
GB47955-2026 インテリジェント・コネクテッド・ビークル組合せ運転支援システムの安全要求 全文日本語訳
原題:
智能网联汽车 组合驾驶辅助系统安全要求
英語表記:
Intelligent and Connected Vehicle — Safety Requirements of Combined Driver Assistance System
規格番号: GB 47955-2026
公布日: 2026年6月27日
施行日: 2027年1月1日
公布機関:
中華人民共和国国家市場監督管理総局
中華人民共和国国家標準化管理委員会
前言
本規格は、GB/T 1.1-2020「標準化作業ガイドライン 第1部:標準化文書の構成および起草規則」の規定に従って起草された。
本規格の一部の内容には、特許が関係している可能性があることに注意されたい。本規格の公布機関は、特許を特定する責任を負わない。
本規格は、中華人民共和国工業情報化部が提案し、所管する。
1 適用範囲
本規格は、インテリジェント・コネクテッド・ビークルに搭載される以下のシステムについて、安全要求および同一型式の判定基準を規定し、対応する検査方法および試験方法を示す。
領航型組合せ運転支援システム
基礎単車線型組合せ運転支援システム
基礎複車線型組合せ運転支援システム
本規格は、以下のいずれかを搭載するMカテゴリーおよびNカテゴリーの自動車に適用する。
領航型組合せ運転支援システム
基礎単車線型組合せ運転支援システム
基礎複車線型組合せ運転支援システム
2 引用規格
以下の文書に含まれる内容は、本規格における規範的引用を通じて、本規格に不可欠な条項を構成する。
発行年が記載されている引用文書については、記載された年の版のみを本規格に適用する。
発行年が記載されていない引用文書については、すべての改訂版を含む最新版を本規格に適用する。
GB 5768.3
道路交通標識および標示 第3部:道路交通標示GB 5768.4-2017
道路交通標識および標示 第4部:道路工事区間GB/T 10000-2023
中国成人の人体寸法GB 11551
自動車の前面衝突における乗員保護GB/T 12534
自動車道路試験方法通則GB 16735
道路車両 車両識別番号(VIN)GB 20071
自動車の側面衝突における乗員保護GB/T 20913
乗用車の前面オフセット衝突における乗員保護GB/T 28046.1-2011
道路車両 電気・電子機器の環境条件および試験
第1部:一般規定GB/T 28046.4-2011
道路車両 電気・電子機器の環境条件および試験
第4部:気候負荷GB/T 28650-2012
道路用衝突緩衝ドラムGB/T 30038-2013
道路車両 電気・電子機器の保護等級(IPコード)GB/T 34589-2017
道路車両 診断コネクターGB/T 34590(全編)
道路車両 機能安全GB 34660-2026
道路車両 電磁両立性要求および試験方法GB/T 34847-2017
ポリエチレン製分離ブロックの一般技術条件GB/T 39265-2020
道路車両 死角監視(BSD)システムの性能要求および試験方法GB/T 39323
乗用車車線維持支援(LKA)システムの性能要求および試験方法GB 39732-2020
自動車イベントデータ記録システムGB 39901
軽型自動車用自動緊急ブレーキシステムの技術要求および試験方法GB/T 40429
自動車運転自動化レベル分類GB/T 40822
道路車両 統一診断サービスGB/T 41796
商用車用車線維持支援システムの性能要求および試験方法GB/T 43258.4
道路車両 インターネット・プロトコルを使用する診断通信(DoIP)
第4部:イーサネットを使用する高速データリンクコネクターGB/T 43267
道路車両 意図した機能の安全性GB/T 44461.1-2024
インテリジェント・コネクテッド・ビークル
組合せ運転支援システムの技術要求および試験方法
第1部:単車線走行制御GB/T 44461.2-2024
インテリジェント・コネクテッド・ビークル
組合せ運転支援システムの技術要求および試験方法
第2部:複車線走行制御GB 44497-2024
インテリジェント・コネクテッド・ビークル
自動運転データ記録システムGB/T 45312
インテリジェント・コネクテッド・ビークル
自動運転システムの設計運行条件GA/T 115-2020
道路交通混雑度の評価方法ISO 15765-2:2024
道路車両 コントローラー・エリア・ネットワークを使用する診断通信(DoCAN)
第2部:トランスポート・プロトコルおよびネットワーク層サービス
注:
GB/T 39851.2-2021「道路車両 コントローラー・エリア・ネットワークを使用する診断通信 第2部:トランスポート・プロトコルおよびネットワーク層サービス」は、ISO 15765-2:2016を修正採用した規格である。
ISO 19206-2
道路車両 アクティブセーフティ機能を評価するための対象車両、交通弱者その他の物体用試験装置
第2部:歩行者ターゲットの要求事項ISO 19206-3
道路車両 アクティブセーフティ機能を評価するための対象車両、交通弱者その他の物体用試験装置
第3部:3D乗用車ターゲットの要求事項ISO 19206-4
道路車両 アクティブセーフティ機能を評価するための対象車両、交通弱者その他の物体用試験装置
第4部:自転車乗員ターゲットの要求事項ISO 19206-5
道路車両 アクティブセーフティ機能を評価するための対象車両、交通弱者その他の物体用試験装置
第5部:動力二輪車乗員ターゲットの要求事項
3 用語と定義
GB/T 40429、GB/T 44461.1、GB/T 44461.2およびGB/T 34590.1で定められた用語と定義、ならびに以下の用語と定義を本規格に適用する。
3.1 組合せ運転支援システム
combined driver assistance system
設計運行条件の範囲内において、動的運転タスクに含まれる車両の横方向および縦方向の運動制御を継続的に実行し、かつ、実行する横方向および縦方向の運動制御に対応する、対象物および事象の一部を検知・認識し、それらに対応する能力を備えたハードウェアとソフトウェアから構成されるシステム。
注1:
組合せ運転支援システムは、以下の4つのシステムカテゴリーに分類される。
基礎単車線型組合せ運転支援システム
基礎複車線型組合せ運転支援システム
領航型組合せ運転支援システム
駐車型組合せ運転支援システム
各カテゴリーは、それぞれ独立したシステムとして扱う。
注2:
混同のおそれがない場合、本規格では、いずれの組合せ運転支援システムも「システム」と略称する。
3.1.1 基礎単車線型組合せ運転支援システム
basic single-lane combined driver assistance system
Aカテゴリー道路環境(3.34)に限り、車両周辺の走行環境に基づいて車両の横方向および縦方向の運動制御を継続的に実行し、選択された単一の車線内のみを走行するよう、ドライバーによる車両制御を支援する組合せ運転支援システム。
3.1.2 基礎複車線型組合せ運転支援システム
basic multi-lane combined driver assistance system
Aカテゴリー道路環境(3.34)に限り、ドライバーが車線変更プロセスを開始した後、車両周辺の走行環境に基づいて車両の横方向および縦方向の運動制御を継続的に実行し、同一の進行方向を持つ車線間で車線変更プロセスを実行するよう、ドライバーを支援する組合せ運転支援システム。
3.1.3 領航型組合せ運転支援システム
advanced combined driver assistance system
基礎単車線型組合せ運転支援システム(3.1.1)、基礎複車線型組合せ運転支援システム(3.1.2)および駐車型組合せ運転支援システムを除き、Aカテゴリー道路環境(3.34)および/またはBカテゴリー道路環境(3.35)において、車両周辺の走行環境に基づいて車両の横方向および縦方向の運動制御を継続的に実行し、動的運転タスクの一部を実行するようドライバーを支援する組合せ運転支援システム。
3.2 組合せ運転支援機能
combined driver assistance function
組合せ運転支援システムが、特定の設計運行条件下において、動的運転タスクの一部を実行するようドライバーを支援する機能。
注:
混同のおそれがない場合、本規格における「組合せ運転支援機能」は「機能」と略称する。
3.3 車線巡航制御機能
lane-cruise manoeuvre function
車両周辺の走行環境に基づいて車両の横方向および縦方向の運動制御を継続的に実行し、目視可能な車線境界内を巡航走行するよう、ドライバーによる車両制御を支援する機能。
3.4 非車線巡航制御機能
non-lane-cruise manoeuvre function
車両周辺の走行環境に基づいて車両の横方向および縦方向の運動制御を継続的に実行し、車両を少なくとも部分的に現在の車線から離脱させる、または進行方向を変更するよう、ドライバーを支援する機能。
注:
以下の機能は、非車線巡航制御機能に該当する。
ドライバー始動型車線変更制御
ドライバー確認型車線変更制御
システム始動型車線変更制御
車線境界線を越える障害物回避
交差点通行
直進
左折
右折
Uターン
ラウンドアバウト通行
3.5 ドライバー始動型車線変更制御機能
driver-initiated lane change function
ドライバーが車線変更プロセスを開始した後、車両周辺の走行環境に基づいて車両の横方向および縦方向の運動制御を継続的に実行し、車線間の車線変更プロセスを実行するようドライバーを支援する機能。
3.6 ドライバー確認型車線変更制御機能
driver-confirmed lane change function
ドライバーが、システムから提示された車線変更の意図を確認した後、車両周辺の走行環境に基づいて車両の横方向および縦方向の運動制御を継続的に実行し、車線間の車線変更プロセスを実行するようドライバーを支援する機能。
3.7 システム始動型車線変更制御機能
system-initiated lane change function
システムが車線変更の意図を提示した後、ドライバーが取り消さなかった場合に、車両周辺の走行環境に基づいて車両の横方向および縦方向の運動制御を継続的に実行し、車線間の車線変更プロセスを実行するようドライバーを支援する機能。
3.8 車線境界線を越える障害物回避機能
navigating around obstacle by lane crossing function
現在の車線内に、車両の前進を妨げる障害物または他の交通参加者が存在する場合に、車両周辺の走行環境に基づいて車両の横方向および縦方向の運動制御を継続的に実行し、車線境界線を越えて走行し、妨害要因がなくなった後に元の車線へ戻るよう、ドライバーによる車両制御を支援する機能。
3.9 リスク低減機能
risk mitigation function; RMF
ドライバーが、システムから発せられたドライバー離脱の通知または警告信号に継続して応答しない場合に、車両周辺の走行環境に基づいて、一定時間、車両の横方向および縦方向の運動制御を継続的に実行し、車両を目標停止区域内に停止させるようドライバーを支援する機能。
3.10 ドライバー離脱
driver disengagement
ドライバーが現在、対応する動的運転タスクを安全に実行できない状態にあると、システムが確認した状態。
注:
ドライバー離脱には、以下が含まれる。
手部離脱
視線離脱
3.11 基準眼点
ocular reference point
ドライバーシートのRポイントから垂直上方635mmの位置にあり、車両縦方向基準面に垂直で、相互に65mm離れた2点の中間点。
出典: GB 15084-2022、3.27を一部修正
3.12 ステアリング保持要求
hands-on request; HOR
ドライバーにステアリングを握るよう促すための信号。
3.13 視線復帰要求
eyes-on request; EOR
ドライバーに、視覚的注意を運転タスク関連領域へ戻すよう促すための信号。
3.14 即時制御警告
direct control alert; DCA
ドライバーに対し、少なくとも車両の横方向運動の制御を直ちに再開するよう促す警告信号。
3.15 設計運行領域
operational design domain; ODD
運転自動化システムの設計時に定められた、当該機能の作動に適用される外部環境条件。
注:
代表的な外部環境条件には、以下が含まれる。
道路
交通
天候
照明
出典: GB/T 40429-2021、2.11
3.16 設計運行条件
operational design condition; ODC
運転自動化システムの設計時に定められた、当該機能の作動に適用される各種条件の総称。
以下を含む。
設計運行領域
車両状態
乗員状態
その他の必要条件
出典: GB/T 40429-2021、2.12
3.17 車線
lane
走行経路を変更する必要がなく、固定障害物による妨害がない走行路。
出典: GB/T 44461.1-2024、3.2を一部修正
3.18 車線境界線
lane marking
車線の境界を特定するために用いられる、目視可能な道路交通標示。
出典: GB/T 44461.1-2024、3.3
3.19 目標車線
target lane
車両が進入しようとする別の車線。
出典: GB/T 44461.2-2024、3.4を一部修正
3.20 目標車線境界線
lane marking of target lane
現在の車線と目標車線との間にある共通の車線境界線。
出典: GB/T 44461.2-2024、3.2
3.21 車線変更プロセス
lane change procedure
ドライバーまたはシステムが車線変更を開始し、方向指示灯が最初に点灯した時点から、車両が車線変更を完了し、方向指示灯が自動的に消灯するか、システムが車線変更完了通知を発するまでの一連の過程。
出典: GB/T 44461.2-2024、3.5を一部修正
3.21.1 車線変更準備段階
lane change preparation phase
車線変更プロセスが開始されてから、目標車線に最も近い車両前輪の外側が、現在の車線側にある目標車線境界線へ接触するまでの段階。
出典: GB/T 44461.2-2024、3.5.1
3.21.2 車線変更実行段階
lane change manoeuvre phase
車線変更準備段階が完了してから、後輪が目標車線境界線を完全に越えるまでの段階。
出典: GB/T 44461.2-2024、3.5.2
3.21.3 車線変更完了
lane change completion
車線変更実行段階の完了後、方向指示灯が自動的に消灯するか、システムが車線変更完了通知を発した状態。
3.22 後方距離
rear distance of vehicle and approaching vehicle
車両の最後端と、目標車線を後方から接近する車両の最前端との間の、車線の延長方向に沿ったリアルタイムの距離。
注: 図1を参照。
図1:後方距離の概略図
出典: GB/T 44461.2-2024、3.7
3.23 検知範囲
detection range
システムが対象物を確実に検知できる距離。
3.24 設計作動速度範囲
designed speed range
システムまたは機能の設計時に定められた、システムまたは機能が作動状態となることのできる車速範囲。
3.25 ドライバー設定可能最高速度
driver-set maximum speed
vₛₘₐₓ,ₛₑₜ
システムがドライバーによる設定を許容する最高作動速度。
3.26 ドライバー設定可能最低速度
driver-set minimum speed
vₛₘᵢₙ,ₛₑₜ
システムがドライバーによる設定を許容する最低作動速度。
3.27 巡航目標速度
target speed for cruise
現在の道路の制限速度またはドライバーが設定した速度に基づいて、システムが決定する、システム制御下における最高作動速度。
3.28 可制御性
controllability
危険事象が発生した際に、危害を回避できる可能性。
注:
この可能性は、以下のいずれかから生じる。
ドライバー
システムの挙動
外部措置
3.29 ドライバーによる運動制御介入
driver override
車両メーカーが定めた方法により、ドライバーがシステムによる車両の横方向または縦方向の運動制御に影響を与える行為。
注:
具体的な行為には、以下に対するドライバーの有効な操作が含まれるが、これらに限定されない。
ステアリング
ブレーキペダル
アクセルペダル
3.30 作動状態
active state
システムまたは機能が、車両の横方向および縦方向の運動制御を実行するようドライバーを支援しているオン状態。
出典: GB/T 44461.1-2024、3.10を一部修正
3.31 待機状態
stand-by state
システムまたは機能が、車両の横方向または縦方向の運動制御を一切実行していないオン状態。
3.32 オン状態
on state
システムまたは機能を、車両の横方向および縦方向の運動制御を実行するようドライバーを支援するために使用できる状態。
注:
オン状態において、システムまたは機能は、以下のいずれかの状態にある。
待機状態
作動状態
3.33 オフ状態
off state
システムが、車両の横方向または縦方向の運動制御を一切支援できないようにされている状態。
3.34 Aカテゴリー道路環境
road environment of category A
高速道路および都市高速道路の道路状況に該当する道路環境。
3.35 Bカテゴリー道路環境
road environment of category B
Aカテゴリー道路環境以外の道路環境。
3.36 切迫した衝突リスク
risk of imminent collision
システムが、5m/s²未満の減速度指令では、車両と以下の対象との衝突を回避できない状況。
他の交通参加者
道路施設
障害物
3.37 安全コンセプト
safety concept
システム設計時に定められる安全措置。
システムが故障状態および非故障状態のいずれにおいても安全に作動し、車両乗員および他の交通参加者に不合理な安全リスクをもたらさないことを目的とする。
注1:
一部の機能を提供すること、またはバックアップシステムへ切り替えることが、安全コンセプトの一部となる場合がある。
注2:
本用語には、以下に関する安全コンセプトが含まれる。
機能安全
意図した機能の安全性
3.38 ユニット
unit
システム構成要素の最小区分。
注:
複数のユニットを組み合わせることにより、識別、分析または交換が可能な独立した実体を構成できる。
3.39 伝送リンク
transmission links
信号、作動データまたはエネルギー供給を伝送するために、内部ユニットを接続する方式。
注:
通常は電子的な接続であるが、以下の場合もある。
機械式
空気圧式
油圧式
光学式
3.40 制御範囲
range of control
システムが各出力変数を制御できる範囲として定義されたもの。
3.41 機能作動限界
boundary of functional operation
システムが制御を維持できる、検証可能または測定可能な限界範囲。
3.42 制御戦略
control strategy
特殊な環境および/または作動条件において、システム機能の安定した安全な作動を確保するための戦略。
特殊な環境および作動条件には、例えば以下が含まれる。
路面状況
他の交通参加者
交通量
悪天候
注:
制御戦略には、以下が含まれる場合がある。
機能の自動停止
一時的な性能制限
例:最高作動速度の引き下げ
3.43 組合せ運転支援データ記録システム
data storage system for combined driver assistance; DSSCDA
組合せ運転支援システムを搭載した車両に装備され、組合せ運転支援システムの作動期間中に、以下の機能を備えるとともに、データの読み出しに対応するシステム。
監視
収集
保存
注1:
作動期間には、作動状態から非作動状態へ移行する過程を含む。
注2:
組合せ運転支援データ記録システムには、以下の2種類がある。
I型システム
II型システム
3.44 衝突事象
impact event
以下のいずれかのうち、先に発生したもの。
トリガー閾値以上の衝突またはその他の物理的事象
不可逆式乗員拘束装置を作動させるその他の事象
注:
アクティブ歩行者保護装置の作動は、衝突事象に該当する。
出典: GB 39732-2020、3.1を一部修正
3.45 事象開始時点
starting point of event
T₀
組合せ運転支援データ記録システムが、特定の事象の発生を確認した時点。
3.46 事象終了時点
ending point of event
Tₑₙd
組合せ運転支援データ記録システムが、特定の事象の終了を確認した時点。
3.47 ロック状態
locked status
データを上書きできない状態。
3.48 画角
field viewing angle
カメラ装置において、カメラレンズの中心を頂点とし、測定対象物の像がレンズを通過できる最大範囲の両端によって形成される角度。
3.49 時間区間事象
time sequence event
トリガー条件が満たされた場合に、事象開始時点を基準として、その前後の一定時間にわたる関連データを記録する事象。
3.50 タイムスタンプ事象
timestamp event
トリガー条件が満たされた場合に、事象開始時点の関連データのみを記録する事象。
3.51 衝突予測時間
time to collision; TTC
車両の運動方向において、同一時点における車両と衝突対象物との距離を、両者の相対速度で除した値。
出典: GB 39901-2025、3.10
3.52 シミュレーション試験
simulation test
模擬シミュレーション・シナリオにおいて、シミュレーション試験ツールチェーンを使用して試験を実施する方法。
出典: GB/T 47025-2026、3.1を一部修正
3.53 有効試験時間の合計
total effective test duration
システムが作動状態にある間に、特定の種類の道路環境を対象として実施された道路試験の総時間。
出典: GB/T 44719-2024、3.1を一部修正
第4章 領航型組合せ運転支援システムの安全要求
4.1 総則
4.1.1
システムは、ドライバーが対応する動的運転タスクを継続して実行するよう設計し、第4.8.3節の要求に適合しなければならない。
4.1.2
システムは、合理的に予見可能なドライバーによる誤使用へ有効に対応できるよう設計しなければならない。
4.1.3
システムは、いかなる時点においても、ドライバーが行う有効な運動制御介入、またはシステムを終了させる操作に応答できなければならず、第4.8.1.3節および第4.8.2節の要求に適合しなければならない。
4.1.4
システムおよびその機能は、設計作動速度範囲内においてのみ、ドライバーによる車両制御を支援しなければならない。
4.1.5
システムがAカテゴリー道路環境で作動状態にある場合、ドライバーが設定できる最高速度は、対応する設計運行条件(ODC)に含まれるすべてのAカテゴリー道路環境における最高制限速度を超えてはならない。
第9.3節に従って試験を行った場合、試験車両が安定走行する速度は、システムのODCに含まれるすべてのAカテゴリー道路環境における最高制限速度を超えてはならない。
4.1.6
システムがBカテゴリー道路環境で作動状態にある場合、ドライバーが設定できる最高速度は、対応するODCに含まれるすべてのBカテゴリー道路環境における最高制限速度を超えてはならない。
第9.3節に従って試験を行った場合、試験車両が安定走行する速度は、システムのODCに含まれるすべてのBカテゴリー道路環境における最高制限速度を超えてはならない。
4.1.7
システムの設計目標は、道路通行規則に適合しなければならない。
注1:
本規格における「設計目標は~しなければならない」とする要求は、公道試験中に外部要因のため試験車両が要求へ適合できなかった場合に限り、車両メーカーが提出する文書に基づいて適合性を確認することを意味する。
注2:
本項における「設計目標は~しなければならない」とする要求は、システムが対応できない道路通行規則について、車両メーカーがシステム使用説明書の第7.2項e)に記載することを意味する。
該当する道路通行規則には、例えば以下が含まれる。
地域別の通行規制
臨時の道路閉鎖
その他の交通管理措置
4.1.8
システムの設計目標は、車両が周囲の交通状況へ適応し、通常の交通流を妨げないようにするものでなければならず、以下の要求に適合しなければならない。
a)
他の交通参加者の状態に適応し、理由なく停止または待機しないこと。
b)
車両周辺にある関連交通制御施設へ速やかに対応すること。
c)
理由なく緊急ブレーキまたは緊急操舵を行わないこと。
4.1.9
システムの設計目標は、システムが適用される道路環境内に存在する以下の対象を検知し、それらへ対応するものでなければならない。
他の交通参加者
道路施設
障害物
これにより、ドライバーへ衝突リスクを通知し、衝突を回避しなければならない。
システムがAカテゴリー道路環境またはBカテゴリー道路環境で作動できる場合、第9.4.6節、第9.4.7節、第9.4.10.2.2節および第9.4.11節に従って試験を実施する。
この場合、試験担当者がシステムへ介入しない状態で、車両は衝突してはならない。
システムがBカテゴリー道路環境で作動できる場合、第9.5.2節および第9.5.4節から第9.5.8節に従って試験を実施する。
この場合も、試験担当者がシステムへ介入しない状態で、車両は衝突してはならない。
本項の要求については、システムが他の運転自動化システムと連携することによって適合することを認める。
本項の試験を実施する際には、以下を適用する。
a)
システムがドライバー始動型車線変更制御機能を備えていない場合、以下の試験は実施する必要がない。
第9.4.6.1節
第9.4.6.2節
第9.5.5.1節
第9.5.6.1節
b)
システムがドライバー確認型車線変更制御機能を備えていない場合、第9.4.6.3節の試験は実施する必要がない。
c)
システムがシステム始動型車線変更制御機能を備えていない場合、第9.4.6.4節の試験は実施する必要がない。
d)
リスク低減機能(RMF)が車線変更制御能力を備えていない場合、第9.4.10.2.2節の試験は実施する必要がない。
e)
システムがラウンドアバウト通行機能を備えていない場合、第9.5.2節の試験は実施する必要がない。
f)
システムが交差点での右左折能力を備えていない場合、以下の試験は実施する必要がない。
第9.5.4.2節
第9.5.6.3節
4.1.10
システムは、車両が他の交通参加者との間に合理的な安全空間を確保できるようにしなければならない。
以下のような他の交通参加者の挙動により、車両が前方車両との間に合理的な安全空間を確保できなくなった場合、システムは衝突リスクを回避または低減するため、合理的な制御戦略を実行しなければならない。
隣接車線の車両による割り込み
前方車両の減速
その他、車間距離を急速に縮小させる挙動
その後、適切な機会に、前方車両との間に合理的な安全空間を再び確保しなければならない。
4.1.11
システムは、ドライバーに対して明確かつ十分な以下の情報を提示しなければならない。
システム状態に関する情報
車両の運動制御に関する情報
各情報は容易に区別できるものでなければならず、ドライバーを妨害してはならない。
視覚信号は、昼間であっても、通常の運転姿勢にあるドライバーから明確に確認できなければならない。
4.1.12
システムのヒューマン・マシン・インターフェースは、車両に搭載されている他のシステムと混同するような設計であってはならない。
4.1.13
車両メーカーは、附録Cの要求に従い、各機能に関連する検知範囲について説明しなければならない。
4.1.14
システムは、少なくとも以下の機能を備えなければならない。
車線巡航制御機能
リスク低減機能(RMF)
システムがBカテゴリー道路環境で作動できる場合、少なくとも交差点通行機能を備えなければならない。
システムが非車線巡航制御機能を備える場合、第4.6.2.1節以降の要求に適合しなければならない。
a)車線変更制御機能を備える場合
第4.6.2.2.1節以降の要求に適合しなければならない。
1)
ドライバー始動型車線変更制御機能を備える場合、第4.6.2.2.2節の要求に適合しなければならない。
2)
ドライバー確認型車線変更制御機能を備える場合、第4.6.2.2.3節の要求に適合しなければならない。
3)
システム始動型車線変更制御機能を備える場合、第4.6.2.2.4節の要求に適合しなければならない。
b)その他の非車線巡航制御機能を備える場合
第4.6.2.3.1節以降の要求に適合しなければならない。
1)
ラウンドアバウト通行機能および/または交差点通行機能を備える場合、第4.6.2.3.2節の要求に適合しなければならない。
2)
車線境界線を越える障害物回避機能を備える場合、第4.6.2.3.3節の要求に適合しなければならない。
4.1.15
トレーラーを連結した状態でも組合せ運転支援システムを作動できる車両について、車両メーカーは、トレーラーに関連する実施戦略が本規格の安全要求に適合することを証明しなければならない。
4.1.16
車両は、他の運転自動化システムの搭載について、以下の要求に適合しなければならない。
a)
車両の種類に応じて、自動緊急ブレーキシステム(AEBS)を搭載すること。
b)
M1カテゴリーおよびN1カテゴリーの自動車には、車線維持支援システムを搭載すること。
その他のカテゴリーの自動車には、車線逸脱警報機能を搭載すること。
c)
搭載されるAEBSは、以下のいずれかに適合すること。
GB 39901
大型車用自動緊急ブレーキシステムに関する強制国家標準
d)
搭載される車線維持支援システムおよび車線逸脱警報機能は、以下のいずれかに適合すること。
GB/T 39323
GB/T 41796
4.1.17
システムの安全要求に関する検査方法および試験方法は、以下の要求に適合しなければならない。
a)
附録Aおよび第9章に基づき、第4章の関連要求を対象とした場内試験を実施する。
附録Aおよび第10章に基づき、第4章の関連要求を対象とした公道試験を実施する。
b)
車両メーカーが附録Aに従って提出する文書を審査し、システムの設計が第4章の関連要求に適合することを確認する。
車両メーカーが提出する文書にシミュレーション試験が含まれる場合、附録Bに従って、シミュレーション試験の信頼性を評価する。
ただし、附録Cについては、以下の確認に関連する内容のみを対象とする。
C.2.8.3.1
C.2.9.1
C.2.9.2
4.2 システムと他の運転自動化システムとの相互作用
4.2.1
車両メーカーは、附録Cの要求に従い、システムと他の運転自動化システムとの間における切替戦略を説明しなければならない。
切替戦略には、例えば以下が含まれる。
制御の優先順位
他の運転自動化システムを抑制する条件
他の運転自動化システムを中断する条件
切替戦略は、車両を安全に走行させるものでなければならない。
4.2.2
システムは、緊急ブレーキを実行中のAEBSを抑制または中断してはならない。
4.2.3
システムが作動状態にある場合、車両メーカーが第4.2.1項に従って、他の運転自動化システムによる制御介入が必要であると表明した場合を除き、その他の運転自動化システムが、車両の横方向および縦方向の運動制御を継続的に実行するようドライバーを支援してはならない。
4.3 ODC境界の検知と対応
4.3.1
車両メーカーは、GB/T 45312に従い、システムおよび機能の設計運行条件(ODC)を構成する要素について説明しなければならない。
説明するODC要素は、以下の要求に適合しなければならない。
a)Aカテゴリー道路環境で作動できるシステム
少なくとも以下の要素を含めなければならない。
道路交通標示
道路交通標識
料金所
道路工事
ランプまたは出入口
トンネル
自動車
歩行者
障害物
設計作動速度範囲
車線幅
時間帯
気象環境
b)Bカテゴリー道路環境で作動できるシステム
少なくとも以下の要素を含めなければならない。
道路交通標示
交通信号機
道路交通標識
道路工事
交差点
ラウンドアバウト
トンネル
自動車
非自動車
歩行者
障害物
