
零跑、欧州1020拠点・36カ国へ――Stellantis提携が「販売網」から販売実績・現地生産へ
[メンバーシップ限定]中国新興EVメーカーの零跑汽車(Leapmotor)が、Stellantisとの提携を使った海外展開を「販売網を作る」段階から、実際に販売台数とシェアを獲得し、さらに現地生産へ進める段階へ移し始めた。
零跑が2026年9月30日にまとめた9月の世界展開によると、欧州の販売・サービス拠点は1020カ所に達し、36カ国をカバーする。零跑は欧州大陸の80%をカバーしたとしている。
しかし、今回重要なのは1020という数字だけではない。
8月にはイタリアのBEV市場でシェア7%、スペインで6.5%を獲得。フランスでも販売を拡大した。欧州以外ではブラジルでC10が存在感を高め、マレーシアではB10とC10の現地組立体制が整った。
そして新型A10(海外名B03X)はスペインで欧州メディア向け試乗を実施し、欧州複数国での販売へ向かう。
中国でクルマを開発し、Stellantisの既存ネットワークを使って海外へ投入し、販売量を作り、必要な市場では現地生産する。
Stellantisと零跑が2023年に描いた独特の海外展開モデルが、ようやく一つのシステムとして見えるようになってきた。
Stellantisとの提携は「欧州へ行く近道」だった
零跑の海外展開が他の中国新興メーカーと大きく異なるのは、自前ですべてを構築しようとしていないことである。
中国で急成長した自動車メーカーが欧州へ進出しようとすれば、車両を輸出するだけでは足りない。
販売会社を設立し、ディーラーを開拓し、サービス拠点を整え、部品供給網を構築し、各国の認証や販売体制を整える必要がある。
そこで零跑が利用したのがStellantisである。
両社によるLeapmotor Internationalを通じ、Stellantisがすでに持つ世界的な販売・サービス網へ零跑を載せる。
当初から非常に合理的な構想だったが、本当に機能するかどうかは別問題だった。
既存ディーラーへ中国ブランドの看板を追加するだけでは、クルマは売れない。
2026年9月時点では、その次の段階が見え始めている。
欧州36カ国、販売・サービス拠点は1020カ所へ
零跑の今回の発表によると、欧州の販売・サービス拠点は1020カ所を突破した。
展開地域は36カ国に及び、西はアイスランド、東はブルガリア、さらにマルタまで広がった。
直近ではノルウェーやバルカン地域にも新たな拠点を開設し、2026年末までさらに増やすとしている。
零跑はこれによって欧州大陸の80%をカバーしたと説明する。
ここで重要なのは、単純な店舗数より展開速度である。
新興中国メーカーが36カ国へ個別に進出し、それぞれで販売・サービス網を一から構築しようとすれば、膨大な資金と時間が必要になる。
零跑はStellantisがすでに構築してきたインフラを利用することで、そのプロセスを大幅に短縮している。
Leapmotor Internationalの最大の資産は、海外へ輸出するクルマそのものだけではなく、Stellantisが長年かけて作った海外への入口なのである。