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2026世界ロボット大会ByteDance系AI技術・応用フォーラム|AIVA李博氏 講演全文日本語訳

    2026年8月22日、「2026世界ロボット大会・Volcano EngineエンボディドAI技術・応用フォーラム」が、北京北人亦創国際会展センターで開催された。

    ByteDance系の火山引擎(Volcano Engine)が賽力斯(SERES)も出資する賽豆科技が展開するEV新ブランド「AIVA」総裁兼プロダクトマネージャーの李博氏が招待を受けて出席し、「まずAIがあり、その後にクルマがある――AIVAとVolcano Engineが共同で定義・設計し、ともに創り上げるAIカー体験」と題して講演した。

    李博氏は会場のゲストとともに、AIを物理世界へ実装するEmbodied AIのもう一つの道筋について議論するとともに、AIVAとVolcano Engineが製品定義やAIネイティブ組織で進めている取り組みと、その進捗について説明した。

    今までAIVAが発表してきた内容とだいたいは被り、新規性はそれほど多くは無いが、一次資料としては参考になる。

    以下、講演全文。


    Volcano Engineからお招きいただき、ありがとうございます。ご来場の皆さま、メディアの皆さま、こんにちは。AIVAの李博です。

    先ほどのお二人のお話は、どちらも非常に実践的な内容でした。

    陽光さんが取り組んでいるのは、一つの根本的な問題です。つまり、どうすればロボットの身体に動き方を学ばせることができるのか。しかも、より低いコストで、より速く学習させるにはどうすればよいのか、という問題です。

    文正さんがお話しされたのは、もう一つの根本的な問題です。この身体を、どうすれば一人ひとりの生活の中へ入れていけるのか。

    一人は「動けるようにする」ことを解決し、もう一人は「人のそばにいる」ことを解決しているわけです。

    先ほどから、私はこうした話を非常に興味深く聞いていました。なぜなら私たち自身も、それと関係しながら、少し異なる問いに答えようとしているからです。

    もしAIが本当に物理世界へ入っていくのであれば、AIには「身体」が必要です。では、その身体は人型ロボット以外にもあり得るのではないでしょうか。

    私たちが出した答えは、自動車です。

    今日、私はEmbodiedロボットを開発する専門家の皆さんの中に立っていますので、少し異分野から参加しているような感覚があります。

    しかし、まさにこの異分野からの視点があるからこそ、あまり注目されていない一つのことが見えてきます。自動車は現在、物理AIにとって最も重要な「身体」の一つなのです。

    01 自動車は現在、物理AIにとって最も重要な「身体」の一つ

    年初にNVIDIAのジェンスン・フアン氏は、「物理AIの時代が始まりつつある」と述べました。私はこの判断に非常に共感しています。

    過去2年間、業界の関心の多くは大規模モデルそのものに集中してきました。パラメーター規模、推論速度、マルチモーダル能力。もちろん、これらは重要です。

    しかし、AIの次の段階における本当の分水嶺は、AIがスクリーンの中から飛び出し、デジタル世界から物理世界へ入っていけるかどうかにあるはずです。

    物理世界へ入るためには、より優れた大規模モデルだけでは十分ではありません。環境を認識し、動作を実行し、人間と長期間にわたって共存できる「そこに存在するもの」が必要です。

