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Desay SV、Q3売上23.8%増も純利益4.5%増――在庫倍増、営業キャッシュフロー63.9%減

    [メンバーシップ限定]中国の車載電子機器大手Desay SV(徳賽西威、002920.SZ)は2026年10月26日、2026年第3四半期決算を公表した。7~9月の売上高は前年同期比23.75%増の95億1,902万元となった一方、親会社株主に帰属する純利益は同4.54%増の5億9,080万元にとどまった。

    1~9月累計では売上高が9.33%増、純利益が2.67%増となり、売上高の拡大に利益成長が追いついていない。さらに9月末の棚卸資産は2025年末比105.61%増加し、営業キャッシュフローは前年同期比63.90%減少した。

    スマートコックピットやADASの高度化によって車載電子機器市場が拡大するなか、同社の事業規模は引き続き成長している。しかし今回の決算は、売上高の成長が必ずしも利益や現金収支の改善につながらないことを示している。

    Q3売上高は23.75%増、純利益は4.54%増

    Desay SVの2026年7~9月の主要業績は以下の通りである。

    • 売上高:95億1,902万元、前年同期比23.75%増

    • 親会社株主帰属純利益:5億9,080万元、同4.54%増

    • 非経常損益控除後純利益:5億6,805万元、同0.57%減

    • 売上総利益率:18.88%、前年同期比0.37ポイント上昇

    • 基本1株当たり利益:1.00元、同1.96%減

    売上高は前年同期から約18億2,600万元増加した。しかし、親会社株主帰属純利益の増加額は約2,600万元にとどまる。

    また、非経常損益を除いた純利益は前年同期をわずかに下回った。売上高が2割以上拡大したにもかかわらず、継続的な事業活動による利益はほぼ横ばいだったことになる。

    前四半期との比較でも、Q3の親会社株主帰属純利益はQ2の約7億8,300万元から約24%減少した。

    ただし、Q3の売上総利益率は前年同期比0.37ポイント改善している。したがって、利益成長の鈍化を製品そのものの粗利益率悪化だけで説明することはできない。

    1~9月売上高244億元、利益成長は小幅

    2026年1~9月累計では、次の業績となった。

    • 売上高:244億1,997万元、前年同期比9.33%増

    • 親会社株主帰属純利益:18億3,544万元、同2.67%増

    • 非経常損益控除後純利益:17億9,341万元、同4.04%増

    • 売上総利益率:19.00%、前年同期比0.70ポイント低下

    • 基本1株当たり利益:3.10元、同4.02%減

    1~9月累計の売上総利益率は19.00%で、前年同期から0.70ポイント低下した。

    一方、Q3単独の売上総利益率は前年同期より改善している。これは、上半期までの利益率低下とQ3の変化を区別して評価する必要があることを意味する。

    また、Q3の売上高成長率23.75%は1~9月累計の9.33%を大きく上回った。売上高の伸びがQ3に加速したことは明確である。

    ただし、この増収がどの製品分野や顧客によって生み出されたのかについては、今回の四半期報告書だけでは十分に特定できない。

    在庫98億4,748万元、2025年末から105.61%増加

    今回の決算で特に注目されるのが、棚卸資産の急増である。

    2026年9月末の棚卸資産は98億4,748万元となり、2025年末の47億8,930万元から105.61%増加した。増加額は約50億5,818万元に達する。

    会社側は、この増加について原材料の備蓄拡大が主な要因であると説明している。

    同時に、仕入先に対する買掛金も増加した。

    • 棚卸資産:98億4,748万元、2025年末比105.61%増

    • 買掛金:80億8,821万元、同43.57%増

    • 固定資産:39億9,051万元、同32.74%増

    • 短期借入金:3億6,530万元、同46.79%減

    棚卸資産の増加と買掛金の増加は、原材料調達の拡大という点で整合している。

    一方、固定資産も増加しているが、会社側は建設仮勘定からの振り替えが主な要因としている。したがって、固定資産の増加額をそのまま新規設備投資額とみなすことはできない。

    原材料の備蓄拡大については、今後の生産需要への対応、部品供給の安定化、調達条件の変化など、複数の可能性が考えられる。

    ただし、今回の報告書は具体的な調達品目や備蓄方針の詳細を説明していない。

    そのため、半導体不足への対応やADAS向け高性能チップの大量調達が原因であると断定することはできない。

    重要なのは、在庫の増加が将来の売上高につながるのか、それとも在庫回転率や資金効率の悪化を招くのかという点である。

    営業キャッシュフロー63.90%減、原材料調達の負担が拡大

    2026年1~9月の営業活動によるキャッシュフローは8億1,562万元となり、前年同期の22億5,955万元から63.90%減少した。

    会社側は、原材料の備蓄に伴う支出の増加を主な要因としている。

    実際のキャッシュフローを見ると、売上高の拡大によって顧客からの現金収入は増加しているものの、仕入れに伴う支出がそれ以上に増えている。

    • 商品販売・サービス提供による現金収入:285億284万元、前年同期比約7.1%増

    • 商品・サービス購入による現金支出:244億7,571万元、同約15.3%増

    • 営業キャッシュフロー:8億1,562万元、同63.90%減

    • 投資キャッシュフロー:11億3,898万元のプラス

    • 財務キャッシュフロー:15億386万元のマイナス

    営業キャッシュフローは引き続きプラスであり、現金収支が赤字に転落したわけではない。

    しかし、1~9月の親会社株主帰属純利益18億3,544万元に対して、営業キャッシュフローは8億1,562万元にとどまった。

    利益に対する営業キャッシュフローの比率は約44%である。

    前年同期は営業キャッシュフローが親会社株主帰属純利益を上回っていたため、資金回収と運転資金の関係には大きな変化が生じている。

    一方、投資キャッシュフローがプラスに転じた主因は、金融商品の運用資金の回収増加である。これは本業の収益力改善を直接示すものではない。

    財務キャッシュフローについても、前年同期に大型の資金調達があった反動が大きく、今回のマイナスだけで資金繰りの悪化を判断することは適切ではない。

    実際、9月末の短期借入金は2025年末より減少している。

    今回の決算では、資金繰りの危機というよりも、事業拡大に伴う運転資金負担の増加として捉える必要がある。

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