夏の疲れが抜けない日は、水より先に見るところがあります
こんにちは、パーソナルトレーナーのリクです。
「追い込む」のではなく「一緒に整える」を大切に、運動が苦手な方の体づくりに寄り添っています。
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お盆が明けて、いつもの生活がもどってきましたね。
そして、こんなふうに感じている方がとても多い時期でもあります。
水はちゃんと飲んでいるのに、朝から体が重い。頭がぼんやりして、はっきりしない。夜中にふと目が覚めて、そのあと寝つけない。
「水分はしっかりとってください」と、この夏いちばん言われてきた言葉だと思います。それを守ってきた方ほど、「こんなに飲んでいるのに、なんで」と感じていらっしゃるかもしれません。
今日は、その「なんで」のところをお話しさせてください。足りていないのは、水の量ではないことがあります。
体に入る水の、半分以上は飲みものではありません

まず、意外に知られていないことから。
わたしたちの体に入ってくる水は、飲みものだけではありません。学んだ資料に、1日の水の出入りの目安が載っていました。
入ってくる側
飲みもの … 約1,200mL
食べもの … 約1,000mL
体の中で作られる水 … 約300mL
出ていく側
おしっこ … 約1,400mL
汗 … 約700mL
息 … 約300mL
便 … 約100mL
合わせると、どちらも1日2,500mLくらいです。
ここで見ていただきたいのが、入ってくる側の内訳です。飲みものは1,200mL。残りの1,300mLは、食べものと、体の中で作られる水から来ています。
つまり、体に入る水の半分以上は、コップから入っていないんですね。
そして、夏に何が起きていたか。
そうめん、冷やし中華、アイス、菓子パン。食欲がないから一食抜く。そういう日が続くと、食べものから入っていた1,000mLのほうが、静かに減っていきます。
飲む量は変えていないのに、合計は減っている。「2リットル飲んでいるのに、体がだるい」の正体は、ここにあることがあります。
▶ この夏の「なんとなくだるい」は、暑さのせいだけじゃないかもしれません
夏に食卓が軽くなっていく話は、この記事で書きました。今日はその続きで、軽くなった食卓は、水の量にも効いているという話です。
水だけを足すと、体は「出そう」と働きます

もうひとつ、あまり語られないことがあります。
体の中の水は、ただの水ではありません。塩気(ナトリウム)が溶けた、うすい塩水のような状態で保たれています。この濃さを、体はいつも一定に保とうとしています。
ここに、水だけがどんどん入ってくるとどうなるか。
濃さが薄まりますよね。すると体は「濃さを戻さなければ」と考えて、入ってきた水のほうを外に出します。 塩気は手放したくないので、水を出すほうを選ぶんです。
それでも足りないと、今度は塩気を取り戻すためのホルモンが出てきます。そしてこのホルモンには、もうひとつ働きがあります。体を「活動モード」に切りかえるスイッチ(交感神経)を、押してしまうことです。
夜、休みたい時間にこのスイッチが入ると、どうなるか。
夜中に、目が覚めます。
資料には、このスイッチが入るきっかけとして、こんなものが並んでいました。
塩分を減らしすぎている
夜中に、たくさん汗をかいている
ビールをたくさん飲んでいる
水を飲みすぎている
いちばん下を見てください。体にいいと思ってやっていたことが、そのまま並んでいます。
夜中に目が覚める理由として、以前カフェインやお酒、夕食の時間の話を書きました。そこに、もうひとつ足すとしたらこれです。「思い当たるものがなかった」という方は、水と塩気のバランスを見てみてください。
薄まりすぎたときに、体が出すサイン
ここが少しややこしいところです。
体の中の塩気が薄まりすぎたとき、体はこんなサインを出すと言われています。
だるさ、力が入らない感じ
頭痛、吐き気
ふらつき
むくみ
口の中の乾き、そしてのどの渇き
いちばん下を、もう一度見てください。
水が足りないときと、同じ顔をしています。
だから「渇いた気がする → もっと水を飲む → もっと薄まる」という輪ができてしまうことがあるんですね。まじめに水を飲んできた方ほど、この輪に入りやすいのだと思います。
ここで一言だけ、はっきりお伝えしておきますね。頭痛や吐き気、ふらつきが強いとき、くり返し起きているときは、食べ方を工夫する前に一度お医者さんに診てもらってください。 今日の話はあくまで、日々の食べ方と飲み方の範囲のものです。
「水を控えましょう」の話ではありません
念のため、ここも書いておきますね。
▶ 夏のむくみで、いちばん見落とされているのは「食べる量」です
以前この記事で、水を控えるとかえってため込むことがあるという話をしました。今日の話と逆に見えるかもしれませんが、そうではありません。
言いたいことは、控えるでも増やすでもなく、「水だけ」で数えるのをやめませんか、ということです。
水を減らすのも、水だけをひたすら足すのも、どちらもうまくいきにくい。大事なのは量ではなくて、一緒に何が入っているかのほうなんです。
お酒の日は、入るより出るほうが多くなります
お盆にお酒の席が続いた方も多いと思うので、ここも少しだけ。
お酒には、強い利尿作用があります。体に「水をためておいて」と伝えるホルモンの働きを、おさえてしまうからです。資料には、1gのアルコールに対して4gの水が出ていく可能性がある、と書かれていました。
「ビールで水分補給」にはならない、ということですね。しかも、さっきの「夜中に目が覚める」きっかけにも、ビールの飲みすぎが入っていました。
やめましょう、という話ではありません。飲む日は、となりに水かお茶を一杯置いておく。 それだけで、ずいぶん違います。
「何リットル」より、確かめ方があります

