スカルラッティ「ソナタ ハ短調 K.11」で分かるマリヤ・グリンベルグの凄さ
作曲者:ショスタコーヴィチ
曲名 :人形の舞曲 第7曲
作曲者:スカルラッティ
曲名 :ソナタ ハ短調 K11
演奏者:マリヤ・グリンベルグ
他の人の演奏を聴いてからグリンベルグを聴くと、その絶対的なリズムの安定感と音の揃い方に驚く。滅多に他の演奏者でグリンベルグほどのリズムを感じることはないのだ。
グリンベルグのリズムがどうとんでもないのかを分かりやすくするために2曲用意してみた。
1曲目はリズムがわかりやすい曲にして、2曲目でその演奏技術でスカルラッティを弾くとどうなるかがわかるようにしてみた。
ショスタコーヴィチ:Dances of the Dolls: No. 7, Dance
スカルラッティ:Sonata in C Minor, K. 11, L. 352
1曲目でグリンベルグのリズムと音の特徴を知ることで、
2曲目がどう凄いのかが分かりやすくなったのではないだろうか。
私が知ってる中でもここまでなのはリヒテルくらいだろう。
リヒテルも凄さがわかりにくいタイプだから同じ系統だと思う。
グリンベルグのこの独特なリズムは鋭くはないのに、まるで鉄の靴で踏んだかのようにしっかりとリズムを踏みしめる。そこにはもちろんメトロノームの匂いなど一切しない。ほんのわずかに違う足跡だとわかるだけなのだ。
グリンベルグは不遇の時代にピアノを演奏できなくて、オーケストラの
ティンパニ奏者をやっていた時代がある。そこで打楽器奏者として絶対的なリズムと異様に揃った音の置き方を学んだのではないだろうか。
グリンベルグを知るとリヒテルやケンプの偉大さもわかるようになってきたし二人が似ているタイプだと判断できるようにもなってきた。
私の耳はグリンベルグで鍛えられた。今でも細かいところは考えながら聴かないと判断がつかない程度だけども、グリンベルグの凄さは今でも大きくなるばかりで、この人は一体なんだろうという思いが強いピアニストだ。