設計作動速度範囲
車線幅
時間帯
気象環境
4.3.2
車両メーカーは、関係する各要素について、システムおよび機能のODD境界を説明し、以下の要求に適合しなければならない。
a)
システムが検知できる、システムおよび機能のODD境界を列挙し、それぞれに用いる検知方法を説明すること。
b)
システムが以下のいずれかを検知した場合に、ドライバーへ通知する戦略を説明すること。
システムまたは機能のODD境界をすでに超えている
システムまたは機能のODD境界をまもなく超える
システムまたは機能のODD境界へ接近している
c)
システムが、システムまたは機能のODD境界をすでに超えたことを検知した後も、待機状態へ移行するまで作動状態を維持できる場合、その戦略の合理性および安全性を証明すること。
d)
システムが検知できない、システムおよび機能のODD境界について説明すること。
4.3.3
車両メーカーは、少なくとも第4.3.1項に定めるODC要素について検証しなければならない。
4.3.4
システムは、作動状態にある間、適用されるODD境界を継続的に検知し、以下の要求に適合しなければならない。
a)
システムまたは機能のODD境界へ接近していることを検知した場合、ODD境界をまもなく超える時点までに通知信号を発すること。
b)
システムのODD境界をすでに超えたことを検知した場合、即時制御警告(DCA)を発し、第4.8.4.2項および第4.8.4.3項に適合するとともに、ドライバーへ提供している制御支援を可制御な方法で終了すること。
4.3.5
車両メーカーは、附録Cの要求に従い、第4.3.4項b)に定める、ドライバーへの制御支援を終了する方法について説明しなければならない。
4.3.6
第4.3.2項d)に該当する、検知できないシステムまたは機能のODD境界について、車両メーカーは、その境界を検知できなくても、システムまたは機能の安全な作動に影響を及ぼさないことを説明しなければならない。
4.4 可制御性
4.4.1
システムは、少なくとも以下の状況が発生した場合でも、ドライバーが制御可能であるよう設計しなければならない。
また、ドライバーがいかなる時点でも安全に運動制御へ介入できるよう、各状況におけるドライバーの反応時間を評価しなければならない。
a)
システムに故障が発生した場合。
b)
システムのODD境界へ到達した、またはODD境界をまもなく超える場合。
c)
システムが非車線巡航制御機能を取り消した場合。
4.4.2
車両メーカーは、附録Cの要求に従い、可制御性に関する設計を説明しなければならない。
4.4.3
システムが作動状態にある場合、走行安全を確保するために、より大きな減速度が必要となる場合を除き、車両の制動および加速の挙動は、ドライバーおよび他の交通参加者が安全に対応できるものでなければならない。
4.5 速度制限制御支援
4.5.1
システムの設計目標は、現在走行中の道路に適用される制限速度を特定できるものでなければならない。
4.5.2
システムは、以下を継続的に表示しなければならない。
システムが特定した現在の道路制限速度
システムの巡航目標速度
4.5.3
システムの巡航目標速度は、以下のいずれかによって決定しなければならない。
a)
ドライバーが設定した速度。
b)
システムが特定した現在の道路制限速度。
注:
システムが作動した時点の車速を、ドライバーが設定した速度とみなすことができる。
4.5.4
第4.8.2.2項c)の場合を除き、システムが安定した速度制御を行っている場合、車両の走行速度は巡航目標速度を超えてはならない。
4.5.5
システムは、ドライバーが設定速度を調整するための手段を提供しなければならない。
4.5.6
車両の走行速度が、システムが特定した現在の道路制限速度を超えた場合、システムは継続的な以下の通知信号を発しなければならない。
視覚信号
音響信号
4.5.7
システムが特定する現在の道路制限速度が変化した場合、以下の要求に適合しなければならない。
a)
道路制限速度が変化する前の巡航目標速度がドライバーの設定速度であり、その設定速度が、システムが前回特定した制限速度および今回特定した制限速度の双方を下回る場合、システムは巡航目標速度を、今回特定した道路制限速度へ自動的に変更してはならない。
b)
システムが今回特定した道路制限速度が巡航目標速度を下回る場合、巡航目標速度は、以下のいずれかの方法で、今回特定した道路制限速度へ調整しなければならない。
自動的に調整する
ドライバーの確認後に調整する
4.5.8
第4.5.7項に定める場合以外の状況が存在する場合、車両メーカーは、附録Cの要求に従い、システムが特定する現在の道路制限速度が変化した後の制御戦略について説明しなければならない。
4.5.9
システムが、ドライバーによる既定の速度オフセット値の設定を認める場合、その既定オフセット値によって、巡航目標速度がシステムの特定した現在の道路制限速度を超えてはならない。
4.5.10
システムによる車両速度の制御に誤差が存在する場合、車両メーカーは、附録Cの要求に従って関連する説明を提出しなければならない。
4.6 機能要求
4.6.1 車線巡航制御機能
4.6.1.1
システムは、カーブに応じて減速して通行する能力を備えなければならない。
また、システムの設計目標は、作動状態において、車両メーカーが表明した横加速度限界値の範囲内で、車両を現在の車線から逸脱させないものでなければならない。
注:
「カーブに応じて減速して通行する能力」とは、道路の曲率に応じて車速を低下させる能力をいう。
4.6.1.2
車両メーカーは、附録Cの要求に従い、車両の横加速度限界値と車速との関係に関する制御戦略を説明しなければならない。
車両メーカーは、走行速度の区分ごとに異なる最大横加速度を表明することができる。
4.6.1.3
以下の条件をすべて満たす場合、システムは、車両が突然横方向の制御を失うことを防止するため、車両メーカーが附録Cに従って表明した安全コンセプトに基づいて制御支援を提供しなければならない。
また、継続的な視覚信号に音響信号または触覚信号を加え、現在のシステム状態をドライバーに通知しなければならない。
a)
車両が、車両メーカーの表明した横加速度限界値に達した場合。
b)
ドライバーがステアリングに対して有効な操作を行っていない場合。
c)
車両のいずれかの前輪が、車線境界線の外側の縁を越え始めた場合。
4.6.1.4
車両メーカーが表明する最大横加速度は、以下の要求に適合しなければならない。
a)
M1カテゴリーおよびN1カテゴリーの自動車については、最大横加速度を3m/s²以下とする。
b)
M2、M3、N2およびN3カテゴリーの自動車については、最大横加速度を2.5m/s²以下とする。
4.6.1.5
第4.6.1.6項および第4.6.1.7項に定める場合を除き、システム作動中の車両の横加速度は、車両メーカーが表明した最大横加速度を0.3m/s²以上上回ってはならない。
また、横加速度は以下の要求に適合しなければならない。
a)
M1カテゴリーおよびN1カテゴリーの自動車については、3m/s²以下とする。
b)
M2、M3、N2およびN3カテゴリーの自動車については、2.5m/s²以下とする。
4.6.1.6
システムの可制御性を維持するための設計上、第4.6.1.5項の要求へ連続して2秒以内の範囲で適合できないことを認める。
ただし、その場合の車両横加速度は、車両メーカーが表明した最大横加速度の1.4倍以下でなければならず、さらに以下の要求に適合しなければならない。
a)
M1カテゴリーおよびN1カテゴリーの自動車については、3.3m/s²以下とする。
b)
M2、M3、N2およびN3カテゴリーの自動車については、2.8m/s²以下とする。
4.6.1.7
M1カテゴリーの自動車について、システムの可制御性を維持するための設計上、一部の状況で第4.6.1.5項および第4.6.1.6項の要求へ適合できない場合、以下の要求をすべて満たすことを条件として、車両の横加速度が3m/s²を超えることを認める。
a)
システムが、車両の横加速度が3m/s²を超えていることを示す視覚信号を発すること。
b)
システムが、ドライバー離脱の通知または警告信号を発していないこと。
c)
システムが、ドライバーにとって制御可能であること。
4.6.1.8
システムが作動状態にある場合、任意の0.5秒間における車両横加速度変化率の平均値は、5m/s³以下でなければならない。
4.6.1.9
第9.4.2.3項a)または第9.4.2.4項a)に従って試験を実施した場合、車両のいずれの車輪の外側も、車線境界線の内側の縁を越えてはならない。
4.6.1.10
システムが、車線境界線のない道路上で車線巡航制御を実行できる場合、予定された走行軌跡を確実に特定して追従し、存在する他の交通参加者へ安全に対応しなければならない。
4.6.1.11
システムは、少なくとも以下のいずれかの方法により、車間時間に関する情報をドライバーへ提示しなければならない。
現在の車間時間を、視覚信号によって継続的に提示する
システムの作動時および車間時間の設定変更時に、車間時間の設定を提示する
4.6.2 非車線巡航制御機能
4.6.2.1 一般要求
4.6.2.1.1
システムは、非車線巡航制御を安全に実行できるよう、以下の方向について十分な検知範囲を備えるよう設計しなければならない。
前方
側方
後方
4.6.2.1.2
衝突リスクを回避するための場合を除き、システムがドライバー離脱の通知または警告信号を発している間は、非車線巡航制御機能を作動させてはならない。
4.6.2.1.3
車両メーカーは、附録Cの要求に従い、非車線巡航制御の実行中にドライバー離脱を検知した後のシステム挙動を、安全コンセプトの中で説明しなければならない。
システム挙動には、例えば以下が含まれる。
リスク低減機能(RMF)を作動させる
実行中の非車線巡航制御を完了する
車両を停止させる
4.6.2.1.4
車両のいずれかの車輪の外側が車線境界線の内側の縁を越える前に、予定された走行軌跡上で他の交通参加者との衝突リスクがあることをシステムが検知した場合、システムの設計目標は、車両のいずれの車輪の外側も車線境界線の内側の縁を越えさせないものでなければならない。
4.6.2.1.5
システムの設計目標は、非車線巡航制御を実行する際、その車両の挙動が他の交通参加者にとって予測可能であり、安全に対応できるものとなるようにしなければならない。
4.6.2.1.6
衝突リスクを回避する場合を除き、システムは、非車線巡航制御の完了後、自動的に車線巡航制御へ復帰しなければならない。
4.6.2.1.7
システムは、非車線巡航制御の実行中、他の交通参加者へ通知するため、方向指示灯を適切に使用するよう設計しなければならない。
4.6.2.2 車線変更制御
4.6.2.2.1 共通要求
4.6.2.2.1.1
適用される道路施設または指示へ対応する場合を除き、システムは、車線境界線が実線である場所で車線変更実行段階へ移行してはならない。
道路施設または指示には、例えば以下が含まれる。
道路工事区間
道路工事区間に設置された交通コーン
道路工事区間に設置された交通標識
注:
道路通行規則に適合することを前提として、切迫した衝突リスクを回避するため、本項の要求へ適合できない場合がある。
4.6.2.2.1.2
システムは、対向車線への車線変更制御を実行してはならない。
4.6.2.2.1.3
衝突リスクを回避する場合を除き、システムの設計目標は、車線変更制御の実行中、車両の横方向移動を連続的なものとしなければならない。
4.6.2.2.1.4
システムは、一つの車線変更プロセス中に、連続して2車線以上を変更してはならない。
4.6.2.2.1.5
システムは、車線変更実行段階へ移行する際、目標車線を後方から接近する車両に、3m/s²を超える減速度による制動を強いることがないよう設計しなければならない。
また、以下のいずれかの要求に適合しなければならない。
a)
システムによる後方距離の評価が、第4.6.2.2.1.6項の要求に適合すること。
b)
車両メーカーが、後方距離に関するシステムの評価戦略を説明し、その合理性および安全性を検証すること。
4.6.2.2.1.6
第4.6.2.2.1.5項a)を適用する場合、システムは、後方距離の評価が以下の要求へ適合するときに限り、車線変更実行段階への移行を認めるよう設計しなければならない。
a)目標車線を後方から接近する車両を検知した場合
後方接近車両が、自車の車線変更実行段階の開始から時間tBが経過した後、3m/s²以下の減速度で制動を開始し、自車と同じ走行速度まで減速した時点において、両車間の距離を自車速度で除した値が1秒以上でなければならない。
tBは、以下のいずれかの値とする。
0.4秒
ただし、システムが車線変更実行段階の開始前から、後方接近車両を1秒以上継続して検知していることを条件とする。
1.4秒
b)目標車線に後方接近車両を検知しない場合
第4.6.2.2.1.6項a)に基づく後方距離の評価について、以下を仮定する。
後方距離は、システムの現在の後方検知範囲と等しい。
後方接近車両の走行速度は、以下のうち低い方とする。
現在の道路の最高制限速度
120km/h
tBは0.4秒とする。
c)
目標車線が新たに出現した直後に、システムが新たに出現した目標車線の後方へ他の車両を検知しなかった場合、第4.6.2.2.1.6項b)へ適合するものとみなす。
4.6.2.2.1.7
システムは、車線変更実行段階へ移行する前に方向指示灯を点灯し、車線変更中は方向指示灯を点灯した状態に維持しなければならない。
また、以下の要求に適合しなければならない。
a)
車線変更中、方向指示灯の操作装置がロック位置にない場合、車線巡航制御へ復帰した時点で、方向指示灯を自動的に消灯すること。
b)
車線変更中、方向指示灯の操作装置がロック位置にある場合、車線巡航制御へ復帰した時点で車線変更完了通知を発し、新たな車線変更プロセスを開始しないこと。
注:
方向指示灯の操作装置がロックされている状態とは、ドライバーが手動で操作装置を動かさなければ方向指示灯を消灯できない状態をいう。
4.6.2.2.1.8
M1カテゴリーおよびN1カテゴリーの自動車について、車線変更実行段階における車両の最大横加速度は3.5m/s²以下とし、任意の0.5秒間における横加速度変化率の平均値は5m/s³以下としなければならない。
M2、M3、N2およびN3カテゴリーの自動車について、車線変更実行段階における車両の最大横加速度は2.5m/s²以下とし、任意の0.5秒間における横加速度変化率の平均値は5m/s³以下としなければならない。
4.6.2.2.1.9
直線道路における車線変更実行段階では、車両の横加速度を1.5m/s²以下とし、任意の0.5秒間における横加速度変化率の平均値を5m/s³以下としなければならない。
4.6.2.2.1.10
システムは、車線変更中、後方接近車両に不合理な安全リスクを生じさせないよう設計しなければならない。
4.6.2.2.1.11
システムが車線変更中に車両を減速させようとする場合、後方距離の評価には、その減速挙動を含めなければならない。
切迫した衝突リスクを回避または低減する場合を除き、車両の減速度は2m/s²以下でなければならない。
4.6.2.2.1.12
車両メーカーは、附録Cの要求に従い、システムの設計が第4.6.2.2.1.11項へ適合することを説明しなければならない。
4.6.2.2.1.13
システムは、ドライバーがいかなる時点においても、一つの操作によって実行中の車線変更プロセスを取り消せるようにしなければならない。
4.6.2.2.2 ドライバー始動型車線変更制御機能の特別要求
4.6.2.2.2.1
システムは、少なくとも方向指示灯の操作装置を使用して、車線変更プロセスを開始できなければならない。
4.6.2.2.2.2
ドライバーが車線変更プロセスを開始するための操作を1回行った場合、システムは複数回の車線変更プロセスを開始してはならない。
4.6.2.2.2.3
実行中の車線変更プロセスが取り消された場合、システムは、ドライバーが再び車線変更プロセスを開始するための操作を行った後でなければ、新たな車線変更プロセスへ移行してはならない。
4.6.2.2.3 ドライバー確認型車線変更制御機能の特別要求
4.6.2.2.3.1
車両メーカーは、附録Cの要求に従い、システムが車線変更意図の確認要求を発することについて説明しなければならない。
システムは、車両メーカーが説明した合理的な状況においてのみ、ドライバーへ車線変更意図の確認要求を発しなければならない。
注:
合理的な状況には、例えば以下が含まれる。
ナビゲーション経路に沿って走行する場合
交通効率を向上させる場合
衝突リスクを回避する場合
4.6.2.2.3.2
システムは、検知した道路交通標識または道路標示に違反する結果となる車線変更意図の確認要求を、ドライバーへ発してはならない。
4.6.2.2.3.3
特定の交通参加者専用の車線について進入が制限されている時間帯に、車両がすでに当該車線を走行していることをシステムが検知した場合、通行可能な隣接車線へ移るための車線変更意図の確認要求を、適切な時点でドライバーへ発しなければならない。
注:
特定の交通参加者専用の車線には、例えばバス専用車線がある。
4.6.2.2.3.4
システムは、ドライバーがシステムの提示した車線変更意図を確認するための時間を確保できるよう設計しなければならない。
4.6.2.2.3.5
切迫した衝突リスクを回避するなどの特別な状況を除き、ドライバーが確認していない場合、システムは車線変更プロセスを開始してはならない。
4.6.2.2.3.6
ドライバーが確認を行った場合でも、以下の条件のいずれかを満たさない場合、システムは車線変更実行段階へ移行してはならない。
a)
車線変更の意図が引き続き存在すると、システムが確認していること。
b)
目標車線が、システムの検知したシステムおよび機能のODD境界を超えていないと、システムが確認していること。
c)
目標車線が通行可能であると、システムが確認していること。
4.6.2.2.4 システム始動型車線変更制御機能の特別要求
4.6.2.2.4.1
システム始動型車線変更制御機能は、第4.6.2.3.1節の要求に適合しなければならない。
4.6.2.2.4.2
システムの設計目標は、特定の交通参加者専用の車線を検知し、進入が制限されている時間帯には、その車線への車線変更プロセスを開始しないものでなければならない。
4.6.2.2.4.3
特定の交通参加者専用の車線について進入が制限されている時間帯に、車両がすでに当該車線を走行していることをシステムが検知した場合、システムはドライバーへ通知し、適切な時点で通行可能な隣接車線へ変更しなければならない。
4.6.2.3 その他の非車線巡航制御機能
4.6.2.3.1 共通要求
4.6.2.3.1.1
車両メーカーは、附録Cの要求に従い、システムが非車線巡航制御を実行することについて説明しなければならない。
システムは、車両メーカーが説明した合理的な状況においてのみ、非車線巡航制御を実行しなければならない。
注:
合理的な状況には、例えば以下が含まれる。
ナビゲーション経路に沿って走行する場合
交通効率を向上させる場合
衝突リスクを回避する場合
4.6.2.3.1.2
システムは、車両を現在の車線から離脱させる、または進行方向を変更する非車線巡航制御を開始する前に、ドライバーが操作しやすい方法によって、今回のシステム制御意図を能動的に取り消すか、システムを終了するための時間を確保できるよう設計しなければならない。
ドライバーが能動的に取り消した場合、以下のいずれかが発生しない限り、システムは、同じ意図を持つ非車線巡航制御を再び開始してはならない。
a)
システムが、外部の交通環境に変化が生じたことを検知した場合。
b)
システムが、切迫した衝突リスクを検知した場合。
4.6.2.3.1.3
以下の条件のいずれかを満たさない場合、システムは、車両を現在の車線から離脱させたり、進行方向を変更したりしてはならない。
a)
非車線巡航制御を開始する意図が引き続き存在すると、システムが確認していること。
b)
目標区域または目標車線が、システムの検知したシステムおよび機能のODD境界を超えていないと、システムが確認していること。
c)
目標区域または目標車線が通行可能であると、システムが確認していること。
4.6.2.3.1.4
システムは、非車線巡航制御の実行中、検知した適用対象となる道路交通標識および道路標示に違反しないよう設計しなければならない。
注:
道路通行規則に適合することを前提として、切迫した衝突リスクを回避するため、本項の要求へ適合できない場合がある。
4.6.2.3.1.5
システムは、計画された車両走行軌跡上に現在存在する、または将来存在すると予測される以下の対象へ、安全に対応するよう設計しなければならない。
他の交通参加者
道路施設
障害物
4.6.2.3.2 ラウンドアバウト通行機能および交差点通行機能の特別要求
4.6.2.3.2.1
交差点通行機能は、少なくとも直進能力を備えなければならない。
4.6.2.3.2.2
ラウンドアバウト通行機能は、少なくとも以下の能力を備えなければならない。
ラウンドアバウトへの進入
ラウンドアバウト内の周回
ラウンドアバウトからの退出
4.6.2.3.2.3
システムは、検知した適用対象となる以下の道路交通設備および道路区分へ、安全に対応するよう設計しなければならない。
道路交通信号機
自動車用信号機
方向指示信号機など
優先通行または譲歩を示す道路標示
横断歩道など
停止線
特定の交通参加者のみを対象とする車線
4.6.2.3.2.4
システムによる非車線巡航制御によって、車両の走行軌跡が他の車両の走行軌跡と交差する場合、または異なる進行方向から来る他の車両と合流する場合、システムは、関係する他の車両へ安全に対応するよう設計しなければならない。
走行軌跡が交差する状況には、例えば交差点で右左折を行う場合が含まれる。
4.6.2.3.2.5
システムによる非車線巡航制御によって、車両の走行軌跡が歩行者または非自動車の通行経路と交差する場合、システムは、以下の対象へ安全に対応するよう設計しなければならない。
歩行者
非自動車
適用される道路施設
4.6.2.3.3 車線境界線を越える障害物回避機能の特別要求
4.6.2.3.3.1
システムは、以下のいずれかに該当する場合に限り、車線境界線を越える障害物回避の実行を認めなければならない。
a)
現在の車線内にある静止障害物を回避する場合。
静止障害物には、例えば以下が含まれる。
停止車両
路上障害物
b)
適切な横方向距離を確保して、低速で移動する歩行者または非自動車の側方を通過する場合。
c)
適用される道路施設および指示へ対応する場合。
これには、例えば以下が含まれる。
道路工事区間
道路工事区間に設置された交通コーン
道路工事区間に設置された交通標識
d)
a)からc)以外で、車両メーカーが附録Cの要求に従って安全と表明した状況。
4.6.2.3.3.2
システムが車線境界線を越える障害物回避を実行する場合、回避中、関係する以下の交通参加者との間に合理的な安全空間を維持できるよう設計しなければならない。
前方の交通参加者
側方の交通参加者
後方の交通参加者
4.6.2.3.3.3
車線境界線を越える障害物回避により、車両の一部または全部が対向車線へ進入する場合、システムは、車両が元の車線へ安全に復帰するために必要な距離および時間を確保しなければならない。
4.6.2.3.3.4
第4.6.2.3.3.1項c)に該当する場合を除き、システムが車線境界線を越える障害物回避を実行する際、車両を実線の車線境界線の向こう側へ進入させてはならない。
注:
道路通行規則に適合することを前提として、切迫した衝突リスクを回避するため、本項の要求へ適合できない場合がある。
4.6.3 リスク低減機能
4.6.3.1 一般要求
4.6.3.1.1
システムが、以下のいずれかの車線変更制御機能を備える場合、リスク低減機能(RMF)は、少なくともAカテゴリー道路環境において車線変更制御を実行する能力を備えなければならない。
ドライバー確認型車線変更制御機能
システム始動型車線変更制御機能
4.6.3.1.2
システムは、システムの能力および現在の状況に応じて、安全リスクを低減するために適切な目標停止区域を選択するよう設計しなければならない。
現在の状況には、例えば以下が含まれる。
交通流の状況
道路施設の状況
注:
目標停止区域には、以下が含まれる。
現在の車線
現在の車線の右側にある車線
緊急車線
硬路肩
その他の安全に停止できる区域
4.6.3.1.3
RMFが車両制御への介入を開始した時点で、非常点滅表示灯を点灯しなければならない。
4.6.3.1.4
RMFによる制御介入中、衝突リスクを回避するために、より大きな減速度が必要となる場合を除き、車両の減速度は4m/s²以下でなければならない。
より大きな減速度が必要となる状況には、例えば前方車両が制動している場合が含まれる。
RMFの触覚警告信号として断続的な制動を使用する場合、極めて短い時間に限り、より大きな車両減速度を認める。
4.6.3.1.5
RMFによって車両が目標停止区域内で安全に停止した後、車両は少なくとも非常点滅表示灯を点灯した状態に維持しなければならない。
4.6.3.1.6
RMFによる制御介入中、システムは少なくとも以下の警告信号を発しなければならない。
継続的な視覚警告信号
継続的な音響警告信号
触覚警告信号
システムが第4.8.4.2項に適合する即時制御警告(DCA)を発する場合、本項の要求へ適合するものとみなす。
4.6.3.1.7
RMFが車線変更制御能力を備える場合、第4.6.3.2節の要求に適合しなければならない。
4.6.3.2 RMFによる車線変更制御
4.6.3.2.1
システムは、RMFによる車線変更制御を安全に実行できるよう、以下の方向について十分な検知範囲を備えるよう設計しなければならない。
前方
側方
後方
4.6.3.2.2
システムは、RMFによる車線変更制御の実行中、他の交通参加者に不合理な安全リスクをもたらさないよう設計しなければならない。
4.6.3.2.3
システムは、以下の条件をすべて満たす場合に限り、RMFによる車線変更制御を実行できるよう設計しなければならない。
a)
現在の交通流の状況において、車線変更制御の実行によって、以下の対象に対する安全リスクを低減できるとシステムが確認していること。
車両乗員
他の交通参加者
b)
車線変更プロセスが、他の交通参加者にとって予測可能であり、安全に対応できるものであること。
4.6.3.2.4
RMFによる車線変更制御は、第4.6.2.2.1.2項の要求に適合しなければならない。
すなわち、RMFは対向車線への通常の車線変更制御を実行してはならない。
4.6.3.2.5
衝突リスクを回避する場合を除き、システムの設計目標は、車線変更制御の実行中、車両の横方向移動を連続的なものとしなければならない。
4.6.3.2.6
システムの設計目標は、車両が停止する前に車線変更実行段階を完了できる場合に限り、車線変更実行段階へ移行するものでなければならない。
4.6.3.2.7
車線変更実行段階では、システムは、他の交通参加者へ通知するため、非常点滅表示灯に代えて方向指示灯を点灯しなければならない。
4.6.3.2.8
第4.6.3.2.9項の場合を除き、車線変更実行段階の完了後、システムは速やかに方向指示灯を消灯し、非常点滅表示灯を再び点灯しなければならない。
4.6.3.2.9
RMFが複数回の車線変更制御を実行する場合、方向指示灯を点灯した状態に維持することを認める。
ただし、それぞれの車線変更実行段階は、独立したものでなければならない。
4.6.3.2.10
車線変更の実行中、道路のカーブ曲率によって生じる横加速度を除き、RMFの設計目標は、車線変更制御によって追加的に発生する車両横加速度を1m/s²以下に抑えるものでなければならない。
4.7 システム故障の検知と対応
4.7.1
システムは、作動状態にある間、システムまたは機能の安全な作動へ影響を及ぼす故障を検知し、それに対応できなければならない。
4.7.2
システムまたは機能の安全な作動へ影響を及ぼす故障を検知した場合、影響を受けるシステムまたは機能は、車両メーカーが附録Cの要求に従って表明した安全コンセプトに基づき、安全な方法で終了しなければならない。
安全な終了方法には、例えば、影響を受けた機能が提供する制御支援を段階的に減少させる方法がある。
4.7.3
故障がシステム全体の安全な作動へ影響する場合、システムは以下の要求に適合しなければならない。
a)
制御支援を終了した後、システムをオフ状態へ移行すること。
b)
少なくとも視覚警告信号を発し、適切な時間にわたって継続すること。
当該視覚警告信号は、システムが発する他の信号と明確に区別できるものでなければならない。
4.7.4
故障がシステムの一部機能の安全な作動にのみ影響する場合、以下の条件をすべて満たすことを条件として、システムが作動状態を維持することを認める。
a)
引き続き利用可能な機能が、本規格の関連要求に適合していること。
b)
以下の情報を、容易に理解できる視覚信号によってドライバーへ提示すること。
引き続き利用可能な機能
故障により利用できなくなった機能
4.7.5
故障によって利用できないシステムまたは機能について、ドライバーが車両メーカーの定める作動操作を行った場合、システムは利用できないことをドライバーへ通知しなければならない。
4.8 ヒューマン・マシン・インターフェース
4.8.1 作動および終了
4.8.1.1 一般要求
4.8.1.1.1
システムの作動方法および終了方法は、合理的に予見可能なドライバーによる誤使用を防止するよう設計しなければならない。
4.8.1.1.2
システムは、以下の双方を確認した後でなければ、作動状態へ移行してはならない。
第7.3節に従い、ドライバーがシステム使用研修を完了していること
第7.4節に従い、ドライバーがシステム使用説明を読み、理解したこと
4.8.1.1.3
車両は、電源投入または始動のたびに、システムが作動状態でない状態から開始しなければならない。
ただし、エンジンの自動停止・再始動は除く。
4.8.1.1.4
ドライバーが車両メーカーの定める方法によってシステムをオフ状態へ移行させた後、いかなる部分的な運転支援システムも自動的に作動させてはならない。
4.8.1.2 作動
4.8.1.2.1
車両は、電源投入または始動のたびに、遅くともシステムが最初に作動状態へ移行する時点までに、視覚信号または音響信号をドライバーへ発しなければならない。
当該信号は、システム使用中も、ドライバーが対応する動的運転タスクを継続して実行しなければならないことを通知するものでなければならない。
ただし、エンジンの自動停止・再始動は除く。
4.8.1.2.2
車両は、電源投入または始動のたびに、ドライバーが車両メーカーの定める作動操作を行い、かつ以下の条件をすべて満たす場合に限り、システムを作動状態へ移行させることができる。
ただし、エンジンの自動停止・再始動は除く。
a)
ドライバーが運転席に着座し、安全ベルトを装着していること。
b)
システムのドライバー離脱検知機能が利用可能であること。
c)
システムの安全な作動へ影響を及ぼす故障を検知していないこと。
d)
システムのODD境界を超えていることを検知していないこと。
e)
車両に搭載された組合せ運転支援データ記録システム(DSSCDA)が利用可能であり、その保存領域がロックされた事象データで満杯になっていないこと。
f)
自動緊急ブレーキシステム(AEBS)が搭載されている場合、AEBSがオンになっていること。
g)
a)からf)以外に車両メーカーが表明する作動条件がある場合、その条件を満たしていること。
注:
その他の作動条件には、例えば以下がある。
ドアが閉まっていること
運転席の位置が適切であること
4.8.1.2.3
システムが作動するたびに、少なくとも視覚信号または音響信号によって、作動したシステムのカテゴリーをドライバーへ通知しなければならない。
4.8.1.3 終了
4.8.1.3.1
システムは、いかなる時点においても、車両メーカーが定める一つの操作によって、作動状態から以下のいずれかへ移行させるドライバーの操作に応答しなければならない。
待機状態
オフ状態
この操作の後、システムは、第4.8.1.2.2項の要求に適合した場合に限り、再び作動状態へ移行できる。
4.8.1.3.2
車両メーカーが附録Cの要求に従って表明した特別な状況を除き、第4.8.1.2.2項の作動条件を満たさなくなったことをシステムが検知した場合、システムまたは機能は、適切な時点で以下のいずれかへ移行しなければならない。
待機状態
オフ状態
待機状態またはオフ状態へ移行する前に、システムは、車両周辺の対象物および事象を検知し、それらへ対応できるよう設計しなければならない。
