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Desay SV、英老舗Hi-Fi「Wharfedale」「QUAD」の車載音響ライセンス取得――IAGとスピーカーから空間オーディオまで共同開発

    [メンバーシップ限定]中国の車載電子機器大手Desay SV(徳賽西威)は、英国発祥の高級オーディオブランドを展開するInternational Audio Group(IAG、先歌国際)と戦略提携を締結した。Desay SVはIAG傘下の老舗Hi-Fiブランド「Wharfedale」と「QUAD」の車載音響システム向けライセンスを取得し、両社で高級車載オーディオの共同開発と世界市場への展開を進める。

    今回の提携は、単に有名オーディオブランドの名称を車載スピーカーに使用するものではない。IAGがスピーカーなどの音響ハードウェアを開発し、Desay SVが車載半導体、ドメインコントローラー、通信システム、音響アルゴリズムとの統合を担当する。

    さらに、スピーカーユニットから車室内の物理構造、空間オーディオ処理、乗員が実際に感じる音質までを一体として調整する共同開発体制を構築する。

    スマートコックピットの競争がディスプレーや車載AIだけでなく、音響体験の高度化にも広がるなか、Desay SVは車載音響システムを新たな事業領域として強化する。

    WharfedaleとQUAD、英国発祥の老舗ブランドを車載へ

    今回の戦略提携では、Desay SVのスマートコックピット事業部門責任者である陳鑫氏と、IAGの執行董事である聞雄偉氏が契約に署名した。

    提携の中心となるのは、IAGが展開する二つの英国発祥のオーディオブランドである。

    Wharfedaleは1932年創業のスピーカーブランドで、家庭用Hi-Fiスピーカーの分野で長い歴史を持つ。

    QUADは1936年創業の高級オーディオブランドで、アンプや静電型スピーカーなどの開発で知られる。

    いずれも家庭用オーディオの分野で培われたブランドであり、今回の提携によって車載音響市場への展開を進める。

    Desay SVは両ブランドについて、車載音響システム向けの専用ライセンスを取得した。

    ただし、発表ではライセンスの対象地域、契約期間、独占権の具体的な範囲は明らかにされていない。

    また、今回の提携によって両ブランドを搭載する具体的な車種が決定したわけではない。

    IAGが車載スピーカー、Desay SVがシステム統合を担当

    両社は、それぞれの技術的な強みを組み合わせて車載音響システムを開発する。

    IAGは、音響機器の研究開発、設計、製造、販売に関する事業基盤を活用し、車載用途に対応した高忠実度スピーカー製品群をDesay SV向けに開発する。

    家庭用オーディオとは異なり、車載スピーカーには温度変化、振動、長期間の使用など、自動車特有の環境に対応することが求められる。

    そのため、音質だけでなく、車載品質基準に適合した信頼性や量産性を確保する必要がある。

    一方、Desay SVはスマートコックピットのシステム開発とソフトウェア統合を担当する。

    具体的には、IAGの音響ハードウェアを車載半導体、ドメインコントローラー、車載通信システムと連携させ、完成車に搭載できる音響システムとして開発する。

    Desay SVは、ディスプレー、インフォテインメント、車載コンピューティングなどで蓄積した技術を、音響システムの統合にも活用する考えである。

    これにより、個別のスピーカーを供給するだけでなく、音響ハードウェアとソフトウェアを組み合わせたシステム全体を完成車メーカーに提供する。

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    スピーカーから人間の聴感まで、一体で音質を調整

    今回の提携で技術的に重要なのは、音響システムの共同調整をスピーカー単体に限定しないことである。

    両社は、Desay SVのコックピット向けアルゴリズム開発チームとIAGの欧州音響調整チームが連携し、四つの要素を一体として評価・調整する方針を示した。

    第一は、スピーカーユニットそのものの音響特性である。

    第二は、車体や車室内の物理構造である。

    第三は、空間オーディオを含む音響アルゴリズムである。

    第四は、乗員が実際に音を聴いたときの主観的な評価である。

    自動車の車室内は、家庭用オーディオのリスニングルームとは大きく異なる。

    限られた空間に複数の座席が配置され、ガラス、樹脂、金属、シートなど、音の反射や吸収に影響するさまざまな部材が存在する。

    さらに、運転席、助手席、後席ではスピーカーとの距離や位置関係が異なるため、同じ音響システムでも聴こえ方に差が生じる。

    こうした条件を考慮し、スピーカーの配置や特性、音響信号処理、車室内の構造を組み合わせて調整することが重要になる。

    今回の共同開発では、物理的な音響設計とソフトウェアによる音響処理を一体化し、車両ごとの音響体験を最適化する。

    ただし、座席ごとの独立音場制御など、個別の機能について具体的な製品仕様が発表されたわけではない。

     
     
    急速に進む中国のCASE(Connected&Cabin,Autonomous,Shared&Service,Electric)やAIについての最新情報。2018年から1日1本以上のレポート配信。毎朝8:00日刊中国モビリティレポートと適時号外レポート

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