    ロボットはその一つの道です。

    そして自動車は、おそらくそれ以上に速く実用化できる、もう一つの道です。なぜなら、自動車には多くのAI端末にはない、生まれながらの条件が備わっているからです。

    第一に、自動車には十分なエネルギー基盤があります。

    数十kWh、さらには100kWhを超える車載バッテリーによって、ローカルでの高い演算能力やエッジ側大規模モデルの搭載を支えることができます。

    低遅延で応答できるだけでなく、大量のデータをローカルで処理できるため、データやプライバシーの安全性もより確保しやすくなります。

    第二に、自動車には完成された認識能力と実行能力があります。

    カメラ、マイク、レーダーなどのセンサーに加え、シート、エアコン、照明、シャシーなど、一連の機構を備えています。

    これらはAIにとっての目、耳、手足に相当します。認識情報を統合し、物理的な動作へつなげるためのハードウェア基盤が、すでに整っています。

    第三に、自動車には代替の難しい「人と長期間共存する場面」があります。

    これは比較的見落とされやすい点です。

    毎日の通勤、家族の送り迎え、週末の外出など、ユーザーは毎日2~3時間を車内で過ごすことがあります。そして、一台のクルマを何年間も使い続けます。

    これほど高頻度で、周期的かつ多様なシーンにおいて、長期間人間に寄り添うことのできる端末は、それほど多くありません。

    だからこそ自動車は、物理AIが本当の意味で一般の人々の日常生活へ入り、人間と長期間共生していくための「身体」の一つになるのです。

    ここまで私たちの考え方についてお話ししました。

    次に、私たちが実際に何をしているのかをご紹介します。

    02 物理AIに必要なのは行動能力だけではない。「生きている」という生命感も

    私たちの基本的な考え方は非常にシンプルです。

    「まずAIがあり、その後にクルマがある」ということです。

    まず完成車を造り、そこへ後からインテリジェント機能を大量に追加していくのではありません。

    その逆です。

    製品を定義する段階で、まずAIが人間を理解し、より良い関係を築くためには、どのような能力が必要なのかを明確にする。

    そして、そのAIに必要な能力を中心として、完成車そのものを形作っていく。そうすることで、クルマは一つの「AI生命体」になります。

    この生命体について、ユーザーが最初に直感的に感じるものがあります。それが、この「目(ヘッドライト)」です。

    私たちはこれを「霊動光眸」と呼んでいます。

    このアイデアを最初に提案し、社内の各部門で議論したときには、「本来やるべき仕事から外れている」と考える人も少なくありませんでした。

    なぜなら、ヘッドライトはこれまでずっと照明のために使われてきた場所だからです。それを今度はスクリーンにしようというのです。

    コスト部門からすれば、「余計なコストがかかるだけで、大して役にも立たない」という判断でした。

    率直に言って、この問題については長い間議論しました。最終的に皆を納得させたのは、むしろ非常に単純な考え方でした。

    私たちが作ろうとしているのは生命体です。生命体である以上、表現し、コミュニケーションする必要があります。

    人と人がコミュニケーションするときも、まず相手の目を見ることが多いでしょう。「目は心の窓」とも言います。

    それをクルマに置き換えれば、このクルマの「目」が存在する自然な場所は、ヘッドライトなのです。

    したがって、この「目」は人目を引くために意図的に付け加えたデザインではありません。生命体としてのインタラクションという観点から考えれば、本来そこに存在すべきものなのです。

    そしてインタラクションである以上、この目が見せる一つひとつの表情は、AIが認識した情報に対する自然な反応でなければなりません。

    あらかじめ設定されたプログラムによって「演技」するのではなく、実際に現在の状況を見て、理解したうえでフィードバックを返す必要があります。

    つまり物理AIには、行動する能力だけでなく、人間に「生きている」と感じさせる生命感も必要なのです。

    03 AIVAとVolcano Engineが共同定義・共同設計、ともにAIカー体験を創る

    物理AIを模索する道のりにおいて、私たちは非常に幸運なことに、Volcano Engineという志を同じくする仲間を得ることができました。

    今年6月のAIVAブランド発表会には、立偉さんにもわざわざお越しいただきました。そこで私たちは、AIを起点として一台のクルマをどのように定義するのかについて、一緒に議論しました。

    そして今日、Volcano Engineのフォーラムに立っているので、もう一歩踏み込み、製品定義とAIネイティブ組織について、この2カ月間に具体的に進んだことをご紹介したいと思います。

