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東風日産NX7、科大訊飛の車載AIを実車95シーンで検証――CATARC初認証、快適性重視の新コックピットも公開

    [メンバーシップ限定]東風日産の新型SUV「NX7」で、中国のAI大手、科大訊飛(iFLYTEK)との共同開発によるスマートコックピットの実装が進んでいる。2026年10月21日、科大訊飛は新世代の「星火スマートコックピット3.0」の発表会で、東風日産と共同開発したシステムが中国汽車技術研究中心(CATARC)の「TOP Intelligence」評価に合格し、AIマルチモーダル・スマートコックピットの認証を業界で初めて取得したと発表した。

    評価では3回の実車試験を実施し、約95の利用シーンを検証した。対象は車内外の状況認識、複数のタスクの計画・実行、利用者の記憶や応答の適応など、従来の音声アシスタントを超える機能である。

    さらに東風日産は10月26日、NX7の新たな車内空間「極光舒享座艙(オーロラ・コンフォートコックピット)」を初公開した。助手席を大きく倒してくつろげる座席配置、大型ディスプレイ、室内照明などを訴求しており、NX7の商品開発ではAI機能と快適性の双方が重視されている。

    ただし、今回の車内空間の発表では、座席や照明が科大訊飛のAIとどのように連携するかは説明されていない。AIシステムの認証と快適性装備の公開は、同じNX7に関する動きであるものの、個々の機能の技術的な接続については今後の確認が必要である。

    科大訊飛の新世代AI、東風日産NX7で実車検証

    科大訊飛は10月21日、北京で開催したスマート自動車技術発表会で、星火スマートコックピット3.0を発表した。

    CHINA CASEは10月22日付の記事「科大訊飛、車載AIを音声操作から複数乗員の意思決定・生活サービス統合へ――SOFIAで自動車メーカー向けAI基盤を刷新」で、その技術体系を詳しく取り上げている。

    今回注目するのは、発表会で同時に明らかにされた東風日産との共同開発成果である。

    科大訊飛によると、両社が開発したスマートコックピットは、CATARCのTOP Intelligence評価における「AIマルチモーダル・スマートコックピット」の試験を通過した。

    同社は、この評価区分で認証を取得した業界初の事例としている。

    NX7は、星火スマートコックピット3.0の技術を量産車へ導入する協業事例として紹介された。

    ここでいう「業界初」は、今回の評価区分における認証取得を指す。中国の自動車業界で初めてマルチモーダルAIを搭載したという意味ではない。

    また、CATARCによる今回の評価は車載AIの対話・認識・実行機能を対象とするものであり、運転支援や自動運転の安全性能を認証したものではない。

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    3回の実車試験、約95シーンを検証

    今回の評価では、実車を用いた3回の試験を通じ、約95の典型的な利用シーンが検証された。

    評価対象は三つの分野に分かれている。

    第一は、マルチモーダル認識・理解である。

    車外に存在する対象物を認識したり、車内の乗員が指し示した対象を特定したりする能力を評価する。

    従来の車載音声アシスタントでは、操作対象を言葉で明確に指定する必要があった。

    マルチモーダルAIでは、音声だけでなく映像や車両の状態などを組み合わせることで、利用者が何を指しているのかを判断する。

    第二は、知的計画・タスク実行である。

    利用者の習慣や好みを踏まえた行動計画の作成、複数の要求を含むタスクの分解、必要な機能の実行などを評価する。

    例えば、利用者が複数の条件を含む要求を伝えた場合、AIがその内容を整理し、必要な操作やサービスへ振り分ける能力が問われる。

    第三は、自律学習・感情知能である。

    利用者の過去の情報を記憶し、継続的な利用に応じて応答を調整する能力や、利用者の状況に応じた対話の適応などが対象となる。

    科大訊飛によれば、今回の共同開発システムは三つの評価分野すべてに合格した。

    ただし、発表資料では個別項目の得点、成功率、応答時間などの詳細は示されていない。

    また、約95シーンという数字は評価対象となった利用場面の規模を示すものであり、95%の成功率を意味するものではない。

    今回の認証から確認できるのは、定められた実車試験において、三分野の評価基準を満たしたという事実である。

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    SOFIAの技術体系を、量産車向けに具体化

    10月22日のCHINA CASE既報で取り上げた星火スマートコックピット3.0は、音声・映像・車両状態などを統合する新世代のAI基盤である。

    中核となるアーキテクチャ「SOFIA」は、知覚、思考・意思決定、表現、記憶・進化という四つの機能体系で構成される。

    さらにMaster Agentが利用者の要求を理解し、必要な機能やサービスを組み合わせて実行する仕組みを採用している。

    今回のCATARC認証は、こうした技術体系のうち、マルチモーダル認識、タスク計画・実行、記憶・適応という主要な方向性が、実際の車両を用いた評価の対象となったことを示している。