4.8.1.3.3
AEBSなどの緊急支援機能による制御介入の結果、車両が停止した場合、ドライバーによる手動操作が行われない限り、システムは車両の縦方向運動制御を再開してはならない。
4.8.2 ドライバーによる運動制御介入
4.8.2.1
システムは、ドライバーによる有効な運動制御介入に応答しなければならない。
ドライバーが運動制御へ介入している間も、システムが作動状態を維持することを認める。
4.8.2.2
以下のいずれかを満たす場合、車両の縦方向運動制御は、ドライバーが介入できなければならない。
a)
ドライバーによるブレーキ操作が、システムによる減速度よりも大きな減速度を発生させる場合。
b)
ドライバーが任意の制動システムを使用して、車両を停止状態に維持する場合。
注:
任意の制動システムには、以下が含まれる。
常用ブレーキシステム
駐車ブレーキシステム
その他の制動システム
c)
ドライバーによるアクセル操作が、システムによる加速度よりも大きな加速度を発生させる場合。
4.8.2.3
第4.8.2.2項a)の場合、第4.8.2.4項に該当する場合を除き、ドライバーが別の独立した操作を行わなければ、システムは車両の縦方向運動制御を再開してはならない。
4.8.2.4
ドライバーによる車両の縦方向運動制御への介入によって、2秒以内に生じた車速低下が30km/h以下である場合、ドライバーが別の独立した操作を行わなくても、システムが車両の縦方向運動制御を再開することを認める。
4.8.2.5
第4.8.2.4項に従ってシステムが車両の縦方向運動制御を再開した後、システムが車両を巡航目標速度まで加速させることを認める。
4.8.2.6
第4.8.2.2項c)の場合、システムが車両の縦方向運動制御を再開できる設計であるときは、巡航目標速度に基づいて制御を再開しなければならない。
4.8.2.7
システムは、ドライバーが50N以下の操舵力によって、車両の横方向運動制御へ介入できるようにしなければならない。
4.8.2.8
非車線巡航制御の実行中に、ドライバーが車両の横方向運動制御へ介入した場合、当該非車線巡航制御を終了しなければならない。
ただし、ドライバーの操舵入力が、以下のいずれかに該当する場合を除く。
システムが計画した制御を支援するための入力
小幅な操舵修正を行うための入力
4.8.2.9
ドライバーが運動制御へ介入している間、システムは少なくとも継続的な視覚通知信号を発しなければならない。
4.8.3 ドライバー状態検知
4.8.3.1 ドライバー離脱検知
4.8.3.1.1 一般要求
4.8.3.1.1.1
システムは、作動状態にあり、少なくとも車速が10km/hを超えている場合、以下の双方の方式を少なくとも使用して、ドライバーが対応する動的運転タスクを実行しているかどうかを継続的に検知しなければならない。
手部離脱検知
視線離脱検知
注:
システムが、ドライバーの眼の注視方向および頭部姿勢の双方を検知できない場合も、視線離脱として扱う。
4.8.3.1.1.2
システムが作動状態にある間、以下の検知機能をオフにしてはならない。
手部離脱検知
視線離脱検知
4.8.3.1.1.3
視線離脱検知が利用できない状態にあるとシステムが確認した場合、非車線巡航制御機能によって車両を現在の車線から離脱させてはならない。
4.8.3.1.1.4
車両メーカーは、附録Cの要求に従い、以下について説明しなければならない。
ドライバー離脱の検知方法
離脱通知
警告信号の段階的な強化戦略
4.8.3.1.2 手部離脱検知
システムは、ドライバーが両手をステアリングから離している状態を、手部離脱として検知しなければならない。
4.8.3.1.3 視線離脱検知
4.8.3.1.3.1
システムは、ドライバーの眼の注視方向が運転タスク関連領域から外れている状態を、視線離脱として検知しなければならない。
車両メーカーは、附録Cの要求に従い、運転タスク関連領域の分布について説明しなければならない。
4.8.3.1.3.2
車室内において、以下の双方の要求に該当する領域は、運転タスク関連領域とみなしてはならない。
a)
以下の平面によって囲まれる領域。
ドライバー基準眼点を基準とし、車両縦方向基準面から左へ55度の垂直面より右側
ドライバー基準眼点を基準とし、車両縦方向基準面から右へ55度の垂直面より左側
ドライバー基準眼点から下方30度の平面より下側
b)
ドライバー基準眼点から見た以下の領域を含まないこと。
フロントウインドー
車両側面の窓
それらの周囲10度以内の領域
4.8.3.1.3.3
以下のいずれかの場合、システムは、ドライバーの眼の注視方向を直接検知しなくてもよい。
一時的に眼の注視方向を検知できない場合
頭部姿勢を使用する方が、ドライバーの視線離脱をより早く検知できる場合
ただし、その場合は、ドライバーの頭部姿勢を使用して、視線離脱を間接的に検知しなければならない。
4.8.3.2 ドライバー離脱通知および警告信号
4.8.3.2.1 ステアリング保持要求(HOR)
4.8.3.2.1.1
車速が10km/hを超えている場合、ドライバーが両手をステアリングから離してから、遅くとも5秒以内に、システムはステアリング保持要求(HOR)を発しなければならない。
ただし、システムがドライバーの視線離脱を検知していない場合に限り、両手をステアリングから離してから、遅くとも10秒以内にHORを発することを認める。
4.8.3.2.1.2
ドライバーが引き続き両手をステアリングから離している場合、システムはHORを発してから、遅くとも10秒以内にHORを強化しなければならない。
4.8.3.2.1.3
HORは、少なくとも継続的な視覚通知信号でなければならない。
視覚通知信号には、以下を示す基本的な構成要素を含めなければならない。
手
ステアリング
さらに、説明用の文字、図形その他の補助情報を追加することができる。
強化されたHORには、継続的な以下のいずれかの信号を追加しなければならない。
音響信号
触覚信号
注1:
本規格における継続的な視覚通知信号とは、常時点灯または継続的に点滅する視覚信号をいう。
注2:
本規格における継続的な音響通知信号とは、連続音または一定間隔で発せられる音響信号をいう。
注3:
本規格における継続的な触覚通知信号とは、連続振動または一定間隔で発生する振動信号をいう。
4.8.3.2.1.4
HORまたは強化されたHORは、ドライバーが両手をステアリングから離した状態ではなくなったことをシステムが検知するまで継続しなければならない。
4.8.3.2.2 視線復帰要求(EOR)
4.8.3.2.2.1
車速が10km/hを超えている場合、ドライバーの視線離脱後、遅くとも5秒以内に、システムは視線復帰要求(EOR)を発しなければならない。
4.8.3.2.2.2
ドライバーが引き続き視線を離している場合、システムはEORを発してから、遅くとも3秒以内にEORを強化しなければならない。
4.8.3.2.2.3
EORには、少なくとも以下を含めなければならない。
継続的な視覚通知信号
音響通知信号または触覚通知信号
強化されたEORの音響信号または触覚信号は、継続的でなければならない。
4.8.3.2.2.4
EORまたは強化されたEORは、ドライバーの眼の注視方向または頭部姿勢が、少なくとも200ミリ秒にわたって運転タスク関連領域から外れていないことをシステムが検知するまで継続しなければならない。
4.8.3.2.2.5
EORまたは強化されたEORを発した後、システムが第4.8.3.2.2.4項に従って視線離脱状態ではなくなったことを検知したものの、その後3秒以内に、ドライバーが再び2秒以上継続して視線を離した場合、システムは直ちにEORを発しなければならない。
4.8.3.2.3 その他の要求
第4.8.3.2節および第4.8.4節に定める通知または警告信号について、システムが以下の方法で発した場合も、要求へ適合するものとみなす。
a)
任意の段階を省略し、より強い段階の信号を直接発すること。
b)
DCAを発している間、その他の通知信号を抑制すること。
c)
強化されたHORを発している間、EORを抑制すること。
d)
強化されたEORを発している間、HORを抑制すること。
4.8.4 即時制御警告(DCA)の要求
4.8.4.1
システムが強化されたEORを発した後も、ドライバーが引き続き視線を離している場合、強化されたEORを発してから、遅くとも5秒以内にDCAを発しなければならない。
4.8.4.2
DCAは、少なくとも車両の横方向運動制御を直ちに再開するよう、ドライバーに対して明確かつ顕著に指示するものでなければならない。
DCAには、少なくとも以下を含めなければならない。
継続的な視覚警告信号
継続的な音響警告信号
触覚警告信号
4.8.4.3
DCAは、以下のいずれかが発生するまで継続しなければならない。
a)
少なくとも車両の横方向運動制御をドライバーが再開したことを、システムが検知した場合。
b)
システムがRMFを作動させた場合。
4.8.5 RMFの作動要求
システムは、以下のいずれかの信号を発してから、遅くとも10秒以内にRMFを作動させなければならない。
a)
強化されたHOR。
b)
DCA。
4.9 機能安全および意図した機能の安全性
システムの機能安全および意図した機能の安全性は、附録Cの要求に適合しなければならない。
4.10 組合せ運転支援の安全保証要求
車両メーカーによる組合せ運転支援の安全保証は、車両のライフサイクルに関係する各段階を含み、附録Eの要求に適合しなければならない。
4.11 データ記録要求
車両のデータ記録は、附録Fの要求に適合しなければならない。
第5章 基礎単車線型組合せ運転支援システムの安全要求
5.1
システムは、システムが定めたAカテゴリー道路環境においてのみ作動しなければならない。
5.2
車両は、電源投入または始動のたびに、ドライバーが車両メーカーの定める作動操作を行い、かつ以下の条件をすべて満たす場合に限り、システムを初めて作動状態または部分作動状態へ移行させることができる。
ただし、エンジンの自動停止・再始動は除く。
a)
ドライバーが運転席に着座し、安全ベルトを装着していること。
b)
システムのドライバー離脱検知が利用可能であること。
c)
システムの安全な作動へ影響を及ぼす故障を検知していないこと。
d)
車両に搭載されたDSSCDAが利用可能であり、その保存領域がロックされた事象データで満杯になっていないこと。
e)
AEBSが搭載されている場合、AEBSがオンになっていること。
f)
a)からe)以外に、車両メーカーが表明する作動条件がある場合、その条件を満たしていること。
注:
その他の作動条件には、例えば以下がある。
ドアが閉まっていること
運転席の位置が適切であること
5.3
システムは、GB/T 44461.1-2024の以下の要求に適合しなければならない。
第4.1節
第4.2節
第5.1節
第5.2節
また、GB/T 44461.1-2024の以下の規定に従って試験を実施しなければならない。
第6.5節
第6.6節
第6.7節
5.4
システムは、以下の要求に適合しなければならない。
第4.1.4項
第4.1.5項
第4.1.11項
第4.1.12項
第4.1.15項
第4.1.16項
第4.2節
第4.7.1項
第4.7.3項
第4.7.5項
また、第4.8節について、以下を除く各要求に適合しなければならない。
第4.8.1.2.2項
第4.8.2.8項
第4.8.3.1.1.3項
第4.8.4.3項
第4.8.5項
さらに、以下の規定に従って試験を実施しなければならない。
第9.3節
第9.4.8.1節
第9.4.9.1.1節
第9.4.9.2節
第9.4.9.3節
第9.4.9.4節
第9.4.9.5節
第9.4.9.6節
5.5
DCAは、少なくとも車両の横方向運動制御をドライバーが再開したことをシステムが検知するまで継続しなければならない。
強化されたHORまたはDCAを発してから10秒後、システムは作動状態を終了することを目的として、車両メーカーが表明した別の状態へ移行することができる。
5.6
第5.5項において車両メーカーが表明する別の状態がRMFの実行である場合、RMFは、以下の関連要求に適合しなければならない。
第4.6.3節
第4.8.5節
5.7
システムの機能安全要求は、附録Cに定める以下の文書審査要求に適合しなければならない。
C.2.2およびC.2.3の機能安全に関するハザード分析およびリスク評価
C.2.5の機能安全対策および安全戦略の説明
C.2.6およびC.2.7の機能安全分析
C.2.8およびC.2.10の機能安全評価およびリリース報告書
また、以下の規定に従って、機能安全に関する試験を実施しなければならない。
C.3.1
C.3.2
C.3.3.1
5.8
システムの安全要求に関する検査および試験方法は、附録Aに基づき、第5章の関連要求を対象とする場内試験を実施しなければならない。
また、車両メーカーが附録Aに従って提出した文書を審査しなければならない。
車両メーカーが提出した文書にシミュレーション試験が含まれる場合、附録Bに従って、シミュレーション試験の信頼性を評価しなければならない。
ただし、附録Cについては、C.2.8.3.1の確認に関係する内容のみを対象とする。
5.9
車両メーカーによる組合せ運転支援の安全保証は、車両のライフサイクルに関係する各段階を含み、附録Eの要求に適合しなければならない。
5.10
車両のデータ記録は、附録Fの要求に適合しなければならない。
第6章 基礎複車線型組合せ運転支援システムの安全要求
6.1
システムは、システムが定めたAカテゴリー道路環境においてのみ作動しなければならない。
6.2
車両は、基礎単車線型組合せ運転支援システムを備えなければならない。
6.3
システムは、GB/T 44461.2-2024の以下の要求に適合しなければならない。
第4.1.1項a)
第4.1.2項
第4.1.3項
第4.1.4項
第4.1.5項
第4.1.6項
第4.1.7項
第4.2節
第4.3節
第4.4節
第4.5節
第4.7節
第5.1節
第5.2節
第5.3節
また、GB/T 44461.2-2024の以下の規定に従って試験を実施しなければならない。
第6.6節
第6.7節
第6.8節
第6.9節
第6.10節
第6.11節
第6.12節
6.4
システムは、以下の要求に適合し、第9.4.9.4節、第9.4.9.5節および第9.4.9.6節に従って試験を実施しなければならない。
a)
以下の要求に適合すること。
第4.1.4項
第4.1.5項
第4.1.11項
第4.1.12項
第4.1.15項
第4.1.16項
第4.2節
第4.7.1項
第4.7.3項
第4.7.5項
b)
第4.8節について、以下を除く各要求に適合すること。
第4.8.1.2.2項d)
第4.8.2.8項
第4.8.3.1.1.3項
第4.8.4.3項
第4.8.5項
c)
DCAは、少なくとも車両の横方向運動制御をドライバーが再開したことをシステムが検知するまで継続すること。
強化されたHORまたはDCAを発してから10秒後、システムは作動状態を終了することを目的として、車両メーカーが表明した別の状態へ移行することができる。
d)
c)において車両メーカーが表明する別の状態がRMFの実行である場合、第4.6.3節および第4.8.5節の関連要求に適合すること。
e)
システムがドライバー離脱の通知または警告信号を発している場合、車線変更プロセスを開始しないこと。
f)
視線離脱検知が利用できない状態にあるとシステムが確認した場合、車線変更プロセスを開始しないこと。
g)
車線変更制御の実行中に、ドライバーが車両の横方向運動制御へ介入した場合、車線変更制御を終了すること。
ただし、ドライバーの操舵入力が、以下のいずれかに該当する場合を除く。
システムが計画した制御を支援するための入力
小幅な操舵修正を行うための入力
6.5
システムの機能安全要求は、附録Cに定める以下の文書審査要求に適合しなければならない。
C.2.2およびC.2.3の機能安全に関するハザード分析およびリスク評価
C.2.5の機能安全対策および安全戦略の説明
C.2.6およびC.2.7の機能安全分析
C.2.8およびC.2.10の機能安全評価およびリリース報告書
また、以下の規定に従って、機能安全に関する試験を実施しなければならない。
C.3.1
C.3.2
C.3.3.1
6.6
システムの安全要求に関する検査および試験方法は、附録Aに基づき、第6章の関連要求を対象とする場内試験を実施しなければならない。
また、車両メーカーが附録Aに従って提出した文書を審査しなければならない。
車両メーカーが提出した文書にシミュレーション試験が含まれる場合、附録Bに従って、シミュレーション試験の信頼性を評価しなければならない。
ただし、附録Cについては、C.2.8.3.1の確認に関係する内容のみを対象とする。
6.7
車両メーカーによる組合せ運転支援の安全保証は、車両のライフサイクルに関係する各段階を含み、附録Eの要求に適合しなければならない。
6.8
車両のデータ記録は、附録Fの要求に適合しなければならない。
第7章 利用者への告知
7.1
組合せ運転支援システムを搭載する車両について、車両メーカーは、自動車製品の取扱説明書とは別に、一般にアクセス可能な方法によって、利用者へシステム使用説明を提供しなければならない。
注:
一般にアクセス可能な方法には、例えば以下がある。
車両メーカーの公式ウェブサイト
車載ディスプレイ端末
モバイル端末
7.2
システム使用説明は、簡潔で理解しやすく、正確であり、一般の利用者が容易に読み、理解できる表現でなければならない。
また、少なくとも以下の内容を含めなければならない。
a)
システムのカテゴリー。
基礎単車線型組合せ運転支援システム
基礎複車線型組合せ運転支援システム
領航型組合せ運転支援システム
b)
ドライバーの責任。
c)
ドライバーがシステムを正しく使用する方法。
d)
システムおよび各機能が、ドライバーによる車両制御を支援する方法。
e)
システムの能力および限界。
f)
システムのODD境界。
g)
システム状態および状態間の移行。
h)
システムと他の運転自動化システムとの切替えがある場合、その内容。
i)
車間時間または車間時間設定の意味。
j)
以下の速度情報。
システムの設計作動速度範囲
ドライバーが設定可能な最高作動速度
ドライバーが設定可能な最低作動速度
k)
ドライバー離脱検知。
以下を含む。
離脱検知方法
離脱通知信号
警告信号
l)
ヒューマン・マシン・インターフェース。
少なくとも以下を含む。
作動および終了の操作方法
運動制御へ介入する方法
システムおよび各機能に関する状態通知
以下の各信号を含む。
視覚信号
音響信号
触覚信号
システムが以下を検知した場合の通知
システムのODD境界または機能境界をすでに超えた場合
まもなく超える場合
境界へ接近している場合
システムまたは機能に故障が発生した場合の通知
m)
システム使用中に事故が発生した場合の緊急対応方法。
n)
複数利用者の管理に対応する車両について、システム使用に関係するリスク。
例えば、車両を他の利用者へ引き渡す前に、現在のアカウントからログアウトする必要があること。
o)
トレーラーを連結した状態でもシステムを作動できる車両について、以下を説明すること。
システムに適合するトレーラーの要求
外形寸法
最大許容総重量
制動性能など
システム使用に関係するリスク
例えば、トレーラーが車両メーカーの説明する要求に適合することを、ドライバーが確認する必要があること。
7.3
車両は、電源投入または始動のたびに、少なくとも以下のいずれかの方法によって、ドライバーがシステム使用研修を完了しているかどうかを確認しなければならない。
ただし、エンジンの自動停止・再始動は除く。
a)
ドライバーにシステム使用研修を実施し、その完了を確認する。
b)
生体認証を行う。
c)
車両が停止している状態で、利用者アカウントへログインする。
c)の方法を使用する場合、システムは、ドライバーが以下のいずれかを入力することによって、使用研修を完了しているかどうかを確認しなければならない。
数字によるパスワード
その他の形式のパスワード
注:
その他の形式のパスワードには、例えば以下がある。
文字入力
ジェスチャーパスワード
7.4
車両は、ドライバーがシステム使用説明を読み、理解したことを確認するための方法を提供し、以下の要求に適合しなければならない。
a)
車両が停止している場合に限り、ドライバーが確認操作を行えること。
b)
確認方法を、以下のいずれかとすること。
長押し操作
少なくとも二つの意図的な操作
ダブルクリック
クリック後に確認する操作など
c)
ソフトウェア更新によってシステム使用説明が変更された場合、次回のシステム作動前に、ドライバーへ再確認の方法を提示すること。
d)
遅くとも30日間にわたってドライバーによる確認が行われていないことを検知した場合、次回のシステム作動前に、ドライバーへ再確認の方法を提示すること。
7.5
車両メーカーは、附録Aに従って文書を提出し、本章の要求へ適合することを証明しなければならない。
第8章 システム使用禁止
8.1
現在の車両電源投入・始動サイクル内において、ドライバー離脱を原因として以下のいずれかが発生した場合、今回の作動状態を終了した後、以下のシステムを30分以上使用禁止としなければならない。
領航型組合せ運転支援システム
基礎単車線型組合せ運転支援システム
基礎複車線型組合せ運転支援システム
ただし、エンジンの自動停止・再始動は除く。
a)
システムがRMFを1回作動させた場合。
b)
システムがRMFを備えていない場合に、以下のいずれかを10秒間継続して発した場合。
強化されたHOR
DCA
c)
システムが、強化されたEORの後にDCAを2回発した場合。
d)
任意の30分間に、以下のいずれかを合計3回発した場合。
強化されたHOR
強化されたEOR
a)からd)について、システムを使用禁止とした後、各回数のカウントをリセットしなければならない。
8.2
現在の車両電源投入・始動サイクル内において、ドライバー離脱を原因としてシステムが使用禁止となった場合、システムは、システム使用説明を読み、理解するようドライバーへ通知しなければならない。
ただし、エンジンの自動停止・再始動は除く。
8.3
以下のシステムについて、第9.4.9.4節および第9.4.9.7節に従って試験を実施し、試験車両が本章の要求へ適合することを確認しなければならない。
基礎単車線型組合せ運転支援システム
領航型組合せ運転支援システム
第9章 場内試験方法
9.1 車両条件
9.1.1
試験車両の積載状態は、以下の要求に適合しなければならない。
また、試験中に試験車両の積載状態を変更してはならない。
a)M1カテゴリーの自動車
以下の状態とする。
車両整備質量
車室内への追加積載質量:合計200±20kg
b)M2、M3、N1、N2およびN3カテゴリーの自動車
特別な規定がある場合を除き、以下の状態とする。
M2カテゴリーおよびM3カテゴリーの路線バス:
最大設計総質量の65%
N1、N2およびN3カテゴリーの自動車:
最大設計総質量
乗員質量および積載条件は、GB/T 12534の規定に適合しなければならない。
注:
最大設計総質量とは、車両メーカーが技術上許容される最大質量として提示する質量をいう。
c)O4カテゴリーのトレーラーを牽引できるN3カテゴリーの自動車
模擬した第5輪荷重を加えることにより、車両を満載状態とすることを認める。
満載時の軸荷重配分は、車両メーカーの規定に適合しなければならない。
セミトレーラー用牽引車については、積載質量を後方へ移動し、積載条件で規定する以下の位置のほぼ中間へ配置することができる。
第5輪キングピン
後車軸中心線
9.1.2
タイヤ空気圧は、車両メーカーが推奨する、車両の積載状態に適合した冷間時空気圧としなければならない。
9.2 試験条件
9.2.1 試験道路
試験道路は、以下の要求に適合しなければならない。
a)
試験路面は十分に締め固められ、センサーの異常作動を引き起こす可能性のある不規則な物体または形状が存在しないこと。
これには、例えば以下が含まれる。
大きな傾斜
亀裂
マンホール
反射性を持つボルト
b)
雨天試験および霧試験を除き、試験路面は乾燥し、表面に目視可能な水分がないこと。
c)
試験道路の車線幅は、3.5m以上3.75m以下であること。
d)
試験道路のピーク摩擦係数は、0.7以上であること。
e)
試験道路には車線境界線を設置し、明確に視認できる状態とすること。
車線境界線はGB 5768.3の要求に適合し、交通標識および交通信号機は、関連する規格の要求に適合しなければならない。
9.2.2 試験環境
試験環境は、以下の要求に適合しなければならない。
a)
天候は乾燥していること。
雨天試験および霧試験を除き、以下の状態がないこと。
凍結
路面上の水たまり
積雪
b)
光照度は、以下の要求に適合すること。
昼間試験:2,000lx以上
夜間試験の背景光照度:5lx以下
c)
環境温度は、マイナス20℃以上45℃以下であること。
d)
風速は、以下の要求に適合すること。
平均風速:5m/s以下
瞬間最大風速:10m/s以下
注:
試験環境は、可能な限り実際の環境を再現する。
9.2.3 試験用ターゲット
9.2.3.1 車両ターゲット
車両ターゲットには、以下のいずれかを使用しなければならない。
一般に大量生産されている量産車
車両を代表する検知特性を備え、システムのセンサー特性に適合し、ISO 19206-3へ適合する車両ターゲット
車両ターゲットの速度制御誤差は、2km/h以下でなければならない。
注:
車両ターゲットは、可能な限り実際の車両を再現する。
9.2.3.2 歩行者ターゲット
歩行者ターゲットには、以下の条件を満たすISO 19206-2適合ターゲットを使用しなければならない。
子どもまたは成人の歩行者を代表する検知特性を備える
システムのセンサー特性に適合する
歩行者ターゲットの速度制御誤差は、0.2km/h以下でなければならない。
9.2.3.3 自転車ターゲット
自転車ターゲットには、以下の条件を満たすISO 19206-4適合ターゲットを使用しなければならない。
自転車および自転車利用者を代表する検知特性を備える
システムのセンサー特性に適合する
自転車ターゲットの速度制御誤差は、0.2km/h以下でなければならない。
9.2.3.4 スクーター型二輪自動車ターゲット
スクーター型二輪自動車ターゲットには、以下の条件を満たすISO 19206-5適合ターゲットを使用しなければならない。
スクーター型二輪自動車およびその乗員を代表する検知特性を備える
システムのセンサー特性に適合する
ターゲットの速度制御誤差は、2km/h以下でなければならない。
9.2.4 試験装置の要求
試験中に試験車両へ搭載する計測機器および装置は、以下の要求に適合しなければならない。
a)
動的データのサンプリングおよび保存周波数は、100Hz以上とする。
b)
トンネル内を除き、測定精度は以下の値以上とする。
縦方向速度:0.1km/h
横方向速度:0.05m/s
横加速度:0.02m/s²
縦加速度:0.02m/s²
横方向位置:0.02m
縦方向位置:0.02m
c)
横加速度データは、遮断周波数0.5Hzの4次バターワースフィルターを使用してフィルタリングする。
d)
映像記録装置は、以下の要求に適合すること。
解像度:720×480ピクセル以上
フレームレート:30フレーム/秒以上
9.2.5 試験車両の設定
試験車両は、以下の要求に従って設定しなければならない。
a)
システムの車間時間を調整できる場合、試験車両は最も短い車間距離となる設定にする。
b)夜間試験時の灯火設定
1)
システムが関連する灯火のAUTO設定時に限り作動できる場合、前照灯をAUTOに設定する。
2)
システムがロービーム使用時に限り作動できる場合、ロービームに設定する。
3)
システムがハイビーム使用時に限り作動できる場合、ハイビームに設定する。
4)
システムが以下の複数の状態で作動できる場合、ロービームに設定する。
ロービーム
ハイビーム
関連する灯火のAUTO設定
c)
ナビゲーションの目的地を設定しなくても試験を完了できる場合、目的地を設定しない状態で試験する。
d)
その他、試験結果へ影響する可能性のあるシステム設定については、最も厳しい条件となる設定で試験する。
9.2.6 試験要求
9.2.6.1
車両メーカーが表明したAカテゴリー道路環境とBカテゴリー道路環境で、ドライバー設定可能最高速度vₛₘₐₓ,ₛₑₜが異なる場合、第9.4節の基礎試験では、車両メーカーが表明した値のうち最大のvₛₘₐₓ,ₛₑₜを使用しなければならない。
9.2.6.2
組合せ運転支援システムまたは機能の検証目的へ影響を及ぼさない場合、試験シナリオの初期配置を左右反転することを認める。
9.3 事前試験
9.3.1
図2に示すように、昼間条件において、試験道路は少なくとも以下の条件を満たす長い直線道路とする。
一方向に2車線以上
車線間の境界線は破線
道路上にターゲットを配置しない
図2:事前試験概略図
9.3.2
試験車両は、システムを作動状態とし、Aカテゴリー道路環境におけるvₛₘₐₓ,ₛₑₜで試験道路を安定走行する。
安定走行した時点で試験を開始し、開始から5秒後に試験を終了する。
9.3.3
試験車両は、システムを作動状態とし、Bカテゴリー道路環境におけるvₛₘₐₓ,ₛₑₜで試験道路を安定走行する。
安定走行した時点で試験を開始し、開始から5秒後に試験を終了する。
注:
第9.3節の試験条件では、システム作動後に試験車両をvₛₘₐₓ,ₛₑₜで安定走行させられない場合、以下のいずれかによって検証する。
車両メーカーが適切な試験条件を提供する
第10章の公道試験を実施する
9.4 基礎試験
9.4.1 速度制限試験
9.4.1.1
図3に示すように、昼間条件において、試験道路は少なくとも2車線を備えた長い直線道路とする。
車両の進行方向に、以下の条件で速度制限標識を設置する。
a)
vₛₘₐₓ,ₛₑₜが100km/hを超える場合:
100km/h制限標識
b)
vₛₘₐₓ,ₛₑₜが80km/hを超え、100km/h以下の場合:
80km/h制限標識
c)
vₛₘₐₓ,ₛₑₜが60km/hを超え、80km/h以下の場合:
60km/h制限標識
d)
vₛₘₐₓ,ₛₑₜが60km/h以下の場合:
40km/h制限標識
図3:速度制限試験概略図
9.4.1.2
試験車両は、vₛₘₐₓ,ₛₑₜで試験道路を走行し、速度制限標識へ接近する。
車両と速度制限標識との距離が200m以上ある時点でシステムを作動させ、試験を開始する。
9.4.1.3
以下のいずれかの時点で試験を終了する。
試験車両が速度制限標識を通過してから30秒後
試験車両が新たな安定速度へ到達した時点
9.4.2 車線巡航制御のカーブ試験
9.4.2.1
図4に示すように、昼間条件において、試験道路は、直線区間と、それに接続するカーブ区間から構成する。
直線区間の曲率半径は、5km以上とする。
カーブ区間は、試験を完了するために十分な長さを備えなければならない。
カーブ区間は、以下の二つの部分から構成する。
一定曲率区間
可変曲率区間
一定曲率区間の曲率半径をRBCとする。
可変曲率区間は、直線区間と一定曲率区間を接続する区間とし、その曲率は道路長に応じて線形に変化しなければならない。
曲率は、0から1/RBCまで徐々に増加する。
図中の記号
A:可変曲率区間の開始位置
B:一定曲率区間の開始位置
C:一定曲率区間の終了位置
c:曲率。c=1/RBC
s:道路長
dc/ds:曲率変化率
S1:可変曲率区間の長さ。S1=c÷(dc/ds)
S2:一定曲率区間の長さ
S3:カーブ区間全体の長さ。S3=S1+S2
図4:試験用カーブ概略図
9.4.2.2
試験車両のカーブ減速通行機能をオフにできるかどうかに応じて、以下のいずれかの試験を行う。
オフにできる場合:第9.4.2.3項
オフにできない場合:第9.4.2.4項
車両メーカーが附録Cに基づいて表明した、システムが作動可能な速度区間のうち、最大横加速度が同一となる速度区間が二つ以上存在する場合、それらのうち一つの速度区間についてのみ試験すればよい。
9.4.2.3 カーブ減速通行機能をオフにできる場合
カーブ減速通行機能をオフにした状態で、以下の試験を実施する。
a)表明最大横加速度の80~90%となる条件
車両メーカーが表明した、システムが作動可能なすべての速度区間について、車両横加速度が表明最大横加速度の80~90%となる以下の組合せを一つずつ選択する。
試験速度
RBC
試験担当者は、車両メーカーが定める方法によってシステムを作動させ、上記の条件を満たす速度を巡航速度として設定する。
試験車両が巡航速度へ到達し、カーブへ進入した時点で試験を開始する。