    この2カ月、多くの方から質問されました。「AIVAとVolcano Engineの協力は、いったい何が新しいのか」と。

    第一に、これはまったく新しい製品定義のパラダイムです。

    私たちは、市場トレンドやユーザーの利用シーンについて双方が持つ理解を深く共有しています。

    それぞれの強みを生かしながら、AIハードウェアの選定を共同で議論し、製品要件を共同でレビューし、設計案についても一緒に細部まで検討しています。

    さらに、組織能力の発展についても、双方は深く連携しています。

    ここでは、Volcano Engineの関連技術をAIVA社内ですでに実際に活用している二つの事例をご紹介します。

    HMIデザインチームは、ArkClawを使って専用のデザインアシスタントを構築しました。

    PRD(製品要求仕様書)を入力するだけで、ユーザージャーニーを自動的に分解し、そのまま動画デモを生成できます。従来なら数日を要していた作業が、現在では数分で完了します。

    一方、研究開発チームではTraeをコーディングに活用し、自動テストのプロセスを再構築しています。これによって全体の効率も大幅に向上しました。

    このようなAIネイティブ組織では、AIが負荷の大きい基礎的な調査・作業を担うことで、人間はそこから解放された時間とエネルギーを、より創造性や深い思考が必要な仕事へ投入できます。

    この道を、私たちはVolcano Engineとこれからも一緒に歩んでいきます。

    04 物理AIで最後に問われるのは、人間とAIの「信頼」

    最後に申し上げたいのは、今回のフォーラムのテーマである「Embodied共生」という言葉は、非常に的確だということです。

    「共生」とは、AIが人間に取って代わるという意味ではありません。AIと人間が、本当の意味で互いに寄り添うということです。

    先ほど、私たちAIVAとVolcano Engineの関係について、産業レベルのパートナーシップとしてお話ししました。

    AIカーとユーザーがともに生活し、ともに成長していくことも、同じように一つのパートナーシップです。

    今日ここにいらっしゃる皆さんは、それぞれEmbodiedインテリジェンスの分野に深く取り組んでいます。私たちが作っているのは、「移動する形態のインテリジェント・エージェント」です。

    製品の形はそれぞれ異なります。

    しかし、物理AIへ向かう道において、私たちはおそらく同じ核心的な課題に直面しています。

    それは、Embodiedインテリジェンスは、どうすれば人間から信頼されるのかという問題です。

    なぜなら、人は自分自身や家族の生活を、信頼できないものに委ねることはないからです。

    信頼は、一度の発表会で一気に作り上げられるものではありません。一回一回の現実のインタラクションを通じて、少しずつ積み重ねられていくものです。

    AIが本当にあなたを見て、あなたを覚え、あなたが本当に必要としているときに手を差し伸べる。

    一つひとつのフィードバックが、その場面に合っていて、過不足のないものである。それを繰り返していくうちに、信頼は自然に築かれていきます。

    だから物理AIという競争領域で最終的に問われるのは、モデルがどれだけ強力なのか、ハードウェアとしての身体がどれだけ器用なのかだけではないのかもしれません。

    人間との間に、本当に実感できる信頼関係を構築できるかどうか。そこが最後の競争になるのだと思います。

    だからこそ、私たちは一貫して、「まずAIがあり、その後にクルマがある」という理念を実践しています。

    まず、AIはどのように人間を理解すべきなのか。どのように人間に寄り添うべきなのか。どのように信頼を構築すべきなのか。

    そこを十分に考えたうえで、AIが持つ「人間への理解」の中からクルマそのものを成長させ、ユーザーの生活のパートナーにしていく。

    これがAIVAの選んだ道です。

    そして、今日ここにいらっしゃる皆さんとともに、この道を探求していければと思います。

    ありがとうございました。

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    急速に進む中国のCASE(Connected&Cabin,Autonomous,Shared&Service,Electric)やAIについての最新情報。2018年から1日1本以上のレポート配信。毎朝8:00日刊中国モビリティレポートと適時号外レポート

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