
吉利系・曹操出行、Robotaxiを140台配備――2027年に専用車「Eva Cab」量産、Physical AIで運行全体を高度化
[メンバーシップ限定]吉利控股集団(GEELY)傘下のモビリティサービス企業、曹操出行(CaoCao Mobility)が、Robotaxiの商用化に向けた開発・運営体制を拡大している。2026年6月30日時点で第二世代Robotaxiを140台配備しており、2027年には第三世代の専用車両「Eva Cab」の量産を計画する。
同社は江蘇省南京市で開催された「2026物理AI・世界モデル大会」で、自動運転車両だけでなく、配車、電池交換、清掃、整備、利用者サービスまでを統合する事業構想を説明した。
特徴は、Physical AIを自動運転の判断技術に限定せず、Robotaxiを継続的に運行するためのサービス全体に活用しようとしている点である。
2026年6月末時点で第二世代Robotaxiを140台配備
今回の大会には、曹操出行のRobotaxi運営センター総経理である宣捷氏が登壇した。
宣氏は、AIが情報を処理する道具から、利用者の要求を理解し、判断し、実際の業務を実行する技術へと変化していると説明した。
そのうえで、デジタル空間のAIと、現実世界で動く車両や設備をどのようにつなぐかが、今後の重要な課題になるとの認識を示した。
曹操出行は、RobotaxiをこうしたPhysical AIの実用化領域の一つと位置付けている。
同社によれば、2026年6月30日時点で第二世代Robotaxiを140台配備しており、中国国内外での事業展開と車両規模の拡大を進めている。
ただし、今回示された140台は配備台数である。全車両が一般利用者向けの有償サービスに投入されているか、完全無人運行を実施しているかについては明らかにされていない。
また、運行都市別の台数や利用件数、走行距離などの実績も今回の発表には含まれていない。
したがって、140台という数字は現時点での車両配備規模を示すものであり、商用運行の実績と区別して評価する必要がある。
第三世代Robotaxi「Eva Cab」、2027年量産を計画
曹操出行は、吉利汽車などのパートナーと共同で、第三世代Robotaxi「Eva Cab」の開発を進めている。
Eva Cabは2026年4月の北京モーターショーで公開され、2027年の量産が計画されている。
同車両は、開発の初期段階から自動運転による商用サービスでの利用を想定した専用車両として位置付けられている。
既存の乗用車を自動運転用に改造する方式とは異なり、Robotaxiの運行要件を製品設計の段階から反映することを目指している。
Robotaxiでは、車両そのものの走行性能に加え、長時間の稼働、利用者の乗降、清掃、整備、エネルギー補給などが運営コストに影響する。
そのため、専用車両の設計は、単なる自動運転機能の搭載だけでなく、サービス全体の運営効率を高めるうえでも重要となる。
もっとも、今回の発表ではEva Cabの具体的な製造台数、販売価格、車両コスト、運行開始時期などは示されていない。
2027年の量産は現時点での計画であり、量産開始と同時に大規模な完全無人商用運行が実現することを意味するものではない。
杭州に電池交換・清掃・整備を統合した運行拠点
曹操出行は、Robotaxiの運営を支える施設として、杭州に「グリーン・スマートモビリティ・アイランド」を整備し、運用している。
同施設では、自動電池交換、自動清掃、車両の点検・整備、AIによる運行管理などの機能を組み合わせている。
Robotaxiの商用化では、自動運転技術が完成しても、それだけで事業が成立するわけではない。
利用者を乗せて走行する時間を確保するには、充電や電池交換に必要な時間を短縮し、清掃や整備を効率化するとともに、需要に応じて車両を適切に配置する必要がある。
運行する車両が増えるほど、こうした業務を人手に依存せず管理できるかどうかが重要になる。
曹操出行は、これらの機能を一つの運営基盤として整備することで、大規模なRobotaxi車両群を支える方針である。
ただし、今回の発表では、施設の処理能力、1日当たりの電池交換回数、清掃・整備に必要な時間、運営コストの削減効果などは公表されていない。
施設の整備と、実際の運営効率がどの程度改善したかは、分けて確認する必要がある。