マネーフォワードは、農業に対応していなかった
こんにちは。
今日は、マネーフォワード(会計ソフト)が、農業に対応していなかった話について、書いてみようと思います。
先日、正式に脱サラして個人事業主となり、マネーフォワードで開業届を提出しました。
その後、経費の仕訳を始めたところで気づきました。
「農業簿記の勘定科目がない!」
正直、かなり焦りました。
でも、結果的にはマネーフォワードで問題なく処理できそうでしたので、その話を紹介していきたいと思います。
きっかけ:補助科目を決めようとした
まず、きっかけは一番初めの経費処理。
Amazonで購入した、防虫ネットを仕訳しようとしていました。
勘定項目は、デフォルトで「消耗品費」となっていました。
でも、これだと粗すぎると思い、独自の補助科目を追加で設定しようとしていました。
例えば、防虫ネットも堆肥も同じ「消耗品費」で仕訳すると、あとから区別ができません。
なので、Power BIでの分析を見据えて、補助科目を設定(例えば、資材費と肥料費など)するつもりでした。
そんな時、ふと、「農業簿記」の存在を思い出しました。
違和感:農業簿記には専用の勘定科目があるらしい
農業簿記の存在自体は、知ってはいました。
私が取得した日商簿記とは異なり、農業には専用の簿記があるらしい、というのは聞いたことがありました。
気になったので調べてみることに。
すると、一般的な「消耗品費」では括れない、農業特有の勘定科目があることが分かりました。
例えば、以下のようなものです。
種苗費
肥料費
農薬衛生費
諸材料費、等々
なるほど、補助科目なんて設定しなくても、最初から勘定科目がしっかり分類されていたんですね。
「これは使える」
と思うと同時に、
「マネーフォワードに入ってなくないか?!」
と気づきました。
AIに聞いてみると、「業種区分が農業になっているか確認してください」とのこと。
設定を確認してみましたが、そもそも業種区分に「農業」はありませんでした。
サプライズ:会計ソフトが対応していなかった
公式サポートページを確認してみると、衝撃の事実が発覚。
マネーフォワードは、「青色申告決算書(農業所得用)」の作成に対応していない。
「会計ソフトを使えば安心」という前提そのものが崩れた瞬間でした。
不動産所得用は対応しているのに、なぜ農業所得用だけが非対応なんでしょうか。
まぁ、対応してないものはしょうがないですね。
じゃあどうするか:2つの発見
さて、いったん落ち着いて、ここからどうするか考えました。
最終目標は、マネーフォワードで農業簿記を行い、農業所得用の青色申告を済ませることです。(紙ではなく、電子申告が目標)
結果的に、この目標は達成できそうな見通しがつきました。
ポイントとなった点を紹介していきます。
発見①:勘定科目は自由に追加可能
まずは、農業簿記への対応です。
マネーフォワードの設定を調べていくと、勘定項目自体は自由に追加できそうでした。
つまり、農業簿記用の勘定科目を追加してしまえば終わりです。
最初、手作業で一つずつ追加していこうと思いましたが、10個以上あるのでかなり面倒。
実は、マネーフォワードにいい機能がありました。
勘定科目の、CSVインポート・エクスポートです。

これはかなり助かりました。
まず、既存の設定をエクスポートします。
そのCSVファイルをAIに投げ、農業簿記用の勘定科目を追加してもらいました。
更新したCSVを、今度はインポートすれば完了です。
便利な時代になりましたね。
さて、これで勘定科目は設定できました。
なので、日々の仕訳・記帳はこのままマネーフォワードでOKです。
困るのは「最終的な決算書の様式」だけです。
発見②:インストール型e-Taxソフトで別途作成可能
調べると、マネーフォワードで対応していない決算書は、e-Taxソフトで作成できることが分かりました。
国税庁純正のe-Taxソフトは、無料でインストールできそうでした。
ただし、macOSは非対応とのこと。
自分はWindowsなので良かったです。
このソフトに、マネーフォワード側のデータをXTX出力して統合できるみたいです。
つまり、マネーフォワード側で作れるもの(農業以外の不動産所得など)は転送し、作れないものはe-Taxソフト内で別途作る、ということみたいです。
年明けの確定申告の時に初めて試すことになりそうですが、何とかできそうな感じです。
完全自動ではないかもしれませんが、申告の時にひと手間加えれば、電子申告できそうなことが分かりました。
余談:freeeに乗り換えるべきだったのか
実は、freeeは2018年から農業所得に正式対応していた、ということも調べて分かりました。
「じゃあ乗り換えれば良かったのでは」と一瞬思いました。
でも、以下の観点で冷静に考え直してみました。
乗り換えコスト:データ移行、UIの再学習、年度途中での分断
ランニングコスト
マネーフォワード:1,280~2,980円/月
freee:1,780~2,980円/月(※)
作業コスト:手動で決算書作成が発生するのは、年1回だけ
※freeeで農業所得用の確定申告書類を作成するには、2,980円/月のプランが必要。
ちなみに、今はマネーフォワードの最安プラン(1,280円/月、年払いだと900円/月)を使っています。
仮にfreeeに乗り換えるとなると、農業用の申請をするためだけに、支払いが倍以上になる計算です。
さらに調べていくと、freeeにも以下の制約があることが分かりました。
農業所得用の決算書は、電子申告できない(直接提出か郵送が必要)
農業以外の事業所得がある場合は、対応不可(例えば、noteでも収入が発生した場合など)
というわけで、費用・使い勝手を総合的に比べると、今のままマネーフォワードで進める方が合理的だと判断しました。
また、元々マネーフォワードを選んだのは、簿記の知識を活かせるUI設計(伝統的な仕訳形式)に惹かれたからでした。
なので、「農業対応してないから即乗り換え」ではなく、「自分の簿記知識を活かせるUIかどうか」も判断のポイントでした。
申請作業がどれくらい大変なのかについては、確定申告の時期にまた検証したいと思います。
以上、今日は、マネーフォワードが、農業に対応していなかった話について書いてみました。
ではまた。