試験車両が試験用カーブから退出した時点で試験を終了する。
試験終了まで、試験担当者は車両の走行制御へ介入してはならない。
b)表明最大横加速度を0.3m/s²超上回る条件
システムが作動可能なすべての速度区間について、車両横加速度が表明最大横加速度を0.3m/s²超上回る以下の組合せを一つずつ選択する。
試験速度
RBC
試験担当者は、車両メーカーが定める方法によってシステムを作動させ、上記の条件を満たす速度を巡航速度として設定する。
試験車両が巡航速度へ到達し、カーブへ進入した時点で試験を開始する。
以下のいずれかの時点で試験を終了する。
試験車両が試験用カーブから退出した時点
試験車両が現在の車線から逸脱した時点
試験終了まで、試験担当者は車両の走行制御へ介入してはならない。
c)横加速度が3m/s²を超える条件
システムが作動可能な全速度区間から、車両横加速度が3m/s²を超える以下の組合せを一つ選択する。
試験速度
RBC
試験担当者は、車両メーカーが定める方法によってシステムを作動させ、上記の条件を満たす速度を巡航速度として設定する。
試験車両が巡航速度へ到達し、カーブへ進入した時点で試験を開始する。
以下のいずれかの時点で試験を終了する。
試験車両が試験用カーブから退出した時点
試験車両が現在の車線から逸脱した時点
試験終了まで、試験担当者は車両の走行制御へ介入してはならない。
9.4.2.4 カーブ減速通行機能をオフにできない場合
カーブ減速通行機能をオンにした状態で、以下の試験を実施する。
a)表明最大横加速度の80~90%となる条件
システムが作動可能なすべての速度区間について、車両横加速度が表明最大横加速度の80~90%となる以下の組合せを一つずつ選択する。
試験速度
RBC
試験担当者は、車両メーカーが定める方法によってシステムを作動させ、上記の条件を満たす速度を巡航速度として設定する。
試験車両が巡航速度へ到達してカーブへ進入した時点で、試験を開始する。
試験中、試験車両の速度を常に当該巡航速度へ維持する。
試験車両が試験用カーブから退出した時点で試験を終了する。
試験終了まで、試験担当者は車両の横方向走行制御へ介入してはならない。
b)表明最大横加速度を0.3m/s²超上回る条件
システムが作動可能なすべての速度区間について、車両横加速度が表明最大横加速度を0.3m/s²超上回る以下の組合せを一つずつ選択する。
試験速度
RBC
試験担当者は、車両メーカーが定める方法によってシステムを作動させ、上記の条件を満たす速度を巡航速度として設定する。
試験車両が巡航速度へ到達してカーブへ進入した時点で、試験を開始する。
試験中、試験車両の速度を常に当該巡航速度へ維持する。
以下のいずれかの時点で試験を終了する。
試験車両が試験用カーブから退出した時点
試験車両が現在の車線から逸脱した時点
試験終了まで、試験担当者は車両の横方向走行制御へ介入してはならない。
c)横加速度が3m/s²を超える条件
システムが作動可能な全速度区間から、車両横加速度が3m/s²を超える以下の組合せを一つ選択する。
試験速度
RBC
試験担当者は、車両メーカーが定める方法によってシステムを作動させ、上記の条件を満たす速度を巡航速度として設定する。
試験車両が巡航速度へ到達してカーブへ進入した時点で、試験を開始する。
試験中、試験車両の速度を常に当該巡航速度へ維持する。
以下のいずれかの時点で試験を終了する。
試験車両が試験用カーブから退出した時点
試験車両が現在の車線から逸脱した時点
試験終了まで、試験担当者は車両の横方向走行制御へ介入してはならない。
注:
試験車両の最大横加速度が3m/s²を超えない場合、第9.4.2.3項c)または第9.4.2.4項c)の試験は実施しない。
9.4.3 ドライバー始動型車線変更試験
9.4.3.1
図5に示すように、昼間条件において、試験道路は以下から構成される一方向2車線道路とする。
直線区間
直線区間に接続するカーブ区間
直線区間およびカーブ区間の条件は、第9.4.2.1項と同一とし、以下の条件を満たさなければならない。
曲率変化率dc/ds:4×10⁻⁵m⁻²以下
RBC:500m
各位置は以下のとおりとする。
A:可変曲率区間の開始位置
B:一定曲率区間の開始位置
C:一定曲率区間の終了位置
図5:ドライバー始動型車線変更試験概略図
9.4.3.2
試験車両は、ドライバー始動型車線変更制御機能の最高作動速度v′ₛₘₐₓ,ₛₑₜで左側車線を走行する。
位置Aから200m以上手前でシステムを作動させ、試験を開始する。
位置Aへ到達した時点で、試験担当者はカーブ内側の目標車線へ向けて、ドライバー始動型車線変更プロセスを開始する。
注1:
v′ₛₘₐₓ,ₛₑₜは、ドライバー始動型車線変更制御機能の最高作動速度をいう。
注2:
このシナリオでドライバー始動型車線変更機能を開始できない、または一回の完全な車線変更を実行できない場合、車両メーカーは、当該機能を開始できる速度条件を提供しなければならない。
9.4.3.3
以下のいずれかの時点で試験を終了する。
試験車両がカーブ区間から退出した時点
試験車両がカーブ区間から逸脱した時点
9.4.3.4
試験中、車線変更プロセスを開始する位置と位置Aとの距離の許容誤差は、±5mとする。
9.4.4 ドライバー確認型車線変更試験
9.4.4.1
図6に示すように、昼間条件において、試験道路は少なくとも以下の条件を満たす長い直線道路とする。
一方向に2車線以上
車線間の境界線は破線
試験車両と前方の低速車両ターゲットは、いずれも右側の同一車線を走行する。
左側車線には、試験を妨げる車両を配置しない。
図6:ドライバー確認型車線変更試験概略図
9.4.4.2
試験車両は、vₛₘₐₓ,ₛₑₜで右側車線を走行する。
同一車線の前方を走行する車両ターゲットは、以下の速度で走行する。
vₛₘₐₓ,ₛₑₜ-40km/h
試験車両と前方の低速車両ターゲットとの距離が200m以上ある時点でシステムを作動させ、試験を開始する。
注:
このシナリオでドライバー確認型車線変更制御機能を開始できない場合、車両メーカーは、当該機能を開始できる以下の情報を提供しなければならない。
試験パラメーター
試験シナリオ
可能な場合は、試験パラメーターの変更を優先する。
9.4.4.3
以下のいずれかの時点で試験を終了する。
a)
ドライバーの確認後、試験車両が左側車線への車線変更を完了した時点。
b)
試験車両が前方の低速車両ターゲットへ安定して追従した後、20秒が経過した時点。
9.4.5 システム始動型車線変更試験
9.4.5.1
図7に示すように、昼間条件において、試験道路は少なくとも以下の条件を満たす長い直線道路とする。
一方向に2車線以上
車線間の境界線は破線
試験車両と前方の低速車両ターゲットは、右側の同一車線を走行する。
左側車線には、試験を妨げる車両を配置しない。
図7:システム始動型車線変更試験概略図
9.4.5.2
試験車両は、vₛₘₐₓ,ₛₑₜで右側車線を走行する。
同一車線の前方を走行する車両ターゲットは、以下の速度で走行する。
vₛₘₐₓ,ₛₑₜ-40km/h
試験車両と前方の低速車両ターゲットとの距離が200m以上ある時点でシステムを作動させ、試験を開始する。
注:
このシナリオでシステム始動型車線変更制御機能を開始できない場合、車両メーカーは、当該機能を開始できる以下の情報を提供しなければならない。
試験パラメーター
試験シナリオ
可能な場合は、試験パラメーターの変更を優先する。
9.4.5.3
以下のいずれかの時点で試験を終了する。
a)
試験車両が自律的に左側車線への車線変更を完了した時点。
b)
試験車両が前方の低速車両ターゲットへ安定して追従した後、20秒が経過した時点。
9.4.6 車両ターゲットの検知・対応能力試験
9.4.6.1 隣接車線に干渉車両が存在するドライバー始動型車線変更試験
9.4.6.1.1
図8に示すように、昼間条件において、試験道路は一方向に2車線以上を備えた長い直線道路とする。
図8:隣接車線に干渉車両が存在するドライバー始動型車線変更試験概略図
9.4.6.1.2
試験車両はシステムを作動状態とし、表1または表2に対応する速度で車線を走行する。
車両ターゲットは、試験車両の右側にある隣接車線を、試験車両の後方から表1または表2に対応する速度で走行する。
この状態が成立した時点で試験を開始する。
試験車両と車両ターゲットとの縦方向距離が、表1または表2に定める車線変更開始距離Xへ到達した時点で、試験担当者は隣接車線へ向けて、ドライバー始動型車線変更プロセスを開始する。
9.4.6.1.3
試験車両が今回の車線変更プロセスを取り消した、または完了した時点で試験を終了する。
9.4.6.1.4
試験中の車線変更開始距離について、許容誤差は以下のとおりとする。
上側誤差:0m
下側誤差:-1m
表1 v′ₛₘᵢₙ,ₛₑₜが30km/h以下の場合の試験条件
試験1
試験車両設定速度:40km/h
車両ターゲットと試験車両の実速度差:2km/h
車線変更開始距離X:5m
試験2
試験車両設定速度:40km/h
実速度差:20km/h
車線変更開始距離X:15m
試験3
試験車両設定速度:50km/h
実速度差:2km/h
車線変更開始距離X:6m
試験4
試験車両設定速度:50km/h
実速度差:20km/h
車線変更開始距離X:17m
注:
v′ₛₘᵢₙ,ₛₑₜは、ドライバー始動型車線変更制御機能の最低作動速度をいう。
表2 v′ₛₘᵢₙ,ₛₑₜが30km/hを超える場合の試験条件
試験1
試験車両設定速度:v′ₛₘᵢₙ,ₛₑₜ+10km/h
実速度差:2km/h
車線変更開始距離X:7m
試験2
試験車両設定速度:v′ₛₘᵢₙ,ₛₑₜ+10km/h
実速度差:20km/h
車線変更開始距離X:16m
試験3
試験車両設定速度:v′ₛₘᵢₙ,ₛₑₜ+20km/h
実速度差:2km/h
車線変更開始距離X:8m
試験4
試験車両設定速度:v′ₛₘᵢₙ,ₛₑₜ+20km/h
実速度差:20km/h
車線変更開始距離X:18m
9.4.6.2 ドライバー始動型車線変更の安全対応戦略試験
9.4.6.2.1
図9に示すように、昼間条件において、試験道路は一方向に3車線以上を備えた長い直線道路とする。
9.4.6.2.2
試験車両はシステムを作動状態とし、表3または表4に対応する速度で車線を走行する。
車両ターゲットは、試験車両の右後方にある、2車線離れた車線の中央を、表3または表4に対応する速度で走行する。
この状態が成立した時点で試験を開始する。
試験車両の車線変更開始距離Xは、次式によって算出する。
X=5+{(vvt-vvut)÷3.6}×tp
各記号は、以下を意味する。
tp:3回の車線変更準備段階に要した時間の平均値
vvut:試験車両の実速度
vvt:車両ターゲットの実速度
試験車両と車両ターゲットとの縦方向距離が、表3または表4に対応する車線変更開始距離Xへ到達した時点で、試験担当者は目標車線へ向けて、ドライバー始動型車線変更プロセスを開始する。
同時に、車両ターゲットも目標車線へ向けて車線変更を開始する。
車両ターゲットは、試験車両の方向指示灯が点灯した後に、車両ターゲット側の目標車線境界線②へ乗り上げ始めるようにする。
9.4.6.2.3
以下のいずれかの時点で試験を終了する。
a)
試験車両と車両ターゲットが衝突を回避した時点。
b)
試験車両と車両ターゲットとの横方向距離が1.5m未満となった時点。
9.4.6.2.4
試験条件の許容誤差は、以下のとおりとする。
車線変更開始距離
上側誤差:0m
下側誤差:-1m
車両ターゲットと試験車両との速度差
上側誤差:1km/h
下側誤差:0km/h
9.4.6.2.5
試験開始後、車両ターゲットが車線境界線②へ乗り上げ始めてから、隣接車線の中央領域へ移動するまで、その横方向移動速度を安定して維持しなければならない。
また、試験開始から終了まで、車両ターゲットの縦方向速度を安定して維持しなければならない。
図中の記号
①:試験車両側の目標車線境界線
②:車両ターゲット側の目標車線境界線
図9:ドライバー始動型車線変更の安全対応戦略試験概略図
表3 v′ₛₘᵢₙ,ₛₑₜが30km/h以下の場合
試験車両設定速度:50km/h
車両ターゲットと試験車両の実速度差:5km/h
車線変更開始距離:式(1)によって算出
表4 v′ₛₘᵢₙ,ₛₑₜが30km/hを超える場合
試験車両設定速度:v′ₛₘᵢₙ,ₛₑₜ+10km/h
車両ターゲットと試験車両の実速度差:5km/h
車線変更開始距離:式(1)によって算出
9.4.6.3 隣接車線に干渉車両が存在するドライバー確認型車線変更試験
9.4.6.3.1
図10に示すように、昼間条件において、試験道路は少なくとも以下の条件を満たす長い直線道路とする。
一方向に2車線以上
車線間の境界線は破線
試験車両と前方の低速車両ターゲットは、右側の同一車線を走行する。
左側車線には、試験車両と並走する干渉車両ターゲットを配置する。
図10:隣接車線に干渉車両が存在するドライバー確認型車線変更試験概略図
9.4.6.3.2
試験車両は、vₛₘₐₓ,ₛₑₜで右側車線を走行する。
干渉車両は左側の隣接車線を走行し、常にGB/T 39265-2020第5.1.1項で定める試験車両の死角内に位置する。
試験車両と同一車線の前方には、車両ターゲットを以下の速度で走行させる。
vₛₘₐₓ,ₛₑₜ-40km/h
試験車両と前方の低速車両ターゲットとの距離が200m以上ある時点で、システムを作動させ、試験を開始する。
第9.4.4節の試験で、車両メーカーがドライバー確認型車線変更制御機能を開始するための試験シナリオおよび試験パラメーターを提供した場合、本試験でも当該シナリオおよびパラメーターを使用する。
この場合も、干渉車両は試験車両の目標隣接車線に配置し、常にGB/T 39265-2020第5.1.1項で定める死角内に位置させる。
9.4.6.3.3
以下のいずれかの時点で試験を終了する。
a)
試験車両が前方の低速車両ターゲットへ安定して追従した後、20秒が経過した時点。
b)
試験車両が車線変更実行段階へ移行した時点。
9.4.6.4 隣接車線に干渉車両が存在するシステム始動型車線変更試験
9.4.6.4.1
図11に示すように、昼間条件において、試験道路は少なくとも以下の条件を満たす長い直線道路とする。
一方向に2車線以上
車線間の境界線は破線
試験車両と前方の低速車両ターゲットは、右側の同一車線を走行する。
左側車線には、試験車両と並走する干渉車両を配置する。
図11:隣接車線に干渉車両が存在するシステム始動型車線変更試験概略図
9.4.6.4.2
試験車両は、vₛₘₐₓ,ₛₑₜで右側車線を走行する。
干渉車両は左側の隣接車線を走行し、常にGB/T 39265-2020第5.1.1項で定める試験車両の死角内に位置する。
試験車両と同一車線の前方には、車両ターゲットを以下の速度で走行させる。
vₛₘₐₓ,ₛₑₜ-40km/h
試験車両と前方の低速車両ターゲットとの距離が200m以上ある時点で、システムを作動させ、試験を開始する。
第9.4.5節の試験で、車両メーカーがシステム始動型車線変更制御機能を開始するための試験シナリオおよび試験パラメーターを提供した場合、本試験でも当該シナリオおよびパラメーターを使用する。
この場合も、干渉車両は試験車両の目標隣接車線に配置し、常にGB/T 39265-2020第5.1.1項で定める死角内に位置させる。
9.4.6.4.3
以下のいずれかの時点で試験を終了する。
a)
試験車両が前方の低速車両へ安定して追従した後、20秒が経過した時点。
b)
試験車両が車線変更実行段階へ移行した時点。
9.4.6.5 直線道路における横転車両試験
9.4.6.5.1
図12に示すように、昼間条件において、試験道路は少なくとも一方向2車線の道路とし、中央の車線境界線は破線とする。
試験道路前方の右側車線には、静止した横転車両ターゲットを配置する。
車両ターゲットは、以下のように配置する。
車両ターゲットの縦方向軸を、車線中心線に対して垂直とする
車両ターゲットのルーフを、試験車両が接近する方向へ向ける
車両ターゲットの前部を左側車線へ向ける
車両ターゲットの最前端から左側車線境界線までの距離と、最後端から右側車線境界線までの距離を等しくする
9.4.6.5.2
試験車両は、横転車両ターゲットが存在する車線を、vₛₘₐₓ,ₛₑₜで走行する。
横転車両ターゲットから200m以上離れた位置でシステムを作動させ、試験を開始する。
9.4.6.5.3
以下のいずれかが発生した時点で試験を終了する。
a)
試験車両が車両ターゲットとの衝突を回避した場合。
b)
試験車両が車両ターゲットと衝突した場合。
c)
試験車両がM1カテゴリーの場合、車両ターゲットまでの衝突予測時間(TTC)が1.0秒となった時点で、減速または操舵が一切行われていない場合。
d)
試験車両がM1カテゴリー以外の場合、車両ターゲットまでのTTCが3.0秒となった時点で、減速または操舵が一切行われていない場合。
9.4.6.5.4
システムが夜間にも作動できる場合、同一の試験シナリオを夜間条件でも実施し、その結果を記録する。
図12:直線道路における横転車両試験概略図
9.4.6.6 車両ターゲット割り込み試験
9.4.6.6.1
図13に示すように、昼間条件において、試験道路は一方向に2車線以上を備えた長い直線道路とし、中央の車線境界線は破線とする。
9.4.6.6.2
試験車両がvₛₘₐₓ,ₛₑₜで走行した後にシステムを作動させ、試験を開始する。
車両ターゲットは左側の隣接車線を、試験車両と同じ方向へ走行する。
車両ターゲットの速度は、試験車両のカテゴリーに応じて表5または表6に定める値とする。
車両ターゲットは、規定された以下の条件で試験車両の走行車線へ割り込む。
横方向移動距離:3.5m
規定の最大横加速度
規定の車線変更時間
車両ターゲットおよび試験車両がいずれも減速しないと仮定した場合に、表で定めるTTCとなる時点で、車両ターゲットが車線変更を完了するよう設定する。
9.4.6.6.3
以下のいずれかが発生した時点で試験を終了する。
a)
試験車両が車両ターゲットとの衝突を回避した場合。
b)
試験車両が車両ターゲットと衝突した場合。
9.4.6.6.4
システムが夜間にも作動できる場合、同一の試験シナリオを夜間条件でも実施し、その結果を記録する。
表5 M1、M2、M3およびN1カテゴリーの割り込み試験条件
TTC:1.5秒
試験車両速度:vₛₘₐₓ,ₛₑₜ
車両ターゲット速度:vₛₘₐₓ,ₛₑₜ-50km/h
車両ターゲットの最大横加速度:1.5m/s²
車線変更時間:3秒
表6 N2およびN3カテゴリーの割り込み試験条件
TTC:4秒
試験車両速度:vₛₘₐₓ,ₛₑₜ
車両ターゲット速度:vₛₘₐₓ,ₛₑₜ-50km/h
車両ターゲットの最大横加速度:1.5m/s²
車線変更時間:3秒
注:
vₛₘₐₓ,ₛₑₜが60km/h以下の場合、表5および表6における車両ターゲット速度を10km/hとする。
図13:車両ターゲット割り込み試験概略図
9.4.6.7 車両ターゲット切り出し試験
9.4.6.7.1
図14に示すように、昼間条件において、試験道路は一方向に2車線以上を備えた長い直線道路とし、中央の車線境界線は破線とする。
試験車両は車線中央をvₛₘₐₓ,ₛₑₜで走行し、システムを作動させた時点で試験を開始する。
移動車両ターゲットは、試験車両と同一車線を以下の速度で走行する。
vₛₘₐₓ,ₛₑₜ-20km/h
試験車両が移動車両ターゲットへ安定して追従した後、移動車両ターゲットは、前方の静止車両ターゲットまでのTTCが3秒となった時点で車線変更を開始する。
車線変更条件は表7のとおりとし、横方向へ3.5m移動する。
表7 車両ターゲット切り出し試験条件
TTC:3秒
試験車両速度:vₛₘₐₓ,ₛₑₜ
移動車両ターゲット速度:vₛₘₐₓ,ₛₑₜ-20km/h
最大横加速度:1.5m/s²
車線変更時間:3秒
9.4.6.7.2
以下のいずれかが発生した時点で試験を終了する。
a)
試験車両が静止車両ターゲットとの衝突を回避した場合。
b)
試験車両が静止車両ターゲットと衝突した場合。
c)
試験車両がM1カテゴリーの場合、静止車両ターゲットまでのTTCが1.0秒となった時点で、減速または操舵が一切行われていない場合。
d)
試験車両がM1カテゴリー以外の場合、静止車両ターゲットまでのTTCが3.0秒となった時点で、減速または操舵が一切行われていない場合。
9.4.6.7.3
システムが夜間にも作動できる場合、同一の試験シナリオを夜間条件でも実施し、その結果を記録する。
図14:車両ターゲット切り出し試験概略図
9.4.7 工事区間の検知・対応能力試験
9.4.7.1 事前試験
図15に示すように、昼間条件において、試験道路は少なくとも双方向2車線の長い直線道路とする。
試験車両は、道路中央線から一つ車線を隔てた車線を走行する。
前方には、以下を設置する。
道路工事標識
工事区間の長さを示す補助標識
迂回標識
補助標識の表示距離、および工事標識と迂回標識との間隔は、vₛₘₐₓ,ₛₑₜとGB 5768.4-2017の表2に基づいて設定する。
試験車両はvₛₘₐₓ,ₛₑₜで右側車線を走行し、工事標識から200m以上離れた位置でシステムを作動させ、事前試験を開始する。
試験車両が迂回標識を通過してから150m走行した時点で事前試験を終了し、その時点の速度をvₛₘₐₓ,ₛₑₜ-conとして記録する。
9.4.7.2 本試験の道路配置
昼間条件において、試験道路は少なくとも双方向2車線の長い直線道路とする。
試験車両は、道路中央線から一つ車線を隔てた車線を走行する。
試験車両の進行方向には、列状に配置した交通コーンによって道路を閉鎖する。
対向車線側では、中央寄りの車線を可動式防護柵によって閉鎖し、防護柵は対向車線の外側車線の境界線まで延長する。
その他の道路施設は、図16の配置とする。
9.4.7.3
試験車両は、事前試験で記録したvₛₘₐₓ,ₛₑₜ-conで右側車線を走行する。
最初の速度制限標識から200m以上離れた位置でシステムを作動させ、試験を開始する。
9.4.7.4
以下のいずれかが発生した時点で試験を終了する。
a)
試験車両が交通コーンとの衝突を回避した場合。
b)
試験車両が交通コーンと衝突した場合。
c)
試験車両がM1カテゴリーの場合、交通コーンまでのTTCが1.0秒となった時点で、減速または操舵が一切行われていない場合。
d)
試験車両がM1カテゴリー以外の場合、交通コーンまでのTTCが3.0秒となった時点で、減速または操舵が一切行われていない場合。
9.4.7.5
システムが夜間にも作動できる場合、同一の試験シナリオを夜間条件でも実施し、その結果を記録する。
図15:工事区間事前試験概略図
図16:工事区間の検知・対応能力試験概略図
9.4.8 ODC境界の識別・対応能力試験
9.4.8.1 車速境界の識別・対応試験
9.4.8.1.1
図17に示すように、昼間条件において、試験道路は一方向に2車線以上を備えた長い直線道路とし、中央の車線境界線は破線とする。
9.4.8.1.2
試験車両をvₛₘₐₓ,ₛₑₜで走行させた後、システムを作動させ、試験を開始する。
試験担当者は、試験車両を以下の速度まで加速させる。
設計作動速度範囲の上限+5km/h
9.4.8.1.3
以下のいずれかが発生した時点で試験を終了する。
a)
試験車両のシステムが終了した場合。
b)
試験車両が「設計作動速度範囲の上限+5km/h」を5秒間維持した場合。
図17:車速境界の識別・対応試験概略図
9.4.8.2 昼間・夜間の識別・対応試験
9.4.8.2.1
図18に示すように、試験道路は一方向に2車線以上を備えた長い直線道路とし、中央の車線境界線は破線とする。
9.4.8.2.2 昼間試験
昼間条件において、システムを非作動状態とする。
試験担当者は、試験車両を以下のうち高い方の速度まで加速する。
60km/h
ドライバー設定可能最低速度vₛₘᵢₙ,ₛₑₜ
その後、車両メーカーが定めるシステム作動操作を行う。
9.4.8.2.3 夜間試験
夜間条件において、システムを非作動状態とする。
試験担当者は、試験車両を以下のうち高い方の速度まで加速する。
60km/h
vₛₘᵢₙ,ₛₑₜ
その後、車両メーカーが定めるシステム作動操作を行う。
9.4.8.2.4
以下のいずれかが発生した時点で試験を終了する。
a)
システムが作動し、その状態で5秒間走行した場合。
b)
システムが作動しなかった場合。
図18:昼間・夜間の識別・対応試験概略図
9.4.8.3 雨天境界の識別・対応試験
9.4.8.3.1
図19に示すように、試験道路は一方向に2車線以上を備えた長い直線道路とし、中央の車線境界線は破線とする。
降雨区間の長さは200m以上とする。
9.4.8.3.2
降雨量20mm/h、許容誤差10%以下の条件で試験を行う。
9.4.8.3.3
昼間条件において、試験車両を車両メーカーが提示した速度で走行させる。
システムを作動させた状態で降雨区間へ進入した時点で試験を開始する。
9.4.8.3.4
以下のいずれかが発生した時点で試験を終了する。
a)
試験車両が降雨区間を退出するまでにDCAを発しなかった場合。
b)
試験車両が降雨区間を退出するまでにDCAを発した場合。
図19:雨天境界の識別・対応試験概略図
9.4.8.4 霧天境界の識別・対応試験
9.4.8.4.1
図20に示すように、試験道路は一方向に2車線以上を備えた長い直線道路とし、中央の車線境界線は破線とする。
霧区間の長さは200m以上とする。
9.4.8.4.2
視程150m、許容誤差10%以下の霧条件で試験を行う。
9.4.8.4.3
昼間条件において、試験車両を車両メーカーが提示した速度で走行させる。
システムを作動させた状態で霧区間へ進入した時点で試験を開始する。
9.4.8.4.4
以下のいずれかが発生した時点で試験を終了する。
a)
試験車両が霧区間を退出するまでにDCAを発しなかった場合。
b)
試験車両が霧区間を退出するまでにDCAを発した場合。
図20:霧天境界の識別・対応試験概略図
9.4.9 ヒューマン・マシン・インターフェース試験
9.4.9.1 ステアリング介入試験
9.4.9.1.1 カーブにおけるステアリング介入試験
試験車両の巡航速度および試験カーブの一定曲率区間の曲率半径は、第9.4.2.3項a)または第9.4.2.4項a)で決定した値とする。
昼間条件において、車両メーカーが定める方法でシステムを作動させる。
試験車両が巡航速度へ到達し、カーブへ進入した時点で試験を開始する。
試験担当者は、ステアリングを左または右へ操作し、試験車両を現在の車線から逸脱させる。
車両が車線から逸脱した時点で試験を終了する。
9.4.9.1.2 車線変更制御機能のステアリング介入試験
9.4.9.1.2.1
図21に示すように、昼間条件において、試験道路は一方向に2車線以上を備えた長い直線道路とし、中央の車線境界線は破線とする。
試験車両を以下の速度で走行させた後、システムを作動させ、試験を開始する。
v′ₛₘᵢₙ,ₛₑₜ+10km/h
9.4.9.1.2.2
試験担当者は、目標車線へ向けて車線変更プロセスを開始する。
同時に、試験担当者はステアリングを保持し、車両の走行方向を変化させないようにする。
車線変更プロセスの開始から10秒後に試験を終了する。
試験条件は以下のとおりとする。
a)
システムがドライバー始動型車線変更機能を備えず、他の車線変更機能を備える場合、当該機能の車線変更シナリオで試験する。
b)
システムが車線変更機能を備えていない場合、本試験を行う必要はない。
図21:車線変更制御機能のステアリング介入試験概略図
9.4.9.2 アクセルペダル介入試験
9.4.9.2.1
昼間条件において、試験道路は一方向に2車線以上を備えた長い直線道路とし、中央の車線境界線は破線とする。
9.4.9.2.2
試験車両は、以下のうち高い方を巡航速度として車線を走行する。
60km/h
vₛₘᵢₙ,ₛₑₜ
システムを作動させた時点で試験を開始する。
試験担当者がアクセルペダルを踏み込み、以下のいずれかが発生した時点で試験を終了する。
a)
車両の加速制御へ介入できた場合。
b)
システムが作動状態でなくなった場合。
c)
アクセルペダル開度を100%として5秒間維持しても、車両の加速制御へ介入できなかった場合。
9.4.9.3 ブレーキペダル介入試験
9.4.9.3.1
昼間条件において、試験道路は一方向に2車線以上を備えた長い直線道路とし、中央の車線境界線は破線とする。
9.4.9.3.2
試験車両は、以下のうち高い方を巡航速度として車線を走行する。
60km/h
vₛₘᵢₙ,ₛₑₜ
システムを作動させた時点で試験を開始する。
試験担当者がブレーキペダルを踏み込み、以下のいずれかが発生した時点で試験を終了する。
a)
車両の制動制御へ介入できた場合。
b)
システムが作動状態でなくなった場合。
c)
ブレーキペダルを深く踏み込んで5秒間維持しても、車両の制動制御へ介入できなかった場合。
9.4.9.4 手部離脱試験
9.4.9.4.1
試験道路は一方向に2車線以上を備えた長い直線道路とし、中央の車線境界線は破線とする。
9.4.9.4.2
試験担当者には、以下の条件を満たす成人1名を選定する。
顔および眼に障害がない
GB/T 10000-2023における18~60歳の身長、着座眼高および顔面長のP10~P90範囲に該当する
眼鏡、帽子、マスクなど顔を遮る物を着用していない
眉毛を除き、顔面に目立つ毛髪がない
9.4.9.4.3 昼間試験
試験車両を、以下のうち高い方の巡航速度で走行させ、システムを作動させて試験を開始する。
60km/h
vₛₘᵢₙ,ₛₑₜ
試験担当者は、前方を注視したまま両手をステアリングから離す。
a)領航型システム
以下のいずれかの後にシステムを終了する。
システムが初めて強化HORを発してから15秒後
システムがRMFを開始した時点
その後、試験担当者が車両メーカーの定める方法でシステムを再作動させた時点で試験を終了する。
b)基礎単車線型システム
システムが初めて強化HORを発してから15秒後にシステムを終了する。
その後、車両メーカーの定める方法でシステムを再作動させた時点で試験を終了する。
c)基礎複車線型システム
システムが離脱通知を発した後、試験担当者が任意の目標車線へ車線変更を開始する。
その10秒後に試験を終了する。
9.4.9.4.4 夜間試験
システムが夜間にも作動できる場合、同様の試験を夜間条件でも実施する。
試験終了条件は、昼間試験と同様とする。
9.4.9.5 手部および視線離脱試験
9.4.9.5.1~9.4.9.5.2
試験道路および試験担当者の条件は、第9.4.9.4節と同様とする。
9.4.9.5.3 昼間試験
試験車両を、以下のうち高い方の巡航速度で走行させ、システムを作動させて試験を開始する。
60km/h
vₛₘᵢₙ,ₛₑₜ
試験担当者は、両手をステアリングから離すと同時に眼を閉じる。
a)領航型システム
以下のいずれかの時点で試験を終了する。
両手を離してから30秒後
システムがRMFを開始した時点
b)基礎単車線型システム
システムが初めて以下のいずれかを発してから15秒後に試験を終了する。
強化HOR
DCA
c)基礎複車線型システム
システムが離脱通知を発した後、試験担当者が任意の目標車線へ車線変更を開始する。
その10秒後に試験を終了する。
9.4.9.5.4 夜間試験
システムが夜間にも作動できる場合、同様の試験を夜間条件でも実施する。
9.4.9.6 視線離脱試験
9.4.9.6.1~9.4.9.6.2
試験道路は一方向に2車線以上を備えた長い直線道路とする。
試験担当者には、第9.4.9.5節とは別の成人を選定し、顔・眼、身体寸法および顔面遮蔽物に関する同一の条件を適用する。
9.4.9.6.3 眼を閉じる昼間試験
試験車両を、以下のうち高い方の巡航速度で走行させ、システムを作動させて試験を開始する。
60km/h
vₛₘᵢₙ,ₛₑₜ
試験担当者は、ステアリングを保持したまま眼を閉じる。
a)領航型システム
以下のいずれかの時点で試験を終了する。
システムが初めてDCAを発してから15秒後
システムがRMFを開始した時点
b)基礎単車線型システム
システムが初めてDCAを発してから15秒後に試験を終了する。
c)基礎複車線型システム
システムが離脱通知を発した後、試験担当者が任意の目標車線へ車線変更を開始する。
その10秒後に試験を終了する。
9.4.9.6.4 視線検知センサー遮蔽試験
昼間条件において、試験車両を、以下のうち高い方の巡航速度で走行させ、システムを作動させて試験を開始する。
60km/h
vₛₘᵢₙ,ₛₑₜ
試験担当者は、視線離脱検知センサーを遮蔽する。
以下のいずれかが発生した時点で試験を終了する。
システムが作動状態でなくなった場合
システムがEORを発した場合
センサーを遮蔽してから10秒が経過した場合
