
九識、マレーシア初の無人物流車向け公道試験許可を取得――交通相が交付、22kmの都市道路で6カ月間検証
[メンバーシップ限定]中国の自動運転物流企業、九識(Zelos)は2026年10月23日、マレーシアでL4自動運転配送車「RoboVan」の公道試験を開始したと発表した。
クアラルンプールで開催された「Transport Expo Asia 2026」において、マレーシアのアンソニー・ローク運輸相が、無人物流車向けとして同国初となる公道試験許可に関するナンバープレートを交付した。
今回の試験は、首都近郊のサイバージャヤに設定された全長約22kmのルートで、6カ月間にわたって実施する計画である。商業地区、教育機関、鉄道駅、交差点、横断歩道などを含む都市道路を走行し、実際の交通環境における自動運転性能と運行体制を検証する。
九識は2026年1月からマレーシアで実証活動を進めており、閉鎖区域での試験、実地デモンストレーション、遠隔運行センターの開設を経て、今回の公道試験に移行した。
マレーシア政府による試験許可の取得は、九識が東南アジアで進める無人物流事業にとって、新たな段階への移行を意味する。ただし、今回認められたのは公道での試験であり、一般向け無人配送サービスの本格的な商用運行が認可されたわけではない。
マレーシア運輸相が公道試験用ナンバープレートを交付
今回の発表は、クアラルンプールで開催されたTransport Expo Asia 2026の期間中に行われた。
会場にはアンソニー・ローク運輸相が出席し、九識のRoboVanに対する公道試験許可に関するナンバープレートを交付した。
九識によれば、マレーシアで無人物流車を対象とする公道試験用ナンバープレートが交付されるのは初めてである。
これまで同国で進められてきた閉鎖区域や限定的な環境での試験から、一般の交通参加者が存在する道路環境での検証へ進むことになる。
この違いは大きい。
閉鎖区域では、走行する車両や歩行者などの条件を比較的管理しやすい。一方、実際の都市道路では、一般車両、歩行者、自転車、交差点の交通状況など、さまざまな要素が同時に変化する。
L4自動運転車を物流用途で利用するには、こうした環境で安定して走行できることに加え、運行状況を監視し、必要に応じて対応できる体制が求められる。
今回の許可は、その実用化に向けた公道での検証を可能にするものである。
サイバージャヤの約22kmを6カ月間走行
公道試験は、クアラルンプール近郊のサイバージャヤで実施される。
九識によれば、試験ルートは全長約22kmで、実際の都市交通を想定した複数の道路環境を含んでいる。
対象となるのは、商業地区、教育機関、鉄道交通の駅周辺、ビジネスセンター、交差点、横断歩道などである。
試験期間は6カ月間を予定している。
単に車両が道路を走行できるかを確認するだけではなく、異なる交通環境での運行状況を継続的に記録し、実際の物流サービスへの適用可能性を検証する。
特に、交差点や横断歩道を含む都市道路では、歩行者や一般車両の動きに対応する必要がある。
物流用途の自動運転車は、同じ地域で繰り返し走行することが想定されるため、一定のルートにおける安定性や継続運行能力が重要となる。
ただし、九識は今回の発表で、車両の走行速度、運行時間帯、遠隔介入の具体的な条件、試験中の積載貨物などについて詳細を明らかにしていない。
また、約22kmという数字は試験ルートの長さであり、1日当たりの走行距離や配送可能範囲を示すものではない。
現地企業ALSと共同運営、介入回数も記録
今回の試験では、九識が現地パートナーのAutonomous Logistic Solutions(ALS)と協力し、運行を支援する。
両社は試験期間中、車両の走行性能だけでなく、運行実績に関するデータを収集する。
主な記録対象は、車両の稼働時間、走行距離、完了した運行回数、システムへの介入状況などである。
こうしたデータは、自動運転車が技術的に走行できるかという評価に加え、物流事業として継続的に利用できるかを判断する材料となる。
例えば、長時間の運行でどの程度安定して走行できるのか、どのような交通状況で人による対応が必要になるのか、予定した運行をどの程度完了できるのかといった点である。
九識は、今回の試験で得られる実際の運行データを、将来のマレーシアにおける無人物流サービスの商用展開に活用する方針である。
九識シンガポールのTerry Zhou総経理は、公道試験の開始について、マレーシアにおける無人物流の発展にとって重要な節目であり、実際の道路環境で運行経験を蓄積する機会になるとの認識を示した。
