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問界M9 Ultimate、購入者の9割超が法人――70万元級高級車を支える中国経営者ネットワーク、販売店が明かす実態

    [日刊]中国の華為(Huawei=ファーウェイ)と賽力斯(SERES=セレス)が展開する高級新エネルギー車(NEV)問界(AITO)の「M9 Ultimate」について、販売現場から興味深い実態が明らかになった。自動車販売情報を発信する車Fansが2026年10月19日に公開した販売店スタッフの証言によると、調査対象店舗では購入者の90%以上が法人名義であり、地元の企業経営者が主要顧客となっている。

    車両価格は64万9,800元(約1534万円)。税金や保険などを含む購入総額は約70万元(約1652万円)に達する。それでも購入者の多くはローンを利用せず、一括払いを選択するという。

    さらに注目されるのは、ファーウェイ鴻蒙智行(HIMA)の既存顧客による買い増しや紹介が販売を支えていることである。ファーウェイ製品への信頼、企業経営者同士の人的ネットワーク、国産高級ブランドの成長物語が購買行動に結びついている。

    今回の情報は一店舗の販売状況とスタッフ証言に基づくものであり、全国の購入者構成を示す統計ではない。しかし、中国の70万元級高級NEVが、誰に、どのような理由で購入されているのかを知るうえで貴重な現場資料である。

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    問界M9 Ultimate、販売店のM9販売の約20%を占める

    車Fansが公開したのは、問界の販売店スタッフによる現場報告である。執筆者は問界ユーザーセンターに勤務するSMを名乗り、販売実績、顧客属性、購入方法、納期、営業活動について具体的に説明している。

    同スタッフによると、調査店舗では問界M9 Ultimateを含む長尺仕様がM9全体の販売の約20%を占める。

    M9 Ultimateは、通常のM9より高価格帯に位置するモデルであり、BEVとREEVを設定する。基本的な装備構成は共通で、動力方式によって仕様が分かれる。

    車両価格は64万9,800元。装備を充実させた先行者仕様では、平均購入価格が約75万元(約1770万円)に達するという。

    販売店の説明では、購入者の90%以上が法人名義である。個人の趣味性を重視した高級車というより、企業経営者が会社名義で購入する高級車として需要が形成されていることがうかがえる。

    ただし、この20%という構成比や90%以上という法人比率は、あくまで調査店舗の実績である。地域や店舗の顧客基盤によって構成は異なる可能性がある。

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    法人名義で70万元、購入方法はほぼ一括払い

    販売スタッフが強調するのは、購入者の資金力である。

    問界M9 Ultimateの顧客は、地元の企業経営者や各業界の有力者が中心で、ローンを利用する人はほとんどいないという。

    スタッフによれば、購入者の多くは法人名義であり、数十万元の自動車購入のためにローン手続きを行うことを煩わしいと考えている。

    ある顧客は、会社で資金を借り入れる場合には数千万元単位になるため、自動車購入のために数十万元の融資手続きをする意味がないと説明したという。販売店が示した標準仕様の購入見積もりは次の通りである。

    • 車両本体価格:64万9,800元

    • 車両購入税:4万2,504元

    • 保険料:1万元

    • 登録費用:130元

    • 支払総額:70万2,304元

    同じ車両について、40万元を借り入れる60回払いの見積もりも示されている。この場合、頭金として30万2,304元を支払い、月額返済額は7,496.6元、見積書上の利息総額は4万9,800元となる。

    ただし、販売スタッフによれば、このようなローン購入は少数派である。

    法人名義での購入には税務上の利点もある。記事では、70万元級の車両購入によって9万元以上の税負担軽減が可能と説明している。

    もっとも、実際の税務効果は企業の課税所得、車両の用途、仕入税額控除や減価償却の適用条件によって異なる。販売現場が示す節税額を、すべての法人購入者に共通する効果とみなすことはできない。

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    地元の有力経営者が、娘の車を購入した後にM9 Ultimateも追加

