メインコンテンツへスキップ
見出し画像

小鵬匯天、UAEで「飛ばす」から「運航する」へ――規制サンドボックス、首長国間航路を始動

    [メンバーシップ限定]中国小鵬汽車(XPENG)系の空飛ぶクルマ企業、小鵬匯天(小鵬汇天、XPENG AEROHT、海外ブランド名Aridge)が、中東での展開を一段進める。

    小鵬匯天は2026年9月18日、アラブ首長国連邦(UAE)のラスアルハイマ首長国と戦略協力を開始した。ラスアルハイマ交通局、同首長国民間航空局との協力により、先進航空モビリティ(AAM)の試験環境を構築し、機体、専門チームを現地へ配置する。

    さらに同社は、アブダビ―ラスアルハイマを結ぶ首長国間の実証航路についても計画を開始したとしている。

    ここで重要なのは、中国の「空飛ぶクルマが海外で飛んだ」という話ではない。

    ラスアルハイマ側の発表でも、今回の協力について、2025年に同地で実施した最初のデモ飛行から、より高度な検証と運航試験へ移行するものと位置付けている。小鵬匯天はAAM試験区域の最初のパートナーとなり、機体と専門チームを配置して継続的に試験を行う。

    「飛べることを見せる」段階から、「どうすれば日常的に運航できるのかを検証する」段階へ。

    小鵬匯天の海外展開が、そこまで進んできた。

    2025年の「初飛行」から一年

    小鵬匯天とラスアルハイマの関係は今回突然始まったものではない。

    2025年9月、小鵬匯天はラスアルハイマで同社として初となる海外での飛行実証を実施した。

    その際、ラスアルハイマ交通局との戦略的な覚書も締結。観光、レジャー、限定的な緊急救援などで空飛ぶクルマを活用する可能性を検討するとともに、交通局側が運航試験に必要な規制枠組みやインフラ整備を進め、小鵬匯天側が技術と製品を提供するという協力関係を構築していた。

    当時は、まず「UAEで飛ばせるか」が中心だった。

    それから一年。今回の協力では、

    • 機体を現地へ常駐

    • 専門チームを配置

    • 規制された環境で段階的に試験

    • 空域要件を検証

    • 運航手順を検証

    • 安全基準を検証

    • 実際の運航試験へ移行

    というところまで具体化した。ラスアルハイマ側も、今回の協力を「初期試験から、より高度な検証と運航試験への段階的移行」と明確に説明している。

    画像

    規制サンドボックスで「飛ばすルール」を作る

    小鵬匯天側は今回構築する仕組みを、UAE民間航空総局(GCAA)の監督を受ける「先進航空モビリティ規制サンドボックス」と説明している。

    サンドボックスとは、新しい技術やサービスについて、通常の制度をいきなり全面適用するのではなく、一定の管理された条件の中で実証しながら、必要な規制や安全基準を検討する仕組みである。

    空飛ぶクルマでは、この意味が特に大きい。

    機体そのものが安全に飛べるだけでは商用サービスにはならない。

    どの空域を飛ぶのか。どのように飛行許可を出すのか。他の航空機とどう共存するのか。離着陸地点をどう管理するのか。事故や故障が起きた場合に誰が対応するのか。

    機体認証だけでなく、空域、運航、安全、地上支援を一つの交通システムとして設計する必要がある。

    ラスアルハイマ側も、試験区域では技術の成熟度だけでなく、空域要件、運航手順、安全基準を段階的に検証するとしている。

    画像
     
     
    急速に進む中国のCASE(Connected&Cabin,Autonomous,Shared&Service,Electric)やAIについての最新情報。2018年から1日1本以上のレポート配信。毎朝8:00日刊中国モビリティレポートと適時号外レポート

    あなたへのおすすめ