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DENZA Z9GT、香港でポルシェ・タイカンより32%安く発売――99.8万香港ドル、BYDは超急速充電拠点も先行整備

    [メンバーシップ限定]中国BYD傘下の高級車ブランド騰勢(DENZA)は2026年10月23日、香港で旗艦EV「DENZA Z9GT」を正式発売した。販売価格は99万8,000香港ドル(約2000万円)となる。

    注目されるのは、香港の高級車市場における価格設定である。

    ポルシェ香港が公表しているタイカンの標準モデルは147万8,000香港ドル(約2959万円)から。Z9GTは48万香港ドル安く、価格差は約32.5%に達する。

    しかもZ9GTは、最高出力850kW、0~100km/h加速2.7秒という高性能を備え、第二世代ブレードバッテリーと1,000V高電圧プラットフォームを採用する。

    BYDが訴求するのは、従来の高級車ブランドより低い価格だけではない。高性能なEVと超急速充電技術を組み合わせ、新しい高級車の価値を提案する戦略である。

    さらに香港では、Z9GTの発売に先立ち、BYD系のフラッシュ超急速充電拠点が営業を開始している。

    今回の香港投入は、中国製高級EVの輸出というだけでなく、車両と充電インフラを組み合わせた海外展開として注目される。

    10月23日、香港で99.8万香港ドルの高級EVとして発売

    DENZAは10月23日、香港のビクトリア・ハーバーでZ9GTの発売イベントを開催した。

    会場には250人以上の業界関係者やメディアが集まり、BYDグループ副総裁でアジア太平洋自動車販売事業部総経理の劉学亮氏が出席した。

    当日は2,000機のドローンによる演出も行われ、DENZAブランドとZ9GTの技術的な特徴を紹介した。

    DENZAは2010年に設立された高級車ブランドであり、2022年のブランド刷新以降、NEVを中心に商品展開を進めてきた。

    今回の香港発売は、アジア太平洋地域における高級車事業の拡大を目的とする。

    Z9GTは、大型GTとしてのデザイン、車内の快適性、高性能な電動パワートレイン、独自の車両制御技術を組み合わせた旗艦モデルである。

    ただし、今回の発表では香港での販売目標台数や受注台数は明らかにされていない。

    約100万香港ドルという価格帯で、どの程度の顧客を獲得できるかは今後の販売実績を待つ必要がある。

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    ポルシェ・タイカンより48万香港ドル安い

    Z9GTの香港価格を評価するうえで、比較対象となるのがポルシェの高級EV「タイカン」である。

    ポルシェ香港が公表する各モデルの通常の表示開始価格は次の通りである。

    • DENZA Z9GT:99万8,000香港ドル

    • ポルシェ・タイカン:147万8,000香港ドル

    • ポルシェ・タイカン4S:188万8,000香港ドル

    • ポルシェ・タイカンTurbo:279万8,000香港ドル

    • ポルシェ・パナメーラ:148万8,000香港ドル

    • ポルシェ・パナメーラ4 E-Hybrid:181万8,000香港ドル

    タイカンの標準モデルと比較すると、Z9GTは48万香港ドル安い。

    これはタイカンの表示開始価格に対して約32.5%の価格差である。

    また、ガソリン車のパナメーラ標準モデルと比較しても、Z9GTは49万香港ドル安い。

    パナメーラ4 E-Hybridとの差は82万香港ドルに広がる。

    もっとも、タイカン、パナメーラ、Z9GTは車体構成やパワートレイン、商品上の位置付けが異なる。

    今回の比較は、香港の高級車市場で顧客が検討する価格帯を示すものであり、各車の性能や装備が直接対応しているという意味ではない。

    また、ポルシェの価格は公式サイトの表示開始価格であり、オプション装備や個別の販売条件によって実際の購入価格は変わる。

    ポルシェの在庫車値引きで、実際の価格差は縮まる場合も

    一方、香港の高級車市場では、公式表示価格だけで競争状況を判断することはできない。

    ポルシェ香港は10月25~26日の販売イベントで、対象となるタイカンの在庫車を109万1,912香港ドルから提供する特別価格を案内している。

    この価格とZ9GTの99万8,000香港ドルを比較すると、差額は9万3,912香港ドルとなる。

    通常の表示開始価格では48万香港ドルあった差が、期間限定の在庫車価格では約9万4,000香港ドルまで縮まる計算である。

    ただし、この特別価格は対象車両や販売期間が限定されたものであり、タイカンの通常価格が恒常的に引き下げられたことを意味しない。

    また、対象車両の年式や装備、在庫条件も新規注文車とは異なる可能性がある。

    それでも、約100万香港ドルという価格帯において、既存の高級車ブランドも販売条件を柔軟に変更していることは重要である。

    Z9GTが実際に競争する相手は、カタログ上の高級車価格だけではない。

    値引きや在庫車販売を含めた、香港の高級車市場そのものである。

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    850kW、0~100km/h加速2.7秒の高性能GT

    Z9GTは価格だけでなく、電動パワートレインの性能も強く打ち出している。

    BYDが香港発売に際して公表した主な仕様は、最高出力850kW、0~100km/h加速2.7秒、1,000V高電圧プラットフォーム、第二世代ブレードバッテリーである。

    車両制御には、DENZA独自の「易三方」を採用する。

    易三方は複数の駆動モーターを協調制御することで、加速性能だけでなく、車両の姿勢や走行安定性、操縦性の向上を狙う技術である。

    Z9GTの0~100km/h加速2.7秒という数値は、ポルシェの高性能EVと比較しても注目に値する。

    ただし、加速性能の数値が近いからといって、走行性能全体が同等とは限らない。

    高級GTでは、連続した高負荷走行時の性能、制動能力、操縦性、乗り心地、静粛性なども重要になる。

    Z9GTは、これらを含む総合的な商品競争力を、香港の高級車ユーザーに評価されることになる。

    第二世代ブレードバッテリー、5分・9分の超急速充電を訴求

    今回の香港発売で、BYDが特に強調しているのが充電性能である。

    Z9GTは第二世代ブレードバッテリーと1,000V高電圧プラットフォームを採用する。

    BYDは充電性能について、「5分で十分な充電、9分で満充電」という短時間充電を訴求している。

    従来、高性能EVでは大容量バッテリーによる航続距離の確保と、充電時間の短縮を両立させることが課題となってきた。

    Z9GTでは、高電圧プラットフォームと新世代電池技術を組み合わせることで、充電時間そのものを大幅に短縮する考えである。

    香港仕様については、122.49kWhのバッテリー容量と、NEDC基準で701kmの航続距離も公表されている。

    ただし、NEDCは試験条件に基づく数値であり、香港での実際の走行距離を保証するものではない。

    また、短時間充電の性能は、充電器の出力、電池温度、充電開始時の残量などによって変わる。

    「9分で満充電」という表現についても、メーカーが想定する条件と充電範囲を確認する必要がある。

    今回の発売発表だけで、香港のあらゆる充電器で同じ速度を実現できると解釈することはできない。

     
     
    急速に進む中国のCASE(Connected&Cabin,Autonomous,Shared&Service,Electric)やAIについての最新情報。2018年から1日1本以上のレポート配信。毎朝8:00日刊中国モビリティレポートと適時号外レポート

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