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中国のモーター磁石大手、ロボット関連売上が倍増――金力永磁、Embodied AI向けモーター部品の納入開始

    [メンバーシップ限定]中国の高性能永久磁石大手、金力永磁(JL MAG、300748.SZ/06680.HK)は2026年10月13日、同年第3四半期の業績予告を発表した。

    2026年1~9月の売上高は前年同期比約40%増加する見通しである。自動車・自動車部品分野が約40%増加したほか、ロボット・産業用サーボモーター分野は約100%増加した。

    さらに同社は、Embodied AIロボット向けモーター回転子製品について、小ロット納入を開始したことを明らかにした。

    注目されるのは、新エネルギー車(NEV)の駆動モーターなどを支えてきた中国の高性能磁石メーカーが、Embodied AIロボットの駆動部品にも供給領域を広げ始めたことである。

    ただし、売上高が倍増したのはロボットと産業用サーボモーターを合算した事業分野であり、Embodied AI向け単独の売上高や成長率が公表されたわけではない。

    1~9月純利益は最大55%増、売上高も約40%拡大

    金力永磁が公表した2026年1~9月の業績予告によると、親会社株主に帰属する純利益は7億3,500万~8億元となる見通しである。

    前年同期比では42.59~55.20%増に相当する。

    非経常損益を控除した純利益は6億5,900万~7億2,400万元、同53.22~68.33%増を見込む。

    第3四半期単独の親会社株主帰属純利益は2億7,276万~3億3,776万元で、前年同期比29.58~60.45%増となる見通しである。

    売上高については、1~9月累計で前年同期比約40%増加すると説明した。

    同社は今回、主要な事業分野についても成長率を明らかにしている。

    自動車・自動車部品分野の売上高は約40%増、ロボット・産業用サーボモーター分野は約100%増となった。

    ただし、今回の数字は未監査の業績予告であり、確定決算ではない。また、分野別の売上高実額や粗利益率は明らかにされていない。

    ロボット・産業用サーボモーター分野が約100%増

    今回の発表で最も注目されるのが、ロボット・産業用サーボモーター分野の成長である。

    同分野の1~9月売上高は、前年同期比で約2倍となった。

    金力永磁は、ネオジム鉄ホウ素(NdFeB)系の高性能永久磁石を主力とするメーカーである。

    高性能永久磁石は、電気エネルギーを機械的な運動へ変換するモーターの重要部品であり、NEVの駆動モーター、産業用サーボモーター、ロボットの関節駆動などに利用される。

    自動車の電動化によって需要が拡大してきた技術が、ロボット分野にも展開されている。

    ただし、今回の売上高100%増という数字には、従来型の産業用サーボモーター関連製品も含まれる。

    産業用サーボモーターは、工作機械、産業ロボット、自動化設備など幅広い用途で使用される。

    そのため、この成長率をそのままEmbodied AI市場の成長率と読み替えることはできない。

    重要なのは、既存の産業用モーター市場で事業を拡大しながら、新たにEmbodied AI向けの製品供給も始めているという点である。

    Embodied AI向けモーター回転子の小ロット納入を開始

    金力永磁は今回の業績予告で、Embodied AIロボット向けモーター回転子製品について、小ロット納入を実現したと明らかにした。

    モーター回転子(ローター)は、モーター内部で回転する部分である。

    高性能永久磁石を組み込んだ回転子は、モーターの出力、効率、応答性などに関係する重要な構成部品となる。

    Embodied AIロボットでは、関節や駆動機構を通じて実際の物理世界に働きかける必要がある。

    特に多数の関節を持つロボットでは、小型・軽量でありながら必要なトルクを発生させ、精密に動作を制御できるモーターが重要になる。

    こうした用途では、高性能永久磁石の材料技術だけでなく、回転子の設計や製造技術も製品性能を左右する。

    今回、金力永磁が明らかにしたのは、単にロボット向け磁石を研究開発しているという段階ではない。

    Embodied AI向けモーター回転子という具体的な製品について、実際の納入を開始したということである。

    ただし、小ロット納入は量産供給の確立を意味するものではない。

    納入数量、顧客企業、採用されたロボットの種類、量産開始時期、売上高などは公表されていない。

    現段階では、商用供給の初期段階に入ったことを確認できるにとどまる。

    永久磁石からモーター部品へ、供給領域が広がる

    今回の発表には、もう一つ重要な意味がある。

    金力永磁がEmbodied AI向けに供給を開始した製品は、永久磁石そのものではなく、モーター回転子である。

    永久磁石はモーターを構成する材料・部品の一つだが、回転子はそれらを組み込んだ、より完成品に近い部品である。

    つまり、同社は磁石材料の供給だけでなく、モーターの重要構成部品へと供給領域を広げている。

    これは、材料メーカーが顧客の製品開発や製造工程に、より深く関与する可能性を示している。

    もっとも、今回の公告だけで、同社がモーター全体の設計・製造を手掛けるようになったと判断することはできない。

    回転子の供給と、完成したモーターやロボット関節モジュールの供給は異なる。

    現時点で確認できるのは、Embodied AI向けモーター部品の供給が始まったという事実である。

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    急速に進む中国のCASE(Connected&Cabin,Autonomous,Shared&Service,Electric)やAIについての最新情報。2018年から1日1本以上のレポート配信。毎朝8:00日刊中国モビリティレポートと適時号外レポート

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