見出し画像

お腹の中は、にぎやかなほうがうまくいきます

こんにちは、パーソナルトレーナーのリクです。

「追い込む」のではなく「一緒に整える」を大切に、運動が苦手な方の体づくりに寄り添っています。

▶ 活動内容・サービスの詳細は公式ページへ → https://rlabolife.com/

「毎朝、ヨーグルトを食べています」

「納豆も、ほとんど毎日です」

お話を聞かせていただくと、みなさん本当にきちんと続けていらっしゃいます。忙しい朝に、それを毎日というのは、それだけでもうすごいことです。

ただ、そのあとに、こう続くことがあります。

「……でも、お腹の調子は、正直あまり変わらないんです」

がんばっているのに手ごたえがないと、だんだん「わたしには効かないのかも」と思えてきますよね。そして、ヨーグルトを変えてみたり、新しい乳酸菌の飲みものを試してみたり。それでもピンとこないまま、なんとなく続けている。

この気持ち、すごくよく分かります。

じつはここには、続きの話があります。お腹の調子を左右しているのは、「何を毎日続けているか」よりも、「どれだけいろんな種類が入っているか」のほうだと言われているんです。

今日はその「種類」の話を、できるだけやさしくさせてください。

続かないのでも、足りないのでもありませんでした

前に、夏のあいだ、お腹はずっとがんばっていましたという記事で、お腹には「菌そのもの」と「菌のごはん」の2つが要る、というお話をしました。

  • 菌そのもの — 納豆、ヨーグルト、味噌、ぬか漬け、キムチなどの発酵食品

  • 菌のごはん — 野菜、海藻、きのこ、豆、いも、果物などの食物繊維

ヨーグルトだけを食べていても変わりにくいのは、菌は来たけれど、その子たちの食べるものがないからでした。

そして今日の話は、その2つを、もうちゃんと入れている方に向けたものです。

毎朝ヨーグルト、毎日納豆、お味噌汁にわかめ。ここまでできているのに変わらないとしたら、足りないのは量ではありません。入っているものが、いつも同じ、というだけのことが多いんです。

お腹の中に、「これが正解」という並びはありません


まず、少し驚く数字から。

わたしたちのお腹の中には、およそ3万種類、100兆から1000兆個の菌がすんでいると言われています。全部合わせると1.5〜2kgくらい。ちょっとした荷物と同じ重さのものを、みんな体の中に持って歩いているんですね。

ここで大事なことがひとつあります。

「この菌がこれくらい」という、理想の並びは決まっていません。

わたしが読んでいる資料にも、はっきりこう書かれていました。腸内細菌のバランスは一人ひとりで大きく違っていて、食事や暮らし方、年齢によっても変わる。だから、理想的なバランスというものは一概には言えない、と。

つまり、あなたのお腹と、わたしのお腹と、ご家族のお腹は、それぞれ中身が違います。だから「これさえ食べれば全員が整う」という食べものも、じつは存在しません。

そしてもうひとつ。

善玉菌が多ければいい、という話でもないそうです。

特定の菌だけがどんどん増えると、その分だけ、ほかの菌の割合は減ります。にぎやかだった場所に、声の大きい人がひとりだけ残るようなイメージでしょうか。数は増えても、種類は減っている

そこで目安になるのが、「いろんな種類が、ほどよく混ざっていること」です。むずかしい言葉では多様性と言いますが、この記事では「にぎやかさ」と呼ばせてください。そのほうが、たぶん近い感じがします。

にぎやかさが減ると、静かに困ることが増えます

腸の中の菌たちは、ただ住んでいるだけではありません。分かっているだけでも、こんな仕事をしてくれています。

  • 免疫のバランスを整える — 体を守るしくみに、日々合図を出しています

  • 体に必要なものをつくる — ビタミンの一部や、体内で使われる材料をつくります

  • よそから来たものが住みつきにくくする — 場所も食べものも先に埋まっているので、割り込みにくくなります

  • 脳とやりとりする — 腸と脳は神経やホルモンでつながっていて、おたがいに影響し合っています

この4つとも、種類がそろっているほど成り立ちやすい仕事です。とくに3つめは、席がうまっているからこそ、という話ですよね。

種類が減った状態は、いろいろな不調と関係していると報告されています。ただ、ここは「だから病気になります」と脅かす話ではありません。「にぎやかさが減ると、体がふんばりにくくなる」くらいに受け取っていただけたらと思います。

