【アナログ・レコードについて】(最終回:オリジナル盤編) text by MASH
全5回を掛けてお届けして来た『アナログ・レコード連載』も、いよいよ本日がラストだ!前回は『レコード・コレクションのすすめ』を書かせて頂いたが、ソチラをお読み頂いた上で、今回の最終回をお読み下されば分かり易いであろう。
今回は中・上級者向け『オリジナル盤』について!である。この『オリジナル盤』と云う言葉、実は解釈は人によりマチマチである。多くはレーベルタイプとレコード番号によりオリジナル盤と再発盤を分けており、レコード店などではここをポイントにし『オリジナル盤』と表記して売り出している。
レコード番号の変化は一番大きな違いなので分かり易いのだが、番号が同じで微妙なレーベル・デザインが変わるという物は見分け辛いので、注意が必要である。『USアトランティック盤』を例に取ろう。


人気の『USアトランティック盤』ではレーベル・デザインが同じである為、非常に見分け辛いのだが、下部の文字が微妙に違う部分がある。73年後半発売までの作品、そのオリジナル盤では『Broadway』住所がオリジナルであり、それ以降の『Rockefeller』住所は74年以降の発売盤である。
とりあえず今回は名盤の多い『USアトランティック盤』について記したが、レコード会社の数は無限であり、レーベルの種類によって無数にデザイン違いレーベルが存在しているのは言うまでもあるまい。コツコツとお勉強が必要である。
また、最近では「レーベル・デザインが変わってもマト番号が同じ物なら買い!」と、発掘に勤しむ・・・そんな音重視の『準オリジナル族』が増えてきたと云う。個人的に言えば「これは良いこと」であると思う。
私の研究ではオリジナル・レーベルよりも切れ変わった後発レーベルの方がマトが若い盤さえ存在した例もあり、「必ずしもレーベル・デザインのみでオリジナル盤を決めるべきではない!」ともある意味では思えるからである。まあ、これは主にUS盤のお話しであり、UK盤や国内盤などではシッカリとマト順に切られているわけなので、別話となるのだが・・・。
さて、大きく『オリジナル盤』という枠でお話ししたが、ミュージシャンによりそのレコード自体のオリジナル盤も変わると云えるので、少し記しておこう。
例えばビートルズやストーンズ、キンクス、フーなどイギリス(UK)のバンドであり、録音もUKとなれば「当然60年代に出されたオリジナル盤はUK盤」である。彼らは皆『UKのレコード会社と契約をしていた』ので当然と言える。しかし、ストーンズなら『Sticky Fingers』以降アメリカの会社と契約をし、ツェッペリンは最初からアメリカの会社『アトランティック』と契約をしている。そうなると「US、UK、どちらがマスターを保有しているのか?」という点には注意が必要である。まあ結局は「聴いて気持ち良く感じる方を手元に残せば良い」というお話なのだが・・・(笑)。
最後に「レコード1枚に掛けられる金額は?」などとマニア間で話す時があるのだが、実に個人個人マチマチである。2026年春現在、キンクスの『Something Else』(UKモノ盤)は平均すると5万円はするだろうし、ストーンズの『Beggars Banquet』(UKモノ盤)もそんなもんである。ビートルズの『Please Please Me』(UKステレオ盤)は100万オーバーで推移中と来ている!
人は『オリジナル盤』と簡単に言うが、その本当のところは高額な出費により「何かを得ようとする」そんな『リスナーの熱さ』から支えられた物なのであり、「アナログ・レコードこそがデジタル以上のサウンドである!」。そう物語るエピソードであろう。
この様に記し、本日は筆を置くこととしよう。
アディオス、アミーゴ!!
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