9.4.9.6.5 夜間試験
システムが夜間にも作動できる場合、第9.4.9.6.3項と同様の試験を夜間条件でも実施する。
9.4.9.7 システム使用禁止試験
9.4.9.7.1 複数回の手部離脱による使用禁止試験
昼間条件において、試験車両を以下のうち高い方の巡航速度で走行させ、システムを作動させる。
60km/h
vₛₘᵢₙ,ₛₑₜ
試験担当者は、前方を注視したまま両手をステアリングから離す。
HORが強化された直後、試験担当者はステアリングを握り、HORを解除する。
この操作を30分以内に3回繰り返した後、システムを終了する。
その後、車両メーカーの定める方法でシステムを再作動させ、試験を終了する。
9.4.9.7.2 複数回の視線離脱による使用禁止試験
試験担当者は、ステアリングを保持したまま眼を閉じる。
EORが強化された直後、前方を注視してEORを解除する。
この操作を30分以内に3回繰り返した後、システムを終了する。
その後、車両メーカーの定める方法でシステムを再作動させ、試験を終了する。
9.4.9.7.3 DCA発出後の使用禁止試験
試験担当者は、ステアリングを保持したまま、システムがDCAを発するまで眼を閉じ続ける。
DCA発出後に車両の制御を再開する。
この操作を、システムが再びDCAを発するまで繰り返した後、システムを終了する。
その後、車両メーカーの定める方法でシステムを再作動させ、試験を終了する。
9.4.10 リスク低減機能試験
9.4.10.1 現在の車線を目標停止区域とするRMF試験
昼間条件において、試験道路は一方向に2車線以上を備えた長い直線道路とする。
試験車両を、以下のうち高い方の巡航速度で走行させ、システムを作動させる。
60km/h
vₛₘᵢₙ,ₛₑₜ
試験担当者は、試験車両がRMFを実行するまで両手をステアリングから離す。
試験車両が停止してから5秒後に試験を終了する。
図22:現在の車線を目標停止区域とするRMF試験概略図
9.4.10.2 他の車線を目標停止区域とするRMF試験
9.4.10.2.1 干渉車両がない場合
昼間条件において、試験道路は一方向に3車線以上を備えた長い直線道路とする。
試験車両を、以下のうち高い方の巡航速度で走行させ、システムを作動させる。
60km/h
vₛₘᵢₙ,ₛₑₜ
試験担当者は、試験車両がRMFを実行するまで両手をステアリングから離す。
試験車両が停止してから5秒後に試験を終了する。
図23:干渉車両がないRMF試験概略図
9.4.10.2.2 干渉車両がある場合
昼間条件において、試験道路は一方向に2車線以上を備えた長い直線道路とする。
試験車両を、以下のうち高い方の巡航速度で走行させ、システムを作動させる。
60km/h
vₛₘᵢₙ,ₛₑₜ
試験車両の隣接車線には車両ターゲットを配置する。
試験担当者は、試験車両がRMFを実行するまで両手をステアリングから離す。
RMFの実行中、車両ターゲットは常に、GB/T 39265-2020第5.1.1項で定める試験車両右側の死角内に位置させる。
以下のいずれかが発生した時点で試験を終了する。
試験車両と車両ターゲットが衝突した場合
試験車両が停止してから5秒が経過した場合
試験車両が車線変更実行段階へ移行した場合
図24:干渉車両があるRMF試験概略図
9.4.11 障害物の検知・対応能力試験
9.4.11.1
図25に示すように、昼間条件において、試験道路は一方向に2車線以上を備えた長い直線道路とする。
走行車線中央に障害物を配置する。
注:
車両メーカーが第4.3.1項に従って説明した障害物のうち、寸法などを考慮し、システムが衝突を回避できる範囲で最も厳しい障害物を選択する。
障害物には、例えば以下が含まれる。
段ボール箱
タイヤ
9.4.11.2
試験車両はvₛₘₐₓ,ₛₑₜで走行し、障害物から200m以上離れた位置でシステムを作動させ、試験を開始する。
9.4.11.3
以下のいずれかが発生した時点で試験を終了する。
試験車両が障害物との衝突を回避した場合
試験車両が障害物と衝突した場合
M1カテゴリー車で、障害物までのTTCが1.0秒となっても減速・操舵がない場合
M1カテゴリー以外で、TTCが3.0秒となっても減速・操舵がない場合
9.4.11.4
システムが夜間にも作動できる場合、同一の試験を夜間条件でも実施し、その結果を記録する。
図25:障害物検知・対応能力試験概略図
9.5 Bカテゴリー道路環境における追加試験
9.5.1 一般要求
システムがBカテゴリー道路環境で作動できる場合、第9.5.2節から第9.5.8節までの試験を実施しなければならない。
9.5.2 ラウンドアバウト通行試験
9.5.2.1
試験道路は、以下の条件を満たすラウンドアバウトとする。
出入口:3か所以上
中央島直径:20m以上
ラウンドアバウト内部:2車線以上
各出入口:少なくとも双方向各1車線
試験車両の進入口上流に移動車両ターゲットを配置する
9.5.2.2
試験担当者は、車両がラウンドアバウトのいずれかの出口から退出するよう、システムを設定する。
9.5.2.3
試験車両は、ラウンドアバウト中心から150m以上離れた位置でvₛₘₐₓ,ₛₑₜへ到達した後、システムを作動させる。
移動車両ターゲットが存在しない状態で事前試験を3回行う。
3回の試験車両走行経路と、移動車両ターゲットの予定経路との予測交点の平均位置を、本試験の衝突点とする。
9.5.2.4
試験車両はvₛₘₐₓ,ₛₑₜで走行し、ラウンドアバウト中心から150m以上離れた位置でシステムを作動させ、試験を開始する。
試験車両がラウンドアバウト入口へ到達した時点で、移動車両ターゲットを入口上流から15km/hの一定速度で走行させ、出口1から退出させる。
9.5.2.5
以下のいずれかが発生した時点で試験を終了する。
試験車両と車両ターゲットが衝突した場合
試験車両がラウンドアバウトを退出した場合
試験車両が予定経路どおりに退出しなかった場合
9.5.3 信号機の識別・対応試験
試験道路は、少なくとも双方向各1車線を備えた十字交差点とし、車両用信号機を設置する。
試験車両はvₛₘₐₓ,ₛₑₜで走行し、信号機の初期表示を赤とする。
交差点から150m以上離れた位置でシステムを作動させ、試験を開始する。
試験車両が停止した後、信号表示を赤から青へ変更する。
以下のいずれかが発生した時点で試験を終了する。
試験車両が交差点を通過し、車線巡航を継続した場合
試験車両が交差点を通過できなかった場合
9.5.4 車両ターゲットの検知・対応能力試験
9.5.4.1 カーブ内の静止車両試験
試験道路は、直線区間とS字カーブから構成される一方向2車線以上の道路とする。
S字カーブ内の試験車両走行車線に、同一方向を向いた静止車両ターゲットを配置する。
車両ターゲットの縦方向中心線は車線中心線の接線と一致させ、最後端を二つの車線の境界線延長上へ配置する。
試験車両はvₛₘₐₓ,ₛₑₜで走行し、カーブ進入の100m以上手前でシステムを作動させる。
以下のいずれかが発生した時点で試験を終了する。
衝突を回避した場合
衝突した場合
M1カテゴリーでTTCが1.0秒となっても減速・操舵がない場合
M1カテゴリー以外でTTCが3.0秒となっても減速・操舵がない場合
システムが夜間にも作動できる場合、夜間条件でも同一試験を実施する。
9.5.4.2 十字交差点における交錯試験―試験車両左折
信号機のない、または信号機が消灯している十字交差点で実施する。
試験車両が交差点で左折するようシステムを設定する。
左側から進入する車両ターゲットが存在しない状態で事前試験を3回行い、試験車両の左折経路と車両ターゲットの予定経路との予測交点の平均を衝突点とする。
本試験では、試験車両が左折し、車両ターゲットは左から右へ40km/hで直進する。
試験車両が車両ターゲットとの衝突を回避した、または衝突した時点で試験を終了する。
9.5.4.3 十字交差点における交錯試験―試験車両直進
信号機のない、または信号機が消灯している十字交差点で実施する。
試験車両が交差点を直進するようシステムを設定する。
右側から進入する車両ターゲットが存在しない状態で事前試験を3回行い、両者の予定経路の予測交点の平均を衝突点とする。
本試験では、試験車両が直進し、車両ターゲットは右から左へ40km/hで直進する。
衝突を回避した、または衝突した時点で試験を終了する。
システムが夜間にも作動できる場合、夜間条件でも試験する。
9.5.4.4 前方静止車両および対向移動車両試験
試験道路は双方向各1車線以上の長い直線道路とし、中央線は破線とする。
静止車両ターゲットは、その左端が車線中心線と一致するよう配置する。
システムが対向車線へ一部または全部進入する障害物回避機能を備える場合、事前に静止車両回避を3回実施し、試験車両の回避経路と対向車両ターゲットの経路との予測交点の平均を衝突点とする。
本試験では、試験車両をvₛₘₐₓ,ₛₑₜで走行させ、静止車両ターゲットから200m以上離れた位置でシステムを作動させる。
対向車線から車両ターゲットを40km/hで走行させる。
以下のいずれかが発生した時点で試験を終了する。
双方の車両ターゲットとの衝突を回避した場合
いずれかと衝突した場合
M1カテゴリーで静止車両までのTTCが1.0秒となっても減速・操舵がない場合
M1カテゴリー以外でTTCが3.0秒となっても減速・操舵がない場合
9.5.5 スクーター型二輪自動車ターゲット試験
9.5.5.1 ドライバー始動型車線変更時の安全対応試験
試験車両が右側隣接車線へ車線変更する位置を、3回の事前試験によって算出する。
3回の車線変更完了位置の平均を予定完了位置とし、その5m先の車線中央へ静止した二輪車ターゲットを配置する。
本試験では、試験車両が予定開始位置へ到達した時点で、試験担当者が右側隣接車線への車線変更を開始する。
以下のいずれかが発生した時点で試験を終了する。
車線変更を取り消した場合
車線変更を完了した場合
衝突した場合
開始位置の許容誤差は±1mとする。
9.5.5.2 カーブ内の静止二輪車試験
S字カーブ内の車線中央に、試験車両と同一方向を向いた静止二輪車ターゲットを配置する。
試験車両はvₛₘₐₓ,ₛₑₜで走行し、カーブ進入の100m以上手前でシステムを作動させる。
衝突回避、衝突、または規定TTCで減速・操舵がない場合に試験を終了する。
夜間作動可能な場合は夜間にも試験する。
9.5.5.3 二輪車ターゲット割り込み試験
二輪車ターゲットを隣接車線から試験車両の走行車線へ、横方向3.5m移動させる。
M1、M2、M3およびN1カテゴリー
TTC:1.5秒
試験車両速度:vₛₘₐₓ,ₛₑₜ
二輪車ターゲット速度:vₛₘₐₓ,ₛₑₜ-50km/h
最大横加速度:1.5m/s²
車線変更時間:3秒
N2およびN3カテゴリー
TTC:4秒
その他の条件は同一
vₛₘₐₓ,ₛₑₜが60km/h以下の場合、二輪車ターゲット速度は10km/hとする。
衝突回避、衝突、または規定TTCで減速・操舵がない場合に試験を終了する。
夜間作動可能な場合は夜間にも試験する。
9.5.6 歩行者ターゲットの検知・対応能力試験
9.5.6.1 ドライバー始動型車線変更時の子ども安全対応試験
第9.5.5.1項で算出した予定車線変更完了位置の5m先に、静止した子どもターゲットを車線中央へ配置する。
試験車両が予定開始位置へ到達した時点で、右側隣接車線への車線変更を開始する。
以下のいずれかが発生した時点で試験を終了する。
車線変更を取り消した場合
車線変更を完了した場合
子どもターゲットと衝突した場合
開始位置の許容誤差は±1mとする。
9.5.6.2 カーブ内の静止子どもターゲット試験
S字カーブ内の車線中央に、試験車両と同一方向を向いた静止子どもターゲットを配置する。
試験車両はvₛₘₐₓ,ₛₑₜで走行し、カーブ進入の100m以上手前でシステムを作動させる。
衝突回避、衝突、または規定TTCで減速・操舵がない場合に試験を終了する。
夜間作動可能な場合は夜間にも試験する。
9.5.6.3 十字交差点における子ども横断試験
信号機のない、または信号機が消灯している十字交差点で行う。
試験車両が交差点で左折するよう設定する。
子どもターゲットがいない状態で事前試験を3回行い、試験車両の左折経路と子どもターゲットの予定横断経路との予測交点の平均を衝突点とする。
本試験では、試験車両が左折する際、子どもターゲットを試験車両の進行方向に対して左から右へ5km/hで移動させる。
子どもターゲットは、衝突点へ到達する前に少なくとも6mを一定速度で歩行しなければならない。
以下のいずれかが発生した時点で試験を終了する。
衝突を回避した場合
試験車両が停止し、子どもターゲットと衝突しなかった場合
衝突した場合
9.5.7 カーブ内の静止自転車ターゲット試験
S字カーブ内の車線中央に、試験車両と同一方向を向いた静止自転車ターゲットを配置する。
試験車両はvₛₘₐₓ,ₛₑₜで走行し、カーブ進入の100m以上手前でシステムを作動させる。
以下のいずれかが発生した時点で試験を終了する。
衝突を回避した場合
衝突した場合
M1カテゴリーでTTCが1.0秒となっても減速・操舵がない場合
M1カテゴリー以外でTTCが3.0秒となっても減速・操舵がない場合
システムが夜間にも作動できる場合、夜間条件でも同一試験を実施する。
9.5.8 Bカテゴリー道路環境における工事区間の検知・対応能力試験
9.5.8.1
図40に示すように、昼間条件において、試験道路は双方向各1車線以上の長い直線道路とし、中央の車線境界線は破線とする。
右側車線には、交通コーンを用いた臨時工事区間を設置する。
警告区間Sの長さは、GB 5768.4-2017の表2へ適合させる。
臨時工事区間の左側にある対向車線には、静止車両ターゲットを配置する。
車両ターゲットの最前端は、工事区間の上流側移行区間における最後の交通コーンと揃える。
9.5.8.2
試験車両はvₛₘₐₓ,ₛₑₜで右側車線を走行し、工事標識から200m以上離れた位置でシステムを作動させ、試験を開始する。
9.5.8.3
以下のいずれかが発生した時点で試験を終了する。
試験車両が車両ターゲットおよび交通コーンとの衝突を回避した場合
いずれかと衝突した場合
M1カテゴリーで交通コーンまでのTTCが1.0秒となっても減速・操舵がない場合
M1カテゴリー以外でTTCが3.0秒となっても減速・操舵がない場合
9.5.8.4
システムが夜間にも作動できる場合、同一の試験シナリオを夜間条件でも実施し、その結果を記録する。
図40:Bカテゴリー道路環境における工事区間試験概略図
第10章 公道試験方法
10.1 試験道路
試験道路は連続していなければならず、道路環境要素は表11の要求に適合しなければならない。
表11 道路環境要素の要求
「✓」は、各道路環境が備えなければならない要素を示す。
「—」は、当該階層ではその要素を要求しないことを示す。
1.静的要素
1.1 道路形状
平面形状
Aカテゴリー道路環境では、以下を含まなければならない。
曲率半径が400mを超え、650m以下のカーブ
Bカテゴリー道路環境では、以下を含まなければならない。
曲率半径が400m以下のカーブ
横断面
Aカテゴリー道路環境では、以下を含まなければならない。
中央分離
路側分離
Bカテゴリー道路環境では、以下を含まなければならない。
中央分離
非自動車用車線
縦断面
AカテゴリーおよびBカテゴリー道路環境では、以下を含まなければならない。
3%以上6%以下の勾配
Bカテゴリー道路環境では、さらに以下を含まなければならない。
6%を超える勾配
異なる材質で構成された路面
1.2 道路の交差
立体交差
Aカテゴリー道路環境では、以下を含まなければならない。
インターチェンジ
ランプ
Aカテゴリー道路環境では、以下を含まなければならない。
入口ランプ
出口ランプ
平面交差
Bカテゴリー道路環境では、以下を含まなければならない。
信号制御のある交差点
信号制御のない交差点
ラウンドアバウト
Bカテゴリー道路環境では、以下を含まなければならない。
信号装置のあるラウンドアバウト
信号装置のないラウンドアバウト
1.3 車線の特徴
車線標示の品質
AカテゴリーおよびBカテゴリー道路環境では、以下を含まなければならない。
明瞭な車線標示
Bカテゴリー道路環境では、さらに以下を含まなければならない。
不鮮明な車線標示
車線標示のない道路
車線標示の種類
AカテゴリーおよびBカテゴリー道路環境では、以下を含まなければならない。
破線
実線
実線・破線の組合せ
Bカテゴリー道路環境では、さらに以下を含まなければならない。
横断歩道
網状線
可変進行方向車線の境界線
潮汐車線の境界線
停止線
Aカテゴリー道路環境では、以下を含まなければならない。
道路出入口標示
車線の種類
Aカテゴリー道路環境では、以下を含まなければならない。
乗用車用車線
混合交通車線
Bカテゴリー道路環境では、以下を含まなければならない。
自動車用車線
非自動車用車線
自動車・非自動車混合車線
右折専用車線
バス専用車線
左折待機区域
車線数・道路構成
Aカテゴリー道路環境では、以下を含まなければならない。
同一方向2車線
同一方向多車線
Bカテゴリー道路環境では、以下を含まなければならない。
双方向2車線
双方向多車線
一方通行道路
双方向各1車線
1.4 駐車区域
Aカテゴリー道路環境では、以下を含まなければならない。
サービスエリアまたは駐車エリア
Bカテゴリー道路環境では、以下を含まなければならない。
バス停
路上駐車区域
1.5 道路施設
交通標識
Aカテゴリー道路環境では、以下を含まなければならない。
最高速度120km/hの恒久標識
最高速度80km/hの恒久標識
速度制限解除標識
可変情報標識
Bカテゴリー道路環境では、以下を含まなければならない。
最高速度80km/hの恒久標識
速度制限解除標識
可変情報標識
信号機
AカテゴリーおよびBカテゴリー道路環境では、以下を含まなければならない。
車線信号
特殊施設
Aカテゴリー道路環境では、以下を含まなければならない。
橋梁
長さ100m以上のトンネル
ガントリー
防眩設備
視線誘導施設
料金所
Bカテゴリー道路環境では、以下を含まなければならない。
暗渠
橋梁
長さ100m以上のトンネル
マンホールまたは減速帯
高さ制限施設
幅制限施設
見通しを遮る物体
2.動的要素
2.1 交通流の状態
AカテゴリーおよびBカテゴリー道路環境では、以下の交通状態を含まなければならない。
円滑
軽度渋滞
中度渋滞
重度渋滞
道路区間の混雑度は、GA/T 115-2020第6章の方法に従って評価する。
Bカテゴリー道路環境では、さらに以下を含まなければならない。
高密度の歩行者流
2.2 対象物
Aカテゴリー道路環境では、自動車を含まなければならない。
Bカテゴリー道路環境では、少なくとも以下を含まなければならない。
Mカテゴリー自動車
Nカテゴリー自動車
Oカテゴリー車両
二輪自動車
人力車
自転車
歩行者
2.3 天候・光環境
AカテゴリーおよびBカテゴリー道路環境では、以下を含まなければならない。
照度が50lx未満となる環境
逆光
街路灯がある環境
街路灯がない環境
対向車の前照灯
2.4 デジタル情報
AカテゴリーおよびBカテゴリー道路環境では、以下を含まなければならない。
測位信号
携帯電話ネットワーク信号
システムがV2Xを利用する場合、試験道路環境にはV2X信号を含めなければならない。
システムがV2Xを利用しない場合、V2X信号を備える必要はない。
10.2 試験担当者および試験装置
10.2.1 試験担当者
10.2.1.1
試験中、試験担当者は試験車両の安全を監視しなければならない。
システムが即時制御警告(DCA)を発した場合、試験担当者は直ちに車両の走行へ介入しなければならない。
10.2.1.2
試験中、試験担当者は試験状況に基づき、システムが本規格の要求へ適合しているかを記録しなければならない。
10.2.2 試験装置
10.2.2.1 事象時刻の記録
試験装置は、少なくとも以下が発生した時刻を記録できなければならない。
試験担当者による介入
試験車両が発するドライバー離脱通知などの信号
試験車両が本規格の要求へ適合しなかった事象
10.2.2.2 試験内容の記録
試験中、試験装置は少なくとも以下を記録しなければならない。
a)車両の制御モード
例えば以下を含む。
手動運転モード
運転支援モード
b)試験車両前方の交通状況を示す映像
c)試験車両の運動状態パラメーター
少なくとも以下を含む。
試験タイムライン
試験車両の位置情報
試験車両の縦方向速度
試験車両の横方向速度
試験車両の縦加速度
試験車両の横加速度
d)試験担当者およびHMIの状態
少なくとも以下の映像・音声監視情報を含む。
試験担当者の顔
計器盤
ステアリング
センターディスプレイ
ペダル
e)異なる道路環境における試験時間
10.2.2.3 試験装置の精度
試験装置は、以下の要求へ適合しなければならない。
a)
運動状態データの取得・保存周波数は、50Hz以上とする。
b)
映像記録装置は、以下の性能を備えること。
解像度:720×480ピクセル以上
フレームレート:30フレーム/秒以上
c)
トンネル内を除き、速度測定精度は0.1km/h以上とする。
d)
トンネル内を除き、距離測定精度は0.1m以上とする。
e)
トンネル内を除き、加速度測定精度は0.1m/s²以上とする。
10.2.2.4 装置の設置および作動
試験装置の設置および作動は、試験車両および組合せ運転支援システムの正常な作動へ影響を及ぼしてはならない。
10.3 試験時間
10.3.1
試験車両は、組合せ運転支援システムを作動できる各道路環境で、それぞれ試験を行わなければならない。
異なる種類の道路環境における有効試験時間の合計は、個別に記録しなければならない。
10.3.2
試験車両の組合せ運転支援システムが夜間にも作動できる場合、夜間試験を行わなければならない。
注:
昼間試験時間:日の出から日没まで
夜間試験時間:日没から翌日の日の出まで
日の出および日没の時刻は、現地の気象当局が公表する情報を基準とする。
10.3.3
複数回の連続試験によって累積する有効試験時間の合計は、少なくとも72時間とし、以下のいずれかへ適合しなければならない。
a)昼夜とも作動できるシステム
昼間の有効試験時間:48時間以上
夜間の有効試験時間:24時間以上
b)昼間または夜間の一方でのみ作動できるシステム
システムを作動できる時間帯に限って試験する。
10.3.4 時間帯の網羅
試験時間帯は表12の要求へ適合しなければならない。
一回の連続試験は、表12に定める時間帯のうち、少なくとも一つを含まなければならない。
昼間のみ作動できる場合
同一暦日における累積試験は、以下の双方を含まなければならない。
td1:昼間の渋滞時間帯
td2:昼間の円滑時間帯
夜間のみ作動できる場合
同一暦日における累積試験は、以下の双方を含まなければならない。
tn1:夜間の渋滞時間帯
tn2:夜間の円滑時間帯
昼夜とも作動できる場合
同一暦日における累積試験は、以下のすべてを含まなければならない。
td1
td2
tn1
tn2
表12 時間帯の網羅要求
昼間のみ作動:td1、td2
夜間のみ作動:tn1、tn2
昼夜とも作動:td1、td2、tn1、tn2
例
試験日の対象時間帯が以下の場合:
td1:7時00分~8時10分
td2:14時00分~15時25分
tn1:17時00分~18時30分
tn2:1時00分~2時50分
各時間帯を網羅する一回の連続試験時間は、例えば以下のように設定できる。
td1を網羅:6時00分~10時00分
td2を網羅:13時00分~17時00分
tn1を網羅:17時00分~21時00分
tn2を網羅:0時00分~4時00分
第11章 同一型式判定
同一の組合せ運転支援システムを、異なる車種や仕様へ適用する場合に、すべての試験を最初からやり直す必要があるか、それとも同一型式または拡張型式として扱えるかを規定する。
11.1 基礎単車線型・基礎複車線型システムの直接同一視条件
第4.9~4.11節、附録C、附録Dおよび附録F以外の関連試験について、以下のすべてへ適合する場合、同一型式とみなす。
a)
安全保証要求に関する検査報告書が有効であり、発行日から3年以内であること。
b)~d)センサー
以下の各項目について、メーカー、名称、型式、数量および取付位置が同一であること。
カメラ
ミリ波レーダー
LiDAR
e)~g)測位・航法装置
以下について、所定のメーカー、名称、型式または数量が同一であること。
衛星測位システム
RTK装置
慣性航法システム
h)
ECUハードウェアのメーカー、名称、型式および数量が同一であること。
i)
認識、計画、意思決定などのシステムソフトウェアについて、以下が同一であること。
開発・製造企業
ソフトウェア型式
ソフトウェアバージョン
ただし、システム性能へ影響しない場合、バージョン番号が異なることを認める。
j)
認識、計画、意思決定、地図などのモデルフレームワークを含むソフトウェアアーキテクチャの特徴が同一であること。
図および説明を提出しなければならない。
k)
OSのメーカーおよび型式が同一であること。
l)
システムのHMI方式が同一であること。
作動
介入
終了
m)
作動・終了時の状態遷移について、ドライバーへの通知内容および戦略が同一であること。
n)~r)ODC
以下について、同一または狭い範囲への変更であること。
道路種別:同一または減少
時間帯:同一または減少
車線幅:同一または範囲縮小
最高速度:同一または低下
気象条件:同一または範囲縮小
s)
RMFを備える場合、安全停止の方法および戦略が同一であること。
t)・u)ドライバーモニタリング
以下について、メーカー、名称、型式、数量および離脱判定閾値が同一であること。
手部離脱検知装置
視線離脱検知装置
v)
ドライバー離脱通知の方式および戦略が同一であること。
通知方式には以下を含む。
視覚
音響
触覚
11.2 基礎単車線型・基礎複車線型の追加試験後の同一視条件
第11.1節の条件に変更がある場合でも、以下へ適合すれば、変更されたパラメーターに関係する技術要求のみ追加試験を行い、承認後に型式を拡張できる。
安全保証要求に関する報告書が有効で、発行後3年以内
カメラ、ミリ波レーダー、LiDARの数量・取付位置が同一
衛星測位、RTK、慣性航法装置の数量が同一
ECUのメーカー、名称、型式、数量が同一
ソフトウェアのメーカー、型式、バージョンが原則として同一
ソフトウェアアーキテクチャが同一
OSのメーカーおよび型式が同一
11.3 領航型システムの直接同一視条件
以下の双方へ適合する場合、同一型式とみなす。
a)
第11.1節a)~v)のすべてへ適合すること。
b)
システム機能が同一または減少していること。
対象機能には、例えば以下が含まれる。
車線巡航制御
非車線巡航制御
ドライバー始動型車線変更
ドライバー確認型車線変更
システム始動型車線変更
車線境界線を越える障害物回避
ラウンドアバウト通行
交差点通行
11.4 領航型システムの追加試験後の同一視条件
第11.3節の条件に変更がある場合でも、以下へ適合すれば、変更パラメーターに関係する技術要求のみ追加試験を行い、承認後に型式を拡張できる。
条件は概ね第11.2節と同様であり、以下の数量・構成・型式が維持されていることを求める。
カメラ
ミリ波レーダー
LiDAR
衛星測位システム
RTK装置
慣性航法システム
ECU
ソフトウェア
ソフトウェアアーキテクチャ
OS
11.5 基礎単車線型・基礎複車線型の機能安全に関する直接同一視条件
以下の双方へ適合する場合、機能安全について同一型式とみなす。
第11.1節a)~v)へ適合する
システムの機能安全説明が同一であり、附録D.2へ適合する
11.6 基礎単車線型・基礎複車線型の機能安全に関する追加試験後の同一視条件
条件変更がある場合、以下へ適合すれば、変更パラメーターに関係する技術要求のみを追加試験できる。
a)
ECUのメーカー、名称、型式および数量が同一であること。
b)
ソフトウェアのメーカー、型式およびバージョンが同一であること。
ただし、機能安全へ影響しない場合、異なるバージョン番号を認める。
c)
ソフトウェアアーキテクチャが同一であること。
d)
その他の変更が機能安全説明へ影響する場合、附録D.4 a)の影響分析に基づき、関連する機能安全文書審査および検証・妥当性確認試験を行うこと。
11.7 領航型システムの機能安全・意図した機能の安全性に関する直接同一視条件
以下へ適合する場合、同一型式とみなす。
第11.3節a)およびb)へ適合する
機能安全および意図した機能の安全性に関する説明が同一である
当該説明が附録Dへ適合する
11.8 領航型システムの機能安全・意図した機能の安全性に関する追加試験後の同一視条件
以下へ適合すれば、変更パラメーターに関係する技術要求のみを追加試験し、型式を拡張できる。
a)
システム機能が同一または減少していること。
b)
ECUのメーカー、名称、型式および数量が同一であること。
c)
ソフトウェアのメーカー、型式およびバージョンが同一であること。
ただし、安全性へ影響しない場合、異なるバージョン番号を認める。
d)
ソフトウェアアーキテクチャが同一であること。
e)
その他の変更について、以下を行うこと。
機能安全へ影響する場合:
附録D.4の影響分析
機能安全文書審査
検証・妥当性確認試験
意図した機能の安全性へ影響する場合:
附録D.4の影響分析
SOTIF関連文書審査
検証・妥当性確認試験
11.9 DSSCDAの直接同一視条件
以下のすべてへ適合する場合、組合せ運転支援データ記録システムを同一型式とみなす。
a)
完成車メーカーが同一であること。
b)
組合せ運転支援機能が同一または減少していること。
c)
DSSCDAのメーカーが同一であること。
d)
DSSCDAのハードウェア型式が同一であること。
e)
DSSCDA機能を実現するハードウェアの車両上の配置が同一であること。
または、変更しても耐衝撃性へ影響しないこと。
f)
DSSCDAの種類が同一であること。
I型
II型
g)
ソフトウェアバージョンが同一であること。
ただし、トリガー、保存および読み出し戦略へ影響しない場合、異なるバージョン番号を認める。
h)
記録するデータ要素が、以下のいずれかであること。
同一
B級データ要素が減少
選択式のA級データ要素が増加
i)
電源断時の保存能力が同一または向上していること。
例:
コンデンサーをバックアップ電源として使用する場合、コンデンサー容量が同一または増加していること。
11.10 DSSCDAの追加試験後の同一視条件
直接同一視条件に変更がある場合でも、以下へ適合すれば、変更パラメーターに関係する技術要求のみ追加試験を行い、型式を拡張できる。
完成車メーカーが同一
DSSCDAメーカーが同一
ハードウェア型式が同一
DSSCDAの種類が同一
第12章 規格の施行
12.1 新たに型式認可を申請する車種
規格施行日から
原則として、本規格の要求へ適合しなければならない。
ただし、初期段階では以下の一部要求が猶予される。
第4.1.16項c)およびd)
表F.2の車両状態・動的情報
表F.3の組合せ運転支援システム作動情報
表F.4の走行環境情報
表F.5のドライバー操作・状態情報
衝突事象
衝突リスク事象
電源断時保存
データ読み出し
耐衝撃性能
環境適応性
I型DSSCDA
初期段階では、以下を実施する。
タイムスタンプ事象トリガー試験
データ精度検証試験
タイムスタンプ事象保存上書き試験
以下は実施しない。
衝突事象・衝突リスク事象などの時間区間事象トリガー試験
それらに関するデータ精度検証
データ保存メカニズム試験
II型DSSCDA
初期段階では、以下を実施する。
タイムスタンプ事象トリガー試験
データ精度検証試験
タイムスタンプ事象保存上書き試験
以下は実施しない。
連続記録トリガー試験
データ保存メカニズム試験
規格施行日からのデータ読み出し対応
車両メーカーは、以下を提供しなければならない。
データ読み出し方法
読み出しツールの入手方法
一般に公開された読み出しガイド
これにより、第三者が独立してデータを読み出せるようにしなければならない。
規格施行から13か月目
本規格のすべての要求へ適合しなければならない。
12.2 すでに型式認可を取得している車種
規格施行から13か月目
一部のDSSCDA関連要求を除き、本規格へ適合しなければならない。
データ記録については、新規型式申請車と同様の段階的な試験を行う。
また、車両メーカーは、第三者が独立してデータを読み出せるよう、以下を提供しなければならない。
データ読み出し方法
読み出しツールの入手方法
公開された読み出しガイド
規格施行から25か月目
本規格のすべての要求へ適合しなければならない。
附録A(規範性)
条項と場内試験、公道試験、文書審査の対応表
各条項について、適合性を以下のどの方法で確認するかを表A.1で定める。
場内試験
公道試験
文書審査
表A.1の読み方
「場内試験」欄に試験条番号がある場合:
