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中国・中微公司、GAA・3Dメモリー向け高選択性エッチング装置を初出荷――次世代半導体製造の国産化を拡大

    [メンバーシップ限定]中国の半導体製造装置大手、中微公司(AMEC、上海証券取引所688012)は2026年10月22日、新型の気相高選択性エッチング装置「Primo Domingo」の初号機を中国国内の半導体研究開発・製造企業へ出荷したと発表した。

    同装置は、GAA(Gate-All-Around)トランジスタ、3D NAND、3D DRAMなど、半導体の三次元構造化に対応するために開発された。シリコンゲルマニウム(SiGe)とシリコン(Si)の加工では、700対1を超える選択比を実験室段階で実証している。

    今回の出荷は、中国製半導体装置が次世代の微細加工工程に進出する新たな段階を示す。ただし、装置の初出荷は量産ラインでの正式採用を意味しない。今後、顧客による性能評価と製造工程への適合確認が重要となる。

    10月22日、Primo Domingo初号機を中国国内顧客へ出荷

    中微公司が今回出荷したPrimo Domingoは、特定の材料を優先的に除去しながら、隣接する材料や微細構造への影響を抑える高選択性エッチング装置である。

    半導体の微細化では、単純に回路の寸法を縮小するだけでなく、トランジスタやメモリーセルの構造を三次元化する動きが進んでいる。

    これに伴い、複雑な積層構造の内部で特定の材料だけを取り除く加工技術が重要になっている。

    中微公司は、こうした次世代半導体製造工程への対応を目的としてPrimo Domingoを開発した。

    同社は2026年3月までに同装置の開発成果を公表しており、今回の10月22日の発表は新製品の初公開ではない。技術開発と実験室での性能検証を経て、初めて顧客への実機出荷に進んだことが新しい。

    出荷先については、中国国内の重要な半導体研究開発・製造顧客と説明しているが、企業名は明らかにしていない。

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    700対1超の選択比、GAAと3D DRAM向けに実証

    Primo Domingoの技術的な特徴は、高いエッチング選択比にある。

    選択比とは、除去したい材料と残したい材料のエッチング速度の比率である。

    例えば、SiGeとSiの選択比が700対1であれば、同じ処理条件下でSiGeが700nm除去される間に、Siの除去量が約1nmに抑えられる関係を意味する。

    実際の加工結果は材料構成や処理条件などによって変化するため、選択比だけで加工精度や製造歩留まりが決まるわけではない。

    中微公司は2026年第1四半期報告で、Primo DomingoがSiGe/Siの選択比700対1超を実現し、GAAと3D DRAMの重要工程に関する実験室検証で良好な性能を示したと説明している。

    この技術が重要となる代表例がGAAトランジスタである。

    GAAは、電流が流れるチャネルをゲート電極が周囲から包み込む構造であり、従来のFinFETからさらに微細化を進めるための技術として採用が進んでいる。

    ナノシート型GAAでは、SiとSiGeを交互に積層し、SiGeを選択的に除去することで、Siのナノシートを残す工程が用いられる。

    このとき、SiGeを十分に除去できなければ目的の構造を形成できない。一方、Siまで大きく削ってしまえば、チャネルの形状や電気的特性に影響する。

    高選択性エッチングは、こうした微細構造の形成に不可欠な技術の一つである。

    3D DRAMや3D NANDへの応用も視野

    Primo Domingoが対象とするもう一つの領域が、三次元構造を持つメモリーである。

    3D NANDは、メモリーセルを垂直方向に積層することで記憶容量を拡大している。積層数が増えるにつれて、深い穴や複雑な内部構造を高精度に加工する必要がある。

    一方、3D DRAMは、従来の平面構造から三次元構造へ移行することで、メモリーセルの高密度化を目指す技術である。

    DRAMの三次元化には複数の技術方式があり、具体的な工程や必要な装置は採用する構造によって異なる。

    中微公司はPrimo DomingoをGAA、3D NAND、3D DRAM向けの装置として位置付けているが、今回の出荷先がどの半導体を開発・製造しているのかは公表していない。

    したがって、今回の出荷を特定のDRAMメーカーによる採用や、3D DRAMの量産開始と結び付けることはできない。

    現時点で確認できるのは、次世代の三次元半導体製造に必要な高選択性エッチング技術について、中国製装置が顧客評価の段階に進んだことである。

    対称構造の処理室と精密温度制御で加工の安定性を追求

    Primo Domingoは、高い選択比に加え、ウエハー全面での加工均一性と処理の再現性を重視して設計されている。

    中微公司が公表した主な技術的特徴は次の通りである。

    • 対称構造の処理室と最適化したガス流路により、ウエハー全面での加工均一性を高める。

    • ガス供給装置を一体化し、ガスの供給距離を短縮することで、高速なパルス供給と精密制御に対応する。

    • 冷却・加熱機能をそれぞれ二重に備えたウエハー支持台を採用し、広い温度範囲での精密制御を可能にする。

    • 耐腐食性の高い配管と特殊コーティングを採用し、反応性の高い処理ガスに対応する。

    • 量産実績のあるPrimo C6V3ウエハー搬送システムを使用し、主処理室と補助的なアニール処理室を組み合わせられる構成とする。

    半導体製造装置では、実験室で高い性能を実現することと、工場で長期間安定して稼働することは別の課題である。

    ウエハーの位置による加工差、処理室内部の状態変化、温度のばらつき、装置の連続稼働時の安定性などが、実際の製造歩留まりに影響する。

    Primo Domingoは、こうした量産工程で問題となる要素を装置構造から改善する設計を採用している。

    ただし、今回の発表では、ウエハー面内均一性の具体的な測定値、連続稼働時間、処理速度、量産時の歩留まりなどは公表されていない。

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