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余承東氏「今後は四界に集中」――問界をSERESへ、Huaweiは「過負荷」だったリソースを再配分

    [無料]2026年9月15日に問界(AITO)の協業モデル変更が発表されて以降、沈黙を続けていた華為(Huawei)の余承東氏が、ついに自ら今後の鴻蒙智行(HIMA)について語った。

    しかも、その内容はかなり明確だった。

    「今後、私たちは尊界、享界、智界、尚界に注力する」そこに問界の名前はない。

    余氏は9月24日、安徽省合肥市の店舗を視察したとして、自身の公式Weiboを更新。店頭スタッフへの感謝を述べるとともに、過去数年間、Huaweiの商品、デザイン、マーケティング・サービスの各チームが「ずっと過負荷で稼働してきた」と明かした。

    そのうえで今後は、問界を除く四界により十分なリソースを投入し、商品とユーザー体験をさらに磨く方針を明言した。

    9月15日の問界再編から9日。

    問界の商品定義、商品設計、ブランドマーケティング、販売チャネル、サービス体系を賽力斯(SERES)が主導する新体制への移行は、SERES側から見れば「問界を自ら経営する」ための自立である。

    しかしHuawei側から見れば、もう一つの意味があった。

    五界すべてをHuaweiが深く運営することで過負荷になっていたリソースを、残る四界へ再配分する。

    これまで推測するしかなかった問界再編のHuawei側の事情を、余氏自身がかなり率直な言葉で明らかにした格好である。

    「商品、デザイン、マーケティング・サービスが過負荷だった」

    今回、特に重要なのは「四界に集中」という結論だけではない。その直前に余氏が説明した、Huawei側の現状である。

    余氏によれば、過去数年間、「商品チーム、デザインチーム、マーケティング・サービスチームは、ずっと過負荷で稼働してきた」という。

    それでも各チームは、一台一台の商品を良くし、一人ひとりのユーザーへ良いサービスを提供しようと全力を尽くしてきた。

    HIMAの協業は、Huaweiが運転支援システムやコックピットをOEMへ供給するだけではない。

    商品定義、デザイン、マーケティング、販売、サービスにまでHuaweiが入り込む。

    それが問界を成功させ、その後、智界、享界、尊界、尚界へと拡大してきた。

    しかし裏返せば、ブランドが増えるほどHuawei自身の人員と組織へ負荷が集中するモデルでもある。

    余氏が今回「過負荷」という言葉を使ったことは、この構造を考えるうえで非常に重い。

    問界を外し、「四界」と明記

    そして余氏は続けた。

    今後は、尊界、享界、智界、尚界に集中する。

    それぞれにより十分なリソースを与え、各チームが商品を細部まで作り込み、ユーザー体験を改善するための余力を増やす。

    その結果として四界を速やかに成長させ、HIMA全体の発展につなげるという。

    「HIMAに集中する」と曖昧に表現したのではない。

    四つのブランドを一つずつ列挙し、問界だけを外した。

    9月15日に発表された役割分担が、余氏自身の発信にもはっきり反映されたことになる。

    問界はHIMAを離脱したわけではない。

    しかしHuaweiが全工程を主導する対象としては、問界と残る四界の境界線が明確になり始めた。

    3日前には「問界の成功体験」を享界へ

    もっとも、Huaweiが問界を切り離すという話でもない。

    そのことを象徴していたのが、わずか3日前の余氏自身の発言である。

    9月21日、HIMA公式アカウントは余氏へのQ&A動画を公開した。

    そこで享界V8について聞かれた余氏は、自ら問界M8、M7を持ち出し、

    「私たちHIMAは、問界M8、問界M7といったファミリー向けSUVのヒット商品を生み出してきた」と説明した。

    さらに、その経験を通じてファミリーユーザーの本当のニーズを理解したとし、享界V8を「家族のために生まれた車」と位置付けた。

    最後には、「享界V8は次のファミリー向けヒット商品になる」とまで断言した。

    つまり今後の商品運営では問界から一歩離れる一方、問界で約5年間に蓄積した商品開発やユーザー理解は、HIMAの資産として残るという構図が見えてきた。

    問界M7、M8で確立したファミリーSUVの成功体験を、次は享界V8で使う。

    今日の「四界に集中」という発言と合わせることで、その意味はさらに明確になった。

    尊界では、余承東氏自身が工場へ

    では、再配分するリソースをどこへ向けるのか。

    余氏は今回、その四界について一つずつ具体的に説明している。

    まず尊界(Maextro)である。

    余氏は今回の店舗視察に先立ち、2日間にわたって江淮汽車(JAC)の工場を訪れ、尊界の超高級SUVの量産前審査に参加したと明らかにした。

    現在は量産に向けた作業を加速しているという。

    つまり「四界に集中」は単なる経営方針ではない。余氏自身も、尊界の次期商品で量産前の工程にまで直接入っている。

    享界V8、「次のファミリー向けヒット」を再び宣言

