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BYD、1,500kW超急速充電をインドネシアへ展開――DENZA新型2車種と蓄電併設型インフラを一体投入

    [メンバーシップ限定]中国BYDは2026年10月14日、インドネシアで第2世代ブレードバッテリーと超急速充電技術「FLASH Charging(フラッシュ充電)」を正式発表し、高級ブランド騰勢(DENZA)の新型D9とZ9GTを発売した。10月16日には発表会の内容を公式に報告した。

    最大1,500kW級の充電設備を投入し、対応車両ではバッテリー残量10%から70%まで約5分、97%まで約9分で充電できるという。いずれもメーカー公称値であり、すべての車両や充電条件で達成できることを意味しない。

    同時にBYDは、まずインドネシア国内のDENZA販売店10拠点に超急速充電設備を導入し、一般にも開放する計画を発表した。充電設備には蓄電システムを組み合わせ、現地の電力供給条件に対応しながら超高出力充電を実現する。

    注目すべきは、中国で開発した電池技術や充電設備を単独で輸出するのではなく、車両、バッテリー、充電インフラ、エネルギーサービスを一体として海外市場へ持ち込む点である。

    BYDの海外戦略は、完成車の販売拡大から、中国国内で構築してきたEVエコシステムそのものを海外へ展開する段階に進みつつある。

    10月14日に現地発表、第2世代ブレードバッテリーを投入

    BYDは10月14日、インドネシアで第2世代ブレードバッテリーとFLASH Charging技術を発表した。

    発表会にはBYD副総裁兼アジア太平洋自動車販売事業部総経理の劉学亮氏が出席した。

    劉氏は、BYDの技術革新は既に自動車を製造・販売することだけを目的とする段階を超えており、先進技術を社会へ普及させることが重要だと説明した。

    今回のインドネシア展開についても、技術進歩による利便性を現地の消費者が日常生活で実感できるようにする取り組みだと位置づけた。

    BYDが強調したのは、EV充電をガソリン車の給油に近い感覚で利用できるようにすることである。

    従来、EVの長距離利用では充電時間が課題となってきた。特に、充電設備の出力や電力供給環境が十分でない地域では、車両の性能だけを高めても利用体験の改善には限界がある。

    BYDは電池側の高い充電受入性能と、充電設備側の大出力化を組み合わせることで、この課題に対応しようとしている。

    最大1,500kW、10%から70%まで5分

    今回投入するFLASH Charging設備は、最大1,500kW級の超急速充電に対応する。BYDが示す充電性能は次のとおりである。

    • バッテリー残量10%から70%まで:約5分

    • バッテリー残量10%から97%まで:約9分

    • 充電設備の最大出力:1,500kW級

    ここで注意すべきなのは、充電設備の最大出力と、実際に車両へ供給される電力は同じではないことである。

    実際の充電速度は、車両側の最大受電能力、バッテリーの温度、充電開始時の残量、設備の稼働状況などに左右される。

    また、1,500kWという設備側の最大出力が、充電開始から終了まで維持されるわけでもない。

    今回の5分・9分という数値は、第2世代ブレードバッテリーと対応する充電システムを組み合わせた場合のメーカー公称性能として理解する必要がある。

    他社製EVも充電設備を利用できるとされるが、それらの車両が同じ充電速度を実現できるという意味ではない。

    それでも、数分単位で大容量の電力を補充するという方向性は、EVの利用体験を大きく変える可能性がある。

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    蓄電システムを併設、電力網への負担を抑える設計

    今回の海外展開で特に重要なのが、超急速充電設備に蓄電システムを組み合わせている点である。

    最大1,500kW級の充電設備を導入する場合、充電設備そのものの性能だけでなく、電力網からどれだけの電力を供給できるかが問題になる。

    高出力充電設備を複数設置すれば、同時充電時の電力需要はさらに大きくなる。

    電力網の供給能力が十分でない地域では、変圧設備や配電設備の増強が必要になる場合もある。

    BYDが採用する蓄電併設型の構成は、こうした課題への対応策の一つである。

    電力需要が比較的低い時間帯に蓄電池へ電力を蓄え、車両の充電時にその電力を活用すれば、電力網から瞬間的に取り込む電力を抑えながら、高出力充電を提供できる可能性がある。

    ただし、BYDは今回の公式発表で、インドネシア向け設備の蓄電容量、系統接続容量、最大同時充電台数などの詳細仕様を明らかにしていない。

    したがって、1,500kWのうち何kWを蓄電池から供給するのか、現地の電力網からどれだけの電力を受け取るのかは確認できない。

    重要なのは、BYDが超急速充電を充電器単体の技術ではなく、蓄電設備を含めたエネルギーシステムとして海外へ展開していることである。

    T字型吊り下げ式、充電操作の負担も軽減

    BYDは充電設備の操作性についても独自設計を採用した。

    今回の公式発表では、T字型の吊り下げ式構造、充電ケーブルの重量負担を軽減する「ゼログラビティ」充電ガン、プラグを接続するだけで充電を開始できる機能を紹介している。

    高出力充電では、電流容量に対応するためケーブルやコネクターが大型化・重量化しやすい。

    充電時間を短縮できても、利用者が重いケーブルを取り回さなければならないのであれば、日常の利便性は十分に改善しない。

    BYDはケーブルを上方から支持する構造と、操作負担を軽減する機構を組み合わせることで、充電作業そのものを簡単にすることを目指している。

    また、プラグ接続後の操作を簡素化することで、利用者が複雑な認証や充電開始操作を行う負担も減らそうとしている。

    BYDが訴求するのは、単に電力を短時間で供給することではない。

    充電設備へ到着し、ケーブルを接続し、充電を終えて出発するまでの一連の体験を、従来の給油に近づけることである。

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    急速に進む中国のCASE(Connected&Cabin,Autonomous,Shared&Service,Electric)やAIについての最新情報。2018年から1日1本以上のレポート配信。毎朝8:00日刊中国モビリティレポートと適時号外レポート

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