    もっとも、NX7にSOFIAの全機能が搭載されたと考えるのは正確ではない。

    科大訊飛は今回の協業について、星火スマートコックピット3.0を完成済みの一式として提供するのではなく、車両の商品特性や利用者の要求に合わせて必要な機能を組み合わせる方式を採用したと説明している。

    したがって、発表会で実演された機能のすべてがNX7で利用できるとは限らない。

    NX7に実装される具体的な機能、対象グレード、提供開始時期については、東風日産側の正式な商品説明を待つ必要がある。

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    東風日産が商品体験を設計、科大訊飛がAI基盤を提供

    今回の協業で重要なのは、両社の役割分担である。

    科大訊飛によると、東風日産はNX7の車両特性や顧客層に合わせて、スマートコックピットの機能構成を共同で決定した。

    東風日産がブランドとしての利用体験や安全性を担当し、科大訊飛はAIの基盤技術、開発ツール、技術サービス、継続的な改良能力を提供する。

    これは、AI企業が完成した車載システムを自動車メーカーへ一括納入する方式とは異なる。

    共通のAI技術を利用しながら、自動車メーカーごとに異なる機能や操作体験を実現することを目指している。

    科大訊飛は10月21日の発表会で、この方式を自動車メーカー向け事業の基本的な方向性として説明した。

    NX7は、その具体的な協業事例となる。

    中国市場では、スマートコックピットの機能が急速に高度化している。単に大規模モデルを搭載するだけでは、競合車との差別化が難しくなりつつある。

    どの機能を車両に組み込み、どのような場面で利用できるようにするかという商品設計が、実際の競争力を左右する。

    東風日産は科大訊飛のAI技術を利用しながら、NX7としての独自の利用体験を構築する方向を選択している。

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    10月26日、NX7の新たな車内空間を初公開

    AIシステムの認証発表から5日後の10月26日、東風日産は公式アカウントでNX7の「極光舒享座艙」を初公開した。

    今回の投稿は、車内空間を紹介する画像を中心とした短い告知であり、技術仕様の詳しい説明は含まれていない。

    公開画像では、助手席が大きく後方へ倒れ、乗員が足を伸ばしてくつろぐ様子が示されている。

    大型の車載ディスプレイ、広いガラスルーフ、室内を彩るアンビエント照明なども確認できる。

    東風日産はNX7を、若い世代を対象とする快適性重視のスマートSUVとして訴求している。

    今回の車内空間の公開も、こうした商品コンセプトに沿ったものである。

    ただし、公開画像だけでは、座席の調整範囲、リクライニング角度、マッサージ機能の有無、照明の制御方式などを確定することはできない。

    また、「極光舒享座艙」が独立した新技術の名称なのか、複数の快適性装備を組み合わせた商品上の呼称なのかについても、現時点では詳細が明らかになっていない。

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    10月20日から続く、NX7の商品情報公開

    今回の車内空間の発表は、単独で行われたものではない。

    東風日産は10月20日ごろからNX7の商品情報を段階的に公開している。

    10月21日には、科大訊飛との共同開発によるスマートコックピットの認証取得が発表された。

    10月24日には、NX7の外装色として、紫藤花、四葉草、黒、白、グレーの5色が紹介された。

    そして10月26日には、新たな車内空間が公開された。

    こうした流れから、東風日産がNX7の正式な商品展開に向け、デザイン、車内の快適性、AI機能などを順次訴求していることがうかがえる。

    ただし、科大訊飛による認証発表と東風日産による車内空間の公開が、あらかじめ一体の広報計画として調整されていたかどうかは確認できない。

    少なくとも、同じ車種について技術面と商品面の情報公開が近い時期に進んでいることは確かである。

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    急速に進む中国のCASE(Connected&Cabin,Autonomous,Shared&Service,Electric)やAIについての最新情報。2018年から1日1本以上のレポート配信。毎朝8:00日刊中国モビリティレポートと適時号外レポート

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