    享界(STELATO)については、前日に北京でG9の初回納車が始まったことを紹介した。

    ユーザーからG9の高級感や本格SUVとしての能力が評価されているとしたうえで、納車はゴールではなく始まりであり、その後の使用体験にも継続して目を配るとした。

    そして再び享界V8へ言及した。

    家族で出かける際、高齢者や子どもが快適に座れること、荷物をきちんと積めること。

    一見当たり前に見えるこうした部分こそ、ファミリーカーでは作り込まなければならないとして、

    「享界V8は次のファミリー向けヒット商品になると信じている」と改めて強調した。

    3日前の動画と完全につながっている。

    智界RXとR7も、動画のメッセージをそのまま継承

    智界(LUXEED)についても同様である。

    余氏はRXとR7という2車種の大型新商品を翌週発売するとした。

    RXについては、「ドライバーのために生まれた、これまでのHIMAで最も運転して楽しい車」と位置付けた。

    R7については5億元を投じて刷新し、「7シリーズの価格で、クラスを超えた体験」を実現するとした。

    これも9月21日のQ&A動画で余氏が説明した内容とほぼ同じである。

    つまり21日の動画は単発の宣伝ではなかった。

    問界再編後、余氏自身がどの商品へ重点を移していくのかを示す、新しいHIMAの商品メッセージだったと見ることができる。

    尚界には5000人、次は中大型ファミリーSUV

    そして最後が尚界(SAIC)である。

    余氏は、上汽集団(SAIC)との協業も「不断に深化している」と明言した。

    上汽は5000人を超える専属チームを組成し、上海・金橋の尚界専用工場もアップグレードしている。

    さらに次の商品について、中大型ファミリーSUVになることを余氏自身が改めて明らかにした。

    これは同日、CHINA CASEで紹介した上汽とHuaweiの尚界協業深化とも完全につながる。

    上汽とHuaweiは9月23日、現在の協業モデルを変更しないことを前提に尚界への投入を拡大すると表明した。

    上汽は当初の60億元に10億元を追加し、累計70億元規模を投入。5000人超の専属チーム、専用工場、販売網、そして次期中大型SUVまで準備している。

    問界がOEM主導へ移った直後に、尚界は逆にHuawei全工程主導型の協業を維持し、さらに深く入ることを選んだ。

    そして今回、余氏自身も「四界に集中」するとしたうえで、その尚界を重点ブランドの一つとして明示した。

    問界再編で初めて見えた「HIMAのキャパシティー」

    ここまでつなげると、9月15日の問界再編は、これまでとは少し違って見えてくる。

    問界はHIMA最大の成功例となり、SERES自身が商品、ブランド、販売、サービスを主導できる段階へ進んだ。

    その一方でHuaweiは、智界、享界、尊界、尚界という四つのブランドを抱えている。

    尊界では超高級車。

    享界では高級ファミリーカー。

    智界では走りや若いユーザーを意識した商品。

    尚界では、より大きな量販市場までカバーする。

    それぞれの商品ラインアップも急速に増えている。

    Huaweiが従来と同じ密度で五界すべての商品定義、デザイン、マーケティング、販売、サービスへ関与し続ければ、当然ながら必要なリソースは膨張する。

    今回、余氏はそれを抽象論ではなく、「過去数年間、チームはずっと過負荷で稼働していた」と認めた。

    HIMAが成長した結果、初めてHuawei自身の組織キャパシティーが問題として表面化したとも言える。

    問界をSERESへ、成功体験はHuaweiへ

    この1週間の動きを並べると、役割分担はかなり鮮明になった。

    9月15日、問界の商品・ブランド・販売・サービスをSERES主導へ変更。

    9月20日、Huaweiのスマートカー技術事業を担う引望が、今後も問界へ運転支援の乾崑ADS、スマートコックピットHarmonySpace、車両制御、車載光学、クラウドなどを提供し続けると表明。

    9月21日、余承東氏が問界M7、M8を「HIMAが生み出した成功商品」と位置付け、その成功体験を享界V8へつなげた。

    そして9月24日、余氏自身が、「今後は尊界、享界、智界、尚界に集中する」と明言した。

    これなら話は矛盾しない。

    これからの問界を経営するのはSERES。

    問界へスマートカー技術を供給し続けるのは乾崑(引望)。

    そしてHuaweiは、問界で蓄積した成功体験も使いながら、残る四界へ人的・商品・マーケティング資源を集中する。

    問界がHuaweiから消えるのではない。

    むしろ問界を約5年間かけて育てたことで、Huaweiは一つの成功モデルと大量のユーザー経験を手に入れた。その問界をSERESへ委ねることで、次の四界を育てるための余力を取り戻す。

    9月15日の問界再編は、SERESの「卒業」であると同時に、HIMAが五界を抱えて成長した結果として必要になった、Huawei自身のリソース再編でもあったのである。

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