当該場内試験で確認する
「公道試験」欄に「✓」がある場合:
第10章の公道試験で確認する
「文書審査」欄に「✓」がある場合:
車両メーカーが証明文書を提出する
主な対応関係
総則・誤使用・介入
第4.1.1項:
場内試験9.4.9.4~9.4.9.6
文書審査
第4.1.2項:
附録Cの誤使用関連試験
文書審査
第4.1.3項:
場内試験9.4.9.1~9.4.9.3
公道試験
文書審査
速度・ODD
第4.1.4項:
場内試験9.4.8.1
第4.1.5・4.1.6項:
事前試験9.3
公道試験
文書審査
第4.3.1~4.3.4項:
ODD境界試験9.4.8.1~9.4.8.4
必要に応じ公道試験・文書審査
交通流・衝突回避
第4.1.8項:
公道試験
文書審査
第4.1.9項:
車両、工事区間、RMF、障害物、ラウンドアバウト、交差点、二輪車、歩行者などの各場内試験
文書審査
第4.1.10項:
割り込み試験
二輪車割り込み試験
公道試験
文書審査
速度制限
第4.5.1~4.5.4項:
場内試験9.4.1
一部は公道試験・文書審査
第4.5.5~4.5.7、4.5.9項:
主として公道試験
車線巡航
第4.6.1.1、4.6.1.3~4.6.1.9項:
カーブ試験9.4.2
一部は文書審査
第4.6.1.10項:
公道試験
文書審査
第4.6.1.11項:
公道試験
車線変更・非車線巡航
車線変更、ラウンドアバウト、交差点、障害物回避については、機能ごとに以下の組合せで確認する。
場内試験9.4.3~9.4.6
Bカテゴリー道路追加試験9.5.2~9.5.8
公道試験
文書審査
RMF
第4.6.3.1項および4.6.3.2項:
RMF試験9.4.10
一部は文書審査
システム故障
第4.7.1~4.7.4項:
附録Cの故障注入・確認試験
一部は文書審査
第4.7.5項:
文書審査
HMI・ドライバー介入・監視
第4.8.1項:
事前試験、公道試験、文書審査
第4.8.2項:
ステアリング・アクセル・ブレーキ介入試験
一部は公道試験・文書審査
第4.8.3項:
手部離脱・視線離脱試験
一部は公道試験・文書審査
第4.8.4項:
視線離脱試験
第4.8.5項:
RMF試験
基礎単車線・基礎複車線
第5章:
GB/T 44461.1-2024の試験
本規格の場内試験
附録C試験
文書審査
第6章:
GB/T 44461.2-2024の試験
本規格の場内試験
附録C試験
文書審査
利用者への告知
第7.1~7.4項:
文書審査
表A.1は、性能を一種類の試験だけで確認するのではなく、場内試験、公道試験、メーカー文書の三つを組み合わせて適合性を判断する構造を示している。
附録B(規範性)
シミュレーション試験の信頼性評価要求
B.1 信頼性評価の枠組み
シミュレーション試験の信頼性評価は、以下の4つの部分から構成する。
モデリング・シミュレーション管理
モデリング・シミュレーション分析
モデリング・シミュレーション検証
モデリング・シミュレーション妥当性確認
評価では、試験目的、ODC分析、システム分析から論理シナリオと重要度評価を導き、ツールチェーンの範囲、仮定、関連性閾値、検証・妥当性確認を経て、シミュレーションの信頼性を判断する。
図B.1:信頼性評価の枠組みおよびプロセス
B.2 モデリング・シミュレーション管理
B.2.1 シミュレーション試験ツールチェーンの管理プロセス
シミュレーション試験ツールチェーンについて、管理プロセスを構築しなければならない。
各リリース内容を監視・記録し、少なくとも以下を含める。
a)
各リリースバージョンの変更内容。
b)
対応するソフトウェアおよびハードウェア構成。
c)
新しいリリースバージョンを承認するための内部審査プロセス。
B.2.2 リリース管理
B.2.2.1
適合性確認を支援したツールチェーンのすべてのリリースバージョンを保存しなければならない。
B.2.2.2
モデルの妥当性確認方法および閾値を記録しなければならない。
B.2.2.3
生成データを、対応するツールチェーンのバージョンまで追跡できるようにしなければならない。
B.2.2.4
ツールチェーンのリリースおよびライフサイクル全体を通じ、データの以下を確保しなければならない。
完全性
正確性
一貫性
B.2.3 チームの経験および専門知識
B.2.3.1 組織レベル
以下のプロセスを構築、維持および記録しなければならない。
a)
職務能力を認定・評価するプロセス。
b)
シミュレーション試験担当者が職務を遂行するための研修プロセス。
B.2.3.2 チームレベル
以下を証明する文書を備えなければならない。
a)
ツールチェーンの妥当性確認を担当する個人またはチームが、十分な経験と専門知識を持つこと。
b)
組合せ運転支援システムのシミュレーション試験を担当する個人またはチームが、十分な経験と専門知識を持つこと。
注:
担当者またはチームが、職務遂行に必要な十分な研修を受けた記録によって証明できる。
B.2.4 入力データの系譜
B.2.4.1
ツールチェーンへ入力するデータのうち、ツールチェーンの妥当性確認に使用したデータについて、追跡可能性を確保しなければならない。
B.2.4.2
モデルの妥当性確認に使用したデータを記録し、その重要な品質特性を明示しなければならない。
B.2.5 出力データの系譜
B.2.5.1
ツールチェーンから出力されるデータのうち、妥当性確認に使用したデータについて、追跡可能性を確保しなければならない。
B.2.5.2
ツールチェーンの妥当性確認中に生成された以下の情報を提供しなければならない。
出力データ
シナリオ
B.2.5.3
出力データを、対応するシミュレーション設定まで追跡できるようにしなければならない。
B.2.5.4
出力データは十分に広範であり、組合せ運転支援システムのODCを十分に反映しなければならない。
B.2.5.5
出力データは、モデルの一貫性または完全性の検査を可能にしなければならない。
B.2.5.6
ツールチェーンに確率的モデルが存在する場合、繰り返し実行することによって同一の出力を再現できる可能性を確保しなければならない。
確率的モデルは分散によって特徴付けなければならない。
B.3 モデリング・シミュレーション分析
B.3.1 一般要求
B.3.1.1
分析の目的は、以下を明確にすることである。
シミュレーション試験計画全体
使用可能なパラメーター空間
ツールチェーンの範囲
ツールチェーンの限界
結果へ影響する可能性のある不確実性の要因
注:
不確実性とは、システムの時間的な変化を正確に予測できず、特定の入力系列を与えても、常に同一の出力結果が生じるとは限らない状態をいう。
B.3.1.2
シミュレーション試験の目的を説明しなければならない。
B.3.1.3
以下を説明しなければならない。
ツールチェーン全体
シミュレーションデータを組合せ運転支援システムの検証・妥当性確認へどのように用いるか
B.3.2 重要度評価
B.3.2.1
シミュレーション試験について重要度評価を行わなければならない。
重要度評価には少なくとも以下を含める。
a)
組合せ運転支援システムの挙動が人の安全へ与える影響。
例えば、GB/T 34590における重大度区分を使用する。
b)
シミュレーション結果が与える影響。
例えば、技術的・工学的判断へ与える影響の程度。
B.3.2.2
重要度評価の結果に応じ、シミュレーション試験を以下の3種類に分類する。
a)
信頼性評価要求へ厳格に従う必要があるもの。
b)
完全な信頼性評価へ従うかどうかを審査によって決定するもの。
c)
信頼性評価へ従う必要がないもの。
図B.2:重要度評価マトリクス
B.3.3 ツールチェーンの範囲および説明
B.3.3.1
モデルの明確な適用範囲を説明しなければならない。
B.3.3.2
専用シナリオを使用してシミュレーションモデルを検証しなければならない。
専用シナリオは、他の試験シナリオでもツールチェーンが一貫した挙動を示すことを確認できるものでなければならない。
B.3.3.3
ツールチェーンの妥当性確認に使用するシナリオ一覧と、それぞれのパラメーター制限を提出しなければならない。
B.3.3.4
組合せ運転支援システムのODCを分析し、ツールチェーンがシミュレーション検証の需要を十分に満たすことを説明しなければならない。
B.3.4 仮定、制限および不確実性の要因
B.3.4.1
ツールチェーン設計を導くモデリング上の仮定を提示し、少なくとも以下を含めなければならない。
a)
モデリング上の仮定が、ツールチェーンの使用制限へどのように影響するか。
b)
モデルに要求される忠実度。
注:
忠実度とは、モデルとモデル化対象との類似度をいう。
B.3.4.2
シミュレーションと実物との関連性閾値が、シミュレーション試験の目的へ適合することを証明しなければならない。
B.3.4.3
モデル内の不確実性の要因と、それがモデル出力へ与える影響を説明しなければならない。
B.3.5 関連性閾値
関連性閾値の要求を明確にしなければならない。
関連性閾値は、KPIによって表すことができる。
B.4 モデリング・シミュレーション検証
B.4.1 一般要求
B.4.1.1
ツールチェーンの検証には、ツールチェーンを構成する原理または数学モデルが、正しく応答するかの分析を含む。
試験不能な入力によって非現実的な挙動を示さないことを確認することで、シミュレーションの信頼性を高めることができる。
B.4.1.2
ツールチェーンの検証には、少なくとも以下を含めなければならない。
コード検証
計算検証
感度分析
重要度評価結果に応じ、実施する検証内容を選択できる。
B.4.2 コード検証
コード検証は、試験の実行に関係する。
モデルが数値的または論理的欠陥による影響を受けていないことを証明しなければならない。
B.4.3 計算検証
計算検証では、ツールチェーンへ影響する数値誤差を推定する。
数値誤差は一定範囲内に維持し、検証結果へ影響を与えてはならない。
B.4.4 感度分析
感度分析には、少なくとも以下を含めなければならない。
a)
シミュレーション出力へ最も大きな影響を与える主要パラメーターについて、感度分析を完了していること。
例えば、シミュレーションモデルのパラメーターを変動させ、その影響を観測する。
b)
主要パラメーターの特定・較正に際して、堅牢な較正手順を採用し、ツールチェーンの信頼性を向上させていること。
注1:
感度分析は、モデル入力値の変化がモデル出力へ与える影響を定量化し、結果へ最も大きな影響を与えるパラメーターを抽出するものである。
小さなパラメーター変化が発生した場合に、モデルが閾値制約へ適合するかも確認できる。
注2:
感度分析の結果は、不確実性へ特に注意すべき入力およびパラメーターを特定し、シミュレーション結果の不確実性を適切に定義するために役立つ。
B.5 モデリング・シミュレーションの妥当性確認
B.5.1 概要
ツールチェーンの妥当性確認の目的は、モデルおよびシミュレーションプロセスが現実世界をどの程度正確に表現しているかを、定量的に判断することである。
B.5.2 性能観測量
性能観測量は、モデリング・シミュレーション分析の段階で決定し、少なくとも以下のいずれかを含めなければならない。
a)離散値分析
例えば以下を含む。
検知率
b)時間変化分析
例えば以下を含む。
位置
速度
加速度
c)状態変化分析
例えば以下を含む。
TTCの計算
制動開始時刻
注:
性能観測量とは、シミュレーションモデルの出力と現実世界の挙動を比較するために使用する観測量をいう。
B.5.3 適合度評価
B.5.3.1
KPIを使用し、現実世界のデータとシミュレーションデータとの統計的な比較可能性を示さなければならない。
B.5.3.2
妥当性確認の結果は、KPIが関連性閾値の要求へ適合することを示さなければならない。
B.5.4 妥当性確認方法
B.5.4.1
ツールチェーンの妥当性確認に使用する論理シナリオを定義しなければならない。
論理シナリオは、シミュレーション試験によって検証する組合せ運転支援システムのODCを最大限に網羅しなければならない。
B.5.4.2
具体的な妥当性確認方法は、ツールチェーンの構造および目的に応じて決定する。
妥当性確認の対象には、以下の一つまたは複数を含めることができる。
a)サブシステムモデル
例えば以下を含む。
環境モデル
道路網
天候
対象物間の相互作用
センサーモデル
ミリ波レーダー
LiDAR
カメラ
車両モデル
操舵
制動
パワートレイン
b)車両システム
例えば以下を含む。
車両運動モデル
環境モデル
c)センシングシステム
例えば以下を含む。
センサーモデル
環境モデル
d)統合システム
例えば以下を含む。
センサーモデル
環境モデル
車両モデル
B.5.5 妥当性確認の範囲
ツールチェーンの妥当性確認範囲は、信頼性評価に関係するすべてのシミュレーション試験ツールおよび関連モデルを含まなければならない。
注:
一つのツールチェーンは、一つまたは複数のシミュレーション試験ツールから構成される。
各ツールは複数のモデルを含む場合がある。
B.5.6 結果の記録および審査
プロセス記録文書を提出し、少なくとも以下を含めなければならない。
a)
シミュレーションモデルの妥当性確認に関する証拠。
b)
ツールチェーン全体が信頼できることを示す有効な情報。
注1:
文書の一部は、過去の信頼性評価記録を参照する索引形式でもよい。
注2:
検査担当者は、これらを基に、完全に統合されたツールチェーンを試験する場合がある。
B.5.7 不確実性の特性
B.5.7.1
不確実性の特性に関する文書を提出しなければならない。
B.5.7.2
モデルの不確実性を定量化しなければならない。
また、その不確実性に基づき、シミュレーション試験によって組合せ運転支援システムの妥当性を確認する際、適切な安全余裕を導入しなければならない。
注:
モデルの不確実性は、通常、個々の不確実性がツールチェーンを通じて伝播することによって生じる。
B.6 文書要求
B.6.1
シミュレーション信頼性評価文書を提出し、少なくとも以下を含めなければならない。
a)
本附録に定める信頼性要求およびその証拠。
b)
ツールチェーンのリリースバージョンおよび関連データの説明。
c)
文書、ツールチェーンおよびデータ間の追跡関係。
B.6.2
文書は、ツールチェーンの使用ライフサイクル全体にわたって保存しなければならない。
附録C(規範性)
機能安全および意図した機能の安全性に関する要求
C.1 全体要求
本附録は、組合せ運転支援システムの機能安全および意図した機能の安全性について、以下を規定する。
文書要求
検証要求
妥当性確認要求
システムの機能安全要求および意図した機能の安全性に関する要求は、以下の規格の適用可能な要求へ適合しなければならない。
GB/T 34590(全編)「道路車両―機能安全」
GB/T 43267「道路車両―意図した機能の安全性」
本附録は、システム設計時に従うべき方法と、システムの検証・妥当性確認時に必要となる情報を規定する。
検査機関は、本附録に基づき、車両メーカーが提出する文書および備査文書について、以下を実施しなければならない。
機能安全関連文書の確認
意図した機能の安全性に関する文書の確認
検証試験
妥当性確認試験
これにより、システムが故障状態および非故障状態において、機能コンセプトと安全コンセプトを実現し、本規格の適用可能なすべての安全要求へ適合することを証明する。
C.2 文書要求
C.2.1 一般要求
車両メーカーは、以下を説明する文書を備えなければならない。
組合せ運転支援システムの機能コンセプト
安全目標を実現するための安全コンセプト
安全対策
開発プロセス
開発方法
これらの文書により、システムが以下へ適合することを証明しなければならない。
設計により、故障状態および非故障状態で機能コンセプトと安全コンセプトを実現する
本規格が規定する故障状態および非故障状態の安全要求へ適合する
採用した開発プロセスおよび方法が適切である
文書は、以下の2種類から構成する。
a)提出文書
車両メーカーは、以下の文書を検査機関へ提出しなければならない。
また、提出文書と実際の製品開発との間の以下について、自己宣言を行わなければならない。
整合性
追跡可能性
提出文書は、以下を含む。
システム説明
危害分析およびリスク評価の概要
受入基準および妥当性確認目標の概要
安全対策および安全戦略の説明
ソフトウェアアーキテクチャの概要
車両レベルの安全分析概要
システムレベルの安全分析概要
機能安全の検証・妥当性確認計画および結果の概要
SOTIFの検証・妥当性確認計画および結果の概要
安全評価・リリース報告書の概要
b)備査文書
車両メーカーは、検査時に公開して確認できるよう、以下の詳細文書を保管しなければならない。
また、保管する文書について、以下を自己宣言しなければならない。
文書の整合性
文書の追跡可能性
採用した安全戦略が車両の安全な走行へ悪影響を与えないこと
備査文書は、以下を含む。
詳細な危害分析およびリスク評価
詳細な車両レベルの安全分析
詳細なシステムレベルの安全分析
詳細な機能安全の検証・妥当性確認計画および結果
詳細なSOTIFの検証・妥当性確認計画および結果
その他の裏付け資料またはデータがある場合、その資料・データ
C.2.2 システム説明
C.2.2.1 一般要求
車両メーカーは、少なくともC.2.2.2~C.2.2.9に定める内容を含むシステム説明を提出しなければならない。
C.2.2.2 基本情報
システムの基本情報として、少なくとも以下を記載する。
システム型式
製造企業
ソフトウェアバージョン番号
C.2.2.3 機能説明
システムの機能コンセプトを説明しなければならない。
説明には、以下を含める。
制御戦略を含むすべての機能
各機能を実現するために使用する方法
制御機能を実現するメカニズム
列挙した機能の作動変化に関する基本原理
C.2.2.4 システムの範囲、境界およびインターフェース
以下を説明しなければならない。
システムの範囲
システムの境界
インターフェース
内部のサブシステムおよび要素
相互作用する外部システムまたは外部要素
これらは、システムアーキテクチャのブロック図によって示す。
C.2.2.5 HMIの説明
システムのHMI設計を説明し、少なくとも以下を含めなければならない。
a)
以下を説明する。
ドライバー離脱の検知方法
離脱通知
警告信号を段階的に強化する戦略
b)
どのような特別な状況で、第4.8.1.3.2項の要求へ適合できないかを説明する。
c)
視線離脱検知における運転タスク関連領域の分布を説明する。
d)
ドライバー離脱検知の堅牢性に関する証拠を提出する。
少なくとも、以下の要因による不利な影響を受けないことを説明する。
性別
年齢
身長
矯正眼鏡の装着
光透過率75%以上のサングラスの装着
異なる照明条件
C.2.2.6 車両運動制御に関する情報
少なくとも以下を説明しなければならない。
a)
システムが認識した現在の道路制限速度が変化した後の制御戦略と、その合理性。
b)
車速計の表示誤差などを含む、システムによる車速制御の誤差。
c)
車両横加速度の制限値と車速との関係に関する制御戦略。
d)
車線変更制御機能を備える場合、異なる状況で車線変更を実行する際の車両減速度の上限。
e)
ドライバー確認型車線変更制御機能を備える場合、システムがどのような状況で車線変更意図の確認要求を発するか、その合理性。
f)
システム始動型の非車線巡航制御機能を備える場合、どのような状況で当該制御を実行するか、その合理性。
g)
システム始動型の非車線巡航制御中にドライバー離脱を検知した場合のシステム挙動。
例えば、以下を含む。
RMFを作動させる
実行中の非車線巡航制御を完了する
車両を停止させる
h)
車線境界線を越える障害物回避機能を備える場合、どのような状況で当該制御を許可するか。
C.2.2.7 システムの作動条件および制約
該当するシステム機能について、有効作動範囲の境界を説明し、少なくとも以下を含めなければならない。
a)
すべての入力変数および知覚変数について、以下を提出する。
変数一覧
作動範囲
各変数がシステム挙動へ与える影響
b)
システムが制御するすべての出力変数を列挙し、それぞれについて、以下を説明する。
システムが直接制御するか
車両の他のシステムを通じて制御するか
システムが当該出力変数を制御できる範囲
c)
該当するシステム性能について、定義された機能作動限界を説明する。
これは、システムが制御を維持できる外部の物理的限界を意味する。
C.2.2.8 車両上の配置
システムの車両上の配置を、概略図によって示す。
C.2.2.9 システム配置および原理図
C.2.2.9.1 構成部品一覧
システムを構成するすべてのユニットを列挙する。
また、関連する制御機能を実現するために必要となる、車両の他のシステムも列挙する。
これらのユニットに基づき、以下を明確に示すシステム配置図および原理図を提出する。
構成部品の分布
構成部品間の接続
C.2.2.9.2 ユニットの機能
各ユニットの機能を概説し、以下との信号接続を示す。
他のユニット
車両の他のシステム
表示には、以下を使用できる。
注記付きブロック図
その他の概略図
図表
C.2.2.9.3 相互接続
以下の相互接続を、それぞれ対応する図面によって説明する。
電子伝送経路:回路図
空気圧または油圧伝送経路:配管図
機械接続:配置概略図
C.2.2.9.4 信号フロー、作動データおよび優先順位
ユニット間の伝送経路と、以下の対応関係を明確にしなければならない。
信号
作動データ
優先順位が本規格に定める機能、性能または安全性へ影響する場合、複数のデータチャンネル内における信号および作動データの優先順位を定めなければならない。
C.2.2.9.5 ユニットの識別
各ユニットを明確に識別できるようにし、対応する説明を提出しなければならない。
複数の機能を内部に統合した単一ユニットまたは単一プロセッサーがブロック図に複数回登場する場合、分かりやすさのため、一つの識別記号のみを使用する。
識別記号によって、実際に提出された装置と文書の一致を確認できなければならない。
識別記号には、以下を明示する。
ハードウェアバージョン
ソフトウェアを備える場合、ソフトウェアバージョン
バージョン変更によって本規格に関連する機能が変化する場合、識別記号も変更しなければならない。
C.2.3 危害分析およびリスク評価
C.2.3.1 危害分析・リスク評価の概要
車両メーカーは、機能安全に関する危害分析およびリスク評価の概要を提出しなければならない。
概要には、以下を記載する。
システムの機能異常
車両レベルの危害
ASIL
安全目標
検査機関は、提出された概要に基づき、危害分析・リスク評価の結果が、少なくとも表C.1の車両危害と対応する安全目標を網羅していることを確認する。
車両メーカーは、SOTIFに関する危害の特定・評価概要も提出しなければならない。
検査機関は、その結果が表C.1の適用可能な車両危害を網羅していることを確認する。
表C.1 組合せ運転支援システムに関する危害の機能安全要求
1.意図しない横方向運動
車両危害
意図しない横方向運動
安全目標
意図しない操舵、過大な操舵または横方向の不安定化によって、以下との衝突が発生することを回避する。
他の交通参加者
道路インフラ
障害物
ASIL
ASIL D
安全尺度
意図しない横方向運動によって生じる以下の変化が、安全閾値を超えないこと。
横加速度
横方向変位
ヨーレート
ステアリング角
操舵輪角度
2.意図しない横方向運動制御の喪失
安全目標
システムの能動操舵制御機能の喪失または低下によって、以下との衝突が発生することを回避する。
他の交通参加者
道路インフラ
障害物
ASIL
QMまたはASIL A
安全尺度
以下のa)および/またはb)へ適合する。
a)
横方向運動制御の喪失によって生じる以下が、安全閾値を超えないこと。
横加速度の変化
横方向変位の変化
ヨーレートの変化
ステアリング角の変化
操舵輪角度の変化
横方向運動制御を喪失する時間
b)
操舵制御機能が喪失または不足した場合、DCAを発すること。
3.意図しない減速
安全目標
意図しない、または過大な減速によって、後方の交通参加者と衝突することを回避する。
ASIL
ASIL BまたはC
M1およびN1カテゴリー車では、ASIL Cとする。
M2、M3、N2およびN3カテゴリー車では、ASIL BまたはCとする。
安全尺度
意図しない減速によって生じる以下が、安全閾値を超えないこと。
縦減速度または縦速度の変化
縦方向変位の変化
4.意図しない能動減速能力の喪失または低下
安全目標
システムの能動減速制御機能の喪失または低下により、以下との衝突が生じることを回避する。
他の交通参加者
道路インフラ
障害物
ASIL
QMまたはASIL A
安全尺度
以下のa)および/またはb)へ適合する。
a)
能動減速能力の喪失または低下によって生じる以下が、安全閾値を超えないこと。
縦減速度または縦速度の変化
縦方向変位の変化
b)
制動制御機能が喪失または不足した場合、DCAを発すること。
5.意図しない加速または縦方向移動
安全目標
意図しない加速または縦方向移動によって、以下との衝突が生じることを回避する。
他の交通参加者
道路インフラ
障害物
ASIL
ASIL BまたはC
M1およびN1カテゴリー車では、表に定めるASILへ適合しなければならない。
M2、M3、N2およびN3カテゴリー車が適合しない場合、各運行シナリオにおける加速能力の制限を示す合理的証拠が必要となる。
安全尺度
以下が安全閾値を超えないこと。
意図しない加速による縦加速度または縦速度の変化
意図しない縦方向移動による縦方向変位の変化
6.ドライバーの操作への影響
安全目標
組合せ運転支援機能の異常によって、以下が発生することを回避する。
車両がドライバーの介入へ応答しない
システムがドライバーによるDCA後の制御操作を妨げる
システムがドライバーの終了操作を妨げる
ASIL
ASIL D
安全尺度
ドライバーによる介入に必要な以下が、安全閾値を超えないこと。
操舵力および持続時間
ブレーキペダル力またはストローク、および持続時間
適用可能な場合、アクセルペダル力またはストローク、および持続時間
操舵および制動の双方によって介入する設計では、それぞれについて要求へ適合しなければならない。
7.HMI通知の不足または喪失
安全目標
組合せ運転支援機能の異常によって、HMI通知が不足または喪失することを回避する。
HMI通知には、以下を含む。
故障警報
DCA
ドライバー状態検知通知
ASIL
基礎単車線型および基礎複車線型:
QMまたはASIL A
領航型:
ASIL AまたはB
規定されたASILへ適合しない場合、他の方法でドライバーの適時介入を確保できる合理的証拠を提出しなければならない。
安全尺度
特段の数値尺度なし
8.意図しない車両可視性の喪失、低下または誤作動
安全目標
車両外部の以下の照明・表示が、意図せず喪失、低下または誤作動することを回避する。
方向指示灯
制動灯
ロービーム
ハイビーム
その他の外部表示
ASIL
QMまたはASIL A
この危害には、例えば以下が含まれる。
誤った方向指示灯の点灯
誤った制動灯の点灯
前照灯の意図しない消灯
前照灯の意図しない点灯
これらは、他の交通参加者およびドライバーへ影響する。
C.2.3.2 詳細な危害分析およびリスク評価
車両メーカーは、詳細な危害分析およびリスク評価を備査用として保管しなければならない。
少なくとも以下の基本情報を提示する。
企業名
文書名
バージョン
状態
日付
保管場所
C.2.4 受入基準および妥当性確認目標の概要
車両メーカーは、SOTIFに関する受入基準および妥当性確認目標の概要を提出しなければならない。
少なくとも以下を含む。
a)危険挙動の受入基準
システムの機能不足によって発生し得る車両危害について、危険挙動の受入基準を定義する。
表C.1の適用可能な車両危害を網羅しなければならない。
注:
危険挙動の受入基準とは、車両挙動が危険事象を引き起こし得る危険挙動に該当するかを判断する基準をいう。
例えば、特定の挙動に対応する物理的安全尺度が安全閾値を超えた場合、その挙動を危険挙動と判断する。
b)危険挙動検証の受入基準
検証・妥当性確認において、危険シナリオに対応する車両挙動を受け入れられるか判断する基準を定める。
通常、以下のような現実世界の物理的関係を表す量を使用する。
時間
距離
複合指標
表C.1の安全尺度を参考にできる。
c)残余リスク受入基準
車両の運行中に残るリスクが合理的な水準にあるか判断する基準を定める。
例えば、以下を利用できる。
対象市場の交通事故統計に基づく単位時間当たりの最大事象数
単位走行距離当たりの最大事象数
ALARP
d)残余リスク受入基準の妥当性確認目標
残余リスク受入基準へ適合することを論証するための定量値を定める。
例えばGB/T 43267-2023附録C.3を参照し、一定時間または一定距離において関連事象が発生しなかった場合に、定義した残余リスク受入基準へ適合すると判断できる信頼度を設定する。
C.2.5 安全対策および安全戦略の説明
車両メーカーは、安全対策の説明を提出しなければならない。
以下の関係を説明する。
システムの機能異常または機能不足
それによって生じる車両危害
対応する安全対策
安全目標を実現するために選択した安全対策は、故障状態および非故障状態のいずれにおいても、車両の安全な運行へ悪影響を与えてはならない。
安全関連機能が故障した場合、以下によってドライバーへ警告しなければならない。
警告信号
通知情報
システム故障または機能不足時に採用できる安全対策には、以下がある。
a)システムの一部を使用して作動を維持する
特定条件下の故障時に一部性能を維持するモードを使用する場合、以下を説明する。
適用条件
維持できる性能
効果
b)独立したバックアップシステムへ切り替える
バックアップによって安全目標を実現する場合、以下を説明する。
切替メカニズムの原理
冗長化の論理
冗長化の階層
バックアップシステムの検査特性
バックアップの効果
c)機能を停止して安全状態へ移行する
上位機能を停止する場合、その機能に関係するすべての出力制御信号を禁止し、干渉の波及を制限する。
d)ドライバーへ警告する
リスクへさらされる時間を、受入可能な時間範囲まで短縮する。
注:
QMと定義した安全目標について、警告戦略および他の安全対策を採用しない場合、追加説明を提出する。
安全戦略
車両メーカーは、安全目標のために選択した安全戦略が、故障状態・非故障状態で車両の安全な運行へ悪影響を与えないことを説明しなければならない。
少なくとも以下を含む。
システムと他の運転自動化システムとの切替戦略
制御優先順位
他システムを抑制・中断する条件
運転支援を終了する戦略
ODD境界超過・接近の検知
ドライバーへの通知
DCA後に期待するドライバー操作
メーカーが表明するODD内での可制御性戦略
システム故障
ODD境界到達
非車線巡航制御の取消し
その他の安全戦略
ODD外でシステムを作動させない
ODD検知
自車および他の交通参加者に対する事故リスクの回避
道路監視
他の交通参加者の検知および行動予測
未知の対象物への慎重な対応
他の交通参加者の予期しない挙動への慎重な対応
見えない領域への慎重な対応
安全距離の維持
C.2.6 ソフトウェアアーキテクチャの概要
以下を説明しなければならない。
システム内のソフトウェアアーキテクチャ
設計・開発上の論理
使用した設計方法
使用したツール
C.2.7 安全分析
C.2.7.1 一般要求
車両メーカーは、以下の安全分析を提出しなければならない。
車両レベル
システムレベル
表C.1の危害につながる以下が、有効に特定・処理されていることを説明する。
故障
機能不足
車両レベルの分析には、例えば以下を使用できる。
HARA
FMEA
FTA
STPA
その他の適切な方法
システムレベルの分析には、例えば以下を使用できる。
FMEA
FTA
STPA
その他の適切な方法
安全分析概要では、以下を記載する。
システムが監視するパラメーター
各故障状態で発する警告信号
ドライバー向け
修理担当者向け
検査担当者向け
また、気候、温度、ほこり、水の侵入、凍結などの環境条件によって性能が影響を受けた場合でも、車両の安全な走行を妨げないための対策を説明する。
QMと定義した安全目標について、車両レベルまたはシステムレベルの安全分析を行わない場合、追加説明を提出する。
C.2.7.2 車両レベルの安全分析概要
少なくとも以下を含む。
a)
システムと車両の他のシステムとの相互作用が引き起こし得る安全リスクと安全対策。
故障状態も含む。
b)
システムの機能異常による車両安全リスクと安全対策。
c)
システムの機能不足による車両安全リスクと安全対策。
例えば以下を含む。
周囲環境の認識不足
周囲環境の誤認識
合理的に予見可能なドライバーの誤使用
C.2.7.3 詳細な車両レベル安全分析
