
地平線とボッシュが提携、奇瑞のADAS「ファルコン」で実装か
地平線(Horizon Robotics)と独ボッシュは2025年4月24日、先進運転支援システム(ADAS)分野での戦略的提携を正式に発表した。
両社は地平線の最新車載チップ「Journey 6」シリーズを基盤に、次世代多機能カメラおよび高性能ADAS制御モジュールの共同開発に着手。
すでに複数の自動車メーカーからプロジェクトの定点(採用)を獲得している。
共同開発製品
今回発表された製品のうち、特に注目されているのが、Journey 6Bをベースとした800万画素・水平120度の視野を持つ多機能カメラと、Journey 6E/Mに基づく演算能力80~128TOPSのADASアップグレードソリューションである。
これらはいずれも、2025~2026年にかけて量産化が予定されており、SAE L2+相当の高速道路・都市部の支援運転から記憶型自動駐車まで、幅広い高度運転支援機能に対応する構成となっている。
Cheryファルコンから?
この共同開発の成果が、最初に量産車で本格的に採用されると見られているのが、奇瑞(Chery)が発表した独自のADAS「ファルコン」である。
ファルコンは、Cheryグループ内のプレミアムブランド「星途(EXEED)」を中心に、今後展開される車両に搭載される予定で、2025年9月には最初の量産車への搭載が開始される見込み。
ファルコンは、地平線のHSD(Horizon Super Drive)技術をベースに、都市部での複雑な交通環境に対応する認知・計画・制御の三位一体型アーキテクチャを採用。
今回のボッシュとの共同開発によって、感知系(カメラ・レーダーなど)との統合も極めてスムーズに進むと予測されている。
特に、地平線とボッシュが共同で開発するセンサーレイヤーは、HSDと完全なチップ・ソフト互換性を持ち、車両における統合性と量産性の両立が実現可能となっている。
WeRideの両輪消失
Cheryとボッシュは、これまで文遠知行(WeRide)との技術協業を通じてADAS分野での製品展開を進めてきた経緯がある。
とくに、WeRideの「WePilot」はCheryの一部車種に搭載され、ボッシュとの連携を軸にしたADAS戦略の中心と位置づけられていた。
しかし、近年の地平線によるチップ・ソフト・センサーを一括提供する垂直統合型戦略と、ボッシュとの密接な技術開発の進展により、CheryのADASパートナー構造は明確に地平線主導へとシフトしつつある。
WeRideは今なおロボタクシー領域などに強みを持つが、量販OEM向けのADAS供給という観点では、今回の動きによって主力パートナーを地平線に奪われた格好となり、事実上そのポジションを失ったといえる。
地平線の存在感拡大?
今後、地平線・ボッシュ・Cheryの三者による連携は、ファルコンを皮切りに他ブランドにも拡大していく可能性が高い。
中国ADAS市場において“量産+高性能”を両立した現実的なソリューションとしての存在感をさらに高めていくだろう。
ファルコンが先駆けとなり、Journey 6ベースのセンサーと制御モジュールが実車で運用されることで、地平線のADAS技術は本格的に市場での信頼性を獲得する段階に入る可能性がある。
ボッシュにとっても、地平線との連携は、中国市場での再拡張を目指す戦略的足掛かりとなりそうだ。
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