    記事では、地元のエレベーター業界で事業を営む経営者の購入事例が紹介されている。

    この経営者は、すでにM9を購入した知人に誘われ、販売店が開催する企業家向けの交流イベントに参加した。

    当初は娘のために自動車を探しており、店頭に展示されていた問界M6に関心を示した。翌日には営業スタッフが経営者の会社へ試乗車を持ち込み、試乗後、娘本人と十分に相談する前に購入を決めたという。

    その後、家族で納車のために販売店を訪れた際、ちょうど入荷していたM9 Ultimateを目にした。

    経営者は十数分ほど車両を確認し、装備や内装を気に入ると、その場で追加購入を決定した。

    販売スタッフによれば、この経営者はファーウェイの高級折り畳みスマートフォン「Mate XT 2」を使用しており、購入時には経理担当者へ電話をかけ、会社の税務上の事情も踏まえて購入を指示したという。

    もちろん、一人の経営者の行動からM9 Ultimate購入者全体の購買心理を説明することはできない。

    それでも、この事例は高価格帯の鴻蒙智行モデルが、既存顧客からの紹介や経営者同士の交流を通じて販売されている実態を具体的に示している。

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    鴻蒙智行の既存顧客が買い増し・紹介、新規顧客獲得の基盤に

    販売店の報告では、M9 Ultimateの購入者には、鴻蒙智行の既存顧客による買い増しと、既存顧客から紹介された人が相当数含まれる。

    販売スタッフは、こうした顧客が地元の企業経営者層に集中していると説明する。

    これは、問界M9 Ultimateの販売が単独の車種として成立しているだけでなく、鴻蒙智行ブランド全体の顧客基盤に支えられていることを意味する。

    一度購入した顧客が家族向けに別のモデルを追加し、さらに知人の経営者へ紹介する。高級車の販売で一般的な顧客紹介の仕組みが、ファーウェイを中心とするブランドの内部でも機能していると考えられる。

    特に注目すべきは、ファーウェイのスマートフォンやデジタル製品を利用する顧客が、自動車でも同じブランド圏の製品を選んでいることである。

    ただし、今回の資料には、ファーウェイ製品の利用者とM9 Ultimate購入者の重複率を示す定量データはない。販売スタッフの具体的な顧客事例から、そうした購買行動の存在を確認できるという段階である。

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    BMW X5からの乗り換え、営業スタッフが語った「壮大な物語」

    今回の販売現場報告で、特に興味深いのは営業スタッフ自身が説明する販売手法である。

    ある顧客はBMW X5を所有しており、次の車として理想汽車(Li Auto)と問界を比較していた。

    販売スタッフによれば、理想汽車側の営業担当者は、問界を「ファーウェイのブランドを貼った車」と位置付け、ファーウェイと問界のどちらを購入するのか考えるべきだと説明していたという。

    これは販売スタッフによる伝聞であり、理想汽車の公式な販売方針を示すものではない。

    問界側のスタッフは、この主張に直接反論するのではなく、顧客の事業経験に話題を移した。

    経済環境の変化、中国の第15次五カ年計画(十五五、2026~2030年)、先端設備製造業などについて会話を重ね、顧客自身が小さな工場から事業を成長させてきた経緯を聞き出した。

    そのうえで、ファーウェイとセレスが困難な状況から協業を進め、問界ブランドを育て、累計納車100万台の規模へ到達した歴史を説明したという。

    営業スタッフは、この説明を自ら「宏大叙事」、すなわち壮大な物語と呼んでいる。

    顧客自身の事業成長と、中国の自動車ブランドが高級車市場へ進出する過程を重ね合わせる販売手法である。

    結果として、この顧客は数日以内にM9 Ultimateを注文したという。

    高級車の販売でブランドの歴史や成功物語を訴求すること自体は珍しくない。しかし、問界の場合は、中国企業の技術的・事業的な成長と、購入者自身の経営者としての経験を結びつけている点に特徴がある。

    販売スタッフ自身が、その営業過程を具体的に明かしていることも興味深い。

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    急速に進む中国のCASE(Connected&Cabin,Autonomous,Shared&Service,Electric)やAIについての最新情報。2018年から1日1本以上のレポート配信。毎朝8:00日刊中国モビリティレポートと適時号外レポート

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