詳細分析を備査用として保管し、以下を提示する。
企業名
文書名
バージョン
状態
日付
保管場所
C.2.7.4 システムレベルの安全分析概要
少なくとも以下を含む。
システムアーキテクチャの各要素
各要素の機能
潜在的な安全関連故障モード
システムレベル・車両レベルの故障影響
安全メカニズム
各要素の機能不足
機能不足のトリガー条件
システムレベル・車両レベルの安全影響
SOTIF対策
C.2.7.5 詳細なシステムレベル安全分析
詳細分析を備査用として保管し、企業名、文書名、バージョン、状態、日付および保管場所を提示する。
C.2.8 機能安全の検証・妥当性確認計画および結果
C.2.8.1 一般要求
車両メーカーは、車両レベルおよびシステムレベルの検証・妥当性確認計画と結果を提出しなければならない。
表C.1の安全目標へ影響するすべての危害および故障を検証・確認したことを説明する。
検証には、以下を使用できる。
HIL試験
実車試験
その他の適切な方法
対象範囲は、少なくとも以下のインターフェースおよび処理部を含む。
センサー
コントローラー
アクチュエーター
C.2.8.2 システムレベルの検証計画および結果
C.2.8.2.1 概要
以下について検証したことを説明する。
システム内部の故障
外部インターフェース故障
安全対策の有効性
少なくとも以下を記載する。
検証対象
車両型式
システム名称
ソフトウェア・ハードウェアバージョン
検証目的
検証方法および手順の概要
試験を使用する場合、試験装置および環境
受入基準
検証結果の概要
C.2.8.2.2 詳細計画・結果
詳細な検証計画および結果を備査用として保管し、企業名、文書名、バージョン、状態、日付および保管場所を提示する。
C.2.8.3 車両レベルの検証・妥当性確認計画および結果
C.2.8.3.1 概要
以下について検証する。
システム・部品を横断する統合結果
システム・部品間のインターフェース故障
安全対策の有効性
また、以下を確認する。
安全目標が十分であること
安全目標が実現されていること
少なくとも以下を含む。
検証・確認対象
検証・確認目的
方法および手順
試験装置および環境
安全尺度を含む受入基準
その他の受入基準
結果概要
C.2.8.3.2 詳細計画・結果
詳細計画・結果を備査用として保管し、企業名、文書名、バージョン、状態、日付および保管場所を提示する。
C.2.9 SOTIFの検証・妥当性確認計画および結果
C.2.9.1 計画概要
車両メーカーは、少なくとも以下を含む計画概要を提出する。
危険挙動検証の受入基準
残余リスクの妥当性確認目標
検証・確認方法と目標配分
回帰戦略
試験環境およびツール
C.2.9.2 結果概要
車両メーカーは、システムレベルおよび車両レベルで実施したSOTIF活動に基づき、以下を説明する。
既知の危険シナリオにおけるリスクが検証されたこと
既知および未知の危険シナリオから生じる残余リスクが、十分な信頼度で受入基準へ適合すること
少なくとも以下を含む。
既知の危険シナリオに関する検証結果
既知・未知の危険シナリオに関する残余リスクの確認結果
C.2.7のトリガー条件分析に基づき、少なくとも表C.2のトリガー条件を網羅し、受入基準違反を引き起こし得る条件および組合せを十分に検証・確認しなければならない。
表C.2 トリガー条件
環境
天候
雨
雪
霧
適用範囲:
Aカテゴリー
Bカテゴリー
照明
早朝
昼間
夕方
夜間
逆光
強い光
照明の急変
適用範囲:
Aカテゴリー
Bカテゴリー
相互作用
道路種別
A・Bカテゴリー:
カーブ
ランプ
トンネル
坂道
Bカテゴリー:
交差点
ラウンドアバウト
道路標示
車線標示なし
途切れた車線標示
薄くなった車線標示
複数の車線標示
適用範囲:
Aカテゴリー
Bカテゴリー
道路施設
A・Bカテゴリー:
工事区間
信号機
道路交通標識
Aカテゴリー:
ガントリー
料金所
Bカテゴリー:
高さ制限ゲート
対象物の種類
A・Bカテゴリー:
自動車
歩行者
二輪自動車
動物
落下物などの一時的障害物
散水車、道路障害物処理車などの特殊形状車両
低コントラスト対象物
Bカテゴリー:
自転車
電動二輪車
傘を差した歩行者
レインコートやポンチョを着用した電動二輪車利用者
対象物の状態
直立・静止
移動
横転
斜めに配置
適用範囲:
Aカテゴリー
Bカテゴリー
複数対象物の相互作用
遮蔽
横断
並走
対向走行
割り込み
切り出し
緊急制動
適用範囲:
Aカテゴリー
Bカテゴリー
ドライバーの誤使用
誤介入
作動後の誤使用
誤作動操作
適用範囲:
Aカテゴリー
Bカテゴリー
C.2.9.3 詳細なSOTIF検証・妥当性確認計画および結果
詳細計画・結果を備査用として保管し、以下を提示する。
企業名
文書名
バージョン
状態
日付
保管場所
C.2.10 安全評価・リリース報告書の概要
車両メーカーは、安全評価・リリース報告書の概要を提出しなければならない。
以下を評価する。
すべての安全関連活動の実施状況
各成果物の完全性
各成果物の正確性
各成果物の一貫性
検証・妥当性確認による想定運行シナリオの網羅性
残余リスクの受入基準への適合性
少なくとも以下を含む。
a)
機能安全・SOTIF活動で特定されたすべてのリスクを考慮した上で、全体の残余リスクが受入基準へ適合するかの評価。
機能安全については、以下を確認する。
システムが安全目標を実現している
安全目標に違反する問題が存在しない
問題が存在する場合、そのリスクが受入可能である
b)
機能安全およびSOTIFに関するリリース判断の結論。
c)
運行段階における以下の概要。
機能安全・SOTIFの監視
安全保証措置
残余リスクの特定方法
不合理な残余リスクが見つかった場合の対応措置
C.3 検証および妥当性確認
C.3.1 一般要求
C.2の文書に記載した内容に従い、C.3.2およびC.3.3の試験を実施し、機能コンセプトおよび安全コンセプトを検証・確認しなければならない。
試験では、故障状態・非故障状態の可制御性戦略を検証する。
可制御性戦略には、例えば以下を含む。
システムの操舵出力を制限する
車線内における車両位置を調整する
道路の種類・属性を認識する
他の交通参加者の挙動を認識する
ドライバーモニタリングを使用する
また、HMI関連シナリオを検査し、以下の有効性を確認する。
ドライバー離脱通知
警告信号
C.3.2 機能コンセプトの検証・妥当性確認
C.2.2の機能コンセプトに従い、システムの非故障状態における機能試験を実施し、システムが正常に作動することを確認する。
C.3.3 安全コンセプトの検証・妥当性確認
C.3.3.1 機能安全の検証・妥当性確認
電子・電気部品または機械部品へ対応する入力を加え、部品内部の故障が車両運動へ与える影響を模擬し、単一部品の故障時におけるシステムの反応を確認する。
以下について検証する。
故障条件下の可制御性
故障条件下のHMI
C.2.7で特定した代表的故障と、C.2.8の検証・妥当性確認計画・結果に基づいて試験する。
故障はシステム作動中に注入し、実際の作動状態で故障が発生した状況を再現する。
車両メーカーは、検査機関による故障模擬試験へ協力しなければならない。
これにより、車両危害を引き起こし得る故障が安全対策によって有効に網羅され、システムおよび車両が機能安全目標を実現していることを確認する。
表C.3 機能安全の検証・妥当性確認試験
表C.3では、代表的な故障を注入し、表C.1で定めた8種類の車両危害へ対する安全対策を検証する。
故障注入の対象には、少なくとも以下を含む。
ECU
カメラ
ミリ波レーダー
LiDAR
電源
内部通信
他システムとの通信
信号の喪失・固定・異常
誤指令
システム状態異常
試験は、メーカーが定める試験条件に基づき、システムを作動させた状態で実施する。
代表的な検証対象は以下のとおりである。
1.意図しない横方向運動
故障注入後、以下が安全閾値を超えないことを確認する。
横加速度
横方向変位
ヨーレート
ステアリング角
操舵輪角度
適用機能:
車線巡航制御
非車線巡航制御
2.横方向運動制御の喪失
故障による横方向制御の喪失・低下について、以下を確認する。
横方向挙動が安全閾値以内である
制御喪失時間が安全閾値以内である
必要な場合にDCAを発する
3.意図しない減速
故障注入後、以下が安全閾値を超えないことを確認する。
縦減速度または縦速度の変化
縦方向変位
4.能動減速能力の喪失または低下
前方車両への追従や前方車両の減速などを含む状況で、以下を確認する。
システムが必要な減速能力を維持する
減速能力を失った場合、適切な警告を発する
車両挙動が安全閾値以内である
5.意図しない加速または縦方向移動
故障注入後、以下を確認する。
意図しない加速度または速度変化が安全閾値以内である
意図しない縦方向変位が安全閾値以内である
6.ドライバー操作への影響
システム作動中に、ドライバーが操舵・制動などによって介入し、以下が安全閾値を超えないことを確認する。
必要操舵力
操舵操作時間
ブレーキペダル力またはストローク
制動操作時間
必要に応じてアクセル操作力・ストローク
7.HMI通知の不足または喪失
通信系などへ故障を注入し、必要な以下が失われないことを確認する。
故障警報
DCA
ドライバー状態検知通知
8.車両外部表示の喪失・低下・誤作動
通信系などへ故障を注入し、以下の照明・表示機能が意図せず喪失、低下または誤作動しないことを確認する。
方向指示灯
制動灯
前照灯
その他の外部表示
表C.3の各試験は、C.2.8.3.1でメーカーが提出した車両レベルの検証・妥当性確認計画に基づく受入基準へ適合しなければならない。
なお、表C.3の試験条件については、故障の種類や車両構成に応じて、メーカーが同等性を論証した代替試験条件を使用することが認められる。原文の表はPDF上で回転配置された画像表であり、試験速度・対象車両配置などの具体的条件は各故障モードに応じて設定されている。
C.3.3.2 SOTIFの検証・妥当性確認
C.3.3.2.1 一般要求
車両メーカーは、以下に基づき、SOTIF場内試験を実施しなければならない。
C.2.7で特定した機能不足
C.2.9の検証・妥当性確認計画および結果
場内試験は、C.3.3.2.2およびC.3.3.2.3へ従って実施する。
試験の目的は、既知の危険シナリオに関係する機能不足について、以下を確認することである。
機能不足が最適化・改善された
または、安全対策によって有効に網羅された
車両が妥当性確認目標を実現した
また、車両メーカーは検査機関へ協力し、C.3.3.2.4に従って公道試験を実施し、既知および未知の危険シナリオに関する残余リスクを確認しなければならない。
C.3.3.2.2 SOTIF場内試験要求
非故障状態における以下を検証・確認する。
可制御性
HMI
少なくとも表C.4の要求を網羅し、C.3.3.2.3の方法に従って場内試験を行う。
車両メーカーは、以下を含む試験報告書を提出する。
試験結果
試験結論
また、試験の真正性および一貫性について宣言する。
表C.4 SOTIF場内試験要求
1.臨時工事区間
潜在的機能不足
臨時工事区間を認識できない、または検知が遅れる
突然検知した工事区間に対し、安全戦略を実行しない、または不合理な戦略を実行する
試験
昼間の臨時工事区間
夜間の臨時工事区間
夜間の臨時工事区間での進路変更
適用範囲:
Aカテゴリー
Bカテゴリー
2.工事区間と隣接車両
隣接車線が他車で占有されている状況で、突然現れた工事区間へ安全に対応できるかを確認する。
試験:
昼間の工事区間・複数対象物相互作用
夜間の同試験
3.重なった歩行者と車両
重なった歩行者と車両を認識できない
検知が遅れる
突然検知した対象物へ合理的に対応できない
試験:
昼間の静止複数対象物
夜間の静止複数対象物
4.横転車両と隣接車両
横転車両を認識できない
隣接車線が他車で占有されている場合に合理的な安全戦略を採れない
試験:
昼間
夜間
5.夜間の前方車両の緊急制動
夜間照明によって対象車両の速度変化を正しく検知できない
前方車両の急減速へ合理的に対応できない
適用範囲:
Bカテゴリー
6.遮蔽された子ども・自転車
駐車車両などによる遮蔽で子ども・自転車を検知できない
検知が遅れる
突然現れた対象へ合理的に対応できない
試験:
昼間・夜間の子ども横断
昼間・夜間の自転車横断
適用範囲:
Bカテゴリー
7.トンネル内の斜め配置車両
トンネル進入時の照明急変で認識範囲・精度が低下する
斜めに停止した車両を認識できない、または検知が遅れる
適用範囲:
トンネルをODDに含むA・Bカテゴリー
8.雨天の横転車両
雨によって知覚範囲・精度が低下した状態で、横転車両へ対応できるかを確認する。
9.霧天の斜め配置車両
霧によって知覚範囲・精度が低下した状態で、斜めに停止した車両へ対応できるかを確認する。
10.ドライバーの誤使用
誤介入
作動後の誤使用
ODD外などでの誤作動操作
システムの誤使用防止・対応能力を確認する。
C.3.3.2.3 SOTIF場内試験方法
C.3.3.2.3.1 一般要求
第9章に定める以下の条件へ従って、C.3.3.2.3.2~C.3.3.2.3.21の試験を実施する。
車両条件
試験条件
C.3.3.2.3.2 昼間の臨時工事区間試験
昼間条件で、一方向2車線以上の長い直線道路を使用する。
中央の車線境界線は破線とする。
工事区間のある車線の外側には、通行可能な空間を設けない。
右側車線に、以下をそれぞれ斜めに配置して試験する。
交通コーン
水馬型分離柵
衝突緩衝ドラム
各対象物は車線中心線に対して30度の角度で5個配置し、車線全体を塞ぐ。
対象物間の間隔は同一とする。
中央車線境界線に最も近い対象物の5m後方に、車線を横切る形で工事用バリケードを配置する。
試験車両はvₛₘₐₓ,ₛₑₜで走行し、対象物から200m以上離れた位置でシステムを作動させる。
以下のいずれかで試験を終了する。
対象物との衝突を回避した
対象物と衝突した
受入基準
車両が採用した以下の安全対策・戦略が、有効かつ一貫していること。
事前減速
車線変更
回避
ドライバーへの警告
合理的なドライバー反応時間の確保
試験担当者が介入しない状態で、以下へ適合すること。
対象物と衝突しない
または衝突速度が10km/h以下
C.3.3.2.3.3 夜間の臨時工事区間試験
夜間にもシステムを作動できる場合、同じ試験を夜間条件で実施する。
受入基準は昼間試験と同一とする。
C.3.3.2.3.4 夜間の臨時工事区間・進路変更試験
夜間条件で、双方向2車線以上の長い直線道路を使用する。
試験車両の進行方向を交通コーンで閉鎖し、対向側の内側車線も可動式防護柵で閉鎖する。
試験車両はvₛₘₐₓ,ₛₑₜで走行し、交通コーンから200m以上離れた位置でシステムを作動させる。
以下で試験を終了する。
道路施設との衝突を回避した
道路施設と衝突した
受入基準:
安全対策・戦略が有効かつ一貫している
無介入で衝突しない、または衝突速度10km/h以下
C.3.3.2.3.5 昼間の工事区間・複数対象物試験
一方向2車線の長い直線道路を使用する。
右側車線を交通コーンで閉鎖し、隣接車線付近に静止車両ターゲットを配置する。
試験車両は、交通コーンのある車線をvₛₘₐₓ,ₛₑₜで走行し、200m以上手前でシステムを作動させる。
試験は、以下で終了する。
交通コーンおよび静止車両との衝突を回避
いずれかと衝突
受入基準
安全対策・戦略が有効かつ一貫し、無介入状態で以下へ適合する。
衝突しない
または衝突速度を受入可能な水準まで低下させる
受入可能な水準とは、原則として同種衝突による傷害重大度がS0を超えない水準をいい、例として衝突速度10km/h以下が示される。
より高い衝突速度を許容する場合、メーカーは以下への傷害を考慮し、論証過程を文書化しなければならない。
自車乗員
周辺の他の交通参加者
C.3.3.2.3.6 夜間の工事区間・複数対象物試験
夜間作動可能な場合、同じ試験を夜間条件で実施する。
受入基準は昼間試験と同一とする。
C.3.3.2.3.7 昼間の静止複数対象物試験
静止車両ターゲットの後方1mに、静止した成人歩行者ターゲットを配置する。
両ターゲットの中心は車線中心線上に置く。
試験車両は、歩行者ターゲットから200m以上離れた位置でシステムを作動させる。
以下で試験を終了する。
成人または車両ターゲットとの衝突を回避
成人または車両ターゲットと衝突
受入基準:
安全対策・戦略が有効かつ一貫している
試験担当者の介入なしに、いずれの対象物とも衝突しない
C.3.3.2.3.8 夜間の静止複数対象物試験
夜間作動可能な場合、同じ試験を夜間条件で実施する。
受入基準も同一とする。
C.3.3.2.3.9 昼間の横転車両・複数対象物試験
右側車線に横転車両を配置する。
隣接車線付近には、静止車両ターゲットを配置する。
試験車両は横転車両のある車線をvₛₘₐₓ,ₛₑₜで走行し、200m以上手前でシステムを作動させる。
以下で試験を終了する。
両車両ターゲットとの衝突を回避
いずれかと衝突
受入基準:
安全対策・戦略が有効かつ一貫している
無介入で衝突しない
または衝突速度を受入可能な水準まで低下させる
C.3.3.2.3.10 夜間の横転車両・複数対象物試験
夜間作動可能な場合、同じ試験を夜間条件で実施する。
C.3.3.2.3.11 夜間の前方車両緊急制動試験
夜間条件で、一方向2車線以上の長い直線道路を使用する。
前方車両ターゲットは60km/hで走行する。
試験車両が安定して追従した後、前方車両を1秒以内に5m/s²の減速度へ到達させ、その減速度を試験終了まで維持する。
以下で試験を終了する。
衝突を回避
衝突
受入基準:
減速、車線変更、ドライバー警告などが有効かつ一貫している
無介入で衝突しない
または衝突速度10km/h以下
C.3.3.2.3.12 昼間の遮蔽された子ども横断試験
信号のない、または信号機が消灯している十字交差点を使用する。
右側車線に高さ1.6m以上の静止車両ターゲットを2台配置し、子どもターゲットを遮蔽する。
子どもは衝突点の4m手前から歩行を開始し、1m以内に0km/hから5km/hまで加速する。
その後、5km/hで3m進み、予測衝突点へ到達する。
予測衝突位置は50%とする。
以下で試験を終了する。
子どもとの衝突を回避
子どもと衝突
受入基準:
安全対策・戦略が有効かつ一貫している
無介入で衝突しない
C.3.3.2.3.13 夜間の遮蔽された子ども横断試験
夜間作動可能な場合、同じ試験を夜間条件で実施する。
C.3.3.2.3.14 昼間の遮蔽された自転車横断試験
子どもターゲットに代えて、自転車ターゲットを使用する。
自転車は衝突点の4m手前から走行を開始し、1m以内に0km/hから5km/hまで加速する。
その後5km/hで少なくとも3m進み、予測衝突点へ到達する。
以下で試験を終了する。
自転車との衝突を回避
自転車と衝突
受入基準:
安全対策・戦略が有効かつ一貫している
無介入で衝突しない
C.3.3.2.3.15 夜間の遮蔽された自転車横断試験
夜間作動可能な場合、同じ試験を夜間条件で実施する。
C.3.3.2.3.16 トンネル内の斜め配置車両試験
長さ150m以上のトンネルを使用する。
トンネル中間部の照度は50lx以下とする。
静止車両ターゲットは、車線中心線に対して30度の角度で斜めに配置し、車両後端をトンネル入口から30m内側に置く。
試験車両はvₛₘₐₓ,ₛₑₜで走行し、対象車両から200m以上離れた位置でシステムを作動させる。
以下で試験を終了する。
衝突回避
衝突
受入基準:
安全対策・戦略が有効かつ一貫している
無介入で衝突しない
または衝突速度10km/h以下
C.3.3.2.3.17 昼間・雨天の横転車両試験
雨量20mm/h、誤差10%以下の降雨条件で試験する。
横転車両のルーフは降雨区間入口から100mの位置に置く。
第9.4.8.3節の試験で、車両が降雨区間を退出する前にDCAを発した場合、本試験は不要とする。
メーカーが雨量に応じて減速などの安全戦略を採用する場合、文書および事前試験によって試験速度を決定する。
試験車両は以下のいずれかの速度で走行する。
vₛₘₐₓ,ₛₑₜ
減速戦略適用後の速度
受入基準:
無介入で衝突しない
または衝突速度10km/h以下
C.3.3.2.3.18 昼間・霧天の斜め配置車両試験
視程150m、誤差10%以下の霧条件で試験する。
斜め配置車両は、霧区間入口から100mの位置に置く。
第9.4.8.4節の試験で、車両が霧区間を退出する前にDCAを発した場合、本試験は不要とする。
メーカーが霧に応じた減速戦略を採用する場合、その適用後速度で試験できる。
受入基準:
無介入で衝突しない
または衝突速度10km/h以下
C.3.3.2.3.19 誤介入試験
第9.4.9.1~9.4.9.3の試験に加え、メーカーが表明するその他の誤介入防止方法がある場合、その方法について試験する。
受入基準
システムへの介入後に明確なドライバー通知を発するなど、関連対策が有効であり、C.2.2の説明と一致すること。
C.3.3.2.3.20 作動後の誤使用試験
第9.4.9.4~9.4.9.6の試験に加え、メーカーが表明するその他の作動後誤使用防止方法がある場合、その方法を試験する。
受入基準
関連対策が有効であり、C.2.2の説明と一致すること。
C.3.3.2.3.21 誤作動操作試験
メーカーが推奨する、ODD外の代表的シナリオでドライバーがシステムを作動させようとする。
例えば以下を含む。
対象外の道路種別
対象外の天候
設計作動速度範囲外
この試験は、公道試験中に実施してもよい。
受入基準
システムは、文字表示などによる明確なドライバー通知を発し、その挙動がC.2.2の説明と一致しなければならない。
C.3.3.2.4 SOTIFの公道試験要求
第10章の公道試験中、システムは以下へ適合しなければならない。
表C.1の適用可能な安全目標へ違反する危険挙動事象が発生しない
メーカーがC.2.4で表明した受入基準へ違反する危険挙動事象が発生しない
C.3.4 検証・妥当性確認の結論
検証・妥当性確認の結果は、C.2.8およびC.2.9の内容と一致しなければならない。
また、以下を説明しなければならない。
安全コンセプトの十分性
安全コンセプトの有効性
実施した安全対策の効果
試験報告書には、車両レベルおよびシステムレベルで実施した検証・妥当性確認について、少なくとも以下を記載する。
対象
目的
内容
結果
附録D(規範性)
機能安全および意図した機能の安全性に関する記述要求
D.1 一般要求
車両メーカーは、以下を提出しなければならない。
システムの機能安全に関する記述
システムの意図した機能の安全性に関する記述
これらの記述には、少なくともD.2およびD.3に定めるすべての内容を含めなければならない。
また、記述内容は、実際の製品開発内容と一致していなければならない。
関連パラメーターに変更がある場合、D.4の要求に従い、変更による影響分析を記述しなければならない。
D.2 機能安全に関する記述内容の要求
D.2.1 システム説明
D.2.1.1 一般要求
システム説明には、少なくともD.2.1.2~D.2.1.6に定める内容を含めなければならない。
D.2.1.2 システムの機能説明
システムが備える機能を列挙し、それぞれについて説明しなければならない。
ここでいう機能には、組合せ運転支援システムが実行する主要機能だけでなく、それを支える以下のような制御も含まれると考えられる。
車線巡航制御
車線変更制御
非車線巡航制御
車間距離制御
ドライバー監視
警告機能
RMF
故障時の縮退制御
他の車載システムとの連携制御
なお、原文は機能を列挙して説明することのみを要求しており、具体的な機能一覧はメーカーのシステム構成に応じて定める。
D.2.1.3 システムの範囲、境界およびインターフェース
以下を提出し、説明しなければならない。
システムの範囲
システムの境界
システムのインターフェース
システム内部に含まれるサブシステムまたは要素
システムと相互作用する外部システムまたは外部要素
これらは、システムアーキテクチャのブロック図によって示さなければならない。
ここでは、運転支援ECUだけを単独で示すのではなく、例えば以下との関係も明確にする必要がある。
センサー
制動システム
操舵システム
パワートレイン
車両安定制御
HMI
データ記録システム
車載通信ネットワーク
測位・地図システム
D.2.1.4 システムの作動条件および制約
以下を提出し、説明しなければならない。
システムの作動条件
システムの制約
有効作動範囲
有効作動範囲には、例えば以下が含まれる。
対応道路
車速範囲
天候
照明条件
車線標示の状態
トンネル対応
交差点対応
センサーの使用可能条件
通信・測位条件
ただし、具体的な項目は、メーカーが表明するシステムのODDおよび機能構成に応じて定める。
D.2.1.5 車両上の配置および外観
以下を提出しなければならない。
システムの車両上の配置
システムの外観
これらは概略図によって示す。
対象には、例えば以下が含まれる。
カメラの位置
ミリ波レーダーの位置
LiDARの位置
ECUの位置
ドライバーモニタリング用カメラの位置
電源モジュールの位置
D.2.1.6 システム配置および原理図
D.2.1.6.1 システム構成部品一覧
以下を提出し、列挙しなければならない。
システムを構成するすべてのユニット
関連する制御機能を実現するために必要となる車両の他のシステム
構成部品には、例えば以下が含まれる。
知覚センサー
制御ユニット
電源モジュール
また、各構成ユニットについて、以下を列挙しなければならない。
機能
識別記号
ハードウェアバージョン
ソフトウェアバージョン
D.2.1.6.2 相互接続
前項で示したすべての構成部品に基づき、以下の図面を提出しなければならない。
システムアーキテクチャのブロック図
回路図
配管図
配置概略図
これらの図面では、システム内外の以下の接続および相互作用を明示しなければならない。
機械的接続
電気的接続
信号接続
システム間の相互作用
D.2.1.6.3 信号フロー、作動データおよび優先順位
以下の対応関係を提出し、説明しなければならない。
ユニット間の伝送経路
信号
作動データ
複数のデータチャンネル内に存在する信号または作動データの優先順位が、システム性能または安全性へ影響する場合、その優先順位を定めなければならない。
例えば、ドライバー操作、AEB、運転支援システム、車両安定制御が同時に操舵・制動要求を出す可能性がある場合、どの要求を優先するかを明確にする必要がある。
D.2.2 危害分析およびリスク評価の概要
以下を説明しなければならない。
システムの機能異常
機能異常によって生じる車両レベルの危害
対応するASIL
対応する安全目標
これは、附録Cの表C.1に示された以下のような危害を、対象システムについて具体化する説明となる。
意図しない横方向運動
横方向運動制御の喪失
意図しない減速
能動減速能力の喪失
意図しない加速
ドライバー操作への干渉
HMI警告の不足または喪失
車両外部表示の異常
ただし、附録D本文では個別危害を再掲せず、システムごとに危害、ASIL、安全目標を説明することを要求している。
D.2.3 安全対策の説明
システムの機能異常によって生じる車両レベルの危害と、それに対応して採用する安全対策を説明しなければならない。
安全対策には、例えば以下が含まれる。
故障検知
冗長系への切替え
制御出力の制限
一部機能の停止
システムの終了
ドライバーへの警告
DCA
RMF
安全停止
故障データの記録
原文は具体的な安全対策を限定しておらず、特定された危害に対応する安全対策をメーカーが説明する構成となっている。
D.3 意図した機能の安全性に関する記述内容の要求
D.3.1 受入基準および妥当性確認目標の概要
組合せ運転支援システムの機能不足によって生じ得る車両レベルの危害について、対応する危険挙動の受入基準を定義し、説明しなければならない。
危険挙動の受入基準は、少なくとも表C.1のうち、対象システムへ適用される車両危害を網羅しなければならない。
また、以下も説明しなければならない。
残余リスクの受入基準
残余リスク受入基準に対する妥当性確認目標
つまり、「危険な挙動とは何か」を定めるだけでは足りず、検証後に残るリスクをどの水準まで許容するか、その水準へ到達したことをどのような定量目標で確認するかまで示す必要がある。
D.3.2 安全対策および安全戦略の説明
システムの機能不足によって生じる車両レベルの危害と、それに対応して採用する以下を説明しなければならない。
安全対策
安全戦略
ここでいう機能不足とは、部品が故障していなくても、認識・判断・制御能力の限界によって正しく対応できない状態を指す。
例えば以下が該当する。
雨や霧による知覚性能低下
逆光による対象物認識の遅れ
遮蔽物の陰から現れる歩行者の検知遅れ
横転車両や特殊形状車両の誤認識
工事区間の認識不足
予測困難な他車挙動への対応不足
ODDの誤判定
安全戦略には、例えば以下が含まれる。
事前減速
安全距離の拡大
車線変更の抑制
機能の縮退
ODD外での作動禁止
ドライバーへの警告
DCA
RMF
システム終了
D.3.3 SOTIFの検証・妥当性確認戦略
以下のSOTIF検証・妥当性確認戦略を説明しなければならない。
a)
危険挙動の検証に使用する受入基準。
b)
残余リスクの妥当性確認目標。
c)
検証・妥当性確認の方法および目標の配分。
ここでは、例えば以下の各方法にどの検証目標を割り当てるかを示す必要がある。
シミュレーション
SIL
HIL
場内試験
実車試験
公道試験
d)
回帰戦略。
ソフトウェア、モデル、センサー構成などを変更した場合に、どの範囲を再検証するかを示す。
e)
試験環境および試験ツール。
D.4 影響分析
関連するパラメーターの変更が、システムの機能安全およびSOTIFに関する記述へ与える影響を説明しなければならない。
少なくとも、以下の内容を含める。
a)機能安全への影響分析
1)システム関連項目および構成要素への影響
以下を説明する。
変更した要素の作動範囲の変化
変更した要素の運行環境の変化
システム機能への影響
システム範囲への影響
システム境界への影響
インターフェースへの影響
例えばカメラを変更した場合、単に「同等性能」とするのではなく、以下のような変化を確認する必要がある。
検知距離
視野角
解像度
夜間性能
温度範囲
通信方式
故障検知方式
ECUとのインターフェース
2)危害分析およびリスク評価への影響
以下を説明する。
・変更した要素が、機能異常または車両危害の変化を引き起こすか
例えば、センサー変更により新たな誤検知・未検知が生じる可能性や、ECU性能変更によって応答遅れが変化する可能性を確認する。
・危害分析およびリスク評価結果への影響
少なくとも以下を含む。
安全目標への影響
ASILへの影響
安全尺度への影響
3)安全分析への影響
以下を説明する。
・変更した要素について実施した安全分析と、その結果
・変更した要素が、車両レベルおよびシステムレベルの安全分析結果へ影響するか
少なくとも以下を含む。
故障モードの変化
故障モードの変化が機能異常へ与える影響
4)機能安全コンセプトおよび安全対策への影響
以下を説明する。
・変更した要素がシステムアーキテクチャへ影響するか
また、以下へ影響するかを確認する。
割り当てられた機能安全要求
ASIL
・変更した要素が、故障または失陥に対応する安全対策へ影響するか
例えば以下への影響を確認する。
冗長化
故障検知
縮退制御
バックアップ経路
ドライバー警告
安全停止
5)機能安全の検証・妥当性確認への影響
以下を説明する。
・変更した要素について実施した機能安全の検証・妥当性確認と、その結果
・表C.3のうち、変更した要素に関係する機能安全試験の要求および結果
つまり、変更した部品・ソフトウェアと関係する故障注入試験などを特定し、その試験結果を提出する必要がある。
b)意図した機能の安全性への影響分析
1)システム関連項目および構成要素への影響
以下を説明する。
・変更した要素がシステムのODDへ影響するか
例えば、以下の変更が該当する。
対応可能な道路種別の追加・削除
作動可能速度の変更
夜間対応の追加
雨天・霧天対応の変更
トンネル対応の変更
都市道路対応の追加
・変更した要素の作動範囲および運行環境の変化
また、それらが以下へ与える影響を説明する。
システム機能
システム範囲
システム境界
インターフェース
HMI方式
HMI方式には、少なくとも以下を含む。
作動
ドライバー介入
終了
2)危害分析およびリスク評価への影響
以下を説明する。
・変更した要素が、機能不足または車両危害の変化を引き起こすか
・危害分析およびリスク評価結果への影響
少なくとも以下を含む。
可制御性への影響
重大度への影響
3)受入基準および妥当性確認目標への影響
以下を説明する。
・変更した要素が、機能不足または車両危害の変化を引き起こすか
・変更した要素が、受入基準および妥当性確認目標へ与える影響
