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【地方創生 第15弾】天候不良を「充電」に変える。泡盛班が直面した現実の壁と、突きつけられた「組織の分断」

◆ 美しい決断の先に待っていた、容赦なき自然の洗礼

泡盛、キャンプ、ハーブ。南城市の誇る魅力的な地域資源が並ぶカオスの中で、彼らは「琉球の稲作発祥の地」という唯一無二の歴史と、在来種「ハネジアカフ」を守るストーリーを主軸に据えた。

「120%大正解」の、美しい決断だった。塾生としての覚悟を示したのが、泡盛班だ。

しかし、理想のストーリーを社会に実装しようとする彼らの前に立ちはだかったのは、甘いビジネスの教科書ではなく、沖縄の容赦ない自然の洗礼だった。

毎週のように接近する台風と、天候不良。予定していた実地作業や田植え体験会は思うように進まず、現地に十分に入れないまま、時間だけが過ぎていく。

限られたタイムラインの中で、メンバーの間に焦りや戸惑いの色が滲み始めるのは、至極当然のことだった。


◆ 立ち止まらない、ビジネスパーソン

普通なら、足止めを食らって停滞する局面だ。

しかし泡盛班が見せたのは、驚くべき泥臭いフットワークと、高度なリスクマネジメントだった。

彼らはただ天候の回復を待つことをやめ、1つのルートに依存するリスクを避けるべく、自発的に「3つのルート」を並行して開拓する決断を下した。

ルート①:垣花樋川

焦らず、まずは木曜日のクレソン開拓や草刈りに「お手伝い」として泥まみれで参加し、地道に関係性を深める。

ルート②:田んぼの生産者

9月20日の「アグリハート田植え体験会」に、メンバー自身が体験者として飛び込み、イベントの料金設定や集客・運営ノウハウを視察する。

ルート③:仲村渠稲作会

「お米を作る・売るだけで終わらない展開」を模索する地域に対し、自分たちが温めてきたキャンプ場での地産地消BBQや、泡盛とのシナジー案を、「一緒により良い南城市を創るためのアイデア」として逆プレゼンを仕掛ける。

さらに彼らの視線は、12月の本番だけでなく、11月15日開催の「南城市祭り」1への出展という、目先の実証実験にも向けられていた。

単なる活動紹介の展示にとどまらず、「古代米おにぎりの試食・配布」を通じて、来場者の認知を広げる仕掛けを用意する。

無料配布であっても、衛生管理や保健所への臨時出店手続きが必要になるという実務の壁に対し、9月中に最初の問い合わせを済ませようとする、先手必勝の逞しさを見せている。


◆ 講師から突きつけられた劇薬。「チームを3つに引き裂け」

しかし、10月14日の「プラン前半(1〜5章)合格」締め切りまで、残りわずか1ヶ月。

ここからプランの本格的な執筆が始まるタイミングで、彼らは「イベント準備」と「現地での関係構築」を同時に走らせる、過酷な複合期へと突入する。

お利口な大人の話し合いを続けていては、この荒波は乗り越えられない。

ここで私は、彼らに一つの劇薬を突きつけた。

「全員がすべての作業に首を突っ込むな。決定が遅れ、この最も忙しい時期を乗り切れなくなる。チームを完全に3つに分割せよ」

チームA(プラン執筆担当):地域の課題、魅力、コンセプトの文章化とフィードバック修正に特化する。

チームB(祭り・イベント担当):南城市祭り出展に向けた保健所連絡や備品調整、試食用の古代米調達などの実務手続きを主導する。

チームC(関係構築担当):各農家との密な連絡、田植え体験への参加調整、現地開拓のお手伝いを徹底する。

「全員で集まって、全員で決める」という安心感を、あえて引き裂く。

それぞれが自分の持ち場で責任を果たし、進捗はグループLINEで短く共有し合う運営方法へと移行する。

これは、本物のプロジェクトマネージャーへと脱皮するための試練の始まりだった。


毎週の悪天候は、立ち止まるための言い訳ではなかった。

彼らの大義やストーリーを、より深く研ぎ澄ますための、最高に贅沢な充電期間だったのだ。

自然の洗礼に揉まれ、講師からの厳しい現実を突きつけられた泡盛班。

この壁を乗り越えた先、8人の個性が完全にパラレルで回り始めたとき、そのシナジーがどこまでの爆発力を生むのか、まだ誰にも分からない。

9月11日、プラン前半の作成期間が、いよいよ本格始動する。

泡盛班の、大人としての本当の戦いは、ここからだ。

その姿を、私も楽しみに見届けたいと思います。

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