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北汽、許認可得た自動運転レベル3試験走行15万km超――乗用車は公道実証、商用車は物流・限定区域で展開

    [メンバーシップ限定]中国国有自動車大手の北汽集団は2026年10月21日、北京で開催された2026年世界スマートコネクテッドカー大会(WICV2026)で、条件付き自動運転レベル3(L3)の公道実証が累計15万kmを超えたと発表した。

    北汽集団の張建勇董事長が全体会議で説明した。同氏によれば、これまでのL3実証では交通違反、事故ともに発生していないという。

    北汽は、極狐(ARCFOX)アルファS(αS)のL3仕様で中国初期の製品認可と公道通行試験に進んだほか、享界(STELATO)ブランドでは最高120km/hに対応するL3道路試験許可を取得している。

    一方、傘下の商用車メーカー、福田汽車は、長距離物流、鉱山、港湾、工場など、用途に応じて異なる自動運転技術を展開する。

    同じ北汽集団でも、乗用車と商用車では、自動運転の実用化に向けた戦略が異なる。

    乗用車では、L3の製品認可、公道試験、安全性の検証を積み重ね、一般ユーザーへの提供に向けた制度上の条件を整える。

    商用車では、運行環境と業務内容に合わせて技術を使い分け、輸送効率の向上や運転負担の軽減、無人化による運営コストの削減を目指す。

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    L3の実証走行、累計15万kmを突破

    張建勇董事長は、北汽がL3自動運転の実用化に向けて、安全性の検証と制度への対応を進めていると説明した。

    その成果として示したのが、累計15万kmを超える実証走行である。

    同氏によれば、実証走行では交通違反、事故ともにゼロだった。

    ただし、この数値は北汽が発表した実績であり、対象車両、走行道路、気象条件、システムの作動時間などを含む詳細な試験データが同時に公開されたわけではない。

    15万kmの無事故実績は、L3の開発が一定の段階に進んでいることを示す一方、あらゆる条件での安全性を証明するものではない。

    L3は、定められた作動条件の範囲内でシステムが運転を担当する技術である。

    運転支援のL2とは異なり、作動中の運転操作と周辺監視をシステムが担うため、安全性の検証だけでなく、故障時の対応や運転引き継ぎなど、より厳しい条件が求められる。

    北汽は、こうした制度上の条件に対応しながら、L3車両の公道実証を進めている。

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    ARCFOXアルファS、中国初期のL3製品認可を取得

    ARCFOXアルファSは、2025年12月、中国で最初期にL3自動運転車の製品認可を取得した車種の一つとなった。

    L3仕様のアルファSには専用のナンバープレートが交付され、北京の指定された道路で公道通行試験が始まった。

    北汽によれば、2026年第1四半期には30台を投入し、北京の特定の高速道路区間で試験運用を実施した。

    さらに4月20日からは、個人ユーザーによる試験体験を進めた。

    ここで重要なのは、製品認可と公道通行試験が、一般販売車両におけるL3の自由な利用を意味するわけではないことである。

    中国のL3実用化は、対象車種、道路、運行条件などを限定し、制度上の管理を受けながら段階的に進められている。

    北汽が先行して取得したのは、こうした限定的な条件下での認可と実証の機会である。

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    STELATO、最高120km/hのL3道路試験許可

    北汽は、華為(Huawei=ファーウェイ)鴻蒙智行(HIMA)との協力によるSTELATOブランドでもL3の実証を進めている。

    2026年7月には、STELATO G9が北京市のL3道路試験許可を取得した。

    北汽は、同車を最高120km/hに対応するL3道路試験許可を取得した初の車種と説明している。

    この120km/hという数値は、道路試験の許可条件に関わるものであり、一般ユーザーが公道で自由にL3を作動させられることを意味しない。

    また、ARCFOXアルファSが取得した製品認可と、STELATO G9の道路試験許可は、制度上の位置付けが異なる。

    両者を同じ「L3認可取得車」として一括りにすると、実用化の進捗を正しく捉えられない。

    北汽は、ARCFOXとSTELATOという二つのブランドを通じて、異なる車両構成と技術体系でL3の開発・検証を進めている。

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    北汽の乗用車戦略、L2からL4までを段階的に展開

    北汽は2025年12月、自社の運転支援技術体系「元境」をPro、Max、Ultraの三つに分けて説明している。

    Proは、128~256TOPS級の演算能力を利用し、高速道路や都市部でのNOA、駐車支援など、日常利用を想定した運転支援に対応する。

    Maxは、400~600TOPS級の演算能力を利用し、世界モデルやVLA(Vision-Language-Action)などの技術を採用する。システムの冗長性と安全性を重視し、L3への発展を想定した構成である。

    Ultraは、1,000TOPS以上の演算能力を備え、L4 Robotaxiなどを対象とする。

    この三つの構成は、北汽が運転支援と自動運転を一つの仕様に統一するのではなく、車種や用途に応じて異なる技術水準を用意していることを示している。

    また、L4については、北汽新能源と小馬智行(pony.ai)が共同開発したARCFOXアルファT5ベースのRobotaxiも展開している。

    2026年7月時点の北汽側の説明では、同車の累計生産台数は600台を超え、北京や深圳で試験運用を進めていた。

    L3を一般ユーザー向けの乗用車で実証する一方、L4では特定の運行地域と事業者によるRobotaxiを活用する。

    このように、北汽の乗用車事業でも、L3とL4は異なる形で実用化が進められている。

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    急速に進む中国のCASE(Connected&Cabin,Autonomous,Shared&Service,Electric)やAIについての最新情報。2018年から1日1本以上のレポート配信。毎朝8:00日刊中国モビリティレポートと適時号外レポート

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