少なくとも以下を含む。
危険挙動の受入基準
残余リスクの受入基準
残余リスク受入基準に対する妥当性確認目標
4)安全分析への影響
以下を説明する。
・変更した要素について実施した安全分析と、その結果
・変更した要素が、車両レベルおよびシステムレベルの安全分析結果へ影響するか
少なくとも以下を含む。
関連するトリガー条件の変化
トリガー条件の変化が機能不足へ与える影響
トリガー条件には、例えば以下が含まれる。
雨
雪
霧
逆光
明暗急変
工事区間
遮蔽
横転車両
特殊形状対象物
割り込み
切り出し
ドライバーの誤使用
5)安全対策および安全戦略への影響
以下を説明する。
・変更した要素が、機能不足に対応する安全対策へ影響するか
・変更した要素が安全戦略へ影響するか
少なくとも以下を含む。
組合せ運転支援システムの作動時におけるドライバー通知
組合せ運転支援システムの終了時におけるドライバー通知
作動・終了状態遷移の戦略
RMFによる安全停止の方法
RMFによる安全停止の戦略
ドライバー離脱通知の方式
ドライバー離脱通知の戦略
ドライバー離脱通知の方式には、例えば以下を含む。
視覚
音響
触覚
6)SOTIFの検証・妥当性確認への影響
以下を説明する。
・変更した要素について実施したSOTIF検証・妥当性確認と、その結果
・表C.4のうち、変更した要素に関係するSOTIF試験要求および結果
表C.4には、例えば以下の試験が含まれる。
臨時工事区間
複数対象物
横転車両
夜間の前方車両緊急制動
遮蔽された子ども・自転車
トンネル内の斜め配置車両
雨天の横転車両
霧天の斜め配置車両
誤介入
作動後の誤使用
ODD外での誤作動操作
附録E(規範性)
組合せ運転支援の安全保証要求
E.1
車両メーカーは、車両の以下の段階において、システムに使用するハードウェアおよびソフトウェアの安全を保証するため、有効なプロセス、方法およびツールを採用しなければならない。
開発段階
生産段階
運用段階
安全保証は、少なくとも以下の分野を含まなければならない。
安全方針
リスク管理
設計および開発
生産管理
安全保証
安全性の向上
E.2
車両メーカーは、期待される安全成果を実現するために従う目標を概説する、明確な安全方針を備えなければならない。
E.3
車両メーカーは、以下の各レベルに存在するリスクを評価し、低減するため、能動的な安全リスク管理能力を構築しなければならない。
組織
人員
技術
E.4
車両メーカーは、設計・開発プロセスを構築しなければならない。
これには、少なくとも以下を含む。
安全設計
要求管理
要求の実装
試験
故障・不具合の追跡
改善
リリース
E.5
車両メーカーは、生産段階の堅牢性を保証するため、生産工程および生産活動を記録する生産管理プロセスを備えなければならない。
E.6
車両メーカーは、安全監視および安全管理を実施する能力を備えなければならない。
E.7
車両メーカーは安全保証能力を構築し、定期的に独立した社内プロセス監査を実施しなければならない。
これにより、構築された安全関連プロセスが実際に実施されていることを保証する。
E.8
車両メーカーは、安全リスク管理を継続するため、継続的に安全性を向上させるプロセスを備えなければならない。
E.9
車両メーカーは、以下の分野を担当する部門間に、有効なコミュニケーション経路を構築し、維持しなければならない。
機能安全
意図した機能の安全性
情報セキュリティ
その他、車両安全の実現に関係する分野
E.10
車両メーカーは、サプライヤー管理プロセスを備えなければならない。
例えば、以下を含む。
契約管理
明確な開発インターフェース
品質管理システム
これにより、サプライヤーによる組合せ運転支援の安全保証が、E.1~E.8の関連要求へ適合することを確保しなければならない。
附録F(規範性)
データ記録要求
F.1 技術要求
F.1.1 一般要求
組合せ運転支援データ記録システムは、以下の2種類に分類する。
I型システム
II型システム
車両カテゴリーごとの要求は以下のとおりとする。
M1およびN1カテゴリー
以下のいずれかを搭載する。
I型システム
II型システム
M2、M3、N2およびN3カテゴリー
II型システムを搭載する。
適用条項は以下のとおりとする。
I型システム:F.1.2、F.1.4~F.1.9
II型システム:F.1.3~F.1.9
F.1.2 I型システムのデータ記録要求
F.1.2.1 一般要求
F.1.2.1.1
組合せ運転支援システムの作動中、I型システムは少なくとも以下の事象データを記録しなければならない。
a)時間区間事象
以下が発生した場合、F.1.4.2に適合するデータ要素を記録する。
F.1.2.2.1に適合する衝突事象
F.1.2.3.1に適合する衝突リスク事象
b)タイムスタンプ事象
以下が発生した場合、表F.1に定めるデータ要素を記録する。
領航型組合せ運転支援システムが作動状態へ移行した時
領航型システムが終了した時
基礎単車線型システムが作動状態へ移行した時
基礎単車線型システムが終了した時
基礎複車線型システムが作動状態へ移行した時
基礎複車線型システムが終了した時
HORを発した時
HORを解除した時
EORを発した時
EORを解除した時
DCAを発した時
RMFの実行を開始した時
システム全体の安全な作動へ影響する故障が発生した時
利用者がシステム終了装置を操作した時
F.1.2.1.2
一つの時間区間事象を記録している間に、別の時間区間事象が発生した場合、後に発生した事象の全データを完全に記録しなくてもよい。
ただし、後発事象についても、少なくとも表F.1に定める関連データを記録しなければならない。
F.1.2.1.3
故障によりデータを取得できない場合、タイムスタンプ事象および時間区間事象のデータを完全に記録できなくてもよい。
この場合、車両メーカーは関連文書によって説明しなければならない。
F.1.2.2 衝突事象
F.1.2.2.1 トリガー条件
車両がGB 39732-2020第4.1.1項の要求に該当した場合、衝突事象として記録しなければならない。
車両が能動式歩行者保護装置を備え、当該装置が作動した場合も記録しなければならない。
注:
能動式歩行者保護装置には、例えば以下が含まれる。
歩行者保護エアバッグ
アクティブポップアップボンネット
F.1.2.2.2 事象開始時点および終了時点
a)開始時点
GB 39732-2020第4.1.3項に適合すること。
b)終了時点
GB 39732-2020第4.1.4項に適合すること。
能動式歩行者保護装置を備える場合、衝突事象開始時点は、以下のうち早い方とする。
GB 39732-2020第4.1.3項に適合する時点
能動式歩行者保護装置の作動開始時点
F.1.2.2.3 記録開始時点および終了時点
記録開始
以下のうち遅い方とする。
事象開始時点の15秒前
組合せ運転支援システムの作動時点
記録終了
以下のうち最も早い時点とする。
事象開始時点の5秒後
組合せ運転支援システムの終了時点
事象終了時点
F.1.2.2.4 事象のロック条件
少なくともGB 39732-2020第4.1.2項に適合しなければならない。
歩行者保護装置の展開については、ロック事象として定義しなくてもよい。
F.1.2.3 衝突リスク事象
F.1.2.3.1 トリガー条件
少なくとも以下のいずれかを、衝突リスク事象のトリガー条件とする。
a)
組合せ運転支援システムが要求する縦減速度が5m/s²を超えた場合。
b)
AEBSが緊急制動を開始した場合。
a)を採用する場合、メーカーは5m/s²より小さい値をトリガー閾値として採用してもよい。
また、上記要求を満たした上で、例えば以下を追加条件として定義してもよい。
システムが要求する横加速度
F.1.2.3.2 事象開始時点および終了時点
縦減速度をトリガーとする場合
開始:要求縦減速度が5m/s²を超えた時
終了:開始後、要求縦減速度が5m/s²以下となった時
AEBS緊急制動をトリガーとする場合
開始:AEBSが緊急制動を開始した時
終了:AEBSが緊急制動を終了した時
F.1.2.3.3 記録開始時点および終了時点
記録開始
以下のうち遅い方とする。
事象開始時点の15秒前
組合せ運転支援システムの作動時点
記録終了
以下のうち最も早い時点とする。
事象開始時点の5秒後
組合せ運転支援システムの終了時点
事象終了時点
F.1.3 II型システムのデータ記録要求
組合せ運転支援システムの作動中、II型システムは少なくとも以下を記録しなければならない。
a)
リアルタイム記録開始時点に、表F.1のデータ要素を記録する。
b)
リアルタイム記録開始時点から、表F.2~表F.5のデータを連続して記録する。
連続する4分間ごとに、一つの「データ区間事象」とする。
リアルタイム記録終了時に、最後の区間が4分未満であっても、一つのデータ区間事象として扱う。
c)
I型と同じタイムスタンプ事象について、表F.1のデータ要素を記録する。
注:
リアルタイム記録開始時点とは、組合せ運転支援システムの作動時点をいう。
故障によりデータを取得できない場合、タイムスタンプ事象およびデータ区間事象を完全に記録できなくてもよい。
この場合、メーカーは関連文書を提出する。
F.1.4 データ要素要求
F.1.4.1 データ要素の分類
データ要素を以下の2等級に分類する。
A級データ要素
DSSCDAを搭載するすべての車両が記録しなければならないデータ。
B級データ要素
関連機能が組合せ運転支援システムによって呼び出されている場合に記録するデータ。
F.1.4.2 記録要求
DSSCDAは、表F.1~表F.5に適合するデータ要素を記録しなければならない。
表F.1 車両およびDSSCDAの基本情報
基本識別情報
以下はA級とする。
車両識別番号(VIN)
DSSCDA機能を実現するハードウェア型式
同ハードウェアのシリアル番号
組合せ運転支援システムのソフトウェアバージョン
DSSCDAのソフトウェアバージョン
ソフトウェア識別コードを備える場合、バージョン番号に代えて、または併せて記録できる。
事象種別コード
主なコードは以下のとおりとする。
7:非ロック衝突
8:衝突リスク
10:ロック衝突
20:領航型システム作動
21:領航型システム終了
22:基礎単車線型システム作動
23:基礎単車線型システム終了
24:基礎複車線型システム作動
25:基礎複車線型システム終了
26:利用者操作によるシステム終了
27:HOR発出
28:HOR解除
29:EOR発出
30:EOR解除
31:DCA発出
32:RMF開始
33:システム全体の安全な作動へ影響する故障
時刻・位置・走行情報
以下を記録する。
年
月
日
時
分
秒
経度
緯度
累積走行距離
時刻はUTC0とし、秒単位の誤差があってはならない。
位置情報の最低精度は、経度・緯度とも原則として±0.002度とする。
連続して発生した複数の時間区間事象
以下を記録する。
後発事象の種別
後発事象の開始日時
事象記録完全性フラグ
完全性フラグは以下とする。
1:完全
0:不完全
時間源または位置源を取得できない場合、例えば衛星信号およびネットワーク信号がない地下駐車場へ長時間停車していた場合は、時刻・位置精度の一部要求へ適合しなくてもよい。
表F.2 車両状態および動的情報
以下を記録する。
1.車速
等級:A
最低記録周波数:10Hz
単位:km/h
範囲:0~240km/h
分解能:1km/h
精度:±max(10%、1km/h)
計器表示速度ではなく、実際の車両走行速度と一致する値とする。
2.車両横加速度
A級
10Hz
-20~20m/s²
分解能1m/s²
精度:センサー検知範囲の±10%
ドライバーから見て左から右を正方向とする。
3.車両縦加速度
A級
10Hz
-20~20m/s²
分解能1m/s²
前進方向を正とする
4.ヨーレート
A級
2Hz
-75~75度/秒
分解能0.1度/秒
時計回りを正とする
5.ロールレート
B級
2Hz
-75~75度/秒
分解能1度/秒
6.方位角
B級
2Hz
-180~180度
分解能1度
精度±5度
真北を0度、時計回りを正とする
7.ステアリング操舵角
A級
2Hz
メーカー定義の範囲
分解能5度
反時計回りを正とする
位置源を取得できない場合、方位角の精度要求へ適合しなくてもよい。
表F.3 組合せ運転支援システムの作動情報
表F.3は、システムが車両へ何を要求したかを記録する。
横方向制御関連
以下はB級、最低4Hzとする。
要求横加速度
要求ステアリング操舵角
要求操舵曲率
要求前輪操舵角
要求ステアリングピニオン角
要求ステアリングトルク
要求ステアリング角速度
縦方向制御関連
以下はB級、最低4Hzとする。
要求車速
要求縦加速度
要求アクセル開度
要求ブレーキペダル開度
要求駆動トルク
要求駆動回転数
要求ホイールエンドトルク
要求ブレーキマスターシリンダー圧
車両状態要求
以下もB級、最低4Hzとする。
要求ギヤ位置
P
R
N
D
要求アダプティブ前照明状態
要求ロービーム状態
要求ハイビーム状態
要求非常点滅表示灯状態
要求制動灯状態
要求左方向指示灯状態
要求右方向指示灯状態
要求ワイパー状態
表F.3の第1~第7項のいずれか一つ、および第8~第15項のいずれか一つを記録すれば、当該部分の要求へ適合する。
一方、第16~第24項は、表の要求どおり記録しなければならない。
表F.4 走行環境情報
対象物情報
以下をA級、最低10Hzで記録する。
知覚対象物ID
知覚対象物の種類
対象物の相対位置(X方向)
対象物の相対位置(Y方向)
対象物の相対速度(X方向)
対象物の相対速度(Y方向)
DSSCDAは、少なくとも8個の対象物を記録できなければならない。
実際の対象物が8個未満の場合、実数分のみ記録すればよい。
座標系は以下とする。
原点:車両後軸中点
X軸:車両前方
Y軸:車両左側
ネットワークモデルの構造上、知覚対象物情報を生成できない場合、第1~第6項を記録しなくてもよい。
外部画像または外部映像
少なくとも以下のいずれかを記録する。
外部画像:4Hz
外部映像:4fps
前方のみを記録する場合
水平画角:100度以上
垂直画角:35度以上
有効画素:90万画素以上
前後左右4方向を記録する場合
水平画角:合計360度をカバー
各映像の有効画素:28万画素以上
画像・映像には100ミリ秒単位のタイムスタンプを付し、正しく解析できなければならない。
表F.5 ドライバー操作および状態情報
以下をA級として記録する。
1.シートベルト装着状態
2Hz
0:未装着
1:装着
2.ドライバーが運転位置にいるか
2Hz
0:いいえ
1:はい
3.手部離脱状態
2Hz
0:いいえ
1:はい
4.視線離脱状態
2Hz
0:いいえ
1:はい
5.アクセルペダル開度
2Hz
0~100%
分解能1%
精度:全範囲の±10%
6.ブレーキペダル開度
2Hz
0~100%
分解能1%
精度:全範囲の±10%
開度を記録できない場合、少なくともブレーキ操作の有無を記録する。
0:操作なし
1:操作あり
7.入力操舵トルク
2Hz
分解能0.1Nm
精度±1Nm
反時計回りを正とする
8.システム作動後に利用者が設定した巡航速度
2Hz
分解能1km/h
記録範囲・精度はメーカーが定義し、システムの実能力以上とする
F.1.4.2.2 時刻同期
表F.1~表F.5のデータ要素は、相互に時刻同期できなければならない。
すべてのデータにタイムスタンプを付し、すべてのタイムスタンプは同一の時間源に基づかなければならない。
F.1.5 データ保存要求
F.1.5.1 保存媒体
DSSCDAが記録するデータは、車載の不揮発性記憶装置へ保存しなければならない。
F.1.5.2 保存能力
I型システム
衝突事象および衝突リスク事象:合計5回以上
タイムスタンプ事象:2,500回以上
II型システム
表F.2~表F.5のデータ:8時間以上
タイムスタンプ事象:2,500回以上
DSSCDAと自動運転データ記録システムを同一システムとして設計する場合、両者のうち保存能力要求が高い方を満たせばよく、双方の保存容量を合算する必要はない。
F.1.5.3 上書きの仕組み
F.1.5.3.1 I型システム
保存領域が満杯となった場合、以下へ適合しなければならない。
a)
時間区間事象データとタイムスタンプ事象データは、相互に上書きしてはならない。
b)
衝突事象データを、衝突リスク事象データによって上書きしてはならない。
c)
ロック条件を満たす衝突事象データを、後続事象によって上書きしてはならない。
d)
その他のデータは、時系列順に上書きする。
e)
保存領域が満杯で、保存された時間区間事象がすべてロック事象である場合、すべてのロック事象がプラットフォームまたはサーバーへ保存されていることを条件として、車載側のロック事象データを上書きしてもよい。
F.1.5.3.2 II型システム
a)
リアルタイム連続記録データとタイムスタンプ事象データは、相互に上書きしてはならない。
b)
その他のデータは、時系列順に上書きする。
F.1.5.3.3 複数のDSSCDA
車両がI型とII型を同時に備える場合、両システムのデータは相互に上書きしてはならない。
F.1.5.4 電源断時の保存
I型
衝突により通常電源が失われた場合、冗長電源などを使用し、少なくとも以下を記録する。
記録開始時点から事象開始時点まで
II型
衝突により通常電源が失われた場合、少なくとも以下を記録する。
電源断時点
電源断以前のデータ
F.1.6 データ読み出し要求
F.1.6.1 一般要求
記録データは、正しく読み出し、解析できなければならない。
以下の双方に対応する。
車両レベルの読み出し
部品レベルの読み出し
車両レベルでは、少なくとも以下のいずれかをサポートする。
読み出し方式A
F.1.6.3に定めるCANによる「Request Upload」方式。
読み出し方式B
F.1.6.4に定めるDoIPによる「Request File Transfer」方式。
読み出し方式C
F.1.6.5に定めるDoIPによる「Request Upload」方式。
取扱説明書には、少なくとも以下を記載する。
車両レベルの読み出し方式
Alive_Checkの要求・応答メカニズム
方式BまたはCを採用する場合、以下も公開する。
データ読み出しツール
DSSCDAのIPアドレス
DSSCDAの論理アドレス
F.1.6.2 読み出しポート
方式BまたはC
GB/T 43258.4のイーサネット端子配置へ適合する。
方式A
GB/T 34589-2017第4.2.1項のCAN端子配置へ適合する。
F.1.6.3 CANによる「Request Upload」
F.1.6.3.1 通信プロトコル
以下のいずれかを使用できる。
11ビットCAN識別子
29ビットCAN識別子
11ビットCAN識別子
機能アドレス
0x7DF:読み出しツールからの機能アドレス要求
0x7XX:DSSCDA記録ECUからの物理応答
0x7XX-0x8:読み出しツールからの物理要求
物理アドレス
0x7F2:読み出しツールからECUへの物理要求
0x7FA:ECUから読み出しツールへの物理応答
29ビットCAN識別子
ISO 15765-2:2024附録Aの通常固定アドレス形式へ適合する。
主な識別子構造は以下のとおりとする。
機能アドレス:18 DB TA SA
物理アドレス:18 DA TA SA
DSSCDA読み出しツールのソースアドレスはF2₁₆とし、記録ECUの診断アドレスはメーカーが定義する。
F.1.6.3.2 読み出し手順
読み出し前に、外部ツールと車両のネットワーク接続が正常であることを確認する。
読み出し中は、GB/T 40822のTester Presentサービスを2秒周期で送信し、セッションを維持する。
読み出し手順は以下のとおりとする。
a)拡張セッションへ移行
診断セッション制御サービスを使用する。
b)データ保存開始アドレスおよびデータ長を取得
識別子によるデータ読み出しサービスを使用する。
c)非診断通信を抑制
通信制御サービスを使用する。
d)ファイル転送を要求
Request Uploadサービスを使用する。
データ識別子:0x00
アドレス・長さ形式識別子:0x44
e)データ転送
Transfer Dataサービスを使用する。
f)転送終了
Request Transfer Exitサービスを使用する。
g)ファイル完全性を確認
Routine Controlサービスを使用し、CRC32を検証する。
生成多項式は以下とする。
G(x)=x³²+x²⁶+x²³+x²²+x¹⁶+x¹²+x¹¹+x¹⁰+x⁸+x⁷+x⁵+x⁴+x²+x+1
h)JSONファイルを解析
別パスに保存された画像・映像ファイルの有無を確認する。
i)画像・映像を読み出す
すべての画像・映像ファイルを読み出すまで、ファイル転送および完全性確認を繰り返す。
j)デフォルトセッションへ戻す
診断セッション制御サービスを使用する。
F.1.6.3.3 読み出し用識別子
データ転送はビッグエンディアン方式とする。
主な識別子は以下のとおりとする。
0xFA5A:データ保存開始アドレスおよび長さ
0xFA51:ファイルCRC検証
応答には、少なくとも以下を含む。
タイムスタンプデータの保存開始アドレス
タイムスタンプデータ長
最新事象の保存開始アドレス・長さ
2番目に新しい事象の保存開始アドレス・長さ
3番目に新しい事象の保存開始アドレス・長さ
4番目に新しい事象の保存開始アドレス・長さ
5番目に新しい事象の保存開始アドレス・長さ
ファイル検証結果
検証結果は以下とする。
0x00:検証成功
0x01:検証失敗
F.1.6.3.4 出力ファイル
ファイル形式・構造は、GB 44497-2024附録B.1.1~B.1.4へ適合する。
外部画像・映像情報は、JSONファイル内または独立ファイルとして保存できる。
画像オブジェクト
少なくとも以下を含む。
Timestamp
Address
Size
Filename
時刻形式はUTC0とし、以下の形式とする。
YYYY-MM-DDTHH:mm:SS.sssZ
映像オブジェクト
少なくとも以下を含む。
StartTime
EndTime
Fps
Address
Size
Filename
フレームデータオブジェクト
各フレームに属するデータ項目オブジェクトの集合を含め、当該フレームの時刻情報を備えなければならない。
データ項目オブジェクト
少なくとも以下を含む。
データ要素のキー
データ要素の値
キーには、表F.1~表F.5に定める中国語名または対応する英語名を使用する。
メーカーは各階層へ独自の追加データまたは必要情報を追加してもよい。
F.1.6.4 DoIPによる「Request File Transfer」
通信プロトコルおよび手順は、GB 44497-2024の関連要求へ適合する。
以下については、本規格の表F.16に従う。
時間区間事象・データ区間事象の統合
ファイル検証
主なRoutine IDは以下とする。
F1AC:時間区間事象・データ区間事象の統合
F1AB:ファイル検証
出力ファイルには、画像・映像について以下を含む。
画像
Timestamp
Path
Size
映像
StartTime
EndTime
Fps
Path
Size
各階層のデータオブジェクトへ、メーカー独自の追加情報を含めてもよい。
F.1.6.5 DoIPによる「Request Upload」
通信プロトコルは、GB 44497-2024の関連要求へ適合する。
読み出し手順は、CAN方式の手順から「非診断メッセージを抑制する」工程を除いたものとする。
読み出し用識別子および出力ファイル形式は、CAN方式と同一とする。
F.1.7 情報セキュリティ要求
F.1.7.1
DSSCDAはセキュアブート機能を備え、以下が改ざんされないよう保護しなければならない。
ルート・オブ・トラスト
ブートローダー
システムファームウェア
改ざんされた場合には、正常に起動できないようにしなければならない。
F.1.7.2
DSSCDAは、保存データを改ざんおよび不正削除から保護するため、有効なセキュリティ防御機構を備えなければならない。
F.1.5.3の上書き規則に基づく削除は除く。
改ざんまたは規定外の削除が発生した場合、少なくともデータ読み出し時に、技術的手段によって識別し、記録できなければならない。
F.1.8 耐衝撃性能
F.3.3に従って衝突試験を実施した後、DSSCDAに保存されたデータは、少なくとも試験前のデータと一致していなければならない。
F.1.9 環境適応性要求
F.1.9.1 機能状態の定義
各環境試験後、記録データは以下へ適合しなければならない。
正しく読み出せる
正しく解析できる
試験前のデータと一致する
F.1.9.2 電気性能
以下の試験後、F.1.9.1の機能状態へ適合しなければならない。
直流供給電圧
過電圧
交流電圧重畳
電源電圧の緩降下・緩上昇
瞬時電圧降下
電圧急降下後の復帰
始動特性
ロードダンプ
逆極性電圧
基準接地・電源オフセット
単線断線
複数線断線
短絡保護
絶縁抵抗
絶縁抵抗は10MΩを超えなければならない。
直流電圧範囲
12V系
最低:9V
最高:16V
試験電圧:14±0.2V
24V系
最低:16V
最高:32V
試験電圧:28±0.2V
48V系は、供給側と需要側の協議によって定める。
F.1.9.3 防塵・防水性能
設置位置ごとの要求は以下のとおりとする。
エンジンルーム
IP5K6
防塵
強い噴流水への耐性
車室内
IP5K1
防塵
垂直滴下水への耐性
荷室
IP5K1
防塵
垂直滴下水への耐性
F.1.9.4 環境耐候性
以下の試験後、製品が損傷せず、保存データを正しく読み出せなければならない。
低温保存
低温作動
高温保存
高温作動
温度勾配
規定切替時間による急激な温度変化
規定変化率による温度サイクル
湿熱サイクル
定常湿熱
太陽光放射
車室内の直射日光が当たる位置へ設置される場合、太陽光放射試験後に、表面へ以下が生じてはならない。
剥離
亀裂
気泡
F.1.9.5 機械性能
以下の試験後、製品が損傷せず、F.1.9.1へ適合しなければならない。
機械振動
機械衝撃
F.1.9.6 化学負荷
化学負荷試験後、以下へ適合しなければならない。
製品が損傷していない
表示・ラベルが明瞭である
データを正しく読み出せる
利用者が接触できない場所へ設置する場合、アセトン試薬を使用しなくてもよい。
F.1.9.7 電磁両立性
以下について試験する。
非通電時の静電放電耐性
通電時の静電放電耐性
電源線を通じた過渡伝導ノイズ耐性
電源線以外の線路を通じた容量性・誘導性結合ノイズ耐性
電磁放射耐性
無線妨害特性
無線妨害特性は、GB 34660-2026の関連要求へ適合しなければならない。
F.2 試験条件
F.2.1 試験場所および環境
試験場所は以下へ適合しなければならない。
良好な路面付着性能を備える
交通標識・標示が明瞭である
組合せ運転支援機能を正常に作動させるためのデータ・設備を備える
試験車両は、天候が良好で照明が正常な環境で試験する。
F.2.2 試験設備およびデータ記録
試験中、少なくとも以下を記録する。
表F.1の基本情報
表F.2の車両状態・動的情報
表F.5のドライバー操作・状態情報
衝突事象の信号注入試験を行う場合、メーカーは、車両へ接続して衝突事象をトリガーできるソフトウェアまたはハードウェア装置を提供する。
メーカーは本規格に適合するデータ読み出しツールを提供する。
F.2.3 試験車両
試験車両は、以下へ適合しなければならない。
a)
試験場所で組合せ運転支援機能を正常に作動できる。
b)
DSSCDAの以下の保存領域を満杯にしておく。
タイムスタンプ事象
時間区間事象
データ区間事象
I型については、時間区間事象に少なくとも1件のロック事象を含める。
c)
組合せ運転支援モードを手動で容易に作動・終了できる。
d)
システム状態および人・機械間の移行通知が明瞭に確認できる。
F.3 試験方法
F.3.1 トリガー試験
F.3.1.1 タイムスタンプ事象
システムを作動させ、安定走行させた後、以下を実行する。
システム作動
HOR発出
HOR解除
EOR発出
EOR解除
DCA発出
RMF実行
システムの能動終了
利用者操作による終了装置作動
システム全体の安全な作動へ影響する故障の模擬
試験後、記録データを読み出し、I型はF.1.2.1.1 b)、II型はF.1.3 c)へ適合することを確認する。
F.3.1.2 衝突事象
試験前に以下を説明する資料を提出する。
注入する衝突信号の種類・意味
信号がDSSCDAへ伝達される経路
衝突事象をトリガーする論理
GB 39732-2020との整合性
試験方法は、以下のいずれかとする。
信号注入可能なシステム
衝突トリガー信号を注入する。
信号注入できないシステム
以下のいずれかを行う。
車両へ物理的衝撃を与える
EDRを物理的に作動させる
EDRへトリガー信号を入力する
分散型記録システム
加速度トリガーを使用するモジュールについて台上試験を行った後、実車へ模擬信号を注入する。
試験後、記録範囲がF.1.2.2.3へ適合することを確認する。
F.3.1.3 衝突リスク事象
一方向2車線以上の直線道路で行う。
試験車両と車両ターゲットは別々の車線を走行し、試験車両が接近する途中で、ターゲットが試験車両の車線へ割り込む。
ターゲットは、TTCが1.5~3秒となった時点で急速に割り込み、車線中央を走行する。
この条件で衝突リスク事象をトリガーできない場合、メーカーが別の試験シナリオ・パラメーターを提示する。
試験後、F.1.2.3.1およびF.1.2.3.3への適合を確認する。
F.3.2 連続記録トリガー試験
II型システムについて、タイムスタンプ事象試験と同様の操作を行う。
試験後、F.1.3 a)およびb)へ適合することを確認する。
F.3.3 衝突試験
試験前に、DSSCDAへ保存されているデータを読み出す。
M1およびN1カテゴリーについて、適用可能な場合、以下を実施する。
前面衝突または前面オフセット衝突
側面衝突
試験後、保存データを試験前データと比較し、F.1.8へ適合することを確認する。
F.3.4 データ精度検証試験
I型
衝突リスク事象試験を実施する。
II型
連続記録試験を実施する。
記録値と測定値を比較し、表F.3および表F.4を除くF.1.4.2の要求へ適合することを確認する。
F.3.5 保存機構試験
F.3.5.1 連続保存能力
II型システムを作動させ、累積8時間以上運転する。
試験後、F.1.5.2 b)へ適合することを確認する。
F.3.5.2 保存容量および上書き
タイムスタンプ事象
F.3.1.1.1の試験を行い、F.1.5.3へ適合することを確認する。
時間区間事象
衝突事象または衝突リスク事象を発生させ、F.1.5.2 a)およびF.1.5.3.1へ適合することを確認する。
F.3.5.3 電源断保存
DSSCDAを15秒以上安定作動させる。
II型のみの場合:衝突リスク事象試験
I型の場合:衝突事象または衝突リスク事象試験
事象開始から5秒後にDSSCDAの電源線を1本切断し、その時刻を記録した後、再通電する。
試験後、F.1.5.4へ適合することを確認する。
F.3.6 環境適応性試験
環境試験は、原則としてGB 44497-2024の関連方法に従う。
試験後、DSSCDAのデータを読み出し、保存内容を検査する。
対象は以下のとおりとする。
電気性能
直流供給電圧
過電圧
交流電圧重畳
電圧の緩降下・緩上昇
瞬時電圧降下
リセット特性
始動特性
ロードダンプ
逆極性電圧
基準接地・電源オフセット
単線断線
複数線断線
短絡
絶縁抵抗
防塵・防水
GB/T 30038-2013の方法に従う。
環境耐候性
低温保存
低温作動
高温保存
高温作動
温度勾配
急激な温度変化
温度サイクル
湿熱サイクル
定常湿熱
太陽光放射
機械性能
機械振動
機械衝撃
化学負荷
試験後、コントローラー表面および保存データを確認する。
電磁両立性
静電放電
電源線の過渡伝導
容量性・誘導性結合
電磁放射
無線妨害特性
F.3.7 情報セキュリティ試験
試験担当者は、メーカーが提出した以下の保護機構に関する安全証明文書を確認する。
ルート・オブ・トラスト
ブートローダー
システムファームウェア
また、DSSCDAのアクセスインターフェースへ攻撃操作を行い、保存データが不正に改ざん・削除されないこと、または不正操作を識別できることを確認する。
参考文献
GB/T 21437.2-2021
道路車両―伝導および結合による電気的妨害に対する電気・電子部品の試験方法
第2部:電源線に沿った電気的過渡伝導エミッションおよびイミュニティGB/T 44719-2024
インテリジェント・コネクテッド・ビークル―自動運転機能の公道試験方法および要求GB/T 47025-2026
インテリジェント・コネクテッド・ビークル―自動運転機能のシミュレーション試験方法および要求
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