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【地方創生 番外編⑩】「暗黒寺」の爆笑から学ぶAI時代の盲点と、人生を自力で動かす「ライフスキル」の本質


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◆ ロッカールームから、ピッチの支配者へ

「一番下を取ったのだから、あとは上がるだけ」

前回の【第11弾本編】で、要注意の問題児だったシーサー班は、大逆転のダッシュを見せてくれた。

そして今、彼らの活動報告を読んだ私は、確信した。

彼らは、機能期(Performing)に完全に突入している。

歴史の背骨としての「綾門大道(あやじょうみち)」の確立。下り基調への、しなやかな軌道修正。実務レベルの解像度が、恐ろしいほど高まっている。

かつてのロッカールームの住人が、今やピッチを支配し始めていた。


◆ 「暗黒寺」の悲劇。AI時代の落とし穴

だが、その議事録の中に、一つの見過ごせないパワーワードが混じっていた。

「暗黒寺(あんこくじ)」

私は、思わず二度見した。

地域に深く根ざした、由緒正しいお寺の名前は「安国寺」だ。それが、なぜか恐怖の寺院に変わっていた。

種を明かせば、これは議事録担当者がAIを活用して作成した際の、確認漏れだった。

なぜ、このターゲット層が、首里のこの通りに来るのか。

研修だからこそ、面白い自虐ネタとして、今は笑い飛ばせる。

しかし、これが実際のビジネスシーンだったらどうだろうか。那覇市役所、美ら島財団、そして住職ご本人との交渉が、この一文字の確認漏れで、一発で破綻するレベルの致命傷になり得る。

提出前のダブルチェック。

当たり前のことだ。しかし、AIが下書きを作ってくれる時代だからこそ、この当たり前を絶対に怠ってはならない。プロフェッショナリズムの詰めとは、こういう小さな一点に宿る。


◆ 美しい主観を、データで裏付ける

シーサー班が設計した、もう一つの物語がある。

「サイスタート(再スタートの入り口)」というペルソナだ。

人生の転機に葛藤を抱えた若年層や、新婚カップル。彼らが首里のサンゴ染めで癒やされ、人力車に揺られながら涙を流し、再出発を図る。

美しいストーリーだ。私は素直に評価している。

しかし、これを地域活性プランに落とし込む段階になると、話は変わってくる。

このままでは「美しい主観」、いわば空中戦にすぎないと、審査員に突っ込まれてしまう。

SNSの検索行動データ、観光消費調査データ。ほんの少しでいい、その裏付けを補強してほしい。

幸い、シーサー班には最強の布陣がある。那覇市役所の観光関係部署に勤める人材と、IT企業で働くメンバーだ。彼らが持つデータへのアクセス力を、ここでフルに発揮してほしい。


◆ ビジネスを超えた、「ライフスキル」の本質

シーサー班のライフスキルは、前回の車庫確保の交渉だけでは終わらなかった。

目的を果たすために、自分たちが持つあらゆる手札を総動員し、知恵を出し合う。あの時に磨いた姿勢が、今、より大きな舞台で試されようとしている。

近年、地域との連携を強化しているという「沖縄美ら島財団」。
そしてロータリークラブへの突撃。

車庫一つを確保する交渉から、県の外郭組織や社会奉仕団体を動かす交渉へ。彼らの手札は、確実にレベルアップしている。

ネットを使ってヒントや答えを「見つける」だけでは、決して得られない経験がある。自分たちの知恵と行動で、目の前の現実を動かせるんだ。

その痺れるような成功体験を、この研修を通じて学んでほしい。


◆ 次なるラスボスへ

いよいよ9月4日、ロータリークラブ例会への、1枚の特製ビジュアルチラシを携えて提案へ向かう。

「暗黒」から「安国」へ。

彼らが自らの手で、未来への動線を紡ぎ出していく物語を、これからも全力で楽しんで、伴走していきたい。


シーサー班が次に持ち帰ってくるのは、笑い話だろうか、それとも新しい突破口だろうか。

まだ、誰にも分からない。

その答えを、私も楽しみに見届けたいと思います。

本日もお読みいただきありがとうございます。

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