがするなと思った。これまでのギターロックが鳴りを潜めながらも、エリー・ロウゼルの伸びやかで少し攻撃的な声が生きる不思議な曲調だ。近所の商業施設でも BGM によく流れていて気分が上がったものだ。


LUX / Rosalia

 スペイン歌手・ロザリアによるアルバム。巷でも圧倒的な評価を得ており、2024年ならチャーリー・XCXの『Brat』のような位置づけのような感じがする。『MOTOMAMI』を放った頃から意識はしていたが、今作でついにその魅力が破裂して世界中に拡散したように思える。歌姫の中でもビョークに似た感じがすると思ったが、それもそのはず、代表曲である『Berghain』ではイヴ・トゥモアとともにビョークがフィーチャーしている。また母国語であるスペイン語・カタルーニャ語に加えて、日本語を含む10以上の言語が散りばめられている(鑑賞中に日本語が聞こえて驚いた)。



Deadbeat / Tame Impala

 『The Slow Rush』以来5年ぶりのアルバム。Rate Your Music や NME では評価が低く、全体的に否定的な意見も多いのだが、私は素直に良いと感じた。3rdアルバム『Currents』と4thアルバム『The Slow Rush』で確立したネオ・サイケデリアの最高峰から一転、よりテクノサウンドに傾倒していったのが本作であると感じるが、むしろそれが自然に馴染む。2020年のフジロックフェスティバルのヘッドライナーとして呼ばれるはずだったテーム・インパラ。コロナ禍のため奇しくも来日を逃したが、今度こそ、今度こそ来日してくれないか…!?


glauben / Lavt

 今年の下半期にアルバムを出したらとんでもない完成度になると思っていたが、予想通りの出来栄えで感動した。今年のサマーソニックでどうしても観たかったミュージシャンで、実際のライブは最高の時間で、やはり期待を裏切らなかった。1世代前(2020年前後)のボーカロード性を獲得したような曲作りが根底にありそうな気がする。その意味で私は『JOOOOKE』が好きだ。過去記事にも Lavt への愛を書き連ねている。


DEAR MYSTERIES / TOMOO

 2023年の 1st アルバム『TWO MOON』があまりにも良作で、もし 2025年のフジロックフェスティバルに行くとしたら、目当ての1つが TOMOO であったほどに気に入っているミュージシャン。2作目もその期待を裏切らない完成度で、間違いなくもっと注目されていい。私自身はソウルやファンクに今でも少しだけ苦手意識を持っているが、彼女はそれを大衆ポップスとして見事に昇華しており、造形の深さと巧さに脱帽する。


あにゅー / RADWIMPS

 邦楽ロックの大御所・RADWIMPS の20周年を位置づける本作は、原点回帰と再出発の意味合いを含む。『ワールドエンドガールフレンド』の浮遊感は、後世のロックバンドに多大な影響を与えたくるりの大名曲『ワールズエンド・スーパーノヴァ』と決して無関係ではないだろう。RADWIMPSのトリビュートアルバム『Dear Jubilee -RADWIMPS TRIBUTE-』も同時期に発表されたが、公開当時 YouTube の急上昇ランキングを埋め尽くすほどの人気で、これまた味わい深かった。


終わりに

 2025年下半期も音楽的に面白い期間だった。上記で触れられなかった概観を以下に記そう。

 洋楽であれば、今年は Geese の活躍が注目を浴びた。各所で名盤として取り上げられた『Getting Killed』はロックンロールを再定義したとも言われている。今年の2月に来日も予定されており、公演はソールドアウトするほどの人気だ。私自身はというと、何回か聴いたものの、まだとらえどころがない感じがするのが本心だ。

 邦楽であれば、活動歴が3年と浅いながらも着実にリスナーを獲得しているブランデー戦記、彗星のごとく現れた弱冠20歳のシンガーソングライター Rol3ert、今年のフジロックフェスティバルに初出演した kurayamisaka あたりが気になっている。特にブランデー戦記は、『The End of the F***ing World』で精神を持っていかれそうになった。kurayamisaka の 1st アルバム『kurayamisaka yori ai wo komete』 は国内シューゲイザーの現在地を明確に示すマイルストーンともいえよう。

 2026年もきっと充実した音楽生活になることを夢見て楽しんでいこう。


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