菌のごはんが届くと、お腹の中で短い脂肪酸がつくられます


もう少しだけ、中で起きていることをお話しさせてください。ここが分かると、「なぜ種類なのか」がすっと入ります。

野菜や海藻、きのこ、豆、いもに入っている食物繊維や、玉ねぎやバナナに入っているオリゴ糖は、胃や小腸では消化されません。 栄養として吸収されないまま、大腸まで届きます。

そこで待っているのが、菌たちです。

菌はそれを食べて(発酵させて)、短鎖脂肪酸というものをつくります。名前はむずかしいのですが、はたらきはとても身近です。

  • 大腸そのもののエネルギー源になります — 腸は、菌がつくったもので動いています

  • お通じの調子に関わります — 便秘にも、ゆるいお腹にも関係すると言われています

  • 食欲が落ち着きやすくなります — 食後に出るホルモンを通して、満足感にも関わります

つまり、菌のごはんを食べているのは菌ですが、その見返りを受け取っているのは、わたしたちのほうなんですね。

ここで種類の話に戻ります。菌にも好みがあって、食べるものが菌ごとに違います。 海藻が好きな菌、豆が好きな菌、いもが好きな菌。だから食卓にいつも同じものしか出てこないと、そこにいる菌ばかりが元気になって、ほかの菌はおとなしくなってしまいます。

「いろんな種類を」というのは、そういうことです。

この夏、にぎやかさはどうしても減りやすかったです

責める話ではないので、安心して読んでくださいね。

暑い日が続くと、食卓はどうしても似てきます。そうめん、冷やし中華、パンとアイスコーヒー、コンビニのおにぎり。食欲がない日に、これで済ませられるのは、むしろ生活の知恵だと思います。

ただ、こういう日が続くと、植物性の食べものの"種類"が、静かに減っていきます。

資料には、こんな報告が並んでいました。

  • 脂肪の多い食事と、食物繊維の少ない食事は、腸内細菌の種類を減らす方向に働く

  • 植物性の食べものをよく食べている人ほど、種類が多い。反対に、動物性に寄ると減りやすい

夏のあいだ、野菜・海藻・きのこ・豆・いも。このあたりが食卓から抜けていた方は、きっと多いはずです。わたし自身も、7月の後半はそうめんばかりの週がありました。

繊維そのものが足りているかどうかは、野菜は食べているのに、食物繊維が足りない理由のほうに書きました。今日はその先の、同じ繊維でも、いろんな種類を回すという話です。

これは意志の弱さではなく、暑さの中でなんとか毎日を回した結果です。だからこそ、涼しくなってくるこれからが、いちばん戻しやすい時期でもあります。

増やすのではなく、「日替わり」にするだけです


ここからが今日の本題です。

にぎやかさを取り戻すのに、品数を増やす必要はありません。いつもの1品を、別のものに変えるだけで十分です。

1. 発酵食品を、日替わりにする

毎朝ヨーグルトを食べている方は、そのうち2日を、納豆やお味噌汁、ぬか漬け、キムチに変えてみてください。全部そろえなくていいですし、買い足さなくても、冷蔵庫にあるもので回せます。

「ヨーグルトをやめる」ではありません。同じ枠の中で、順番に回すだけです。

2. 菌のごはんも、日替わりにする

お味噌汁の具を、わかめ→きのこ→大根→さつまいも、と週の中で変える。納豆に乗せるものを、ねぎ→オクラ→めかぶ、と変える。これだけで、届く食べものの種類はぐっと増えます。

