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あの日、僕はイースに焦がれて、PCエンジンでの邂逅に胸振るわせたのです。

1986年当時、僕は純度100%のファミコンキッズでした。ファミコンでドルアーガの塔やハイドライドスペシャル、そして初代ドラゴンクエストを経験して、一端にロールプレイングゲームなるものを経験した気分になっていた青き勇者でした。

それに先んじて、僕はファミコンを通じて、ファミコン以外のゲームにもアンテナを張り巡らせるようになっていました。そのアンテナはマイコンBASICマガジン(ベーマガ)やBeepといったパソコンゲームを取り扱う総合誌にまで伸びていったんですね。海外のパソコンであるApple Ⅱの特集記事でウルティマやウィザードリィといったビデオゲームRPGの開祖を知り、ザナドゥや夢幻の心臓といった和製RPGに胸をときめかせていたあの頃。1984年から1985年にかけてのことでした。

PC8801mkⅡSRとの出会い

以前に書かせていただいたことがありますが、僕にとってパソコンは憧れであり、高嶺の花であり、いつか手に入れたいという夢でもありました。僕は1986年の夏に、生まれ育った関西から北海道に転校をしたのですが、新天地でできた中学校の友達のお父さんが、PC8801mkⅡSRというパソコンを持っていたんですね。友達の家に遊びに行く度に、しょっちゅう触らせてくれたのがパソコンゲーム体験の原点になっています。

純度100%のファミコンキッズにとって、PC88のゲームは異次元の興奮でした。その中でも突出していたのが、今も軌跡シリーズ等でヒット作を生み出している日本ファルコムのゲームの数々です。先に挙げたザナドゥはもちろんのこと、僕にとっては忘れじの名作「イース」の存在がそこにあったのです。

「優しさの時代」を開拓した名作

未だに最新作がコンスタントに発売されているイースシリーズ。記念すべき一作目のイースは、パソコンのPC88向けに1987年の6月にリリースされました。広告チラシに掲載されていたキャッチコピーを今でもはっきりと覚えています。それは「今、RPGは優しさの時代へ」。理不尽ともいえる難易度のゲーム(ロマンシアとか)が散見された当時のパソコン向けRPGにあって、「理不尽な難しさをなくして、諦めなければ誰でもクリアできる」という信念で制作された初代イースは、ユーザーフレンドリーを体現したゲームバランスになっていました。

翌年の1988年の4月には続編のイースⅡがリリースされます。オープニングのアニメーション(リリアの振り向き!)とそれに見事にシンクロした古代祐三さんのBGMにハートを鷲掴みにされた方は多いのではないでしょうか。かくいう僕もその一人なわけでして...。初代譲りのユーザーフレンドリーはそのままに、魅力的なキャラクターと物語に没入できる素晴らしいRPG体験でした。

高まる憧れと予期せぬ歓喜

まるで我がパソコンを語るように書いているわけですが、当時中学生の僕が高価すぎるPC88を購入できるわけもなく。遊びに行く度に、イースを堪能させてくれた友達とそのお父様、ありがとうございます!

そんなこんなで、パソコンを持たざる僕が、パソコンゲームのイースを名作ランクインしてしまったわけでございます。そして、いつか自分専用のパソコンを買って、日本ファルコムの素敵すぎるゲームに没頭するんだという気持ちが一層強くなったのでした。そんな折に、予想だにしない方向から最高のイース体験が舞い降りてくることになるのです。

PCエンジンCD-ROM²という新時代

それは1989年にPCエンジンCD-ROM²で発売されたイースⅠ・Ⅱでした。鳴り物入りでありつつ、その真価をまだ測りかねるリリース2年目のPCエンジンCD-ROM²。天外魔境ZIRIAという規格外のRPGが既にリリースされていましたが、まだまだソフトのラインナップが充実していなかった時期だったのです。

パソコンから家庭用ゲーム機に移植されたPCエンジンCD-ROM²版イースは、パソコン版を超えるくらいの魅力をしっかりと備えていました。初作と続編が1枚のCD-ROMにカップリングされていて、物語の繋がり的にも魅力的であったこと。アニメーションやBGMがリッチになり、それでいてパソコン版イースの素晴らしい雰囲気を継承していたこと。登場キャラクターに豪華声優陣によるボイスが吹き込まれたこと。大容量のCD-ROM²だからこそできたアレンジの数々は、新時代の到来を強烈に感じさせるものになっていました。

時代を超えて愛され続けるイース

こうして僕のゲーム史で最高の体験の一つになったPCエンジンCD-ROM²版イース。実はその後もファミコン版やセガマークⅢ版をプレイし、その移植の頑張り具合を感じました。今では2009年に発売されたPSP版のイースⅠ&Ⅱクロニクルがお気に入りになっています。物語やキャラクターの顛末を知っていても、定期的にプレイしたくなる魅力がイースⅠとⅡにはあるのです。

今ではニンテンドーSwitchでもPC88時代のイースシリーズが遊べる時代になりました。プロジェクトEGGさん、ありがとうございます! PCエンジンCD-ROM²版はPCエンジンミニに収録されて、HDMI接続で楽しむことができます。今や古典やレガシーと呼ぶべきイースⅠとⅡをまだ体験していない方は、是非とも手に取ってプレイしていただきたいと思います。

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