
小馬智行、カザフスタンRobotaxi計画に参画――inDrive・NVIDIAと提携、極寒のアスタナでL4を検証へ
[メンバーシップ限定]中国の自動運転大手、小馬智行(pony.ai)は2026年10月23日、国際配車プラットフォームのinDrive、米NVIDIAと協力覚書を締結し、カザフスタンで自動運転レベル4(L4)タクシー(Robotaxi)の導入を検討すると発表した。
最初の対象都市は首都アスタナで、小馬智行にとって中央アジアへの初進出となる。
ただし、今回発表されたのは、運行開始ではなく技術導入と事業化に向けた協力である。実際の試験サービス開始には、政府との調整や安全性の検証などが必要となる。
注目されるのは、カザフスタン側ではすでにRobotaxi導入計画が進められていたことである。今回、小馬智行が新たな市場を開拓したというだけでなく、現地で準備が進む自動運転交通プロジェクトに、中国のL4技術が組み込まれる構図となった。
inDriveは2025年末に政府とRobotaxi導入で合意
カザフスタン政府の発表によると、同国のAI・デジタル発展省、運輸省、アスタナ市当局、inDriveは2025年末、2026年に首都でRobotaxiの試験事業を実施するための覚書を締結していた。
計画では、試験区域の整備と規制上の特例制度を活用し、自動運転車の安全性や道路インフラへの適応を検証する。
当初想定された走行ルートは、アスタナ国際空港から市内の商業施設Abu Dhabi Plazaまでである。
利用者はinDriveのアプリから車両を呼び出す構想で、空港には専用の乗車場所を設ける計画も示されている。
ただし、今回の小馬智行との提携によって、このルートに同社の車両が投入されると決定したわけではない。
カザフスタン政府は別途、Yandex Qazaqstanなどとも自動運転の実証準備を進めており、同国のRobotaxi導入計画は複数の事業者が関与する枠組みとなっている。
小馬智行が車両、inDriveが配車、NVIDIAが技術基盤
今回の3社の役割分担は明確である。
小馬智行は、第7世代RobotaxiとL4自動運転技術を提供する。
inDriveは、既存の配車プラットフォームと現地の運行管理、利用者向けサービスを担当する。
NVIDIAは、自動運転向けのセンサー・コンピューティング基盤であるHyperionと、安全性の開発・検証を支援するHalosを通じて協力する。
NVIDIAも10月22日の公式発表で、カザフスタンにおけるinDriveと小馬智行のRobotaxi協力を紹介した。
ただし、NVIDIAの発表では、現地での事業化可能性を評価する段階とされている。具体的な投入台数、運行開始日、運行範囲、料金体系は明らかになっていない。
極寒のアスタナ、冬季走行が重要な検証課題
今回の計画には、他の海外Robotaxi展開とは異なる特徴がある。
アスタナは冬季の寒さが厳しい都市として知られ、長期間にわたって積雪や路面凍結が発生する。
inDriveの創業者兼CEOであるArsen Tomsky氏も、今回の協力について、厳しい冬季環境への対応を検証する機会になると説明した。
雪に覆われた道路では、車線や道路境界の認識が難しくなるほか、センサーへの着雪、低温下での機器性能、凍結路面での車両制御などが課題となる。
小馬智行は中国の都市部でL4自動運転の運行経験を蓄積しているが、カザフスタンの気象条件への適応は別途検証する必要がある。
したがって、今回の発表をもって、同社の第7世代Robotaxiが極寒環境での完全無人商用運行を実証済みと評価することはできない。
欧州では安全員なしの乗客テストを開始
小馬智行の海外展開は、すでに複数地域に広がっている。
CHINA CASEが9月11日に報じたように、同社はクロアチアのVerneと協力し、首都ザグレブで第7世代Robotaxiによる安全員なしの乗客テストを開始した。
ザグレブでは、それ以前から安全員を乗せた運行が実施され、20万km以上の走行実績を積み重ねていた。
また、10月には英国のロンドン、マンチェスターに向けた展開計画も相次いで発表している。