3. 買いものかごの中の色を、1色だけ増やす

数えるのは大変なので、いちばん簡単な目安を。かごの中を見て、足りない色をひとつだけ足してみてください。 緑ばかりならオレンジ(にんじん・かぼちゃ)、白ばかりなら茶色(きのこ・海藻)。

色が違うということは、たいてい中身も違います。むずかしい栄養の名前を覚えなくても、色でだいたい足りるんです。

歩くことも、にぎやかさを増やしてくれます

これはトレーナーとして、少しうれしかった話です。

体を動かしている人は、腸内細菌の種類が多いという報告があります。運動の習慣がある方と、座っている時間が長い方を比べた研究がいくつもあって、しかも体重に関係なく、そういう傾向が見られたそうです。

とはいえ、走ってくださいという話ではありません。夕方に15分歩く、エレベーターをやめてみる、その程度で大丈夫です。

食べものだけでなく、体を動かすこともお腹の中に届いている。そう思うと、散歩がちょっと楽しくなりませんか。

今日からできる、小さな一歩


ぜんぶやらなくて大丈夫です。できそうなものを、ひとつだけ選んでみてくださいね。

1. 今週は、発酵食品を「2種類」にする

毎日ヨーグルトなら、そのうち2日だけ納豆やお味噌汁に。3種類でも4種類でもなく、まず2種類から。

2. お味噌汁の具を、先週と変える

いちばん手間がかからない場所です。わかめの週の次は、きのこの週。それだけで、届くものが変わります。

3. 夕方に、15分だけ歩く

涼しくなってきた時間に、少しだけ。お腹の中の話でもあり、気持ちの切り替えにもなります。

お腹が張ったら、少しペースを落としてください

ひとつだけ、気をつけていただきたいことがあります。

菌のごはん(食物繊維やオリゴ糖)を急にたくさん増やすと、お腹が張ったり、ガスが増えたりすることがあります。 これは資料にもはっきり書かれていて、量が多いときや、初めて食べるものだったときに起きやすいそうです。

体に合っていないのではなく、発酵が急に進んだサインであることが多いです。ですから、そういうときは量を半分に戻して、しばらく様子を見てください。ゆっくり増やせば、落ち着いてくることがほとんどです。

「良さそうだから一気に」は、お腹にかぎってはうまくいきません。少しずつ、種類だけ広げる。 これがいちばん失敗しにくいやり方です。

こういうときは、がまんせずに相談を

お腹の不調の多くは、この時期の食べ方と生活で説明がつきます。ただ、そうでないこともあります。

  • 便に血が混じる、黒っぽい便が続く

  • 急に体重が減ってきた

  • 強い痛みがある、熱をともなう

  • 夜、痛みで目が覚める

  • 便の形や回数が、ここ数週間はっきり変わったまま戻らない

こういうときは、体のほうから何かサインが出ていることがあります。ひとりで判断せず、内科や消化器内科で一度みてもらってくださいね。ここは、遠慮しなくていいところです。

さいごに

毎朝のヨーグルトも、毎日の納豆も、まちがっていません。それは、ちゃんと積み上がっています。

ただ、お腹の中は「同じものをどれだけ長く続けたか」より、「どれだけいろんなものが通ったか」を覚えている場所なのだと思います。

だから今日おすすめしたいのは、増やすことでも、やめることでもありません。いつもの1品を、別のものに変えてみる。 明日の朝は納豆にする。今晩のお味噌汁は、わかめじゃなくてきのこにする。それくらいの、小さな入れ替えです。

ひとつのものを完璧に続けるより、いろんなものが少しずつ通っていくほうが、お腹はきっと機嫌がいいです。にぎやかな食卓が、そのままにぎやかなお腹になります。

夏のあいだ静かになっていた分は、これから少しずつ戻していけば大丈夫です。自分のペースで、一緒に整えていきましょうね🙂


今日お話しした「お腹の中のにぎやかさ」も、じつは人によって出方がちがいます。

「私はどこから手をつければいいんだろう?」が気になったら、3分の〈栄養タイプ診断〉から。

あなたに合う整え方のヒントと、そのまま相談できる入口も用意しています。

いいなと思ったら応援しよう!