
UISEE、自動運転の実車試験にAIエージェントを導入――問題分析を支援する「24時間の相棒」を社内開発
[メンバーシップ限定]中国の自動運転技術企業、馭勢科技(UISEE)が、自動運転システムの開発・検証業務にAIエージェントを活用していることが明らかになった。
2026年10月14日、UISEEは公式SNSで社員インタビュー動画を公開した。新卒採用に向けて社員の仕事や成長を紹介する内容だが、そのなかで、自動運転車両の実車試験における問題分析を支援する社内AIエージェントの開発事例が紹介された。
従来、実車試験で問題が発生すると、エンジニアは関連情報の整理、データ収集、原因の特定に多くの時間を費やしていた。
UISEEでは、こうした反復作業を支援するため、自社の業務を理解するシステム、あるいはAIエージェントの開発に取り組んでいる。
社員は、この仕組みをエンジニア一人ひとりにとっての「24時間オンラインの分析パートナー」と表現している。
自動運転AIを開発する企業が、その開発・検証プロセスにもAIを組み込み始めている事例として興味深い。
実車試験で発生する問題の分析に、多くの時間を費やしていた
自動運転システムの開発では、車両を実際に走行させ、さまざまな環境や状況でシステムがどのように動作するかを確認する。
試験中に想定外の動作や問題が発生した場合、エンジニアは何が起きたのか、どのような条件で発生したのか、その原因がどこにあるのかを調べる必要がある。
今回の動画に登場したUISEEの社員は、従来の実車試験について、問題が発生するたびに情報を整理し、データを収集し、原因を特定するまでに多くの時間が必要だったと説明した。
そこで社内で生まれたのが、こうした作業を支援する独自システムを構築できないかという発想だった。
単に一般的な質問へ回答するAIではなく、UISEEの実際の業務を理解し、エンジニアが日常的に繰り返している作業を支援する仕組みである。
社員は、社内業務を理解するシステム、あるいはエージェントを作り、反復的な作業を代わりに実行させたいと考えたと説明している。
ここでのAIの役割は、自動運転車両を直接操作することではない。
自動運転システムを開発・検証するエンジニアの作業を支援することである。
最初は一つの実際の問題から、徐々に適用範囲を拡大
UISEEの取り組みで注目されるのは、開発の進め方である。
動画によれば、最初からあらゆる実車試験の問題に対応する汎用システムを構築したわけではない。
まず、実際のプロジェクトで発生した一つの問題を対象に、システムの調整と改良を繰り返した。
その問題への対応を成立させた後、さらに別の実車試験の問題へと適用範囲を広げていったという。
社員は、この過程を、一つの問題を解決するところから、同じ種類の問題を解決できるようにしていく取り組みだと説明している。
これは、AIエージェントを現場へ導入する際の重要な考え方でもある。
最初から業務全体を自動化しようとするのではなく、実際に発生している問題を起点として機能を作り、現場での利用を通じて改善を重ねる。
UISEEの場合、その対象が自動運転の実車試験における問題分析だった。
ただし、今回の動画では、エージェントがどの程度まで自動的に原因を特定できるのか、どのようなデータへアクセスできるのかといった詳細は説明されていない。
実際の問題を対象に開発を進めていることは確認できるが、すべての問題分析が自動化されたわけではない。