では、結局どれくらい飲めばいいのか。
正直にお伝えすると、全員に当てはまる数字はありません。 資料にもはっきりそう書かれていました。必要な量は、汗をかく量・食べているものの水分・体の大きさで、人によって違うからです。
そのうえで、資料に載っていた確かめ方を2つ紹介しますね。
1つめは、おしっこの色を見ることです。
「1日に何リットル」を数えるより、こちらのほうが現実的だと書かれていました。濃い色が続いているなら足りていないサイン、うすい色が続いているなら足りています。数えなくていいので、いちばん続けやすい方法だと思います。
2つめは、目安の計算です。
数字がほしい方のために書いておきます。25歳から54歳くらいの方で、体重1kgあたり35mLが1日の目安。体重が60kgの方なら、60×35で約2,100mLです。ここに、汗をかいた分を足していきます。
ただ、これも「目安」です。資料には、「のどが渇いたときに、欲しい量だけ飲む」ほうが、過不足が減ることもあるとも書かれていました。数字を守ることより、自分の体の合図を聞くほうが上手くいく、ということですね。
飲み方については、1時間に100mLくらいをこまめに、という目安が挙げられていました。一気にたくさん飲むと、さっきの「薄まる」が起きやすくなります。少しずつ、が体にはやさしいです。
今日からできる、小さな一歩

ぜんぶやらなくて大丈夫です。ひとつだけ選んでみてください。
1. 一杯を、汁ものにかえてみる
今日飲む水のうち、一杯だけをお味噌汁やスープにしてみてください。水と塩気とミネラルが、一度に入ります。 暑い日に温かいものは意外に思われるかもしれませんが、冷えた胃腸にはこちらのほうがやさしいです。
具は何でも大丈夫です。わかめ、豆腐、なめこ、冷蔵庫にある野菜。夜でもかまいません。
2. 食べものから、水を入れる
食べものから入る1,000mLのほうを、少し戻してあげる方法です。
きゅうり、トマト、なす、すいか、桃、ぶどう。夏のものは、ほとんどが水を多く含んでいます。冷ややっこ、そうめんに具を足す、果物をひとつ。「飲む」ではなく「食べる」で水を入れる、という考え方です。
▶ 栄養の計算は、しなくて大丈夫です。そろえるのは、お皿の数だけ
汁ものが一杯そえてある形は、この記事の「お皿の数」ともそのままつながります。
3. 一気に飲まず、こまめに
ペットボトルを一気に空にするより、少しずつ。それだけで、体は受け取りやすくなります。
4. 汗をたくさんかいた日は、水と一緒に塩気も
汗をかく量が多い日は、必要な塩気の量も増える、と資料にありました。運動をした日、外にいた時間が長かった日、寝汗をたくさんかいた日。そういう日は、水だけで戻そうとしないでくださいね。
梅干しひとつ、お味噌汁一杯、塩気のあるスープ。特別なものを買わなくて大丈夫です。
5. お酒の日は、となりに水を
一杯ごとに、水かお茶を一口。これだけで、翌朝がずいぶん違います。
6. お塩を、自然のものに置きかえてみる
これは、余裕のある方だけで大丈夫です。
同じ「塩」でも、作り方によって中身がずいぶん違います。資料にあった比較では、精製された食卓塩に含まれるマグネシウムが100gあたり110mgなのに対して、海水から時間をかけて作られたお塩は1,530mgでした。14倍近い差です。
毎日ちょっとずつ使うものなので、置きかえておくと、塩気と一緒にミネラルも入ってきます。ただ、これは最後の一歩でいいと思います。1から5のほうが、ずっと効きます。
気になることがあるときは
ここは、はっきり書かせてください。
次のような方は、塩気を増やす前に必ず主治医の先生に相談してください。
血圧のお薬を飲んでいる方
心臓・腎臓に不安がある、または指摘されたことがある方
むくみが強く出やすい方
資料にも、こうした場合は減塩が必要なことがある、とはっきり書かれていました。今日の話は、健康診断で特に何も言われていない方に向けた、ふだんの食べ方の話です。
また、こういうときも、迷わず受診してください。
頭痛・吐き気・強いふらつきがくり返し起きている
意識がぼんやりする感じがある
どれだけ寝ても、疲れがまったく取れない
食べ方の工夫だけでは追いつかないことも、ちゃんとあります。ここは遠慮しなくていいところです。
さいごに
「水を2リットル飲む」は、たぶんこの夏いちばんがんばった習慣ですよね。
それ自体は、まちがっていません。ただ、水は「量」だけでは体に入りきらないというだけの話です。一緒に入るものがあって、はじめて体の中にとどまってくれます。
だから今日おすすめしたいのは、飲む量を増やすことでも、減らすことでもありません。 今日飲む一杯のうち、一杯だけを汁ものにしてみる。冷蔵庫のきゅうりを一本、食卓に出してみる。そのくらいの、小さな置きかえです。
数える暮らしから、確かめる暮らしへ。おしっこの色をちらっと見るだけで、もう十分です。
夏の疲れは、涼しくなったころに遅れて出てくることがあります。この時期にほんの少し整えておくことは、秋の自分を助ける準備でもあります。
自分のペースで、一緒に整えていきましょうね🙂
今日お話しした「水と塩気のバランス」も、じつは人によって出方がちがいます。
「私はどこから手をつければいいんだろう?」が気になったら、3分の〈栄養タイプ診断〉から。
あなたに合う整え方のヒントと、そのまま相談できる入口も用意しています。
