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2.Media / Streaming / Audio②Fox Corporationさん

C Space Studioに登壇したFox Corporationさんの広告営業、マーケティング、ブランドパートナーシップ担当社長ジェフ・コリンズさんが、進化する小売メディア分野と、商取引や消費者行動の変化に伴う成長の可能性について語っています。


コネクテッド・コマースが切り拓くブランド成長の未来

― Fox Corporationさんが示す2026年のメディア戦略

2026年のメディア環境を考えるとき、避けて通れないテーマがあります。それは「メディアの断片化」です。スマートフォン、SNS、ストリーミング、動画プラットフォームなど、消費者が接触するメディアは爆発的に増えました。その結果、私たちは高度なアルゴリズムによってパーソナライズされた快適な情報環境を手に入れた一方で、同時に「個々のデバイスの中に閉じ込められる」という新しい課題にも直面しています。

つまり、消費者は便利になった反面、それぞれのタイムラインの中で孤立しやすくなっているのです。
この状況の中でブランドにとって重要になるのは、「どうやって再び人と人の繋がりをつくるか」という視点だと思います。

そのヒントを示していたのが、Fox Corporationさんのメディア戦略です。

Foxさんは、ライブスポーツ、ニュース、エンターテインメント、そしてストリーミングという4つの領域を組み合わせることで、分断された視聴者をもう一度つなげようとしています。
特に興味深いのは、「リニアテレビ」と「ストリーミング」を対立構造で捉えていない点です。

一般的には「テレビ離れ」という言葉がよく使われますが、実際のデータを見ると少し違った姿が見えてきます。Foxのリニア放送では、コンテンツの約98%がライブで視聴されています。スポーツやニュースのように「今この瞬間」を共有する体験は、依然としてテレビが強いのです。

無料ストリーミングサービスの「Tubi(トゥビ)」

一方で、同社のストリーミングサービスであるTubiの視聴者の65%以上は、ケーブルテレビを解約した人(コードカッター)や、そもそも契約したことのない人(コードネバー)で構成されています。
FOXさんの戦略の中で、Tubiのビジネスモデルは、日本の各メディアが参考にした方が良いと思いますが、意外と話題にならないようです。
Tubiは、C Space Studio2025にも登壇していますので、以下ご参考ください。

ここから見えてくるのは、リニアとストリーミングが競合ではなく、むしろ補完関係にあるということです。
両方を組み合わせることで、従来のテレビでは届かなかったデジタルネイティブ層にまでリーチできる「インクリメンタルリーチ」が生まれます。広告主にとっては、これは非常に大きな意味を持つと思います。

もう一つ興味深かったのが、AIによるコンテキスト理解の進化です。
これまで広告業界では「ブランドセーフティ」が大きな課題でした。キーワードベースで広告掲載を制御する仕組みでは、例えばスポーツ記事の「shot」という単語を銃と誤認識してしまうなど、本来価値のある広告枠が排除されるケースも多くありました。

しかし現在は、AIが文章や動画全体の文脈を理解することで、単語ではなく「意味」で判断できるようになっています。FoxさんはMobianなどのパートナーと連携し、この文脈理解型の広告判断を標準化しています。

「ブランドセーフティ」から「ブランドスータビリティ」へ

その結果、単にリスクを避ける「ブランドセーフティ」から、ブランドとの相性を最大化する「ブランドスータビリティ」へと考え方が進化しています。広告は避けるものではなく、コンテンツの価値を高める形で配置される時代に入っているのです。

さらにFoxさんが力を入れているのが、クリエイターとのパートナーシップです。
スポーツやエンターテインメントのライブ放送は、一瞬の「モーメント」を生み出します。しかし、その瞬間をクリエイターがSNSや動画で再解釈することで、会話が広がり、コミュニティが形成されていきます。

つまり、放送が「点」だとすると、クリエイターはそれを「線」に変える役割を担っているのです。
特にTubiでは、クリエイターが新しい視聴者を呼び込む流通の鍵になっています。ブランドは単なる広告枠を買うのではなく、コミュニティの会話の一部として参加することができるようになります。

「コネクテッド・コマース」

この流れの中で注目されているのが「コネクテッド・コマース」という考え方です。
例えば料理番組のコンテンツに合わせて、関連する食品ブランドの広告を動的に表示する。視聴者の関心が高まっている瞬間に購買行動を促すことで、広告とコマースが自然につながります。

これはアルゴリズムによる孤立した消費とは対照的に、コミュニティの熱量を背景にした購買体験です。共有された情熱が、ブランドへの信頼とコンバージョンの両方を生み出していきます。

また、広告付きストリーミングの普及は、中小企業にとっても大きなチャンスになっています。これまでナショナルテレビ広告はコストが高く、中小企業には手の届きにくい領域でした。しかしデータ最適化を前提としたストリーミング広告は、比較的低予算からでも参入できます。

デジタルの精緻なターゲティングと、テレビの映像表現の迫力を組み合わせた「フルファネル型の広告」が、より多くの企業に開かれてきているのです。

この考え方は、日本のテレビ局や地方局にとっても非常に参考になるのではないでしょうか。深夜帯の実験的な番組やローカルコンテンツとデジタルを組み合わせれば、新しい広告モデルが生まれる可能性があります。

アルゴリズムによるパーソナライズが進む2026年。
その先にあるのは、孤立したメディア体験ではなく、「共有される熱狂」をどう作るかという問いだと思います。

ブランドがどの瞬間に参加し、どのコミュニティと繋がるのか。
その設計こそが、コネクテッド・コマース時代の成長戦略になるのではないでしょうか。私自身、テレビとデジタルの関係を考えるうえで、とても示唆の多い視点だと感じました。

皆さん、FOXのサイトって見に行かれたことありますか?

FOXさんのグループのブランドのご紹介

FOXさんは、昨年2025年の に、FOX Corporationさん , President of Advertising Sales, Marketing & Brand Partnerships ジェフ・コリンズさんが登壇されていますので、以下ご参考まで。