今日だけならいいか、が積み重なる理由 ― 脳の癖と暮らしている④ ―
ソファに座った瞬間、すべてが終わった気がした
夜、家のことがひと通り終わって、
ソファに腰を下ろす。
今日はよくやった。
洗濯もしたし、夕飯も作った。
子どもの話も聞いた。
本当は、
あとで少しやろうと思っていたことがあった。
でも、その瞬間に浮かぶ言葉は、だいたい決まっている。
「今日はもういいか」
「今日だけなら、いいよね」
「今日だけ」は、いつも静かにやってくる
誰かに止められるわけでもない。
強い誘惑があるわけでもない。
ただ、
少し疲れているとき。
もう十分やった気がするとき。
「明日でも困らない」
「今日じゃなくてもいい」
そうやって、
とても自然に選ばれる。
罪悪感は、ほとんどない。
一日一日は、何も問題がない
今日だけ休む。
今日だけ後回しにする。
それ自体は、
何も悪くない。
むしろ、
大人として妥当な判断に見える。
無理をしない。
自分を追い込まない。
ちゃんと休む。
どれも正しい。
でも、あるとき気づく
気づいたら、
同じ場所にずっといる。
やろうと思っていたことは、
まだやっていない。
始めていないから、
失敗もしていない。
でも、進んでもいない。
一日一日は問題がないのに、
積み重なると、
「何も起きていない時間」だけが増えている。
私は、意志が弱いのだろうか
ここで、
自分を疑いたくなる。
我慢が足りないのか。
自制心がないのか。
結局、楽な方を選んでいるだけなのか。
でも、
そう思えば思うほど、
ますます動きづらくなる。
「今日だけ」は、怠けじゃない気がする
最近は、
少し違う見方をするようになった。
「今日だけならいいか」と思うのは、
サボっているというより、
今の自分を守ろうとしている感覚に近い。
疲れているときに、
無理をしない選択。
その判断自体は、
間違っていない。
ここからは、
なぜ私たちは「今の楽」を、
こんなにも自然に選んでしまうのか
そして、
それとどう付き合っているか
について書いています。
この連載は、
「正しく生きる方法」を書くものではありません。
脳の癖を直すのではなく、
責めずに暮らすための視点を残しています。
目先の「楽」は、とても強い
今の安心。
今の楽。
今の「もう頑張らなくていい」という感覚。
それは、
遠い未来の安心より、
ずっと分かりやすい。
明日の自分のことより、
今の自分の疲れのほうが、
はっきり見えているからだと思う。
疲れているときほど、「今」を選びやすい
一日中、
判断して、
気を遣って、
考え続けたあと。
夜になって、
さらに「未来のための行動」を選ぶのは、
思っている以上に負担が大きい。
だから、
今が楽なほうを選ぶ。
それは、
意志の問題というより、
自然な流れに近い。
「今日だけ」が必要な日も、確かにある
休んだほうがいい日もある。
何もしないほうがいい日もある。
「今日だけ」を選ぶことで、
生活が保たれている日も、
確実にある。
だから、
「今日だけ」を全部なくそうとは思わない。
問題は、「全部を今日だけにしてしまうこと」
少しずつ、
全部が「今日だけ」になると、
気づかないうちに、
何も動かない状態が続いてしまう。
それは、
怠けているからではない。
ただ、
今を大事にしすぎて、
未来に手を伸ばす余白がなくなっているだけだ。
私がしている、小さな切り替え
だから私は、
大きなことをやろうとはしない。
今日は、5分だけ。
今日は、ここまで。
やる日もあれば、
やらない日もある。
「今日はやらない」と
決める日もある。
全部を頑張らない代わりに、
全部を先延ばしにもしない。
その中間を、
探している。
「今日だけ」と、うまく暮らす
「今日だけならいいか」は、
敵じゃない。
ちゃんと付き合えば、
自分を守ってくれる感覚でもある。
私は今日も、
その感覚と相談しながら暮らしている。
今日のアロマオイル
今日は、クラリセージを選びました。
一日中、
決めて、選んで、判断して。
夜になってソファに座った瞬間、
もうこれ以上、何も決めたくなくなる日があります。
クラリセージは、
「頑張ろう」とも
「ちゃんとしよう」とも言いません。
ただ、
今日一日で使い切った思考を、
そっとほどいてくれる香りです。
「今日はもういいか」と思う自分も、
「それでも、このままではいたくない」と思う自分も、
どちらも否定しない。
クラリセージを嗅ぐと、
今すぐ何かを始めなくても、
全部を今日だけにしない余白が
まだ残っていることに気づきます。
ソファから立ち上がらなくてもいい。
でも、
今日をここで終わらせるかどうかは、
明日の自分に、静かに預けられる。
そんな距離感の香りです。
#40代主婦 #エッセイ #生き方 #脳の癖と暮らしている #途中経過の話 #今日だけならいいか #頑張りすぎない #自分を責めない
ここまで読んだあとに、
もう少しだけ言葉のそばにいたいときのために、
続きの置き場所を残しておきます。
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別の場所にある、少し近い話
この連載を、少し整えて一冊にしました。
続きを読むような気持ちで、置いておきます。
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