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ボッシュ、ドイツ自動車事業6.25万人を独立子会社へ――2027年始動、アジア勢との競争で意思決定を迅速化

    [メンバーシップ限定]ドイツの自動車部品大手ボッシュは2026年10月22日、ドイツ国内の企業構造を再編し、自動車関連のMobility事業を独立した法人へ移管すると発表した。デジタル、グローバルビジネスサービス、不動産管理の3部門もそれぞれ法人化し、合計4社を新設する。いずれもボッシュ・グループが株式を100%保有する子会社となる。

    新会社は2027年8月1日に業務を開始する計画で、再編全体は同年末まで段階的に進める。ドイツ国内の従業員約6万2,500人とその雇用契約が新会社へ移管される予定であり、その大半をMobility事業が占める。

    今回の再編は、自動車事業の売却や上場を目的としたものではない。ボッシュは自動車関連事業をグループ内に維持しながら、事業ごとの経営責任と権限を明確にし、顧客への対応や意思決定を迅速化する。

    背景には、自動車産業の技術転換に加え、アジアの競合企業との競争激化がある。電動化、ソフトウェア、自動運転などの開発が複雑になる中、世界最大級の自動車部品メーカーであるボッシュも、従来の組織構造を見直す必要に迫られている。

    自動車事業を含む4つの独立法人を新設

    今回の再編では、ドイツのRobert Bosch GmbHが直接運営してきた事業の一部を、独立した法人へ移管する。

    対象となるのは、自動車関連のMobility事業と、グループ全体を支える3つの中央サービス部門である。

    • Mobility:自動車関連の製品・技術・サービス事業

    • デジタル部門:グループのデジタル関連サービス

    • グローバルビジネスサービス:グループ共通の業務支援

    • グローバル不動産部門:不動産関連の管理・サービス

    4社はそれぞれ独立した法人となるが、株式は引き続きボッシュ・グループが100%保有する。

    重要なのは、自動車事業を4つに分割するわけではないことである。

    Mobility事業は一つの独立法人として運営され、従来の内燃機関関連技術、電動駆動、車両制御、車載電子機器、ソフトウェア、運転支援などの幅広い事業領域を維持する。

    したがって、今回の変更は動力技術や製品分野ごとの事業分割ではなく、グループ内の法人構造と経営権限の再編である。

    ドイツ国内6万2,500人が移管、本社は戦略・研究開発に集中

    新会社への移管対象は、ドイツ国内の従業員約6万2,500人に上る。

    これらの従業員は、雇用契約とともに新法人へ移る予定である。対象者の大半はMobility事業に所属する。

    一方、Robert Bosch GmbHには、グループ本社機能、中央研究部門、先行研究開発などを残す。

    これらの機能には3,000人を超える従業員が関わる見通しである。

    再編後の本社は、グループ全体の戦略や研究開発の方向性を担う役割を強める。各事業会社は、顧客や市場の状況に応じた経営判断を、より自主的に行う体制となる。

    ボッシュの産業機器や消費財などの事業では、すでに子会社を通じた運営体制が採用されている。

    今回の再編によって、ドイツ国内のMobility事業と中央サービス部門にも、同様の法人構造を広げることになる。

    なお、約6万2,500人という数字はドイツ国内の移管対象者数であり、ボッシュの世界全体の自動車事業従業員数ではない。また、今回の発表は法人間の移管を説明したものであり、この人数の削減を発表したものではない。

    2023年から続くMobility再編の次の段階

    今回の法人再編を理解するには、ボッシュが2023年に発表した自動車事業の組織改革を振り返る必要がある。

    ボッシュは2023年、自動車関連事業をMobilityとして再編する方針を発表し、2024年初めから新体制を進めてきた。

    それまでの事業部門間の連携を見直し、ソフトウェア、半導体、車載コンピューターなど、複数の製品領域にまたがる技術開発を強化することが目的だった。

    Mobilityには独自の経営体制と事業責任を設け、製品ごとの技術力を維持しながら、システム全体として顧客に提供する能力を高めようとしてきた。

    2023~2024年の改革が主に自動車事業内部の組織と連携方法を見直すものだったのに対し、今回はMobilityとグループ本社との法人関係を変更する。

    つまり、ボッシュは段階的にMobilityの経営上の独立性を高めている。

    ただし、事業をグループ外へ切り離すのではなく、引き続きボッシュの研究開発基盤や他部門との連携を維持する方針である。

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    アジア勢との競争が組織改革を促す

    今回の発表では、アジアの競合企業との競争圧力が、組織改革の背景として示されている。

    中国を中心とするアジアの自動車産業では、新エネルギー車(NEV)の開発速度が上がり、車載ソフトウェア、電子電気アーキテクチャ、運転支援などの技術も急速に進化している。

    完成車メーカーは新型車の開発期間を短縮するとともに、ソフトウェアや電子制御の機能を継続的に更新する体制を整えている。

    こうした変化は、自動車部品メーカーにも新しい対応を求める。

    従来のように、個別部品の仕様を決めて開発・納入するだけではなく、複数の技術領域を組み合わせ、完成車メーカーの開発計画に合わせて迅速に調整する能力が重要になっている。

    ボッシュが今回重視するのは、事業部門の経営責任を明確にし、顧客への対応や意思決定を速めることである。

    また、事業ごとの投資判断や外部企業との提携を進めやすくする狙いもある。

    ただし、独立法人化によって開発期間が具体的にどれほど短縮されるか、あるいは中国市場での競争力がどの程度改善するかについて、数値目標は示されていない。

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    急速に進む中国のCASE(Connected&Cabin,Autonomous,Shared&Service,Electric)やAIについての最新情報。2018年から1日1本以上のレポート配信。毎朝8:00日刊中国モビリティレポートと適時号外レポート

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